■ エクササイズ・ウォーキングのフォーム

●エクササイズ・ウォーキング

いろいろな新聞、雑誌およびサイトなどを読みますと、

「エクササイズ・ウォーキング」とは、
「ひじを曲げて腕を前後に振り、普通より広い歩幅で速く歩き、呼吸を活発に行う有酸素運動の助けを得て、脂肪の燃焼を図りつつ、心肺能力を向上させる」
もの、とされているようです。「速歩」とも、呼ばれます。

また、
・「ウエート・コントロール」(ダイエット)目的、と
・「筋力・持久力の強化」目的
では、ウォーキング・フォームが相違する、という考えもあるようです。

両者とも、
「ひじを曲げて、腕を前後に振り、速く歩く」
という点では共通していますが、 前者が、
「会話が出来る程度の呼吸の速度で、長距離を2時間程度?かけて歩く」
と考えるのに対して、 後者は、
「息がはっきりと聞こえて、できる限り速く歩く、短距離的=大体30〜60分位まで?」
のウォーキングとされており、fujiyanは後者を
「スピーディーなウォーキング」
と呼んでいます。

この両者のウォーキング・フォームの違いは、
後者が、「腰の前後の回転を意識的に上げることにより、更にスピードを上げる」
いわゆる「競歩」的?なもののようです。
しかしながら、両者とも「脂肪の燃焼」という点では、効率的とされており、両者を併せて「エクササイズ・ウォーキング」と呼んでいるようです。

以下、この両者の歩き方を「エクササイズ・ウォーキングのフォーム」として、ご紹介させていただきます。


●ウォーキング・フォームのイメージ

首、背中 背中を伸ばして、その線に頭がのるイメージ。視線は、遠くをみると首が伸びます。
地面に対し上下動しないような感覚で。速度があがると、腰が前後に回転します。
ひじをほぼ直角にし、軽く握りこぶしを作る。
腕の振り 体の前で交差させるいわゆる「八の字」にならないように。最初は、腕を体の両側に平行に前後に大きく振る。歩く速度が上がって来るにつれて、腕の振りが小さくなり、体のやや内側に入ってくる。
着地と足首 いわゆる「足のまねき」です。
「かかとで着地」→
「かかとから足裏全体で地面を捉える」→
「全部の足指で、地面をグリップし踏み出す」
ということですが、足首を前後にストレッチしているイメージで行えば良いと思います。「かかとで着地」を意識しすぎると、うまく歩けません。
歩幅 歩幅は大きく、ということですが、通常歩く幅より、やや広く、で良いと思います。
呼吸 活発に。「吸って、吸って、吐いて、吐いて」のリズム。


新聞、雑誌、サイトの中には、歩幅を広げることを非常に強調している向きもあるようですが、極端に気にしすぎる必要は無いのではないかと思っています。歩きが不自然になり、体を痛めてしまいます。
Reebok社の"Guidebook-The Walker's Guidebook to Fitness"によると、歩幅はあまり気にする必要は無く、ひじを曲げて腕を振れば自然と広がってくる、とし、また速度を非常に高めた「競歩的」な場合には、まったく気にしない、としています。ただウォーキングを始めて日が浅く、日頃歩きなれていない場合は、ある程度意識する必要があるのかな、と思っています。



●お勧めのウォーキング・フォーム練習ステップ

○第一段階:足首より先の動き

背中を伸ばして、首・頭がその線に乗る様にします。まだ、腕の振りは意識しません。
いわゆる「足のまねき」=
「かかとで着地」→
「足裏全部で地面を捕らえる」→
「足の全部の指で地面を掴んで、踏み出す」
ことを意識します。速度を上げる必要はありません。これだけで、歩幅が広がるはずですが、広がらない方は、意識して広げてみてください。

fujiyanの経験からのポイントは、

「足の指全部で踏み出すこと」です。

(親指・人差し指が、他の指よりも前方にあるわけですから、実際には、全部で踏み出せません。イメージとして捉えてください。)

これが、足指の付け根に、「まめ」が出来るの防ぎます。「まめ」のできる場所は、人によって違うとは思いますが、速度を上げた歩きをすると、踏み出した時に一番負担を掛けている足指の付け根(fujiyanの場合、親指と人差し指の間)に、「まめ」が出来てしまう場合が多いようです。「足の指全部で踏み出す」ことにより、足指全部に均等に負担を掛けるようすることにより、まめの発生が相当減り始め、ここ一年は出来たことがありません。

また、「足の指全部で踏み出す」ことにより、歩きの軸が足裏の中心に移り、足全体での着地を促します。これにより、第二段階以降で、速度を上げていく時に、足首、膝、腰への衝撃が少なくなります。(とは言え、足裏は真平らではありませんので、完全に中心とはいきません。)

「遊歩紀行」さんは、正しい歩き方−足裏の体重移動、を詳細に述べておられます。「かかと→小指→親指」の順番で体重がかかっていくことだそうです。その分析にはまったくもって納得させらます。また、多くのウォーキング関連のガイドは、「足を踏み出す時は、足の中指からまっすぐ踏み出せ」と述べています。確かに、その通りだと思います。でも、fujiyanの経験から言うと、スピードをあげている時、重心の移動の順番とか、どの指から踏み出せとか、考えている暇がありません(笑)。 少なくとも、足の親指と小指が地面を捉えたことを、確認すればいいのではないかと、思います。

fujiyanは、ウォーキングの際、まず最初の5分程度、この<第一段階>を確認することにしています。ウォームアップでもありますし、足首のストレッチも兼ねています。


○第二段階:腕の振りを加える

軽く握りこぶしを作り、ひじをほぼ直角に曲げ、前後に大きく振りながら歩きます。この段階では、まだ速度が上がっていません。

肩のライン、腰が地面に対して、なるべく上下動しない。

腕の振りを加えた分、さらに歩幅が広がっているはずです。しかし、あまり広がっていないようでしたら、意識的に広げます。


○第三段階:スピードを上げる。

腕の振りですが、ゆっくりのペースの時には、体に沿うように前後に振り、スピードが上がってくるに連れてやや体の内側に入ってくるのが良いのではないでしょうか。スピードが上がってくると、体に沿って前後に振っていると、腕の振りが足のリズムに間に合いません。

「足のまねき」を使っていることを再度チェック。肩、腰のラインがなるべく上下動しないように。


○第四段階:腰の動きを意識する

既に第三段階でスピードを上げるに連れて自然と、踏み出す足の側の腰を出すことを繰り返して、腰を前後に回転させる、競歩の選手が行っている(と思うのですが?)、お尻を振るフォームに、近づいているはずです。この腰の回転する動きを、意識的に強く行うと速度が上がります

また、後足と前足が、同一の線上に乗るように歩くことにより、さらに効率良く速度を上げます。これは、道路の白線などを利用して練習しました。しかし、ふらふらしてしまいますので、車にはいつも以上にご注意を。

fujiyanは、30分から1時間程度の、短距離的にスピードを上げた歩きには、腰の回転を意識的に強くしますが、数時間程度のウォーキングでは、あまり意識しないようにして,歩きの使い分けをしています。

fujiyanは、競歩の選手ほど、(恥ずかしいので?(笑))、力強くできません。リズムが合わず、腕、足、腰がバラバラになってしまうこともしばしばです.。しかし、短距離的ウォークの場合は、意識して回転させるようにしています。
これにより、従前と同じスピードで歩いているつもりでも、息が一層弾んできます。結果を測ってみても、速度が上がっています。足の踏み出しに加えて、腰の力が加わるためでしょう。腕の振りを、やや「八の字」気味にしてリズムをあわせるようにしています。この歩き方の時には、歩幅の意識はまったくありません。歩幅を意識する余裕もありません(笑)。


●「踏み出す」と「蹴り出す」

ウォーキング関連のメディアは、足の運びについて、「踏み出す」「蹴り出す」という二つの表現をしています。チョット聞いただけでは、同じように思えますが、fujiyanは違うのではないかと思っています。fujiyanは、「踏み出す」ことにしています

「蹴り出す」というと、地面を蹴って前方へと進むことでしょうね。生真面目に解釈すると、地面を「キック」していくことを繰り返していくことで、三段跳びの最初の2つ、ホップ・ステップを、ずっと続けて行なう感じになるのではないでしょうか(笑)。「蹴る」というのは、一種の独立した動作ですから、「歩く」という連続動作の表現としては、ミス・リードになるのではないか、と思っていて、好きではありません。

(実は、エクササイズ・ウォーキングを始めたばかり、と見受けられたご婦人が、自動車がノッキングしているみたいに、ギクシャクと前方に移動している?のを見かけたことがあるんです(笑)。その時は、「何をやっているんだろう?」と思いましたが、今から考えると、おそらく連続して「蹴り出し」ておられたんでしょうね。)

前方に「踏み出」していき、太股からふくらはぎまでの筋肉、特にひざ裏の筋肉を伸ばしつつ歩く、というのが、fujiyanのイメージです。


● 背中を伸ばす

fujiyanは、当初スピードを相当あげたウォーキングをしてしばらくしたら、腰の辺りがだるくなる違和感を感じました。そこで、背中を伸ばして軸を作っていることを意識したところ、体の上下動など余計な動きが無くなり、速度が楽にあがるようになりました。

特に、傾斜を歩く場合、上りでも下りでも背中を伸ばして歩くと歩くリズムが崩れませんし、また腰、ひざなどへの衝撃が和らいだように思いました。傾斜を歩く場合には、地面に対して垂直だ、とか、いや重力に対して...など色々なコメントを見かけますが、fujiyanは、背中を伸ばすことをいつも以上に意識して歩けば、地面も重力も考えなくてよいのではないかと思っています。


● 速度

ウォーキング関連の雑誌、サイト等は、速度より、心拍数、呼吸の荒さの程度、を優先させてウォーキングを考えるべきであるとしています。
(心拍数からのアプローチとしては、KURASHI WEBさんをご紹介します。)
しかしながら目安として、分速100M・時速6KM程度を推奨しているようです。fujiyan自身の実績は、地図上の距離を歩いた時間で割ってしてみますと、10KMを超える距離では時速6.5KM、それより短いコースでは、7KM強というところでした。

上述のように、fujiyanは、2時間程度のウォーキングを時速6.5KM程度とし、30分から1時間程度のウォーキングを短距離的にできる限り速度を上げる、という具合に使い分けることにしています。前者は、ウエート・コントロールとストレス発散?が目的であり、後者は、身体能力・心肺能力増強を狙いとする、という風に、区別して考えるようにしています。ウォーキングを始めた頃は、闇雲に、速く、長く、歩ければ良いのだと思っていました。これは、競技としての歩きの目標としては、間違いでは無いのでしょうが、競技者ではないので(笑)、当面、この区別する考えでいきたいと思っています。


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