たちまち古くなる地図

『街っぷる 首都圏』 2012年(1版8刷) 昭文社

  最近、カバンに入れて持ち歩くのに手ごろな地図が少なくなった。以前は新書サイズからB6くらいのもので、見やすくかさばらないものがよくあった。市区町村別に1〜2ページでまとめたものなど、途中で買い替えたりしながら長く使ってきた。
 とはいえ、今まで使っていた地図にない新しい地下鉄が開通したり、新しい道路が開かれたりで、どうしても新しい地図が必要になる。地図というのはそういうものなのだ。
 だが、最近はどうもしっくりくるものがない。書店の店頭で相当な時間見比べて買ったのが、この『街っぷる 首都圏 1:30,000』だ。
 サイズも厚さもほぼ四六の並製本に近く、それでいてうんと軽い。「こんなところかな」と、これに決めた。
 いざ使ってみると、やはり納得のいかないところもでてくるもので、載っていてほしい公共施設のなかに載っていないものがある。(例:上北沢の図書館が出ていない)その一方で、コンビニだのファミリーレストランだのが大量に掲載されている。こんなものいくら載せたって、次々に閉店、開店を繰り返すから、少し長い目でみれば使いものにならない。これでは愛着がわくほど使い込むわけにはいかない。
 欄外に読み取りコードがついていて、ケータイと連動して使えるというのだが、やはり商品というものは、その商品単体で完結させるべきものではないだろうか。
 
(2012.6.03)

 

戻る  次へ


正直堂  古い本のための書評  取材メモ  安さだぜ!!  街角の風景  節電体験記  お問い合わせ