スペインに行こう 2



防犯編(3日目、自由行動日、歩きながら)


 桜子「スペインでもマドリードが一番怖いってMちゃん(添乗員)も言ってたね」
 五代「後ろから観光客を殴り倒して、鞄を奪っていくらしいから、気をつけなくちゃ」
 一条「このメンバーなら平気だろ、誰かが殴り倒されたら、そいつを残ったやつが殴り倒して」
みのり「その人も殴り倒されたら?」
   椿「別のやつがそいつを殴り倒して」
 一条「最後に残ったやつが Winner!」
 五代「違うでしょ!」
 桜子「え? 違うの?」
 一条「で、最後に残ったやつが敵味方全部の荷物を攫っていくと」
   椿「残ったやつはちゃんと口裏合わせろよ、知らないやつが荷物を持って行ったってな」
 一条「で、後で皆で山分けすると」
 五代「あんた、それでも警察官ですか!」


写真撮影編(3日目、自由行動日、歩きながら)


みのり「おにぃちゃん、写真撮って」
 五代「こんな壁の落書きをバックにか?」
みのり「いかにも外国って気がするじゃない、お願い」
 五代「しかたがないなぁ」
 ───と、そのとき道の向こうから一台のバスが。
 五代「行くぞ〜 パチッ あぁぁぁ〜〜〜! バス撮っちゃったぁ」
みのり「なにやってんのよ、おにぃちゃん」
  椿「やると思ったんだよなぁ。ちょうどバスが来てるのに全然気付いてないから、
    絶対うっかりバスを写すだろうって」
 一条「さすが五代、見事に外してくれる」
 桜子「というより、外すべきところは絶対外さないというか」
 五代「気付いてたなら、教えてよ」
 一同「でも教えない方がおもしろいし」
 五代「みんな、ひどい!」

    えぇ、このとき使用したカメラがデジカメだったもので、その場で再生してみたら、
    それは見事にバスだけが写ってました。


階段編(3日目、自由行動日、アルカサルにて)


      五代「これなんて書いてあるの?」
      桜子「城の見晴台に続く階段ですって。140段あるらしいわね」
       椿「そうなんだ。じゃあ昇ろうか」
 一条&桜子「えぇ!」
       椿「ほら、1日1昇りはしないと」
 一条&桜子「やだ!!」
       椿「俺、前世『煙』だからさ、高いところが好きだし。さ、行こっか」
五代&みのり「うん!」
      一条「元気な兄弟だ」
      桜子「同感」

 披露困憊しつつもなんとか昇り、景色をしばし堪能した後、膝をがくがく言わせつつも降り始めると、
途中で何故かみのりが引き返して降りなおしている。理由を聞くと、

みのり「階段一段目から数えて降りようと思って♪」
一条&桜子「………がんばってね」


ルームキー編(4日目夜、セビリアのホテルにて)


  椿「五代、カギは?」
五代「え? 椿さんが持ってるんじゃないんですか?」
  椿「俺は持ってないぞ」
五代「えぇ!」
  椿「だいたいさっき『持ってるか?』って、聞いたら『持ってる』っておまえ言ったじゃねぇか」
五代「あれって、チップ用の100ptsコインのことだったんじゃなかったんですか」
  椿「誰がそんなこと聞くか、部屋のカギに決まってるだろう」
五代「えぇ! どうしよう」
一条「相変わらず意思の疎通のない」
桜子「というより、どっちも思い込みが早いから。
    あぁ、こっちから入ればいいわ。本当、今回続き部屋で良かったわ」


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