実録 スペインに行こう クウガキャスト編
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提案編(とある某マクドナルドにて)
一条「旅行に行きたい」
ふいに一条が言い出した。
桜子「どこに?」
一条「韓国だけはいやだ」
以前、職場の旅行で行かされて、そうとうな目にあったらしい。
桜子「グアムはこの間行ったから、今度はリゾートじゃないとこがいい」
一条「ならいっそのことヨーロッパとか」
桜子「飛行機十時間以上乗るわよ」
一条「それでもいい……ふむ、スペインはどうだ」
桜子「スペインかぁ、いいわねぇ」
一条「ということで、決まったから」
椿 「はい〜〜〜」
いきなりふられ、さすがの椿の声も裏返った。いつの間にそうなったんだ。
桜子「椿さん、スペインでどこか行きたい場所なんてあります?」
椿 「って、決定かよ」
一条「行かないのか?」
椿 「いや、行かないとは行ってないだろう」
桜子「で、見たいものとかあります?」
椿 「う〜ん、聖家族教会かな」
桜子「じゃあ、バルセロナもコースに入れて……一条さんの希望は?」
一条「コースは任せるけど、自由時間が欲しい。街をぶらぶら歩きたい」
桜子「マドリードは外せないし、やっぱりアンダルシアも回りたいわよねぇ……十日ってとこかな」
椿 「おい、俺はそんなに休めねぇぞ」
一条・桜子「休め」
桜子「ヨーロッパなんて、往復だけで3日使っちゃうんですよ、やっぱり十日は日程とらない
と」
五代「あの〜〜」
一条「どうした? 五代」
五代「さっきから俺、何も言ってないんですけど」
桜子「大丈夫メンバーに入ってるから」
五代「意見も聞かれてませんが」
桜子「あるの?」
五代「いや、とくには」
桜子「決定ね」
申し込み編
桜子「で、これが申し込み書よ、記入しといて。手続きは私がやるから」
椿 「この同室希望者の欄はどうするんだ?」
一条「希望者を書けばいいのか?」
五代「とりあえず、適当でいいんじゃないですか? 後で変更効きますし」
桜子「そんなこと言ってると、二人とも五代くんの名前書くわよ」
五代「じゃあ、俺は桜子さんの名前書こうかな」
桜子「で、あたしが、一条さんか椿さんの名前を書くわけ?」
一条「見事な3角関係だな」
椿 「4角関係だろう」
桜子「申し込みに行くのは私なんだから、そこらへんで止めておいてね」
椿 「この続柄ってのはなんだ?」
一条「同室希望者との関係というやつだろ」
椿 「ほぉ〜〜」
一条「おまえ、なにを考えてる」
椿 「いや、この続柄の欄にな、『うふっ(ハートマーク)』とでも書いてやろうかと」
一条「射殺されたいか?」
椿 「罪のねぇ冗談だろうが」
桜子「あ、これも記入してくださいね」
一条「今度はなんだ?」
桜子「海外旅行傷害保険の申し込み証書です。はい、これ見本」
椿 「住所…氏名…勤務先住所……」
五代「あ!」
桜子「どうしたの?」
五代「見本の通り書いちゃった、住所まで」
桜子「まぁ、絶対失敗するだろうと思って、予備の用紙は貰っておきましたけどね」
五代「さすが桜子さん、読みが深い」
桜子「付き合い長いもんで」
一条「しかし面倒くさいな」
椿 「俺が代わりに書いておいてやろうか」
一条「……なにを考えてる」
椿 「いや、ついでに保険金受取人を俺にしておいて」
桜子「保険金殺人ですか」
椿 「幸い、同室は俺だし」
桜子「アリバイ証明ぐらいなら協力しますよ」
椿 「寝ているところに薬物でも飲ませて」
桜子「注射だと跡が残っちゃいますものねぇ」
一条「おまえらなぁ〜〜!」
椿 「安心しろ、保険金は(俺と)五代の幸せのためにちゃんと使ってやる」
一条「ふざけるのもいいかげんにしろ!」
椿 「失礼なやつだな、俺が冗談を言うような奴に見えるか? って、冗談じゃなきゃまずいのか」
一条「当たり前だ!」
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