拾得ルアーのリペアー
釣り場に行くと思いがけなくルアーを拾うことがある。 芦ノ湖の例で言えば、仕掛けの組み替え等で風下の岸辺にボートを接岸し、一息入れているときなどである。殆どが打ち上げられたフローティングタイプのルアーですが、希にラインに絡みついたスプーン等も拾ったことがあります。
また、根掛かりかと思って巻き上げたらルアーだったりします。おまけにロットまで付いてきたことだって・・・。
管理釣り場ではルアーを付けた魚も釣れます。これらのルアーは1週間程度(推定)経過すると塗装が剥がれたり、錆びて、そのままでは使用できない物がほとんどです。
ここで使い物にならないからと捨ててしまうか、再生を期待して持ち帰るかでは大きな違いがあると思います。
私は皆さんに「全て持ち帰れ」と言いたい。環境維持のために、また世界に一つしかない自分だけの当たりルアーに再生させるために・・・・
自分が今まで使っていたルアーの修理をするなんてことは釣り人としては当たり前。 思いがけなく手に入ったルアーを再生することに意味が有るのだ〜。と言うことで私は次ぎのようにしてルアーを再生しています。
★スプーンの場合★
1.スプーンの塗料を焼く
塗料の剥げた部分や錆びた部分だけを補修しようとしても同じ色はなかなか出せないため、色むらになってしまいます。
そこで、ルアー全体を新たに塗装し直すわけですが、錆びていてもメーカーが焼き付けた塗料を剥がすのは至難の業です。
これを剥がす手っ取り早い方法は、ルアーを炎にかざし塗料を燃やしてしまえば比較的簡単に塗料を剥がすことができます。
ただし、この時点でルアーの地金によるシルバーやゴールドの再生は諦めましょう。
2.地金を出す
サンドペーパー(耐水)300番前後で丹念に炭化した塗料を削り落とす。
塗料が取れ地金が出たらサンドペーパー500番前後で滑らかにします。【左はALF、右はムーブの地金を磨き出した状態です】
3.塗装をする
ここまでくるとハンドメイドスプーン(参考にして下さい)と同じです。
まず、発色を良くするために地金に白色を塗ります。
塗料はラッカー系のカラースプレーかマニキュアがお奨めです。【下地の白色を塗った状態】
ただし、カラースプレーを直接地金に吹き付けると後で塗料が剥げやすくなりますので、この場合はセルロースセメントで被膜を作ってから吹き付けると良いでしょう。
また、マニキュアの場合は先に塗った塗料が完全に乾いてからそっと上塗りします。同じ所を何回も刷毛でこすっていると下地の色が溶けて浮いてきてしまいますので注意が必要です。【ALFはオレンジラメ、ムーブは淡いオレンジに】
必要により強化皮膜をする
最後に塗料が剥がれないようにセルロースセメントかクリアーのマニキュアを塗って完成です。
スプーンの塗装は失敗しても最初(スプーンの塗料を焼く)から何回でもやり直せるので失敗を恐れずに色々試してみましょう。
★プラグの場合★
プラグと言っても色々なものがあるかと思いますが、ここでは最も多く出回っている、本体がプラスチック系のルアーについて説明します。
拾得時のルアーの傷がフックの接触傷や魚の歯形程度であれば、エポキシかセルロースセメントでコーティングすればOK。
以下は塗装が剥げ、これでは魚がアタックしてくれないなと思うような状態のルアーについて説明します。1.塗料を落とす
サンドペーパー(耐水)300番前後で塗料を削り落とす。この時、ルアーに彫り込まれたエラ蓋、目、鱗模様はできるだけ残すように溝の部分はカッターの刃等で落とします。塗料が剥がれたらサンドペーパー(耐水)500番前後で滑らかにします。
ここまでくると後はハンドメイドルアーを作るのと同じですが参考までに以下に続きを説明します。
2.塗料を塗る
最初にセルロースセメントで薄めのコーティングをし、完全に乾いてから色づけします。側面にアルミ箔を貼る場合は、リターダシンナーを塗ってからアルミ箔をのせ、エラ蓋や鱗模様を浮き上がらせるために、上から柔らかいものを押し当てます。アルミ箔を張り終えたら、セルロースセメントで1〜2回コーティングします。
リアルミノーを除けば配色は自由です。なお色付けする前にリップは色が付かないようにマスキングします。
色付けは、エアブラシがあれば最適ですが、私は喉を痛めてからエアブラシは処分してしまいました。今ではカラースプレーを使っています。
腹部の色付けをしたら更にセルロースセメントで1〜2回コーティングします。
次ぎに背部を色付けをしたら同様にセルロースセメントで1〜2回コーティングします。
3.目を入れる
最終工程はダルマに目入れ・・ア・イヤ・・ルアーの目入れです。まず家中に有る、いらないシールを集めましょう。
適当な色で白目の部分をルアーの目に合わせた大きさのポンチで抜き取ります。黒目の部分も小さいポンチで抜き取りルアーに貼ります。
シールで作った目の部分だけに爪楊枝状のものでセルロースセメントを数回に分け盛り上がる様に塗ります。
4.最終コーティング
リップのマスキングを外し、リタダーシンナーを混ぜたセルロースセメントにドブ漬けし、終了です。
最終更新日 2008年03月01日 21:16