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釣 行 日

場 所

平成16年10月30日(土)

芦ノ湖

平成16年10月16日(土)

丸沼

平成16年8月3日(火)

紀行:北海道 屈斜路湖

平成16年7月10日(土)

危機一髪:中禅寺湖

凡例

年.月.日(曜日)時間 釣行先
天候・状況
釣果
ヒットルアー他
詳細報告・参考蛇足

 

平成16年10月30日(土)
5時30分〜11時30分

芦ノ湖

雨(水温15.3℃前後)

サクラマス45cm×1尾 レインボー 35cm×1尾

ハンドメイドミノー

 肩慣らしの丸沼釣行からは日は浅いが、roscoさんの他皆さんからの誘いもあって今回は本気モードで釣行した。

 箱根湾の駐車場に着いたのが2時30分。
 誰も着いていないようなので、何時ものように仮眠に入った。
 4時頃尿意で目を覚ますとroscoさんの車が隣に滑り込んできた。
 どうやら既に他のメンバーと福井ボート前で合流していたようだ。
 挨拶を交わす間もなく、またしてもroscoコーヒーを差し出されてしまった。今回はくろさわが用意しておこうと思ったのに先を越された。
 北海道での釣りの報告をしている内にすずきボートに灯が入り、懇談は一次中断。roscoさんは福井ボートに戻った。

 防寒着の上に雨具を重ね着し、タックルを抱えて1年振りの桟橋に乗った。
 何も変わっていないことに何故かホッとする。
 唯一変わったのはボートの船外機だ。銀色で丸みを帯び、いかにも高出力を連想させる。
 聞くと4サイクルエンジンを搭載しているのだそうだ。
 始動・停止・チルトアップ等一通り操作を教えてもらって薄暗い湖面にボートを進めた。

 エンジンはすこぶる静かで振動も少なく、排気も以前より気にならない。
 すずきさんとの暗黙の約束で、漁師さんがワカサギの刺し網を上げるまでは湾内で釣ることになっている。
 従って朝一の仕掛けは表層引きで1〜5mを狙う。
 5ヤード表層タックルにディクナイト、20ヤードには夜光貝スプーンを付けた。
 湾中央までに2本のラインを出し終えてUターンして海賊船の前を横切って伊豆箱根桟橋の前で沖に出る。
 このコースを3周するが、しかし当たりが無い。
 今日1日を予感させる嫌な出だしである。

 湖面の見通しが利きく6時を過ぎた頃に箱根湾を出て、大島に向う。
 少ないながらもライズリングや魚探に影が確認できる。
 大島の裾を巻くように恩賜公園下まで探って見るがやはり当たりは無い。
 元箱根湾は既にワカサギボートが点々とアンカーを下ろしているのでトラブル回避のため入港は見送った。

 表層を諦め、途中良形の魚影を確認した大島の東面15〜20mラインを引いて見るがカスりもしない。
 7時頃だろうか、roscoさんから表層引きで45cm前後のレインボーを3本上げ、絶好調との知らせにくろさわは焦った。

 1本は表層引きに戻し、ルアーを変えながら北上。
 山ノ神〜プリンスホテルまで等深線上にボートが見える。此処もワカサギの漁場になっているようだ。
 しかし、ボートの間隔は広くワカサギの群れは大きくないようだ。

 水深20mラインを50ヤードにメキシコアワビ、60ヤードにハンドメイドミノーを付けワカサギボートを縫うように引く。
 2往復目かプリンスホテル沖を南下していると60ヤード側のドラグが鳴る。
 魚の手応えを確認しながら船首を沖に向け、近くに他艇がいないのを確認して巻き取りにかかった。
 良いファイトでなかなか寄って来ない、ランディングネットを握ったり離したりが続く。
 透明度を増した湖水から淡いエメラルドグリーンがくねくねと反射して来る。
 サクラマスであることが確信できたのはランディングの直前だった。
 ズル引き用から左遷され、無理やりリップを付けられて、ただ賑やかな動きをするハンドメイドミノーだったが、しっかりと咥えられていた。
 実績が有るルアーを使い切って、破れかぶれのミノー引きだったのでくろさわもちょっぴり拍子抜け。


サクラマス;45cm 9時頃 プリンスホテル沖
 レットコア:6色 推定速度:2km/h

 ボートを先ほどのコースに戻しながら体制を整え、1往復。
 ほぼ同じ場所でまた60ヤード側にヒット。ドラグは鳴らなかったが、実は60ヤード側のロッドしか見ていなかったので即反応できた。

 1尾目のファイトの名残でまだ腕の痛みが取れていないが、今回の形は左程ではなさそうだ。
 
ランディングするまでは2尾目のサクラマスかと思わせたほど銀化した綺麗なレインボーだった。

 暫くして、まさやん艇を発見。近づいてサクラマスの報告をし、三度コースに戻った。
 しかし、その後、深さ・ルアー・スピードを変えてみたがついにヒットはなかった。
 11時半頃、風雨ともに強くなったのを見計らって休憩のため、すずきボートに戻った。

 間もなくroscoさんも戻ったので報告すると「やったじゃん」とやっかみ半分で喜んでくれた。
 今年はroscoさんと釣行すると何故か良いことがある。
 早速計測してみると45cmだった。

 まさやんさんも来たので昼食にしようと釣師郎さんときむらさんに連絡したのだが、なかなか帰ってこない。
 その間福井のテントで暖を取りながら漁協関係者らしき方と最近の芦ノ湖のことやサクラマスの食べ方等色々レクチャーしていただいた。

 40〜50分して釣師郎艇が帰ってきたと思ったら釣具を撤収しだした。風雨が強く続投は断念したようだ。
 くろさわは午後からフラッシャーを試そうとしたのだが、箱根湾から先は雨で見通しが利かない程になっていたので、楽しみは次回までとっておくことにし、撤収することとした。
 サクラマスのお腹には数日前に捕食したと思われるワカサギが数尾入っていた。

 本日釣行の全員がそろったところで峠のラーメン屋さんで遅い昼食をとった。疲れた体と空腹が手伝って美味しかった〜。

 水も魚も綺麗で、これからの芦ノ湖からは目が離せない。


電池切れで軌跡が残らなかった

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平成16年10月16日(土)
5時30分〜13時00分

丸沼

曇り(水温15.5℃前後)

レインボー 45〜30cm×6尾

白蝶貝スプーン

 8月から9月にかけて色々な事があって釣具に触る事もできなかった・・・と言うより、自粛していた。

 10月に入ると流石に耐え切れなくなり、許しを得て釣行することにした。
 すっかり腕が鈍ってしまっているはずだから、先ずは錆落としが目的だ。
 しかし、またしても子豚
・・・誤り、コブ付きである。

 屈斜路湖の余韻を呼び戻し、前々日の夜にフライを巻いてフラッシャーと共に作ったばかりのタックルボックスに放り込んだ。

 季節も天気も良いので、ボート確保のために早めの22時に出発。
 しかし、駐車場に到着すると以外に釣り人が少ないことに気が付いた。
 湖畔入り口にワンボックスを横付けし、積んできた一輪車で3往復し、荷物をボートに積んでしまった。
 実は丸沼に釣行するたびにエレキのバッテリーを運んで腰を痛めている。道路からボート着け場まで、時期によっては100m強を運ばなければならないこともある。
 今回一輪車を持ってきたのはそのためだ。

 5時30分遊魚の手続きを済ませ、ボートに向った。
 空気は冷え込んで、ボート内の水溜りに薄っすらと氷が張っている。

 既にフライマンが腰まで立ちこんでキャストを繰り返している。その横を静かにボートを漕ぎ出した。

 仕掛けの1本は3色+白蝶貝スプーン、そしてもう1本はサクラ狙いの8色+真鍮貼りアワビスプーン。速度は2速と3速(約1.5〜1.8km/h)を風向きによって使い分け。

 湖心中央からやや西側のコースで3色に当たりがある。南側の国道下も丹念に引いてみたのだが当たりはない。
 魚探の反応に偏りはなく、満遍なく散っている感じだ。
 25m前後にも反応があり、勝手にサクラでは?と想像してみる。
 ボート着け場寄りの深さ15〜20前後の底から5m位にボール状のワカサギの反応がいくつも確認できた。
 ワカサギボートの回りも引いてみたのだがヒットには至らない。

 フラッシャー+フライに付け替え、深さを変えて試して見たのだが全く反応がない。
 フラッシャーの回転半径が小さく感じたのだが、図解を見ても間違ってはいない。

 結局、バッテリーが無くなる12時までに2〜3色で白蝶貝スプーンをメインにレインボーのみ5尾をゲット。
 水質、水温共にコンディションが良いのか引き味を楽しませてもらった。
 朝一からレインボーに的を絞れば10尾は上げられそうだ。
 観光組との待ち合わせまでの1時間程ハンドトローリングをし、本日Maxの45cmを上げたが後が続かず時間切れ。

 荷物を車に積み終えた後、一輪車は環湖荘に寄贈した。
 次回行くときは使わせてもらおう。

 観光組の報告では、戦場ヶ原の紅葉は丸沼と同じくらいだそうだ。
 次週が見頃でしょうか。

 帰途白根温泉に入り、女房殿の運転で夢の中無事帰宅。

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平成16年8月3日(火)
4時00分〜10時00分

紀行:北海道
屈斜路湖

曇り/強風

アメマス 48〜30cm×5尾       ヒメマス 30cm×1尾

フラッシャー+フライによるトローリング

 今回の休暇は会社からもらった特別の休暇なので自分のために使おうと思ったのだが、長年勤められたのも少なからず家族が支えてくれた部分も認めざるを得ない。
 そこで恩返しを兼ね、家族同伴の旅となった。
 しかし、あくまでも自分中心であることには変わりないので次の五ヶ条を言い渡しておいた。

一、釣りを最優先する。
二、予算は少ない。宿は3日目に泊まるホテル以外は現地で探すこととし、基本的には車内での野宿を原則とする。
三、一箇所に長居することなく道東を満遍なく移動する。
四、美味しそうなものが有ったら食べる。温泉が有ったら入る。眠くなったら寝る。
五、文句は言うな。

8月1日【1日目】
 4時30分、最寄の駅から羽田空港直通バスに昨夜遅くまでかかって詰め込んだ荷物もろとも乗り込んだ。もちろんこの中にはロッド、リール、ルアーを梱包したのは言うまでも無い。
 途中2箇所を経由したのだが、乗り込んでくる客は無く、50人乗りのバスは空港まで「我が家4人の貸切バス」と化した。 宴会だ!

 女房殿が持ち物検査に3回引っかかった以外はスムーズである。どうやら体脂肪が厚く探知機が透視できなかったようだ。
 無事に釧路空港へ着くと、予約しておいたワンボックスに荷物を放り込み、釧路市内で昼食をとることにした。

 釧路駅の南に和商市場と言う一つ屋根の市場がある。
 観光ガイドによるとこの市場には「勝手丼」なるものが有名らしい。
 どの店にも同じように暖かいご飯と刺身の切り身を別々に売っていて、ご飯だけの丼を持ちながら店を回って美味しそうな具を見つけたらそれを買ってライスに乗せてもらう。どの店で何を乗せてもらおうと「勝手」と言うわけだ。
 後で気が付いたのだが決して安くはない。
 娘は大好きなイクラだけを乗せ、お変わりしていた。


和商市場にて 娘満腹の図

 加工品は店によって少しづつ味付けが異なる。
 今が旬のマスコの醤油漬けが美味しかったのでたらふく買い込んだ。

 せっかく釧路に降り立ったのだから釧路湿原を見なければ罰が当たりそうだ・・・と言うより屈斜路湖へ行くには湿原の脇を通らざるを得ない。
 道道53を北上し、釧路市湿原展望台から湿原を見下ろしたのだが写真で見るような湿原は実感できない。
 展望台を中心とする散策コースもあるのだが関東平野でも有りがちな景色でやはり物足りない。
 少なくとも半日くらいの日程を確保してカヌーで湿原の雄大さを味わいたいものだ。

 今晩の野営地を探しながら、道道53を更に北上。17時近くに鶴居村に入った。
 雪裡川沿いにオートキャンプ場が見えたが、どうもその手の施設はくろさわの性に合わない。自然に接するためキャンプにわざわざ賑やかな所に集まる心理が理解できないのだ。
 村の中心街から東に300m程離れた運動公園にトイレ、東屋を備えた駐車場があったのを見逃しはしなかった。
 ここを1日目の宿泊場所と決めた。
 とりあえず「グリンパークつるい」でゆっくり温泉に浸かり、道道沿いの蕎麦屋さんで夕食をすませた。
 通に言わせると北海道の蕎麦はまろやかで美味しいのだそうだ。
 食事を済ませ宿泊先の駐車場へ向った。

 早くも子供の寝息。
 ビールでごまかしてシートを倒した。

8月2日【2日目】
 3時、蒸し暑さと蚊の攻撃で目が覚めた。
 とても寝続ける気にはなれず、本日予定の阿寒湖に車を進めることにした。
 ナビでは間違いなく案内しているのだが、阿寒湖に続く道は途中から未舗装の道となり何と1時間半もの間車は揺れ続け、ようやく舗装道路に出たときは車酔いで皆目を覚ましていた。
 皮肉にも湖畔の繁華街はまだ眠っていた。

 車を降りチップ川沿いに湖畔に出ると「フィッシングランド阿寒」と言うフィッシングガイドのオフィースがあった。
 どうやら阿寒湖も人気あるフィッシングスポットのようだ。

 町が目を覚ますまでは時間が有るので、雌阿寒岳近くのオンネトーに行って見た。
 北海道にはオンネトーと名の付く沼がいくつかあると聞いた。
 「オンネトー」はアイヌ語で「老いた沼」と言う意味が有るらしい。


晴れていれば鮮やかな湖面が見れたのだが・・

 エゾマツの原生林に囲まれた沼は時間も早いのか何処までも静かで限りなく透明に近いブルーを呈していた。
 水質が合わないのか魚のライズらしきものは見当たらない。


アイヌコタンにて 娘満足の図

 再度阿寒の町に戻るとアイヌコタン(木彫り等の土産屋さんの集落)が店を開けていた。
 ここは子供には大受けでミツバチ状態で店をハシゴしていた。

 有名な阿寒湖のマリモに手っ取り早くお目にかかるには、温泉街の端にある「阿寒湖エコミュージアムセンター」がお奨め。
 入館は無料だ。
 マリモは表面は緑だが西瓜のようにばっさり半分に切ると中は根っこのようなものが絡み合い土色って感じ。
 半分に切っても光合成により成長するので表面は緑になり再び球状になるらしい。くろさわも切り取って再生したいところがいっぱい有る。マリモが羨ましい。

 R241を東に下ると、弟子屈町内を流れる釧路川に辿り着く。
 水量が多くゆったりと流れ、いかにも大物が潜んでいそうだが、橋の上から眺める限り釣り人の姿は見えない。
 思い返せば道内に入って釣り人を見ていない。禁漁期か?

 R241とR391が合流する摩周付近は市街地になっていてアウトドア用品や食料の仕入れができた。
もちろんジンギスカン鍋とマトンは忘れなかった。今晩の宴会用である。

 R391から摩周湖までは登坂10km、車で20分程で着く。
 曇っていたので期待はしていなかっが、案の定湧き上がってくる霧の合間に湖面とカムイッシュ島が見え隠れしていた。
 25年ほど前に職場の先輩と来た時も同じ光景だったことを思い出した。「霧の摩周湖」と呼ばれる所以である。

 再びR391に戻り今回の旅の目的地「屈斜路湖」を目指した。と言っても摩周からは20分程で湖畔が見えてくる。
 今夜の宴会場と宿営地を探しながら和琴半島のキャンプ場に着いた。
 ここも先輩と旅をした際立ち寄った思い出深い場所だ。
 その時は稚内から利尻島に渡り利尻富士を征服した帰りなのだが、下山の途中から股間にかゆみが出始め、見る見る内に突起を中心にかぶれてしまった。
 翌日網走の町で先輩と別れて皮膚科で普段の倍にも腫れ上がった患部を治療してもらった。
 この和琴半島で先輩に追いつき、残りの旅を続けた思い出の地だ。
 登山の途中で漆の仲間を手にしたことが原因のようだが、今考えるとあのままでも良かったかな・・な〜んて。

 散歩コースを半島の途中まで行ってみた。当時は無かった様な立派な歩道や露天風呂が有った。当時露天風呂は半島先端にしか無かったような気がする。
 まだ陽が高いし、家族連れなので露天風呂は遠慮しておこう。
 クッシー街道沿いを走っていると幾つかの温泉が有るが、何故か仁伏温泉「玉砂利乃湯」に車を止めた。
 風呂に浸かってから分かったことなのだが、何とこの温泉は混浴なのだ。
 女性の脱衣所から入ってきたのが女房殿と娘だったのにはがっかりしたが、当家貸切でゆったりと疲れを癒すことができた。

 途中探しておいた宴会場候補地は定刻で閉鎖したらしく、入り口は鎖で入ることができない。
 やむを得ずR234脇のパーキングに移動した。
 ジンギスカンと和商市場で買ったマスコの醤油漬けでイクラ丼もどきでお腹いっぱいになった。
 満腹感と疲れで時折通る車の音も気になることなく熟睡してしまった。

8月3日【3日目】
 しかし、さすがに締め切った車の中は暑い。2時頃目が覚めたので屈斜路プリンスホテルの駐車場に移動。
 フィッシングガイドと合流場所としていた桟橋はプリンスホテルの敷地内にある。そして、偶然今晩の宿泊先もこのホテルになっている。

 3時50分長男を起こし、タックル一式をもって桟橋に向った。
 湖畔に出ると強い東風で湖面に張り出した大木も大きく揺れ、桟橋には次々と押し寄せる波に洗われていた。
 釣果に期待はしていなかったが、追い討ちの最悪のコンディションである。
 しかし、ガイドさんは確かにいた。これくらいは日常茶飯事とばかりひょうひょうと準備を進めていた。
 ガイドさんの名前はYasuさん。見た目にはくろさわと同年代のようだ。 「この風は厳しそうですね」と言うと、「中島の風裏に行きます」との答え。くろさわもそうするだろうと思っていた答えにホッとした。

 仕掛けは事前に聞いていた通りレッドコア+フラッシャー+フライだ。 後は流すだけの状態まで準備が整うと、離岸して強風の湖面にボートを進めた。
 晴れた日ならばコバルトブルーが美しい湖面とのことだが、今日は厚い雲に阻まれ不気味に暗い・・それにまだ4時だからね。
 ボートは一気に風裏になっている中島の西側を目指した。

 2基掛けの船外機のメインエンジンで15分程走ると白波が消えた。
 Yasuさんがラインを流し始めた。しばし作業を見守ったが、くろさわが芦ノ湖や中禅寺湖でやる作業と何ら変わらない・・変わるはずも無いか。
 Yasuさんが運転席に戻ったり、ドラグを調整したり忙しくしていたので手元のもう1本はくろさわがラインを流した。
 水深20m、ラインは4色と5色、速度約2km/h、表層水温は23℃と高い。
 ラインの入水角度から察して6〜8mの棚を引いているようだ。

 魚探を覗き込むとモヤモヤしたものが画面に映し出されている。「何か?」と聞くと「?、魚ではない」と言う。
 20分程で中島の風裏境界に達した。風は強くなる一方で干渉波も大きく更に漁場を狭めていた。
 2往復目に入ったところでYasuさんがラインを巻き取り始めたので「当たり?」、「多分ゴミ」と帰ってきた。確かに長細い葉のような水生植物が掛かっていた。
 手元のもう一方のラインを巻き取るとこちらにも同じゴミが掛かっていた。どうやら魚探のモヤモヤはこのゴミらしい。
 釣れなくても臨場感が味わえれば良いかとは覚悟していたのだが、強風と言い、限られた魚場と言い、極めつけはゴミときた。


中島の風裏にて 5色・2km/h

 再度ラインを流し、漁場の中央部当たりでロッドが大きく絞り込まれた。
 くろさわがセットしたロッドだ。
 Yasuさんは「ヒットするとフラッシャーの回転は止まって魚だけの負荷になる」と言うのだが、なかなか上がってこない。
 5分程してようやくモノフィラまで巻き取った当たりで暗い水中から魚の大きさが見て取れた。

 Yasuさんが一発でランディング。
 「あ!アメマスだ〜。へ〜、こんなのが釣れるんですね」と感心していると、Yasuさんはメジャーを取り出して、アメマスの説明をしようと思ったのに知っていたからか、それとも外道を釣ってしまった罪の意識か・・・無愛想に「48cm、ここのレギュラーサイズです」。
 しかし、99%ボーズを覚悟していたくろさわが手放しで喜んでいるのを見てかお互い気が楽になったようだ。
 それからは、会話が弾んだのは言うまでも無い。

 釣師郎さんによると支笏湖に巨大魚伝説があり、その正体はアメマスが最有力だったようです。
 眠っているジュニアに無理やりカメラを渡してシャッターを切ってもらった。


透き通るような魚体を手にして

 再びフライを投入しようとすると8号も有ろうかと思われる太いハリスがカールしている。
 「替えようか」と言うと「ぜんぜん問題ない」と言う。
 大ざっぱと言うか大らかと言うか釣れるんだから良いのだろう、そのまま放り込んだ。

 「鹿が泳いでますよ」指差す方向に目を凝らすが分からない。双眼鏡を覗いた時には中島に上陸して2頭がサッと茂みに消える瞬間だった。数秒置いて甲高い鹿の声が湖面を渡ってきた。対岸の仲間に無事渡りきったことを伝えたのだろうか。
 後で分かったのだが、鹿の遊泳コースは陸からの最短コースだった。 しかし、風向きは向かい風となりくろさわならライフジャケットを着ていても水で満腹になりそうだ。
 エゾ鹿でしょうか、改めて雄大な自然の中で釣りをさせてもらっていることを実感。
 クッシーは意外と鹿だったりして。

 改めて伺うと、2時間の行程で釧路からボートを牽引して4時前にプリンスホテルのスロープからボートを出したのだそうだ。
 大きな湖だが原生林に囲まれていて、ボートを出せる湖畔は少ないと言う。

 時々ラインを巻き上げてゴミを取りながら長細い8の字を描くように風裏を往復する。
 何回か風裏を出てみたが波と風で釣りにならない。
 巻き上げる時はフラッシャーの抵抗で、うんざりするほど腕が疲れる。しかし、これを繰り返さない限り魚は釣れない。
 手元のロッドは完全にマイロッドの如く手に馴染んでしまった。

 また、マイロッド・・・いや手元のロッドに当たり。1尾目と同じサイズが上がってきた。
 辺りを見回すと1尾目とほぼ同じ位置で、しかも5色は変わらない。
アメマスは回遊性が有るのだろうか。

 せっかく持ってきたのだからとフライロッド+タイプV+夜光貝スプーンで表層を流して見た。
 しかし、30分位してフラッシャーを巻き上げて見ると夜光貝スプーンとお祭りしていた。
 何処でどう交差したのか・・あえなく撤収となった。

 その後9時までに、二人でアメマス3尾、ヒメマス1尾をヒットさせた。
 形も一回り小さいのでアメマスはリリース、ヒメマスは死んでしまうからとキープした。
 後で考えるとヒメマスでムーチングしたら面白いことになっていたかも知れない。
 長男も大物とファイトする場面は有ったが半分くらい巻き上げたところでバラシてしまった。

 体が冷えトイレに行きたくなったのでYasuさんに伝えると中島に上陸すると言う。
 砂浜になっている岬の片側に上陸した。岬の反対側は岩礁帯とのことだ。
 後で聞いた話なのだが中島はヒグマが多く生息しているらしいのだ、知っていたら上陸は遠慮したのに・・頼むぜYasuさん!
 せっかく上陸したので、キープした2尾のアメマスの腸を抜いた。Yasuさんが胃を調べると水生昆虫らしき内容物が確認できたが小魚は入っていなかった。
 フライで引く合理性が頷ける。


キープしたアメマス48cmと47cm

 釣りのタイムリミットは10時である。
 残り1時間干渉波が交差する辺りまで近づいてみた。
 小さな当たりは有るのだが、乗らない。明らかに魚種が違うようだ。
 風下の陸に近いところに3艇の釣り船が点々と確認できる。
 Yasuさんに聞くとゆっくり移動しているのはトローリングだろう、他の2艇はルアーかフライ客だろうと言う。
 屈斜路湖には貸しボート屋さんが無いのでマイボートかガイド付きだろうが、風下の大波の中で釣りをするとは尋常ではない気合の入れ方である。

 ヒットの追加は無く10時になったところで納竿。
 Yasuさんに「使ったフライを頂きたい」とお願いすると、わざわざ新しいフライを取り出してくれた。
 くろさわも持参したルアーの中から夜光貝スプーンを選んでYasuさんにプレゼントした。
 ロッドを固定すると、桟橋を目指して疾走した。
 風裏とは比べ物にならない波が次から次に押し寄せてくる。
 Yasuさんは気を使って蛇行しながら波をかわしてくれたのだが飛沫が容赦なく吹き付けてくる。
 桟橋に辿りついた時は腰は痛いし、びしょ濡れだった。


Yasuさんにお別れの挨拶をして分かれた。感謝

 駐車場には別働隊の女房と娘が観光から戻っていた。
 釣果報告をすると期待していなかったのか驚いていた。

 まだ昼前なのでホテルにも入れない。
 余韻に浸りながら川湯温泉で昼食をとり、再度引き返して美幌峠から屈斜路湖を見ることにした。
 風が吹き上げてくる美幌峠から中島が眼下に見える。
 我々が釣りをしていたところが手に取れるようだ。


中島の手前、左半分が今日の漁場だった

 屈斜路湖は九州の阿蘇カルデラをしのぐ、日本最大の屈斜路カルデラのなかに有り、周囲57km(ほぼ全周が原生林)、面積79.3平方キロメートル、最大深度117.5mの日本で6番目(カルデラ湖で1番)の大きさを誇るカルデラ湖とのことだ。
 湖心に浮かぶ中島も、淡水湖内では日本一大きい島で、周囲12km、面積5.7平方キロメートルもあるらしい。
 スケールの大きさに声も出ない。クッシーが棲んでいても不思議ではない。

 昭和13年に和琴半島の火山活動により、水質が酸性化し、殆どの水生生物が絶滅したらしい。
 平成元年頃より水質の改善と、弟子屈町等による各種魚類の放流事業成果により、急激に魚が増加し、ニジマスやアメマス(在来種)については、日本国内では他に類を見ない程、大きく力強い魚体に成長しているとのことだ。

 しかし、規制の無いことを良いことに、一部の心無い人々により、刺し網や産卵期に河川に遡上した親魚を大量に捕獲、また、冬期間は全面凍結するため穴釣りで多くの大物を持ち帰ってしまう等、人為的な減少傾向にあるとのことだ。悲しいことである。

 ホテルに着くと早速洗濯を始めた。荷物を減らすために着替えを極力減らしたので折り返しの今日は洗濯の日である。
 コインランドリーを3時間程占領して夕食の時間を迎えた。
 アルコールが気持ちよく体に吸収され、テレビを見ている間に寝入ってしまったらしい。
 しかし、3時30分にタイマーをセットしておくことを忘れなかった。
 それは、Yasuさんから「早朝桟橋から釣れるよ」と聞いていたからだ。

8月4日【4日目】
 ホテルを抜け車からキャスティングロッドを取り出すと、昨日のように桟橋に向った。
 昨日とは打って変わって静寂の湖面だ。
 早速スプーンを結んで遠投。扇状に投げまくった。


4時10分清清しく夜は明けた

 当たりは無いが、静かで気持ちが良い。
 早起きの親子連れが湖畔を散歩している。
 暫くこちらを見ていたがまた歩を進めた直後にヒット。
 ネットが無いので湖畔に引き上げると何と30cmもあるウグイだった。
 10投程してまたヒット。同じウグイだった。

 昨日見た天気予報どおり、快晴となった。
 今日の移動距離は長い。しかし、ちょっぴり寄り道して一昨日霧に包まれていた摩周湖を見に行くことにした。

 世界一級の透明度を誇る摩周湖は、「霧の摩周湖」と呼ばれるほどその姿をなかなか現さない神秘の湖だが、一度霧が晴れると鮮やかな「摩周ブルー」が全てを染め上げるという。


運良く、この光景を目に焼き付けることができた

 その摩周ブルーにカムイッシュ島がくっきりと浮かんでいた。
 眠気から覚めやらない二人を車から引きずり出し拝ませた。さすがに感激したようで、しばし展望台から離れなかった。
 くろさわが再訪したように、この子らがまた此処に立ち寄って欲しいと願うばかりである。
 それとともにこの自然が永遠に保たれることが大前提である。
 地元に期待してばかりではダメだ、一人一人が自然を尊ぶ心が必要なのだ。

 噴煙上がる硫黄山を左に見ながR391を北上。野上峠を越え、斜里の街でオホーツク海に出る。


道東の雄、斜里岳

 R334を東に走り、知床は羅臼を目指した。
 明日、空路帰宅する女満別は、斜里の西に位置するため、羅臼まで往復し、できるだけ距離を稼いでおく必要がある。
 今夜も野営覚悟である。
 子供たちはすっかり宿泊施設を諦めたようだ。

 知床半島付け根辺りからR334はオホーツクの海岸沿いを走る。
 海岸を見下ろすと数百m間隔で陸から定置網らしきものが沖に伸びている。
 折りしもカラフトマスの漁期である。それが終わる9月下旬からはシャケの漁期に入る。
 そのための網だろうか、先端部にはややっこしいブイの配置が見える。
 シャケ・マスが遡上に備えて海岸沿いを回遊する性質を見抜いての仕掛けと言える。


200m程沖まで伸びる定置網

 宇登呂の手前10km程の所にオシンコシンの滝が有る。
 R334沿いの駐車場に車を止めて徒歩1分で雄大なマイナスイオンのエアコン・・・じゃなく滝を拝めるので夏場の休憩場所としてお奨めだ。

 宇登呂は25年ほど前に立ち寄った街の一つだ。しかし、港を除いて、街並みは当時の面影は無かった。
 宇登呂を後にして知床五湖に向ったのだが、予想通りヒグマの出没が多く、ボランティアが一湖だけを誘導していた。いったい知床五湖が開放されたことはあるのだろうか。
 片道15分程の道のりで葦と低木に囲まれた「天空の湖」のような不思議な景色だった。
 しかし、水は茶色に濁り20cmの透明度も無い。

 マイカー規制になっているカムイワッカ湯の滝もパスしてオホーツク海を背にした。
 知床峠から見る知床半島最高峰の羅臼岳は圧巻である。
 また、峠の展望台からは国後島が目の前に見える。
 日本国領土ならば釣りに行けたかも知れないのに残念である。
 天に召される前に実現したいものだが、いつになることやら。


標高1660.2m 羅臼岳

 とにかく道は一本である。
 下って行き着く街が羅臼になる。
 羅臼は新鮮なシャケやトド肉が食べられることで知られているが時期が悪い。
 漁港に行ってみたが閑散としていて何もない。
 しかたなく、漁協直営の「海鮮工房」に行って見ると近海の幸が並んでいた。
 活ウニの殻を割って食わせてくれるらしい。左手にウニ、右手にスプーン、4人で食べて見た。塩味とウニの甘みが良く合う。
 ついでに昼食も済ませて、再びオホーツク海側に車を向けたが、同じコースでは芸が無い。
 一旦南下してR244(斜里国道)を北上することとした。

 ナビの地図にR244に出られる近道があった。
 途中観光地も無いので近道を通ることにしたのだが、それが大きな間違いだった。急がば回れである。
 途中で舗装は無くなり牧場の真ん中を突っ切り余計な時間を費やしてしまった。

 ようやくR244に出てほっとした。信号も無い車もそれほど走ってない。
 ナビどおりに走っていれば30分は短縮できたはずだ。
 おまけに国道だと言うのにキタキツネも出迎えてくれた。


警戒心が強く一定の距離からは近づかない。
観光客が与える食料を期待しているようだ。
日光の猿も見習って欲しい。

 斜里の街に出る手前で良い公園を発見した。
 既にバイクツーリストのテントが3張りある。
 管理人さんに聞くとバーベキューハウスも水も使用OKとのこと。
 今晩の野営地を此処に決めて早速街に買出しに行った。
 昨日釣ったアメマスもホイル焼きにして食べることにした。

 

 食べ過ぎてしばし動きが鈍ったが、蚊の襲撃がしつこいので綺麗に清掃して寝床の車に戻った。
 人口密度の割には、公園施設等が多く利用者が少ないので、最初からこのような施設を探しておけば結構快適な旅ができるのではないだろうか。

8月5日【5日目】
 最終日の今日も早く目が覚めた。
 皆は寝ているが、車を走らせた。
 網走港に立ち寄り、市場が開くまで港をぶらつき、船着場からの釣りを覗かせてもらった。


網走付近から知床半島に上る日の出

 その釣り方は、流線型の大型の浮きに殆ど直結するように7〜8cmの大きなスプーンそしてそのフックには紅で染めたイカの短冊やタコベイトが付いていた。
 それを20〜30m沖に投げゆっくりとリーリングするのである。
 一見、ただ大きな浮きを引き寄せているようにしか見えないが、釣り人に聞くと樺太マスを狙っているとのことだが、ちと時期が早いそうだ。
 私が釣り好きだと分かると「今度は9月に来な」と言っていた。
 どうやら9月は面白いことが有るらしい。
 帰ってからインターネットで調べると8月の半ばから港は釣り人でごった返し、1日で5本も釣り上げる人がいるようだ。

 市場は6時開店だった。
 新鮮なマス(樺太マス)や青マス(?)が1尾500円代で売っている。
 樺太マスは美味しくないと聞いてるが、料理次第でホテルのディナーにも登場するとのこと。

 市場内の食堂で朝食を済ませ、実物の網走刑務所と観光用の網走監獄を見て回った。
 以前、こんな所は再び見ることは無いと思っていたが、子供の恐怖心を煽るためにあえて連れてきた。

 15時、女満別空港でレンタカーを返し、空路帰途に着いた。
 こんな旅は経済的にも体力的にも、家族構成としても今回が最後だろう。
 想い返しながら、またいつか、その時はのんびりと来たいものだ。
 屈斜路湖の湖畔に、ロッドを振る初老の釣り人が見える・・・「オーイ! くろさわ〜」・・「?」

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平成16年7月10日(土)
4時00分〜18時00分

危機一髪!
中禅寺湖

晴れ/強風

ちびヒメマス×1尾   ちびブラウン×1尾

夜光貝スプーン、白蝶貝スプーン

 いつもの仲間による中禅寺湖合宿が1週間後に迫り、皆の士気は上がっているのだが、残念ながら現地からは厳しい情報しか入って来ない。

 くろさわが立ち木観音の駐車場に滑り込むと、既に他のメンバーは円陣を組んで策を練っていた(ように見えた)。

 早速円陣に割って入ると、くろさわにとっては初対面の方もいて、また一段と輪が広くなったようだ。

 4時、それぞれの描いたメニューをこなすべく、予約した桟橋から三々五々湖面に散っていった。
 出だしは、曇天/時々雨の釣りにはまずまずの天候。

 くろさわは、相変わらず朝一本マス狙いの国道側、夜が明けたところでレイクのズル引きの計画だ。

 3色白蝶貝スプーンと4色角スプーンで2往復流してみたが6時まで、ブラウン30cm1尾のみ。
 くろさわの角はいつしか10打数ノーヒットの確率になっている。
 大リーグなら即解雇ものだ。

 本マスや〜めた、レイクに切り替え。
 ハンドメイドミノーとトローリングペッパーを付けて大尻に向う。
 水深10〜20mの底を漁るように魚探とにらめっこしながらレイクを探す。
 今年はレイクも不漁だが、魚探にはレイクらしき反応が幾つか確認できる。

 ルアーの位置を想定して、来い!来い!と期待に胸を膨らませてロッドを握る体勢はとるのだが、フー!と毎回腰を落とすばかりである。


魚? くろさわはこれを半日追い回した

 フランス沖の尾根を大きく回り込んだ所でチビヒメマスをキャッチ。
 今年はヒメマスの群れが少ないとのことだが、こんな所で遊んでいるやつもいるのだから相当散らばっているようだ。

 すっかりレイクに遊ばれてあっと言う間に昼食の時間になった。
 レークオカジンの食堂に入ると同乗していたroscoさんと銀の道さんが皆の席を確保していた。
 他のメンバーも次々に到着した。
 皆釣果に関しては一様に口が重い。どうやらくろさわと変わらない状況らしいが、ヒメマススペシャリストのますおさんは良形のヒメマスと本マスを上げたとのこと。
 今日は不調とのことだが流石である。
 皆があまりに貧果なのを察して今晩の酒の肴にと提供してくれた。

 雲が厚くなってきたので、早めにもう一勝負と各自ボートに戻った。
 くろさわは、少し遅れてもう一度大尻でレイクを狙おうと2本のラインを出し終えた時だった。
 俄かに雨足が強くなり風が出てきた。
 風上に視線を移すと八丁付近は水飛沫で水面の境が霞んでただならぬ状況だ。

 突然の嵐の襲来にくろさわは避難し遅れてしまった。
 真上で雷鳴が飛び交った時は、表層用に直立させていたロッドを慌てて横に倒した。
 出したばかりの2本のラインもフル回転で回収した。
 雷鳴は位置を変え、閃光と同時に横から聞こえ出した。大粒の雨も風も横から吹き付ける。
 側面に風を受けるのは危険だ。
 風に流されるまま10分程度我慢していれば嵐はやり過ごせるだろうと高をくくり、クラッチをニュートラルにした。
 しかし、斜め後方から波風を受けボートが大きく傾く度に排水口から水が逆流してくる始末。

地獄じゃ〜! 悪夢じゃ〜!

 思わずライフジャケットのベルトやバックルを手探りでチェック。
 このままでは生還は危うい。漂流を断念し、レークオカジンの桟橋に戻ることにした。
 一旦波に乗って前進し、慎重にターンするしかないとクラッチに手を伸ばすと、何とクラッチはバックに入っていた
 これでは波を受ける筈である。もう一撃強い風か大波に煽られていたら恐らく沈していた事だろう。

 青息吐息で桟橋に逃げ帰った。
 食堂に入ると、roscoさんと銀の道さんも、そして他の釣り人も背筋も凍る数十分から開放され一様に安堵の表情だった。

 約1時間、衣類を乾かしながら嵐のおさまるのを待った。
 16時、懲りない面々の三度目の出漁。
 風は穏やかになったが、雨は降り続いて時には大粒の雨を伴っていた。
 魚も嵐に腰を抜かしたのか竿はピクリともしない。最後に八丁出島〜小寺ヶ崎を流し18時30分、一際雨が強くなったところで納竿。


小さいからって見難くしたわけではない・豪雨の中での撮影
この後、安全を祈願して2尾を記念放流した

 宿の風呂に浸かり、夕食後の反省会が始まった。
 ますおさんからいただいた本マスとヒメマスは宿の主人に頼んで刺身にしていただいた。
 刺身が旨い! 疲れた体に酒が満遍なく回り気持ちが良い。

 反省会では嵐のことが話題になり、釣師郎が竿2本ラインを出したままで桟橋横のスロープに胴体着陸同然のトローラーを助けたことや、白鳥ボートがぐらぐらしながら逃げ帰っていたことや、レガシーの中でまさやんさんがくつろいでいたとか・・。

 すっかり酔いが回ったくろさわは、今度は遅れまいと布団に緊急避難と相成った。お休み!
 Z z z z・・・・       Ji i i i・・・・ きた!


電池切れで午前の一部しか残らなかった

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最終更新日  2008年05月31日 13:22