幸い、牧馬では停電はなかったものの、藤野で停電が起こった原因の多くは、たぶん、雪の重みで垂れ下がった木の枝が、電線を切断したんじゃないかな。実際、停電にこそ至らなかったけれど、電線に垂れ下がった木の枝があちこちにある。
これは前にも書いた事があるけれど、ここらで、行政の事業として、道路の両わき5メートル程度の木々は事前に切り倒しておいた方がいいんじゃないか。雪だけでなく、台風の時の強風でも、倒れた木が電線を切断する事故は、いまや慢性化している。
これは、山里の暮らしの変化も一因があるだろう。昔は炭焼きが盛んだったので、道路沿いはもちろん、山の木々は大木になるまで成長するに任せるという事はなかった。炭焼きに適度な太さの木になったら、その時点で切り倒されて炭にされ、それ以上大きくなる事は少なかった。
木炭の産業が衰退し、木が伐られる頻度は減少した。それに伴って、山の木は大型化していく。
道路沿いの木だけが問題じゃない。住宅のそばに生えている木や、住宅の庭に生えている木も、これから問題になって来るだろう。こんな木が、いつのまにか大きくなっていて、風や雪で倒れたら家を損壊しかねないと気付いた時に、そんな木を、家を傷つけないように上手に伐っていくのは、大変な技量と機材が必要になる。もちろんお金も。
「木を育てる」なんて言うと、いかにも環境に優しい行為に感じるかもしれないけれど、その木の成長に将来に渡って責任が持てるのか、という問題が、これから大きく問われてくると思うな。