「政治家らしい」仕事

 始めてですね、今回の市町村合併と言うのは、市町村長の、特に議会議員のですよ、市町村長がいいと言っても、議会が駄目だと言えば駄目なんですし、市町村長がどうしても合併したく無いと言っても議会が、「とても不安だから合併をやれ」、というところもあるんですよ。
 そうなるとですね、たぶん昭和の戦後地方政治史上で、始めて右か左の道を選択しなければいかん時なんです、合併か自立か。まあどこと合併するかも含めて。
 右の道を行けば、こっちが木の船か、こっちが泥の船か、は判りません。私は自立を選んで、来年の特例法期限までに合併しないと言っておりますが、私が選んだ道は、泥の船かもしれません。10年後に沈んじゃって、人口2200人共に沈没しておさらばするかもしれません。

 はたまた木の船かもしれません。判らないんです、これは。
 だけどこれは20年後30年後に、
「あのバカな村長のためにとんでもないことになった、バカな議会議員の御蔭でこんな道を選択をしてとんでもないことになった」と言われるかもしれない。
 そりゃあ、かなわない、そんなことを言われたら困るよ、何のために議会議員になったんだ、この時期に、って(笑)
 でも、政治家が選択しなかったら、何が仕事だっていうことなんだと、私は思う。私なんか、合併推進派の皆さんに(3割くらい居るんですが)、合併推進派の皆さんが、
「我々の負担を1円でも増やすようなことが、もし将来あったら、てめえなんか、いかしちゃおかない、」
「俺は死んじゃう、生きちゃいない、20年後30年後なんか」(笑)

 それくらいですね、厳しい選択だと私はおもっています。だけどもいま政治家が責任を持ってきちんと、この道が住民にとって相応しい、と言う事を示さなければ。住民投票をやって住民の皆さんにお願いします、私は中立だけども、住民の皆さんが判断を仰ぎますと言えば、決まった事を選択すればいいんで、これほど楽な事はありません。 それでは、今回の合併の場合は、方向を示すべき政治家が無責任ではないかと、私は思えてならない。そういう意味で、議会議員、複数の議会議員はうんと責任が重たくですね、だから、ほんと、藤野町のみなさんも、議会、・・・
 お話を聞いたら藤野町の議会はちゃんと結論を出したそうですね。そしたら議会に住民から御批判もあったようでございますから、それにちゃんと答えればいいと思うんです。
 うちはどうしても議会がやれって言うんで、アンケートも最終的にはやりましたけれども、(ここが)神奈川県だから言いますが、議会議員も判断がやっぱりね、しにくかったと思うんです。村民の意向を見て、顔色を見てから自分の意見を言えば楽ですからね。まあ、「私も、前前からそういうふうに思っておった(笑)」と。なかにはそういう議員もおるんですよ。ある懇談会では、「私はもともと自立でございます」なんて(笑)。このやろう、まあそういう人もおっていい。世の中はですね。人生いろいろ、社員もいろいろ。だから今、市長村長や市町村議会議員になられた方は、本当に政治家として、恵まれた時代に生きている(笑)
 これは大森弥(わたる)教授が言っている。
始めて、政治家らしい仕事ができる。こんな楽しい事はないんじゃないですか(笑)
と言われておるんで、そういうふうに考えて頂きたいと思っておるんです。


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