Peugeot 306 Maxi Collection

 2004年現在、プジョー 307WRC で世界ラリー選手権(World Rally Championship 以下 WRC)に参戦中のプジョー。 1984〜1986年、名車205T16でWRCを席巻('84年3勝・'85年7勝・'86年6勝。'85・'86はタイトル獲得)したが、グループBの廃止とともにWRCを去り、その後1987〜1990年はパリ・ダカール・ラリー(4連覇)、1991〜1993年はSWC(ル・マン24時間レースでは '92・'93年2連覇)、 1994〜1999年はF1 と活躍の場を移してきた。 そして2000年に206WRCを投入すると、再び圧倒的な強さでWRCに君臨することになった('01・'02・'03、3年連続メイクス・タイトル獲得)。

 …と、このように書くと、1987年から1999年までの14年間、プジョーはWRCから完全に遠ざかっていたように思われがちだが実はそうではない。1995年から1998年、つまり206WRCで参戦する4年も前から、「FIA Cup for Manufacturers of 2-Litre Cars」、一般にはフォーミュラー2と呼ばれるカテゴリーでWRCに参戦していたのだ。 その時の参戦車両が 306MAXI(マキシ)。 キットカーと呼ばれるその車はトレッドを確保するため50mmちかくフェンダーが広げられ、市販車とは似て非なる、地を這うようなフォルムを持つ。 前輪を駆動する2リッターエンジンは、自然吸気ながら300ps近い出力を絞り出すという。 グループAを闘う、4WDターボのモンスター・マシン達から見れば本来格下のはずのFF・NAのキットカーが、時にその“軽さ”を武器にWRカーを追いつめていく…。

 ハイライトは1998年のツール・ド・コルス。 初日雨の中のワイパー不調、最終日のパンクなどトラブルに見舞われながらも、スバルを追いつめた2位・4位フィニッシュ。 F1参戦中で資金が苦しい時期に、限られた予算の中、きっちりと結果を出したプジョー・スポール。 この日の表彰台が無かったら、2年後の206でのWRC参戦は無かったかも知れないとも言われている。 ターマック(舗装路)スペシャルとして、独特の存在感を持った306MAXI。 活躍の上でも知名度の面でも 205T16 や 206WRC にはかなわないかも知れない。 だが、その見た目上での格好良さとインパクトの面では、私の中で 306MAXI がぶっちぎりの一位だったりする。

 そんなわけで、我が家には 306MAXI のミニカーが全部で10台もあったりする。 一時はショップで 306MAXI のミニカーを見つけると脊髄反射で購入していたような気がする。 ミニカーの写真ではその格好良さは十分に伝わらないが、その10台を紹介しよう。

 


V98105 Peugeot 306 Maxi
Monte Carlo Rallye 1998
G.Panizzi / H.Panizzi

  '98年、WRC・モンテカルロでのワークスの 306Maxi。

  白をベースに青いラインと赤のワンポイント。 さりげなく?
  トリコロールを配した大胆なカラーリングは車自体に
  躍動感を与えているかのよう。実車に比べてフェンダーの
  広げ具合はいくらか控えめのように見えるが
  ホイールとフェンダーの間の隙間のなさが、ターマック
  スペシャルらしくてなんともいえずレーシーだ。

  名実ともに最も速く、そしてもっとも美しい 306。

 

AV090B Peugeot 306 Maxi
Monte Carlo Rallye 1996
F.Delecour / H.Sauvage

  こちらは'96年のワークス 306Maxi。
  モンテ仕様だがゼッケンが“1”なので仏国内選手権か?
  ご覧の通り、カラーリングがまだ随分地味である。

  もちろん、'98年式との違いはカラーリングだけではなく、
    ・フロントバンパー側部のダクトがない。
    ・ホイールが5本スポーク。
    ・リアウイング後端が跳ね上がっていない。
    ・シートベルトがSABELTでなくOMP。
  など細かい点まで忠実?に再現されている。

 

L197 Peugeot 306 Maxi
Winner Rota Do Sol Rallye 1996
A.Lopes / L.Lisoba

  こちらも'96年式。Peugeot Portugal の 306Maxi。
  だいたいは AV090B と同じだが、ドアミラーが赤くなったり
  リアバンパーにもラインが入ったりと赤が強調されて
  カラーのバランスが良くなった分まとまって見える。

  ルーフのプジョー・スポールのマークは良いのだが、
  フロントバンパーの“306”が非常にダサイ…
  

 

SKM108 Peugeot 306 Maxi "Campofrio"
Rallye El Corte Ingle's 1999
J.M.Ponce / G.Leo'n

  どことなくランエボを思い起こさせる、マルボロ・カラー。
  Campofrio Team の 306Maxi。
  タバコ広告禁止のためバーコード風の表示になるのは
  F1 フェラーリでお馴染みの処理。

  マルボロ・レッド と 7upグリーンのコントラスト。
  あまり好きではないが、まぁこういうのもアリか?
  

 

SKM99057 Peugeot 306 Maxi "Total"
1000Km De La Reunion 1998
O.Payet / V.Gangnant

  イマイチ詳細不明だが油脂メーカー“TOTAL"のチーム。
  1000km というと有名なマラソン・デ・ラ・ルートのような
  耐久レースだろうか。

  白いボディに黄、赤、紺のペイント。
  ブラッシュ・ペイントというかライトニング・パターンというか
  表現は大胆だが V98105 ほどに成功しているとは
  言えないようだ。

 

V98171 Peugeot 306 Maxi "Magnum"
Tour De Corse 1998
J.P.Manzagol / D.Savignoni

  '98年のWRC第6戦、ツール・ド・コルスで、プライベーターで
  ありながら11位に入った、MAGNUM Team の 306Maxi。
  
  スポンサーの少ない所為もあるだろうが(笑)、見事に
  “真っ赤”である。車内のロールケージまで赤!

  このようにプライベーターにも、ワークスとほぼ同じマシンが
  手に入るところがキットカーの良さだろう。 (エンジンは別
  だろうが…)

 

V98148 Peugeot 306 Maxi "Labo"
Rallye Des Geants 1998
S.Gany / M.Biju-Duval

  これまた詳細不明の '98年モデル。
  どこの国のラリーかもわからない…。
  チーム名が "Labo" のようだが研究所ではないらしい。

  基本的には青と白のツートンだが、サイド面の上下の
  塗り分けとか微妙に不思議なラインである。ボンネットとか
  ドアミラーの下とか、細かいスポンサーがついて、グチャ
  グチャしている割にルーフが真っ白でアンバランス。
  大口スポンサー募集中?

  バンパーのダクトが白く塗り分けられてるのが好きだ。

 

SKM060
Peugeot 306 Maxi "Benson & Hedges"
Rallye El Corte Ingle's 1998
L.Raya / J.Negrin

  イギリスのタバコメーカー、ベンソン&ヘッジス。F1の
  Jordan Team でも有名だが、そのタバコ自体を日本では
  見たことがない。

  なんというか、バームクーヘンというかクリスマス・ノエルと
  いうか、微妙においしそうなカラ−リングだ。手間がかかる
  割にかっこよくないと思うのだが(笑)。

  ワンポイントとして、車内のロールケージが青く塗られて
  いるところはいいね。(他に褒めるところが…)

 

SKM99072 Peugeot 306 Maxi "Fortuna"
Rallye El Corte Ingle"s 1999
Louis Monzon / J.C.Deniz

  '99年モデル。スペインかポルトガルのラリーと思われる。
  スポンサーにカストロール(イギリス)やレッドブル(オースト
  リア)が付いている。

  直線的だが非対称に切った赤銀ツートンはなかなか爽快。
  赤と銀の境界線上に白い鉤裂き上のラインを入れて
  塗装が剥げたように見せる効果を入れているのも面白い。

  ボンネット上、大きくチーム名の "Fortuna" を配し、
  スポンサーを左フェンダー上に列記した形はスマートで
  とても格好いいと思うのだが。

 

SKM99006
Peugeot 306 Maxi "Switzerland"
Rallye Du Valais 1998
C.Henny / A.Brand

  詳細不明(汗;。Esso、ULTRON、RESEAU PEUGEOT と
  これに Clarion が入れば WRC のワークス車両と見事に
  スポンサーが重なるのだが…。

  どういうわけか、この車体のみエアロミラーを装着している
  点に注目。カラーリング自体は比較的シンプル。
  リヤフェンダー上に寄せ木細工のようにスイス国旗を造って
  いるあたりが唯一の自己主張。

  控えめだが好感の持てるデザイン。

 

 毎度重いページで申し訳ない…。今回紹介したミニカーは全て Vitesse または Skid 製 (Skid Vitesse Group の一ブランド)。 306Maxi シリーズは最初 Vitesse から発売されていたが、Skid がラリーカー専用のブランドとして設定されて以降は Skid から販売されている。 ほとんどが限定品かすでに絶版のため、現在の入手法はヤフオク or 店頭在庫に限られているが、人気のあるものは、すでに定価の倍以上で取引されているのが実状。 実は紹介した 10台で全てではなく、未入手のものが数点?ある。

L213A  Rallye de France Tour de Corse 1997 G.Pannizi / H.Pannizi

AV090A Winner Lyon-Charbonnieres Rallye 1996 G.Pannizi / H.Pannizi

V98129 "Peugeot Spain" Rallye el Corte 1998 G.Pannizi / H.Pannizi

V98028 "Peugeot Spain" 1997 J.Azcona

V98153 "Peugeot Belgium" Winner Rallye de Wallonie 1998 J.P.Vanderwauwer

 せっかくここまで揃えたので、できればコンプリートなんぞしてみたいじゃないか! というわけで、「適価で譲ってもいいよ。」 とか 「○○のお店で見かけたよ。」 みたいな情報をお持ちの御方、よろしくお願いします。

 

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