07.08.06(MON) | 奥穂高岳(1日目) | 北アルプス |
関東にも梅雨明け宣言が出て、台風5号も北に去り、いよいよ梅雨明け10日の伝え通りに、天気予報にお日様マークが並んだ。早速予定通り奥穂高岳へ行こうと涸沢小屋に予約を入れたのが金曜日、その後出発の月曜の朝まで、天気予報は毎日変った。気を揉ませることではある。今年はそれだけ大気が不安定だったと言うことなのだろう。前日には予約を伸ばそうかとも思ったが、予報が毎日変るのでは替えようもない。結局大筋天気は安定に向う、などと勝手な予想を立てて月曜の早朝、予定より少し遅れたが5時20分に家を飛び出した。 |
コース:上高地バスターミナル9:30→明神10:25→徳沢11:30-11:45→横尾12:45-12:55→本谷橋14:05-14:15→涸沢小屋16:50 (所要時間7時間20分) 松本インター〜沢渡間はがけ崩れの補修や、がけ崩れ部分の迂回路としての橋の工事などが行われているが、特に渋滞は無かった。 駐車場:選ぶ程情報を持ってないので、沢渡大橋駐車場の一番手前の民間駐車場に入れた。日帰り温泉、梓湖畔の湯前(3日間と言ったら温泉の下の駐車場を指定されたので、正確には下。) 沢渡-上高地間は専用バスで約40分。 |
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上高地と言えばこの風景 |
天気は最後に見た天気予報どおり快晴、ただ一緒に並んでいる雷マークがちょっと気掛かり。今回は準備不足も車のトラブルもなく、順調に沢渡着。専用バスの車速の遅さに違和感を覚えながら上高地へ。カッパ橋でお約束の記念撮影をする。9時半に観光地に居るというのは我々には充分早い時間だが、カッパ橋周辺は大変混みあっている。今日は岳沢も穂高もばっちり見えて目的の半分は達成したような気分になる。 |
明神館付近 | 明神岳・前穂高岳 |
明神館の前はかなりの数の登山者が休憩している。明神から先も登る人下る人かなりの登山者が常時前後に居て、すれ違ったり、抜かれたりした。このコースは間違いなく気分のいいコースだが、車と林道を使った安易な山歩きに慣れている我々には、ちょっと長すぎるなあ。 |
徳沢園はこのコースで最もホッとできる所で、外の木陰のベンチはすっかり埋まっていて、木の周りの縁石にも人が座っているくらい混みあっている。それでも広いし小屋の雰囲気もいいから、のんびりしたくなる雰囲気がある。コーヒーもトチ餅もソフトアイスも美味かった。 | ||
徳沢園の空・怪しげな雲出現 |
横尾で分岐し涸沢に向う。横尾はテントも多く、子供連れで河原で遊んでいる人たちもいた。かなりの登山者が休憩してはいたが、この小屋の前の雰囲気は何時も静かである。この時間、横尾大橋を渡る人は少なく、二人で横尾大橋の入口のコンクリートの階段を登るのはちょっと照れくさい。 |
横尾大橋 | 本谷橋 |
涸沢への道を歩き始めると、結構下ってくる人、後から来る人に遇うことも多かった。団体さんにも追い越された。追い越されるばかりで誰にも追いつけない。いいんだ、ゆっくり、ゆっくりと妻の後ろから言い続ける。屏風岩の岩壁の上を怪しげな黒い雲が蔽い始めている。雷を恐れて気はせくが道は遠い。マイペースで歩くほかはない。揺れるつり橋、本谷橋の河原で一休みする。 |
穂高から南岳を蔽う暗い雲 | 涸沢小屋分岐 |
本谷橋を過ぎると一段と勾配が険しくなる。12〜13kmは歩いてきた後だから結構つらい。さすが穂高で簡単には懐にも入れてくれないらしい。しかし右手に遠く続く横尾本谷も見応えがあるし、そこから突き上げる北穂高岳や南岳の絶壁、槍ヶ岳を登った時、天狗原へ下った美しい尾根や右股のカール、大キレットなどが見えて退屈はしない。やがて涸沢が見えてくる。涸沢ロッジの五色の吹流しが派手に翻っている。涸沢下部の雪渓を一歩一歩登るとやっと涸沢小屋への分岐にたどり着いた。空は暗くキャンプ場への道を登っていたら、前穂高岳の上空で迫力のあるカミナリが2度鳴り轟いた。へっ、結構な歓迎じゃん。 |
雷様のご機嫌はそれほど悪くなく、それきりのことだった。雨も落ちてこず、涸沢小屋で受付を済ませて部屋に落ち着いてからテラスに出てみると、空は大分明るくなっていた。やれやれ助かった。 | ||
キャンプ場と涸沢小屋 |
涸沢小屋で案内された部屋は二階の6畳ほどの部屋で、8枚布団が引き詰めてあり7人で使用した。布団は1人1枚だから楽だが、布団の巾は少し狭い。掛け布団は巾が広いので夫婦なら二人で掛け布団は一枚で寝た方が楽。窓を少し開けて寝たくらいで全然寒くなかった。 何と言ってもこの小屋、テラスの気分がいい。ここでコーヒーを飲んだり生ビールで乾杯は最高である。城砦のような、ハタさしものをなびかせるヒュッテや、キャンプ場を見下ろすのがいい。山好きは見下ろすのが好きである。 トイレはバイオトイレらしく水洗ではないがまったく臭いはしない。使用済みの紙は別にトレイに収容するようになっていて、そのトレイが場所をくって狭苦しく使いずらいのが難点。個室の数が少なく男女兼用なので妻の評判はよくなかった。 |
前穂高岳と涸沢カール | キャンプ場と涸沢ヒュッテ |
ダイニングは一番いい場所に有って、こじんまりして感じがいい。夕食はポークソテーだった。 同室者は同年輩の大宮のご夫婦と、宮城から来た40代〜50代の連泊の3人グループ(1人女性)だった。 大宮のご夫婦の旦那さんは、我々と同じコースで奥穂高岳に登って、来た道を上高地に戻ると言う。奥様は1人で北穂高岳に登り、前穂高岳まで縦走して岳沢から上高地に下り、旦那さんと合流するとおっしゃる。冗談かと思ったら、ハシゴやクサリが好きなんですという。八海山、戸隠山、剱岳なんかが良かったという。紀美子平も一度どんな所か行って見たいでしょうとおっしゃる。ぽっちゃりした優しそうな奥様の何処にそんな力が潜んでいるんだろう。旦那さん心配じゃないのかなあ、女性は強いなあ。 宮城のグループは山好きのご夫婦に、旦那の会社の同僚が連れてきてもらったらしい。連れて来てもらった方の話では、一回1800mくらいの山へ行って次がここで、北穂高岳から涸沢岳に縦走してきたという。建設業をやっているので高所恐怖症ではないと思っていたが、足がすくんで震えたと言う。だまされたという。連れて来た方は幾ら待っても来なくてようと笑っている。それで奥穂高岳を登り損なったんだそうだ。勿論奥さんも一緒だよ。同じところをサンダルで登っていた奴が居たと言う、奴は日本人じゃない、シェルパだと言っていた。参ったなあ。穂高ってそんな乗りで登るんだ。僕らが山を歩いてきた20年て何だったんだろうな。 |
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