06.06.01(THU) 三壁山 高沢山 エビ山 浅間・白根


 コース:野反湖キャンプ場10:30→三壁山12:15→高沢山12:55→(食事13:10-13:20)→エビ山14:00→キャンプ場15:10 (所要時間4時間40分)


 吾妻川沿いの国道145号は八ッ場ダムの工事だらけで何かと煩わしいが、それほど渋滞はしていない。野反湖へ登る国道292号は、野反湖手前の森の中でまた何か施設の建設中らしく、狭いくねくね道をダンプが連なって走っていて、これも煩わしいが渋滞するほどではない。
 キャンプ場は広い舗装駐車場、トイレ完備。
右の頭の平らな山頂が三壁山、丸いピークを挟んで左側が高沢山。エビ山山頂から歩いてきた山並みを振り返る。


 野反ダムを渡ってキャンプ場へ入ったら、来る時はいつも閑散としているキャンプ場がやけに賑わっている。それもネクタイを締めた男性やユニフォームのようなものを着た男性が多く、駐車場の上の広場に集まっている。ロッジの向かいには受付のようなものが作られていて、女性を含めて3〜4人ほどの人が立っている。恐る恐る車を走らせ受付を通過して駐車場に入ったが、別に拒否されている訳では無いようなのでほっとした。
 たまたま駐車場を歩いてきた男性に今日は何かあるんですかと聞いたら、「山開きです」と教えてくれた。「昔は随分賑やかにやったんですよ、今は役員くらいかな」とのこと。上の広場にはテレビカメラが据えられ丁度到着した神主さんの入場を撮影していた。山開きなら神主さんのお払いを受けてから登らないと祟るかな、とちょっと心配だったが、例によって時間も時間だし登れなくなってしまうので、先に登らせてもらうことにした。
 受付にはまだ人が立っているので、挨拶代わりに三壁山の登山口の位置を聞いてみた。そうしたら丁寧に教えてくれた上に、「野反湖周辺ガイド持ってますか?」と気軽にロッジの中まで走って行って、野反湖周辺ガイドと言うパンフレットを持ってきてくれた。本当に親切で恐縮してしまった。


キャンプ場 登るにつれ野反湖が真下に見えてくる。


 登山口はキャンプ場のバンガローを巡るうねうねの舗装道路の一番奥にある。歩いて登るにはショートカットする道があるのでそちらを登る。舗装道路の舗装が切れた辺りの右側に、登山口入口の高い標柱が立っている。そのすぐ下の狭い登山道に入る。
 登山道はなだらかな勾配の登りやすい道で、登るほどに下の野反湖の視界が開けてくる。熊笹?が多く笹の竹の子が沢山でている。いかにも熊が出そうではないか。盛大に鈴を鳴らして登る。所々にミヤマカタバミやイワナシの小さな花が咲いている。エンレイソウが多いが既に花と言うより実になっている。


イワナシ 三壁山山頂


 山頂直下は針葉樹の林でまだすっかり残雪に覆われている。下からでは見えないのでちょっと意外だった。踏み跡も少なく道は隠されているが、雪の時期も歩く人が多いらしく、高い木の枝に大きなピンクの布が結び付けられていて、これを辿ることが出来る。硬くしまっていて踏み抜けるところもなく、針葉樹の落ち葉のせいか滑り止めなしでも特に歩きにくくはなかった。
 三壁山山頂は林の中で展望はない。食事には丁度いい時間だったが食べる気にもならず、ああここね、で通過。
 山頂稜線も雪庇の名残の大量の残雪があって、思わぬ残雪歩きが楽しめた。稜線からは堂岩山の影に白砂山の頂も見えた。白根山側が霞んでよく見えなかったのは残念である。ピンクの布の道案内も山頂までで、稜線の道は残雪の下だが、ここは雪の上を尾根通しに歩く。少し下ると道も顔を出して安心する。
三壁山山頂稜線


巻き道の道標 高沢山山頂


 三壁山を下ると、道は次のピークの野反湖側をほぼ水平に巻いて行くので、思ったより楽である。高沢山側を少し登るとカモシカ平の分岐点で、すぐ横の崖の上からカモシカ平を覗き込むことが出来る。ノゾリキスゲ(=ニッコウキスゲ)の時期ではなく、帰りに富士見峠のシラネアオイの植栽地によって行く予定だったので、時間を惜しんでカモシカ平には寄らずに通過。高沢山の山頂も林の中で展望はなくここもただ通過、エビ山に向う。


ナエバキスミレ ヒメイチゲ


 さて少しお腹が空いて来たが食事に丁度よい場所がない。赤城山や西上州の山を歩いていると山頂は大抵展望のよい崖の上である。岩の上に座って、すっぱり切れ落ちた崖の上でおにぎりをほうばる、と言うのがいつものことだから、ここのようにメリハリのない山では食事の場所に困ってしまう。道は適当に広い所もあるので、何処へでも座り込んで食べればいいだけの話だが、藪に囲まれて見えるのは妻の顔だけでは如何にも味気ない(いや、ほんとに楽しすぎる)ではないか。しかしシャリバテしてしまってからでは手遅れなので道に座り込んで食べた。 


ミツバオウレン 稜線のムラサキヤシオ


 高沢山の下りからエビ山の下りは急に花の数が増えてくる。多いのはヒメイチゲやミツバオウレンなどのちいさな白い花、ショウジョウバカマ、キスミレ(前出のパンフレットにナエバキスミレとある)の群落もあった。ムラサキヤシオも少しあるがまだほとんどツボミである。エビ山の上はキンポウゲのような黄色い花で一杯で、このコース唯一の展望のある山頂である。高原のような広々したところで、藪が高いので座ってしまうと展望も限られるが、食事する場所としては適地である。


エビ山山頂 ショウジョウバカマ


 ミヤマカタバミは、あまりかたまって咲いているのにお目にかかったことはないが、ここ(エビ山からの下り道)では、割りとまとまって咲いている。
ミヤマカタバミ


 ここから見る八間山から堂岩山への山並みと野反湖の風景は、野反湖らしいスケールの大きな伸び伸びした風景である。今盛りのムシカリ(オオカメノキ)の花と新緑の中をキャンプ場に下る。この山では誰一人、人に会わなかった。
野反湖と八間山


 帰りに富士見峠の駐車場から少し歩いて八間山側に登ったところにある、シラネアオイの植栽地によってみた。シラネアオイは丁度見頃で(ときタマ日記6月1日参照)手入れもよく、数年後には見応えのある群生地に成ることが予感できた。3年前やはりシラネアオイを見に来て対岸の弁天山の尾根を赤く染めるムラサキヤシオを見に登ったが、今年はまったく赤くなかった。今年は少し時期が後ろにずれたか花付が悪いのだろう。



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