Marc Pesnot 【マルク・ペノ】
ロワール

『生産量僅か20%!涙涙の2008年マルクペノ!』
ロワール河の下流、ナントの街の周辺にはミュスカデの生産地域が広がります。この地で、底なしの情熱でワイン造りにあたるのがマルク
ペノ氏その人です。
美味しいワイン造りこそが自分の夢と語るペノ氏は、時間も手間も惜しむことなく、全てをワイン造りに費やしています。
採算度外視でワイン造りにあたるという、そのあまりの情熱のためか、マルク
ペノ氏は2007年12月に大変困難な状況に直面します。財務上の理由からドメーヌの運営継続が困難になったのです。全てのワインが出荷停止となり、ワイン造りを続けられるかも定かでない状況にありながら、ペノ氏はあくまで畑に出続けました。曇らない笑顔のまま毎日畑に出ては、収穫できるかもわからない、ワイン造りをできるかもわからない、そんなブドウの世話を続けたのです。
そんな中、インポーターである野村ユニソンさんと現地フランスのパートナー、エノコネクション社さんで、経営を引き継ぎ、現在に至ります。
マルク ペノ氏は、よりいっそうの情熱をもってブドウの栽培やワイン造りにあたっています。ドメーヌでは、ミュスカデを中心とした15haに及ぶ畑を所有しておりますが、この東京ドーム3個分に匹敵する面積をほぼ一人で栽培しており、冬の剪定作業などは12月に始めて4月まで毎日休みなしで続きます。畑の土を覗くとシストなどの石が多く見られ、ミネラル豊かなワインの源となっています。畑には豊かな緑が茂ります。所有している畑の多くに樹齢の高いブドウが植えられており、これも芳醇で複雑な味わいのワインを生み出す要因となっています。
収穫の際には全て手摘みによって行い、痛んだ果実を排除して腐敗果の混入を防ぎます。この地域では考えられない程、収穫量は低く抑えられており、結果として他には見られないような果実味が溢れたミュスカデやグロプランとなります。「収穫量を抑える」と一口に言ってもミュスカデやグロプランという品種では非常に深刻な問題に直面します。それは、この種のワインは安価なものがほとんどで、量を減らして美味しいワインを造るよりも生産量を増やして販売量を増やしたほうが経済的には有利であるということです。マルク
ペノ氏のように収穫量を2/3や1/2まで減らしてもミュスカデやグロプランといったワインを通常の2倍、3倍の価格で販売する事は難しいのです。それでもなお品質追求をするマルク
ペノ氏、まさに情熱のなせる業です。
収穫されたブドウは除梗されることなく、発酵槽に入れられます。これは白ワインでは珍しい手法で、赤ワインの醸造におけるマセラシオン
カルボニック法と同様のものです。彼曰くボジョレーのマルセル
ラピエールの考えを取り入れて行っているということで、ブドウの果皮から香りや旨みを引き出すために行っています。勿論、赤ワインとは異なり果皮と果汁が接触する時間はおよそ6時間と短めです。その際ドライアイスを入れ温度を下げて、低温でしか活動しない自然酵母の活動を促します。仕込みは、深夜午前1時ごろに発酵がはじまるように時間を逆算して行います。そのため収穫は必然的に午後に行われることになります。こうすることによって気温の低い夜間に初期発酵がスタートするのです。この手法を彼は「Nuitage
= ニュイタージュ」と呼んでおりフランス語で「夜」を意味する「Nuits」に発酵させることにかけています。これはマルク
ペノ氏が低い温度帯で活動する酵母の存在を重要視し、爽快ながらふくらみのある果実味を引き出すことを目的としているためです。
発酵中は酵母が生み出すCO2の働きによって酸化を防ぎ、酸化防止剤となる亜硫酸の添加は、瓶詰めの際に極少量にとどめています。またペノ氏はコルクの品質にも細心の注意を払い、複数の生産者と共同でコルクを購入し、そのコルクをロットごとに化学的な検査に出しています。その検査結果をみてTCA汚染いわゆるブショネのリスクが少ないもののみを使用しています。
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2008年のワイン造りは表情に厳しいものになりました。
畑を差し押さえられていた期間があったため、剪定が十分にできず収穫量が激減。さらにこの年は天候不良に見舞われたことも重なり生産量は、例年の僅か20%ほど。はっきり言ってイキナリの「経営危機」です。
自然の大きな力の前には人間はあまりに無力なのですが、とはいえ人間にできることは真摯に畑仕事を続けることだけです。マルク
ペノ氏は、ただひたすら純朴に畑仕事を続け、翌年、翌々年に通常の生産量に戻るよう、さらに品質に優れたワインをお届けできるよう日々努力しています。
私たちも2009年、2010年が順調な年であることを願いつつ、希少な2008年を大切にご紹介したいと思います。 |
(インポーター資料) |
Marc Pesnot |
マルク・ペノ VDT ラ・デジレ 2008 |
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従来は「AOCミュスカデ セーヴル エ メーヌ」でしたが、現在は「名」より「実」を取る事となりました。非常に低い収量とニュイタージュという発酵初期の温度を低く抑える手法を採用することによって濃密な果実味とムロン
ド ブルゴーニュ(ミュスカデ)の清涼感を併せ持ったすばらしい味わいになっています。この味わいが大量生産をする造り手のミュスカデと比べて「ミュスカデらしくない」と言われAOCを取得できません。もっとも、「美味しいワインに肩書きは関係ないよ」とマイペースなペノ氏は、爽快な酸味と心地よいミネラルがあり、じわじわ口の中に広がる、熟した果実の旨みの持ったムロン
ド ブルゴーニュ(ミュスカデ)を造り続けています。 |
価格 2,229円
税込 2,340円
kannbai |
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Marc Pesnot |
マルク・ペノ VDT グロ・プラン 2008 |
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グロ プランは元々コニャック用に使われていた品種で、別名「フォルブランシュ
= Folle blanche」。ロワールでこのブドウから造られるワインは、通常酸味がとても強くてボディが薄いワインばかりですが、樹齢60年から80年の彼のワインは、酸味をしっかりと感じながらも、濃密でまろやかな味わいに仕上がっています。
確かに、個性的な味わいが広がります。ちょっと枯れた草のような風味に酸があるのだけれど、甘味のある香ばしさも感じ、洗練されたというより、ほのぼのした田舎の雰囲気ですかね♪ |
価格 1,715円
税込 1,800円
kannbai |
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参考 ブルゴーニュワイン委員会(BIVB)
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BOURGOGNE
ブルゴーニュ
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