大気拡散簡易計算プログラム ADC

 

最終更新: 2007年2月14日

最近の主な更新
このサイトでは、プログラムADCの紹介と関連情報を随時掲載します。

サイト作成者:鈴木秀男
(Eメール)


質問と回答(FAQ)の項へ

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画面見本と簡単な操作方法説明のページへ

大気拡散ノートのページへ [NEW(07.2.14)]



この頁の主な内容 参考資料:

(1) 鈴木秀男、第44回大気環境学会年会講演要旨集(2003年) 607頁

  参考資料の内容の訂正:上記参考資料の本文と表に、拡散幅あるいは拡散

     パラメータを「安定側にずらす」との記述がありますが、これは誤記

     で、正しくは「不安定側にずらす」です。お詫びして訂正させていた

     だきます。

(2) 鈴木秀男、「環境アセスメントにおける大気拡散計算の問題と改善策」、

  環境技術(環境アセスメントにおける大気拡散モデル・風洞実験特集)、2004年3月号




関連サイト
  プログラム公開サイト
      http://www.vector.co.jp/soft/win95/edu/se298180.html

      http://www.vector.co.jp (このページから「大気拡散」で検索しても良い)

      http://hp.vector.co.jp/authors/VA035369/ (Vector作者のページへ。
       今のところ目だった情報はありません)

   o Vector のサイトで、ユーザの方が My VectorにADCを登録しておくと、
    ADC改訂の時にはEメールで通知されますので、My Vectorへの登録をお勧めします。

  関連計算サービス(有料): http://www.sd-edal.com/calcbrief.html



o ご意見・ご感想・アドバイス・使用事例等のEメールをお寄せください。

o ご質問にもできるだけお答えする方針です。

o 大気拡散計算のご依頼をご希望の場合はEメールで問い合わせください。



■ プログラムの概要

点煙源に対する大気拡散の計算を行い、一つの予測点における長期平均濃度を画面に表示する。

予測手法はパフ式とプルーム式(同一距離・一つの風向内で一定の濃度の計算式)で、窒素酸化

物総量規制マニュアルを基本とする。

入力データは発生源の仕様と一つの風向の気象条件の集計結果であり、予測条件は画面で設定する。

予測条件にはオプションが多くあり、多様な条件に適用可能。多数の条件の予測濃度値を容易に

比較できる。

主な用途:大気拡散計算の学習・研究・検算。他のプログラムで計算した結果との比較・チェック・

確認もお勧めする。

予測結果を第三者でも再現できるように、ADCの計算式・パラメータは細部まで公開している。

大気環境学会の年回(2003年)の発表と関連する。

プログラム名:「大気拡散簡易計算プログラム ADC」(略称:ADC)、

(Air Dispersion Calculator に由来)。

商業的利用は原則禁止である。

作動環境: Windows95以上(MicroSoft社)。


■ 著作権

 このプログラムは、鈴木秀男の著作物でり、著作者は著作権を有します。


■ 注意事項

 このプログラムの計算条件の選択については議論があり得ると考えています。

 一部の計算条件の選択肢については、妥当性に異論が有り得ます。

 計算条件はユーザの責任で選択してください。

 著作者は計算手法・条件設定の妥当性に責任を持つものではありません。


■ 利用規程

 このプログラム(ADC)と付属資料の利用は、次の全項目にご同意いただくことを条件と

します。

1) このプログラムは、次の3つの目的に限って使用できる。

  (1) 大気拡散の学習

  (2) 大気拡散の学術研究

  (3) 他のプログラム等で計算した大気拡散の結果の検算

2) このプログラムを業務において使用した結果を他の人、組織または公衆へ報告し、または

 報告資料を作成することは次の(1)(2)を除き禁止である。(1)(2)の場合、このプログラムを

 使用したこと、およびこのプログラムの出典(プログラム名、バージョン、著作者、その

 バージョンの公開年、公開WEBアドレス)を明らかにするものとする。

 出典の記述例

  出典1:大気拡散簡易計算プログラム ADC Ver.xxx、

      著作者名、200x年、公開サイト:http://www.xxxx.co.jp

 (1) 学習または学術研究を目的とする場合は報告または公表することができる。

 (2) 他のプログラム等で計算した大気拡散の結果を報告する場合に、このプログラムで検算

   した結果の記述を加えることができる。その場合の記述を例示する。

  例.「××のプログラムによって地表濃度を予測した。最大着地濃度発生地点は○○で、

    濃度は1.000ppbであった。同地点おける濃度をADC(出典1)で同条件で計算した結果

     1.004ppbであり、相対誤差は 0.4%でほぼ一致した。」

3) このプログラムの商業的配布は禁止とする。

4) このプログラムの再配布の場合、著作者が配布した圧縮ファイル内は一切編集禁止とする。

 圧縮ファイルをそのまま配布するものとする。

5) このプログラムの仕様・付属資料の記述・計算結果を他の人に知らせる場合(出版・文書・

 WEB・通信等の手段を含む)は、出典を明記するものとする。

6) このプログラムの使用による障害、得られた結果が誤っていたことによる障害・損害に対

 して著作者は責任を負わない。使用者のご責任の範囲でご利用ください。

7) このプログラムの改変は禁止とする。

8) このプログラムを他のソフトウェアと組み合わせて、実質的に機能を強化することは禁止

 とする。

9) このプログラムの逆アセンブルは禁止とする。


■ 主な用途

 ○ ユーザ自身が計算した結果を念のためにチェックする

 ○ 他のプログラムで計算した結果をチェック・確認する、計算条件を推定する

 ○ 研究

 ○ 学生の演習


■ 計算の精度について

このプログラムの年間平均濃度計算の精度は、ほとんど場合有効数字4桁である。

ただし、例外(後述)がある。

同じ計算式・計算条件を使用している限り、年間平均濃度計算値の誤差は 1/1000以下のはず

である。これより多少誤差が大きくても、合理的な理由があって説明できれば問題はないと

思われる。

 例外として、(He-Z)/σz>3の場合には精度が悪くなるケースがある。そのようなケース

は、発生源付近の低濃度の地点で比較的発生しやすく、通常は地表濃度は非常に低いので

あまり問題とならない。

また発生源からの水平風下距離が 300, 500, 1000, 2000, 10000mまたはそれと非常にに近い

地点では、拡散パラメータ近似式の境界にあたり、どちらの区間とみなすかによって濃度が

変動することがある。

「計算の精度について」のここまでの記述を2006年1月18日に訂正しました。

以前の記述と比べ、精度が低下する例外を拡大しました。

計算の精度について、プログラムの説明資料も参照してください。

 計算は、あくまでも正確であるべきだが、モデルの精度はそれほど良くない。少な目にみ

ても数十%はありそうに思われ、2〜3倍以上との推定もある。

大気拡散計算の精度について大気拡散ノートのページに掲載中ですのでご覧ください。




■ 質問と回答(FAQ)

質問、感想、ご意見をお寄せください。(Eメール)

Q1 短期平均濃度の予測をADCでできるか?

 A:ADCは長期平均濃度予測専用です。1時間平均値、5秒平均値等の短時間平均濃度予測はできません。

   長期と短期では予測式が異なります。

   それでも、ADCで一定の気象条件の1時間値平均濃度の桁の推定程度は可能です(ただし、両者の比が

   0.1〜10倍の範囲に入ると保証はしません)。この目的の場合、気象条件シートの「全方位有効頻度

   fall(時間)」の欄の値を1にし、予測する気象条件に該当するの頻度セルを一つだけ1、他は全て0

   にして計算します。


Q2 入力条件の見本と計算結果の見本がほしい。

 A:少し時間に余裕ができたら作成したいと思っております。使用法の説明が分かりにくい部分もあり、

   補足資料があった方が良いと思っております。

   画面見本と簡単な操作方法説明のページを設けましたのでご覧ください。(06.1.19)


Q3 濃度計算で気温による補正は行っているか?

 A:ADCでは気温による補正は行いません。窒素酸化物総量規制マニュアルでは、プルーム・パフ両式の

   Qpが標準状態であり、気温による補正を行ってないので、それに従っています。気温を15度Cに補正す

   ると、濃度はADCで計算したより約5.5%大きくなります。((273+15)/273≒1.0549)

   拡散パラメータσz等、予測方法全体としての精度がそれほど高いわけではなく、気温による補正をすべ

   きかどうか一概に言えないと思います。


Q4 気象条件の出現頻度が%単位の場合の計算方法

 A:ADC(Ver.1)では出現頻度の単位は時間ですから、%単位のままでは計算できません。

   %単位を扱えるように改訂を計画中で、実現は早ければ2007年夏ですがはっきりしません。

   Ver.1では次の方法で出現頻度(単位:時間)を求めればADCで計算できます。

   (1)年間で気象条件が有効な時間をnを調べる。(例. 365日全て有効なら n=24×365=8760)

   (2)全方位有効頻度はnの値を入力する。

   (3)風速階級・大気安定度ごとの出現率(%)にn/100を掛け、丸めて整数にすると、出現頻度(単位:時間)が得られる。

   (4)風速階級・大気安定度ごとの出現頻度(単位:時間)を各セルに入する。


Q5 プルーム式の風速を実煙突高さの風速にする方法

 A:ADCでは、プルーム式の風速は有効煙突高さの風速を使用しますが、

   実煙突高さの風速で拡散計算をしたい場合は下記のように設定します。

     計算条件シートにある「風速変換べき指数P」の「P(Ho->He)(倍数)」を0にする。

   これで、有効煙突高さの風速は実煙突高さの風速と等しくなります。



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