美しい彼女
2004年10月
ソン・スンホン(宋承憲)がヒョンと慕うイ・ビョンホン主演のラブストーリー
AIIのネット視聴
美しい彼女

ストーリー 孤児として育った男と若くして未亡人となった女のラブストーリー。
チャン・ドンゴンのサラン LOVE、イ・ジョンジェ主演の情事と男性が年上の女性に熱烈夢中のストーリーに弱い私には、かなり楽しめるドラマになりそうだと期待も大きい。
イ・ビョンホン
(ジュンホ)
ボクシングシーンもかなり様になっていたし、孤児という設定からも沢山の恨を感じさせる演技が観られるののではとかなり期待。
10月5日の夜NHKのニュース番組に出演した際の放送を観たのだが、調子に乗り「美しき日々の室長ばりに視聴者の皆さんに挨拶を」というキャスターに対してやんわりとしかしきっぱりと「ニュース番組にそぐわないから」と断わり、とても礼儀正しく挨拶をしていたイ・ビョンホン。真面目で好感の持てる態度に感心した。

シム・ウナ
(ソニョン)
一番最初にフルネームを覚えた韓国の女優さんである。
1997年の作品ということで周りの女優さんは濃い化粧が多いなかで、シム・ウナはやはり薄化粧だった。
ビョンホン演じるジョンホが一目惚れするのも頷ける美しさだ。
ソン・スンホン(宋承憲)
(ミンヒョ)
世の中に出るためにはどんなこともする若者のようだ。
1回目を見た限りでは若さ故か、かなり力任せの感じが。しかし若くても男前には変わりなし。

第1回
2004・10・10
一目惚れ
(そのまんまのサブタイトルだ)
ボクシング選手としての才能はあるにも関わらず、孤児ゆえどんな仕事もこなし、そしてお金のためなら八百長もいとわないジョンホ。
世捨て人のような生活をしているのかと思いきや、自分を捨てた母親を探すため、テレビ中継をする試合に固執したり、(試合中に腰を突き出すのは自分の名前を画面に大きく写すためだとは、かなり泣かせる)息子にいいところを見せたい相手選手のためにわざと負けてやったりする優しさを持っている。
片や未亡人としてこれからの生活に若干の不安を持っているソニョン。
韓国で未亡人とは幾ら綺麗でもかなり厳しいそして寂しい生活なのではと思いきや、アメリカ帰り、そして少ないながらも仕事もあるようだし、彼女を慕う産婦人科医もいたりして、やっぱり美人は得である。
そして喫茶店でそんな綺麗なソニョンを目にして一目惚れするジョンホ。化粧が濃い韓国女性の中にあって女の私でも「綺麗だ」と思ってしまうのだから、彼女の清楚な感じにジョンホの心を捉えてしまうのは想像に難くない。
一目惚れしただけじゃ話しが進まないと思っていたら、それは困った時の交通事故ということで、ソニョンがジョンホのことを誤って車で轢いてしまい二人は知り合うことになるのだ。
このあたりはとってもわかりやすい展開である。

ビョンホン いい役だ。ああいう寂しさと優しさを持った役柄に弱い女性は世の中に沢山いるし、又売名行為が自分を捨てた母親を探すためというのも泣かせる。
その上、未亡人に一目惚れとは、世の中のマダムの心を鷲掴みというのも解る。

シム・ウナの衣装にやや時代を感じるが、美しさに変わりはない。未亡人という設定だが、それにしてはちょっとお嬢様然とした雰囲気が残りすぎているような気がする。未亡人としての苦悩は次回以降に期待しよう。

ソン・スンホン(宋承憲)
アマチュアで金メダリストだったにも関わらずプロになってから一銭も稼げないことに苛立つ若いボクサー。
「病気の母親に仕送りしたいんだ。」といって世話になったジムを飛び出していってしまうという役柄もまだまだ青二才だが、本人も若い。

第2回
2004・10・11
クリスマス・イブ
(イブに涙を流すジュンホ)
街の食堂に写真でしか見たことのない母親を見つけるジュンホだが、もちろん声をかけることは出来ない。そして偶然にもその食堂の横に住んでいる(あああまりの偶然にビックリである)にソニョンに自分の代わりにクリスマス・プレゼントを届けてくれるように頼むジュンホ。
母親を見つけた嬉しさからか、ソニョンに幼い頃母親に捨てられ孤児院で育ったこと、母親には会いたいが自分がその日暮らしなので会うことをためらっていること、自分が名乗り出たら母親が困るのではないかと、まぁ語る語る そんなに自分の身の上話をするほどいつ親しくなったのかと思うほどだ。しかしそんなに饒舌であっても母親に身分を打ち明けることは出来ず、クリスマス・イブに母親の食堂で一人食事をし、涙にくれるのだ。
ああビョンホン!本当に母性本能をくすぐる演技をここぞとばかり見せている。

母親に名乗り出るためにもボクシングの世界で成功を収めなければと、トレーニングに励むジュンホ。
夕陽をバックに海辺を毛糸のキャップ姿で走り抜ける、トレーニング中の姿はなかなか格好いいのだ。
(バックには切ない主題歌が必ずかかっている)。勿論トレーニングばかりしているわけでもなくソニョンにも試合を観に来るようにと無理やりチケットを渡したりしている。
試合に行くのをためらっていたソニョンだが、テレビ中継を見ていて我慢できずに試合会場を訪れる。日本人のチャンピオンを破り東洋チャンピオンの座につくジュンホ。

このドラマ本当にボクシングシーンが多いのだ。ビョンホンも結構情け容赦なく殴られている。
あまり格闘技には興味がないのだが、殴られながらも格好よく撮られているビョンホンの役者魂には感心する。でもこんなに簡単に東洋チャンピオンになってしまっていいのか?

ボクシングの試合場面のBGMがマカレナだったのだが、随分時代を感じさせるメロディでちょっと笑ってしまった。そういえばあの頃(1996年頃だったと思う)随分流行っていた事を思い出す。

若いソン・スンホン(宋承憲)は・・・・
減量のためのサウナも我慢できず、サウナの前で見張っていたトレーナーを水風呂に突き落として逃げ出してしまう。アマチュアチャンピオンのミンヒョの中には「我慢する」という言葉はないようである。
逃げ出しても「タウン ノミ イッチャナ→次の者が居るじゃない」の一言で片付けられ追いかけても貰えないのだ。
第3回
2004・10・31
恋に落ちたら
(あっという間に結婚?を口にする二人)
祝勝会をすっぽかして街に出かける二人。スキャンダルになるから注意しろと言われたばかりなのに、そんなことはお構いなしらしい。ジュンホが暮らしているジムへ行き二人でインスタントラーメンを作ったりしている。(いつの間にそんなに好きになったのか、もうすっかり恋人同士になっている)が産婦人科を経営する父親が二人の仲を許すはずもなく、父親に逆らう勇気もないソニョンは結局ジュンホとの約束を破ってしまう。
この父親の行動がなんとも不可解だ。産婦人科医のサンミンとソニョンを再婚させようとしているにも関わらず、サンミンに対してはただの子守り扱いだし、サンミンとソニョンの婚約式も自宅で行おうとペンキを塗り替えたり。どうも今ひとつけち臭い父親である。
ソニョンが現れないことに大きなショックを受けるジュンホ。大事な試合の前にも関わらず、泣き腫らしそして眠れずと、プロボクサーにあるまじき行為のオンパレードだ。
流血しても何とか勝つが結局倒れてしまうし・・・・

演じている方は同じ熱の入れようなのかもしれないが、恋する男がプロボクサーだと本当にドラマの展開は忙しい。さっきまで血が飛び散っていたかと思ったら、叩かれてぼこぼこの顔であってもうっとりする場面になったりと、観ている方も気が抜けない。
確かインスタントラーメンを作っていた時は「貴方のことまだ知らないから・・・」と言っていたソニョンがラストではなんと結婚します。と熱く語っているではないか。
いいのか そんなによく知らないのに結婚して。(笑)恋に時間は関係ないを実践する二人らしい。
第4回
2004・11・14
ソウルの片隅で愛を叫ぶ
(私も東京の片隅で愛を叫ぼう・・・)
ジュンホと結婚するために家を出るソニョン。双子の女の子は「私はいつでもお母さんの味方よ」といって一緒に家を出ることを選ぶは双子の男の子の方はおじいちゃんと一緒に家に残ることを選ぶ。女の子の方がおませなのは万国共通らしい。
立派なホテルを一時住まいにして家出生活を始めるソニョン。やっぱり世間知らずのお嬢様といった感じだ。そしてお父さんも何故かソニョンが出て行ったことを医者のサンミンのせいにしている。この親子どうも世間知らずなのは一緒なようだ。そんなソニョンのホテル暮らしもそんなにいつまでも続くはずもない。サンミョンからお金を借りるソニョンの苦境を知り、なんとかお金を工面しようとするジュンホ。何をやるかと思ったらまたヤクザの使いのようなことをして金を手にいれようとしている。この間 東洋チャンピオンになったのではなかったのか。東洋チャンピオンになってもこんなことをしないといけないのか?案の定警察につかまりファイトマネーの前借をして示談にしてもらったりしている。最初からファイトマネーを前借すれば、警察にもつかまることはなかったのではないのか。どうもジュンホとソニョン この二人 育ってきた境遇こそ違うが、世間知らず度は同じくらいのようだ。
カードも全部止められ結局行く先もなく、ジュンホのジムに居候することになる。最初からジムに居候してもよかったのにと思うが、どうもこの二人本当に世渡り上手ではないらしい。
結局嘘泣きという姑息な手をつかって、おじいちゃんに迎えにきてもらった女の子の作戦勝ちということで、結局離れ離れになってしまう。
「愛しているから私が責任を取るわ」というソニョン。この台詞を男のジュンホでなく、ソニョンが言うところが泣かせる。世渡り上手ではない二人だが、愛を叫ぶ勇気はあるようだ。
第5回
2004・11・23
記念写真
(ハウスウェディング韓国風)
ジムの先輩カン・ドンスとウェルター級世界チャンピオンの座を賭けて戦うジュンホ。
世界チャンピオンを賭けている割にはちょっとこじんまりした会場だが、そんなことは関係ない。試合は血まみれのマウスパットが飛んだりしているし、盲腸の手術を終えたばかりのカン・ドンスを気遣って顎狙いのパンチの応酬で、結構激しかったりするのだ。最終ラウンドまでいき、ジュンホが勝つが、試合が終わってもジュンホ、ソニョンなんだかどちらも嬉しくなさそうである。ジュンホはソニョンの車で病院へ行き、なんとくも膜下出血を宣告されるのだ。宣告され二人がショックを受けるかと思いきや、産婦人科のお父さんが結婚を許し、二人は結婚することになり、なんだか幸せ一杯である。
(くも膜下出血の話はとりあえずお預けらしい・・・いいのか?お預けで)
産婦人科のお父さん ジュンホの試合も応援するし、なんだかんだいっても娘が幸せになるのは嬉しいようだ。「婚約式」に引き続き「結婚式」も家でといっていたので、せこいことをと思ったら、これが結構アットホームなのだ。お父さんジュンホの孤児院の子どもを招待することも許すし、ジュンホの母親代わりに食堂の女主人を招待することも快く許すし、急に太っ腹だ。そして恋敵だった産婦人科のサンミンもなんだかんだいってとてもいい人なのだ。結婚式の家族写真も無事撮影し、幸せが一度に舞い込んできたかのような二人。でもそんな上手くいくわけはない。悪徳女ブローカーはいるし、くも膜下出血は治った訳ではないし、一人夜の闇に消えたカン・ドンスの行方は知れないし。

食堂の女主人に「僕を息子と思ってください」と泣かせることをいうジュンホ。この間までちょっと冷たかったこの女主人も結婚が決まったら、急にやさしくなってしまった。自分の親しくしているソニョンと結婚するということで親近感を感じ、他所の人から自分の身内(ウリ)のように感じるようになったということなのだろう。気を許すととことん優しくするのが、やっぱり韓国らしい。新郎らしくするようにとジュンホに化粧してやったりするのだ。ジュンホが涙ぐむのも当然だ。この食堂の女主人もジュンホの姿と自分の息子の姿を重ねている様子なのだが、名乗りあえる日がくるのか。これも次回へ続くだ。
第6回
2005・1・3
ごめんなさい パパ
(子連れの新婚旅行)
双子の子供二人をつれソニョンの運転で新婚旅行へいく4人。
双子の男の子ジュンはどうしてもジュンホが気に入らないらしい。運転も出来ないなんて男らしくないだの難癖をつけている。ジュンホが世界チャンピオンとしてサイン攻めにあったりしても株が上がることはないようだ。
父親は欲しかったが、お母さんを取られるのは心外らしい。新しい父親を受け入れる子供の心は思春期の女の子のように揺れ動くものらしい。
がその辺りは子供だ。ソジュンに凄い勢いで怒られたら、すっかり改心。新婚の二人の側を片時も離れなくなってしまうのだから、なかなかかわいいものだ。

テレビ番組の取材に急に張り切りだすプロモーター。この女性プロモーターが曲者だ。母親の店が立ち退きの憂き目に合っているのを知り、1000万ウォンを工面しようとするジュンホにいきなり迫ったりするのだから、もうびっくりである。(お金を上げるから私の相手をしてと〜と非常に解りやすい展開である)揉めているところに居なくなったドンスが怒鳴り込んできたりして、お金の工面も出来ず、ドンスの姿に自分の行く末をうっすら感じるジュンホ。結局元の悪い仲間の誘いにのり、金の取立てをすることで1000万ウォンを工面しようとするが警察に捕まってしまう。

世界チャンピオンになったはずなのに、日本円にしたら100万円のお金も工面できず、悪の道に戻ってしまいそうになるのだから、栄光を手に入れたとは思えないない寂しい展開である。
そして前回どこかにいってしまった
くも膜下出血」の話はやっぱり無くなったわけではないのだ。
第7回
2005・4・19
愛の絆
(どうやってお金を工面する?)
警察に捕まったジュンホのために保釈金を肩代わりしたのは勿論女プロモーターだ。今度のタイトル戦に勝てばいいからとポンと保釈金をだし、新聞記者には「でっち上げの記事を書くな」と凄み、そして迫ってもなびかないジュンホに「そういう冷たいところがいいのよね」などと言っている。どうもお金と若い男性に目のない熟女(死語だろうか)はこうだという固定観念があってのキャラクター設定のようだが、そんなことはどうでもいい。なんとかジュンホは保釈され、どんなお金であろうともとりあえず立ち退きを阻止するに足りるだけのお金の工面は出来たようだ。

家には帰れないが子どもたちの顔は見たいと、学校帰りに二人を見に行くジュンホの前で虐めにあうジュン。男らしく戦えといかにもプロボクサーらしいアドバイスをくれたジュンホを改めて見直す双子。いつからこんなにジュンホのことを慕っていたのかと思うくらいだ。
更に家に帰ってみるとあのけちだった義理の父親までもなんだかジュンホのことを気に入っている風だ。「家長らしくしてくれなきゃ困る」などと言っているが、帰ってきたことがなんとなく嬉しそうだ。
お金の工面をするために警察にまで捕まってしまうという失態を演じたはずなのに、何故か周りの人からは慕われるという妙な展開だ。

そしてソニョンも「契約はあっても守りません」などと女プロモーターに子どもっぽいことを言って対抗している。気持ちは分かるけれど、いくら半分騙されたような契約とはいっても契約は契約だ。女プロモーターには鼻であしらわれる始末だ。
そしてやっぱり「くも膜下出血」が自然に治る訳もなく・・・
第8回
2005・4・26
小さな約束
(俺にボクシング以外なにがある?)
ボクシングを止める」というソニョンとの約束を守ろうとするジュンホだが、女プロモーターからは「契約を何だと思っているの?」と鼻で笑われ日本行きの話はどんどん進められ、トレーナーとドンスからも「ボクサーの死に場所はリングの上だ」と言い切られる。保証金を払い英会話テープの販売員になってはみるものの一本も売ることが出来ず、なけなしの保証金も返ってこないという体たらくだ。
更にドンスがキャバレーで見世物の試合をしているのを知り落ち込むジュンホ。(自分の行く末を案じるのは当然だ。)
家に帰っても、約束を守ってくれると信じ込んでいる仕事の忙しいソニョンはジュンホの辛い気持ちに気づかない。

「きっと僕の事飽きるに決まっている。最初は珍しかったから僕のことが好きになったんだよ。」とのジュンホの言葉に泣きながら抗議するソニョンだが、これは辛いところだ。「そんなことのためにあなたを好きになったんじゃない」というソニョンの言葉にも嘘はないだろうし、ジュンホの言葉ももっともだ。時間が経てばやっぱりそんなことは諍いの種になるものだから・・・

結局息子のジュンにだけ日本行きをつげて一人旅立つジュンホ。
ジュンの言葉が泣かせる。「僕のお父さんは世界チャンピオンだもの。負けるわけがない。お母さんは分かっていないんだよ。学生は学生らしく、ボクサーはボクサーらしくだよね。」(だから頑張って・・・と続くのだが・・・)
でも結婚式だの新婚旅行だの果ては英会話のテープ売りと、全然練習をしていないと思われるジュンホ。くも膜下出血の前に練習不足が心配だ。
第9回
2005・5・2
喜びも悲しみも
(防衛なるか?)
防衛戦の前に何の準備もせずに結局日本へ旅たつジュンホ。
ソニョンはあわてて空港まで追い駆けるが、必ず帰ってくるからというジュンホを涙ながらに見送るだけしか出来ない。
あの女プロモーターは減量も出来ていないジュンホに見切りをつけて、日本側と裏取引の話をつけ、キャバレー廻りをしていたドンスを解説に呼び寄せと自分のやりたいようにやっている。ドンスから負け試合に命を賭けるなと諭されるが(先週はリングに命を賭けろといっていたではないか。こんな忠告は是非先週して欲しかったものだ)2日間で8キロの減量を行いリングに立つジュンホ。
ソニョンの父もくも膜下出血の話を聞き心配するが、結局みな後の祭りだ。日本人ボクサ正雄に倒されるジュンホ。これで一気に病状悪化かと思いきや、なんと勝ってしまうのだ。(有り得ない展開だが、これも韓国ドラマ故仕方ない。話はどんどん進んでいく。)ソウルで息子ジュンが泣きながら応援したかいもあったというものだ。
しかしサウナの中で転倒し気を失うジュンホ。

格闘技だから血が飛び散るのは仕方ない。ボクシングだから殴りあうのは仕方ない。しかしボクシングがあまり好きではないので、試合シーンを見ているのは辛い。おまけに殴られた顔が画面に大写しになったりするのだ。
どんな男前でも殴られた顔が素敵な俳優などそうそういるものではない。
ボクシングシーンは見ているこちらもかなり痛い場面だ。
第10回
2005・5・9
悪い手
(悪の道からは抜けられない?)
試合の後遺症で目も見えずぼろぼろで帰国するジュンホを優しく看病するソニョンと息子のジュン。特にジュンは見えないジュンホを気遣い病院で泊り込みの看病までするのだ。(この間までは憎まれ口きいていたとは思えない。これこそ韓国人の考える情の深さなのだろう。)ジュンホに二度とボクシングはやらせないと女プロモーターの元へ言いに行くソニョンだが、目などじきに見えるようになるし、後2回は試合をしてもらわないとと軽くあしらわれてしまう。父親の口ぞえで警備員の仕事に就き、順調な様子のジュンホだが、悪の道からは簡単に抜け出すことが出来ない。ソニョンのことを「ヒョンス(兄嫁)と呼ぶヤクザの面々。日本語だと 姐さんという感じだろうか。悪の道から簡単に足を抜くことが出来ないのは万国共通らしい。職場まで押しかけられ悪の道に戻ることを強要されるジュンホ。

ソニョンがジュンホを愛していることはよく分かるが、子どもが二人も居る身でありながらまだまだお嬢さま然とした態度が抜けないソニョンは、私が観ていても歯がゆいものがある。ジュンホも率直ではあるが、ボクシング以外のことは何も知らない世間知らずだし、この二人一体この後どうするのか。借りたお金は如何する?ジュンホ?
第11回
2005・5・16
愛しくて切なくて
(裏切りの報復は?)
ジュンホの職場に押し入るヤクザたち。子どもたちに危害が及ぶ事を恐れ警察に届け出ることを拒むジュンホだが、ジュンホが組から抜けることしか考えていないソニョンは内緒で警察に届け出る。
保証人になってくれた義父が3000万もの損害を肩代わりしてくれることを知り、一度離れたボクシングの世界で再びお金を稼ぐことを決意するが、勿論トレーナーからは反対され、どうすることも出来ないジュンホ。
報復を恐れ毎日子どもたちの送り迎えをするジュンホだが、めまいを(くも膜下出血の症状だろう)起こしているうちに子どもたちを連れ去られてしまう。
ボクシング以外はなにも出来ないと落ち込むジュンホと、子どもを連れ去られて半狂乱になるソニョン。
組に押し入り子どもを返してもらうジュンホだが・・・・

シム・ウナ演じるソニョンはジュンホの事を愛してはいるが、やはり相変わらずの世間知らずだ。ジュンホはボクシングしかない自分をキチンと分かっているが、ソニョンはお互いを思いやり、真面目に生活すればささやかだけれど穏やかな生活がきっと訪れると信じきっているのが凄い。でも世の中がそんなに素晴らしかったら苦労ももっと少ないはずなのに。
女プロモーターもヤクザも、汚い手口でどんどん二人の小さな夢を脅かしているようだ。 来週こそ世の中は汚くて大変で、だからこそ愛し合っている二人は美しいと思うようになるだろうか。愛で世界は変わるほど甘いものではないようだが、愛し合う二人は周りの人も幸せにすることが出来るのか。(多分無理だろうな・・・)
第12回
2005・5・23
タイトル返上
(ミンヒョを育てようとするジュンホ)
もっと立派になって家長として恥かしくない姿で帰ってくると家へは戻らない覚悟のジュンホ。「こんな写真を残しておいたからあの人が帰ってこないんだ」と亡くなった夫の写真の泣きながらプールの中に捨てるソニョンに「ジュンホはそんな奴じゃない。きっとかえってくる」と逆に慰める義父。仕事を休んでジュンホのもとに向かい、家長として家に戻ってこい、ボクシングだけが世の中の仕事でないと優しい言葉をかける義父。いつの間にかソニョンと義父の立場が逆転だ。男として信じるに足る男と認めた父の優しい言葉にも、どこかかたくななソニョンは耳を傾けない。(それにしても家の中にプールがあるとは、開業医はやっぱり儲かるらしい。)
ジュンホを見捨て、アマチャンピオンのミンヒョを育てようとする女プロモーターのの思惑も知らず、女プロモータの下に戻り、 再度の防衛戦でファイトマネーを稼ごうとするジュンホ。しかしボクシングでの育ての親が女プロモータにジムを乗っ取られ失意の中亡くなったことをきっかけにチャンピオンベルトを返上することを決意する。

街中で喧嘩をするミョンヒに声をかけ、ジムにくるよう促すジュンホ。
良い選手が良いトレーナーになれるのか?

チンピラ相手に地下鉄の構内でとび蹴りを見せ、力なく構内に腰を下ろすジュンホを見下しながら「けっ!汚れたチャンピオンが・・・」と捨て台詞を残して去っていくミョンヒ。市場の中でも、とりあえず振り上げた拳をめったやたらに振り回している。
演じるソン・スンホン(宋承憲)も、とりあえず全力でやろうとしている感じは伝わってくるが、ただ力んでいるだけといった感じだ。
落ちぶれたチャンピオンと思っていたジュンホに、全然歯が立たずリングでの無様な様子、ジュンホを憎憎しげに睨む表情も、とってつけたような感じだ。
いままで頼りなげにさえ見えたイ・ビョンホン演じるジュンホが急に立派な大人に見えてくるから不思議だ。
第13回
2005・5・30
僕のお父さん
(ジュンの作文に泣かされる)
ミンヒョを育てることに生きがいを感じ始めるジュンホ。女プロモーターはジュンホの次の金づると眼をつけていたミンヒョを横取りされたことが気に入らないらしく「いい選手がいいトレーナーになるとは限らないのよ」とミンヒョに入れ知恵する始末だ。病気の母親に仕送りできなかったのは女プロモーターのせいだと思っているミンヒョは、今のところジュンホのところでやっていくつもりのようだが、ジュンホのことを尊敬するそぶりが一つもない。ボディを狙えというジュンホの指示通り試合をし、とりあえず勝ちはしたものの、取り分が少ないと不満そうだし、試合が終わったら女遊びに夢中と結構な傍若無人ぶりだ。そんなミンヒョを育てるのに精一杯のジュンホは、誕生日を祝いに来てくれたソニョンやジュンの寂しい気持ちに気づかない。自分では精一杯感謝の気持ちを表しているつもりなのだが、心はボクシングのことで一杯なのだ。そしてジュンはそんな寂しい気持ちを抑え、「僕のお父さんは世界チャンピオンでした。でも今は違います。でもお父さんは負けたのではありません。お父さんは男らしく生きることを僕に教えてくれました。お父さんは本当のお父さんではありませんが、世界で一番尊敬できるお父さんです」小学生の子どもがこんなに立派な作文で大賞を取り、作文を皆の前で発表するのだ。道徳の教科書に出てきそうな作文なのは、ドラマだからか。それともちょっと大袈裟だけれど、韓国の学校の作文はみなこんな感じなのか?離れていると心も離れていくのかしら?と不安の感じ方が幼いソニョンに比べ小学生のジュンのほうが大人にみえる。

アマチュアチャンピオンの役でありがら、腕をブンブン振り回すだけといったソン・スンホン(宋承憲)。(脇はしめなくていいのか?)筋肉の付き方だけみると、ボクシングよりK−1かプライドかといった感じだし、台詞も動きも一杯一杯で余裕がなく、あるのは若さだけといった感じだが、そんな姿を見られるのもまた面白い。如何考えても来週次の回あたりで、ジュンホを裏切りそうな感じだ。(額に空きあらば裏切ります。と判でも押してありそうな感じだ)そんな分かりやすい演技も若さゆえか。
第14回
2005・6・6
ジュンの活躍
(ジュンが盗みをはたらく訳は・・・)
たまたま訪れたジムで、ミンヒョの傍若無人ぶりを目の当たりにし、ショックを受けるソニョン。
「あの人が有望なの」とジュンホに不満をぶつけるが「彼は有望なボクサーなんだ。ちょっとした誤解があっただけ」と言い、かたくなに家に帰ろうとしないジュンホ。

「お父さんがいるのに、男の人と遊んでいいの。そんな格好していいの?僕は恥ずかしいから一緒に帰らないよ」カーリーヘアに濃い化粧をし、飲めないお酒を飲んで憂さをはらそうとするソニョンに向かって、非常に道徳的に正しいことをいって、意見するジュンホ。どっちが大人だか分からないし、ソニョンの羽目のはずし方が非常にステレオタイプで見ているほうが恥ずかしい。このジュンはジムでミンヒョにまで意見するという、道徳好きなところを更に発揮するが・・・

このままでは二人は離婚する。心が離れているのは分かっているけれど何とか二人のよりを戻させたいジュンは、学校でわざと盗みを働き、両親を学校へ呼ぼうとするのだ。これ以上の方法はない、この捨て身の作戦。子どもながらなかなか泣かせる。

そんな中、飛び出したジムに戻り、ジュンホの許でトレーニングを続けるミンヒョだが、度重なる女プロモーターの嫌がらせにより、結局女プロモーター側に寝返るミンヒョ。

「結局捨てられるぞ。人生は大事に生きろ」と諭すジュンホの言葉に耳も貸さず、金のため、自分の欲のために女プロモーターの許に行くミンヒョ。「俺はまだ若いんだ。短い人生、好きなように生きてやる」と非常に捨て鉢は発言をするミンヒョだが、演じるソン・スンホン(宋承憲)もまだ若いせいだろうか。「悪ぶっています」という態度が額にかかれているような、分かりやすい演技だ。が私はファン故、この若いだけを売り物にしている感じも、初々しくていい。と非常に好意的に解釈。サンドバックを相手の練習シーンが出てくるが、パンチの切れはどんな感じなのだろうか?私はボクシングに興味が殆どないのでよく分からない。ちょっと残念だ。
第15回
2005・6・13
凄絶なほど美しく
(ジュンホの余命は・・・)
ジュンを家まで送り届けるが、そのまま帰ろうとするジュンホを「家長がそんなことでいいのか?ソニョンと話し合え!」と部屋に閉じ込める義父。このお父さん最初はお金の事ばかり言っていたはずなのに、いつの間にかすっかりジュンホのことを気に入っているので泣かせる。しかし結局ジュンホとソニョンの話し合いは上手くいかず協議離婚することに・・・・
帰り道、バスの中で昏倒するジュンホは病院での診察を受け、余命いくばくも無いことを宣告される。目の前が真っ暗になるジュンホだが、そんな中協議離婚の話し合いを行う二人。
勿論二人とも、口々にお互いを優しい人と誉めあい、子どもも愛しているし、ソニョンの父親も大事にしてくれるし、至らないのは私の方とお互いを誉めあい、協議離婚の話し合いにもならない。(このあたりが二人が世間知らずの似たもの同士というところか・・・)

ミンヒョのもとでの日本人ボクサーマサオとの試合後「いつでもかかって来い!殴り殺してやる!」とテレビカメラに向かってジュンホを挑発するミンヒョ。
そんなミンヒョの姿を見て、彼の更生には自分が試合相手になるしかないと腹を決め、最後の試合に向けて調整を始めるジュンホ。
ジュンホどこまでお人よしなのか。そして最後の戦いをサポートしようとするソニョン。

テレビの向こうから、声をからし応援しているジュンホに向かって、罵声を浴びせるミンヒョ。演じるソン・スンホン(宋承憲)もただただ怒鳴っているだけなのが、なんとも薄っぺらな成り上がりの若者らしい。恩をあだで返すのかミンヒョ。リング上での師弟対決がラストシーンになってしまうのか・・・・・
第16回
2005・6・20
出会い愛した
(さよならジュンホ)
試合に向け最後の減量に励むジュンホ。試合が終わったら食べたい料理を次々あげるジュンホの言葉に思わず涙ぐむソニョン。父親の減量の合宿についていったジュンは、春川食堂の女主人がジュンホの産みの母親だと知り「僕もおばあちゃんと呼びたい」と涙ぐみながらジュンホの勝利を信じ続けるのだ。

試合前の記者会見の席ではジュンホに暴言を吐き、試合が始まってからも必要以上にジュンホのことを睨み続け挑発を続ける無謀な若者、ミンヒョ。
頭を重点的に狙ってくるミンヒョの作戦に次第に視線が定まらなくなるジュンホだが、そんなジュンホ側の作戦が「試合を引き伸ばしてミンヒョが疲れるのを待つ」なのでびっくりだ。試合を観ていると如何考えても疲れているのはジュンホの方なのだが、死闘の末KO勝ちを収めるジュンホ。

でも余命いくばくもないジュンホに勝利の美酒はないのだ。病院にいくことを拒み自宅で皆の顔を見ながら最後の時を過ごすジュンホ。

ネットで@悲しき恋歌を視聴している間は中断したりしたので、思いのほか最後まで来るのに時間がかかってしまった。更にボクシングには興味がなかったので、最後まで見るのはかなり辛いものがあった。ボクシングのシーンが少ないとはいえ、好きでないスポーツに命をかけている男性が主人公のドラマなのだ。どこに共感を覚えながらドラマを観ればいいのかと悩みつつの視聴日記になってしまった。
更にソン・スンホン(宋承憲)の役柄も、勿論心に傷をおった若者という設定ではあるが、演じ方や描き方が非常に分かりやすいものだったので、こちらに共感を覚えることもなかなか難しかった。
面白かったのはそれまで、世間知らずの孤児院育ちだったはずの、イ・ビョンホン演じるジュンホが、ソン・スンホン(宋承憲)演じるミンヒョと並ぶと妙に大人に見えたことだ。撮影中にソン・スンホン(宋承憲)がビョンホンのことを非常に慕っていたという裏話を聞きすぎたせいかもしれないが、そのあたりはなかなか興味深かった。

兎に角最後まできてほっと一息だ。

ソン・スンホン(宋承憲)の部屋へ

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