メッセージ

2004・10・2 大陸版VCDを視聴
今回は頼りの漢字もなく韓国語のみの視聴


2004.11.27
日本語字幕付きバージョンを視聴


 ソン・スンホン(宋承憲)→ジュンソン いわゆる遊び人の男。職業は靴屋の店員。
  チャ・スウォン→インギ ジュンソンの先輩でこちらも遊び人。ホテルに勤務している。
   チェ・ジウ→ミンジュク インギのもと彼女。劇団に所属している。

「字幕なしバージョン」

このドラマのソン・スンホン(宋承憲)は本当にのびのびと演じているなと思う。
女性と付き合うのに本気は必要なし。嘘をついても女性が納得しているのだったらなんの問題もない。
(別にお金を巻き上げるでもなし可愛いもんである)
仕事でもしかり。ちょっとしたセールストークで靴が売れ、そしてそれを購入する女性が満足しているのだったらなんの問題もなし。
実際販売員の心得としては、商品を売るだけでなく、お客様に満足していただくということはとても大事なことなのだ。
「お客様にもっと似合う商品があるにはあるのですが、ちょっと高いので・・・」女性の自尊心をクスずるこんなセールストークが通用するのも
ソン・スンホン(宋承憲)が男前であり、悪気の一つも感じずに口にしているからだ。
そしてイ・ボムス演じる職場の先輩に対して、女性に靴を販売する際の心得、女性に対する心得などをとうとうと語るのだ。
このショップでの販売員の場面は結構気に入った。
この前半の意味のない能書きがあってこそ、後半の純情さがとても可愛らしく感じられるのだ。

チェ・ジウ演じるミュンジュクは遊び人インギに捨てられたにも関わらず、そして本人は捨てられたかもと薄々感じているにも
関わらず、何故か健気にもそして元気なメッセージをインギへポケベルへ残し続ける。
遊び人のインギはもの珍しさから、真面目と思われるミンジュクとちょっと付き合ったつもりだけで、何一つ真剣なことは
いっていないはずだ。(言っていたとしても単なる口からでまかせの嘘だろう)
インギからポケベルを貰ったことによって、そんなミンジュクからのメッセージを偶然聴くことになるジュンソン。
そんな相手にメッセージを残し続ける女性と遊び人のジュンソンとはなんの接点もないはずなのに、それが何故か気に係り
いままでの遊び人とは一転なぜかミンジュクからの伝言メッセージを心待ちにするようになってしまうという、かなり可愛い
展開だ。

女性にも仕事でも、かなり遊び心のあるマニュアル通りに行動してきたジュンソンにとって、「インギさんはいい人」と素直に
思い込むミンジュクは新鮮だったに違いない。いつまでもメッセージを残し続けるという、なんの駆け引きも考えないミンジュクの
心の赴くままの行動にはマニュアルにはない力があったのだろう。
本人はマニュアル通りに行動しているにも関わらず、実はなかなか純情な青年だったのだ。

しかしポケベルが時代を感じさせる不思議な感じだが、1999年というそんなに昔のドラマではないのだ。
そういえば「ボケベルがならなくて」という歌(ドラマ)もあったなと懐かしく思い出す。
韓国版ポケベルがならなくて、否「ボケベルが鳴ったから」そんな感じの可愛いトレンディドラマだった。

韓国であまり猫は愛でられないと聞き、猫好きの私は寂しかったのだが、このドラマのなかではソン・スンホン(宋承憲)演じる
ジュンソンが一人暮らしにも関わらず猫を飼っている設定だった。
猫を飼うという設定になにか意味があったのかもしれないが、(外では遊び人だがじつはちょっと寂しがりやだとか・・)
そんなことよりなにより、猫好きにとっては単純に嬉しい設定だった。


「日本語字幕付きバージョン」
 四桁の暗証番号は0124(ヨンイルイサ→永遠に愛する)
そして飼い猫の名前はイ・スッキョン 

愛すべきB級の良さをもったドラマ故、字幕付きで見ても感想に大きな違いはない。
ただ改めて思うのは、普通のラブコメディにも関わらず出演者がそれぞれ口にする「愛について」の講義の多さだ。
登場人物の誰もが愛について一過言持っており、(それが結婚観であったり、一生に一度の愛であったり題材は様々だが)
またそれについて熱く語ったり、日常の場面でさらっと語ったりするのである。
日本人で、日常生活の中で愛について語る人などいないし、ドラマの中であっても皆無だろう。
たとえ愛に対して一過言もっていたとしても、そんなことを口にしようものなら、能書きの多い人のレッテルを貼られるだけだ。
日本人にとって、愛は語るなどという仰々しいものでなく、なんとなく愛情を感じるとか、雰囲気に支配されることが多いような気がする。
少なくとも私はそんな風に感じている。
だから愛について照れることなく、とうとうと語る韓国ドラマをみると、ちょっと呆れながらも、面白がってみてしまったりするのだろう。

ソン・スンホン(宋承憲)演じるヤン・ジュンソンは、恋愛についての講義をメッセージに残すというちょっと変わったことを
やっているが、(食堂のおばさんがストーカーといっていたが、まさにその通りだ)顔が見えない分だけかなり饒舌だ。

「良い男の人などいません」
「男は一人の女性では満足できません。もし一人の女性で満足している人がいたら気が弱いだけです」
(自分で自分の言葉に満足し、語ることに酔っているソン・スンホン(宋承憲)の様子が微笑ましい・・)

そしてジュンソンの職場の先輩を演じるイ・ボムスでさえももこんなことを言っている。
「女はお酒を飲んだり遊んだりするものじゃなくて、一緒に生活するものだ」
誰でも愛について一過言持っている韓国ドラマ、恐るべしだ。

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