『特撮番組の中の鉄道 その2』 


 最近のビデオソフトはすっかりDVD一色。拙者が好きな特撮ものの分野でも、ウルトラマンなどのメジャー作品はもとより、知る人ぞ知るマニアックな作品もいろいろリリースされている。

 そういったものの中から、鉄道が登場しているものをいくつか紹介させていただく。

 

営団地下鉄銀座線

  ・1972年円谷プロ制作『ウルトラマンA』の第5話「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」より

 


 大蟻超獣アリブンタが東京の地下に作った巣穴が、銀座線のトンネルとガッチンコ。そうとは知らずに走ってきた電車は、巣穴の中に落ちる。
 アリブンタが電車に蟻酸をかけると、電車の車体はボロボロになり、乗客は白骨化(怖)

 それはそうと、電車が巣穴の中に落ちるシーンを観ていると、その傍らにはアリブンタが立っている。しかし、身長57m(という設定)のアリブンタと比べると、電車はとても小さい。1両は、アリブンタの1/10くらいしかないように見える。ということは、電車1両の長さは5mちょい?(Bトレインみたいだ!)


国鉄鶴見線

 ・1973年円谷プロ制作『ジャンボーグA』の第14話「恐怖!夜空に舞う地獄花」より

 


 懐かしの旧型国電、チョコレート色のクモハ73?が少しだけ出てくる。正面サボには「鶴見 扇町」の文字が見える。あと、鶴見線かどうかはわからないが、夜の踏切のシーンで、三段窓の電車が通過するシーンもある。
 また、トラやトキがたくさん留置されている操車場も出てくる。国鉄の貨物輸送がまだまだ元気だった頃の貴重な映像だ。

 

小田急電鉄

  ・1967年円谷プロ制作『ウルトラセブン』の第2話「緑の恐怖」より

 


 休暇で地球に帰還した地球防衛軍の宇宙ステーション勤務イシグロ隊員(実はワイアール星人が化けている)が、妻と一緒にロマンスカー(NSE車)で箱根へ向かう途中、なぜか元の姿に戻ってしまい、車内は大パニック。驚いた運転手はトンネル内で電車を急停車させた・・・というのが、この回での鉄道登場シーン。

 騒音問題からか、今ではあまり聞けなくなったミュージックホーンを鳴らして走るNSE車のシーンがある。
 また、トンネル内で急停車した電車から乗客が次々と脱出するシーンがあるが、これは夜間の車両基地で撮られたものだろう(いくら人気番組のロケとはいえ、昼間の営業路線上で電車を停めるわけにはいかないだろうし・・・)。
 それはまぁいいとしても、電車から脱出した乗客がトンネルからゾロゾロ出てくるシーンでは、線路は単線で、おまけに架線が無い! おそらくは、当時非電化だった国鉄御殿場線あたりでロケしたものだろう。

 

  ・1966年円谷プロ制作『ウルトラQ』の第28話「あけてくれ!」より

 


 これにも小田急電鉄ロマンスカーNSE車「異次元列車」として登場。拙者のようにショボくれたサラリーマンが、ふとしたきっかけで異次元列車に乗り込んでしまったというのが、この回のストーリー。夜の街の上空を飛ぶ異次元列車のシーンは、なかなか幻想的だ。
 また、この回には都電も登場している。かつての青山車庫でロケしたとのことだ。

 

国鉄八高線

  ・1966年円谷プロ制作『ウルトラQ』の第25話「悪魔ッ子」より

 


 ラスト近くで少女が線路の上を歩いていると、向かうからSL(D51?)牽引の貨物列車が、汽笛を鳴らしながら驀進してくる!
 線路のシーンで「18 1/2」と書かれたキロポストが見えるので、箱根ヶ崎−金子間でロケしたものと思われる。
 

2004.8.7