木星奪還部隊 ガイアフォース



   地球連邦歴135年、木星開発財団ジュピトリウスの会長メサド・ブレナーは、地球統括権を主張した。財団はジュピトリウス帝国を名乗り極秘裏に開発していた機動兵器ラウンドムーバーで地球圏を脅かす。地球連邦政府は、急遽、特殊部隊を組織を結成しメサドの陰謀を阻止する作戦を展開した。
これは、ジュピトリウス帝国から地球を守り、木星を平和の惑星にするために戦う青年たちの物語である。

第一話

 地球連邦歴135年―――人類の生活圏は木星にまで広がり、鉱物資源の採掘にいたっては他の星団にまで及んでいた。宇宙に羽ばたいた人類は、地球とは異なる文明との遭遇を待望したが、未だに可能性の域を脱してはいなかった。

第一話「天射抜く巨人」

第二話

 漆黒の宇宙空間に浮かぶ赤い星「木星」。厚いガスに覆われたこの星は、生けるものを隔絶するかのように、その大気をうねらせていた。
 それは、人類の運命さえも飲み込もうとしているかのように見えた。

第二話「希望の青い閃光」

第三話

 火星域セントヘレンズ基地は、地球連邦軍の宇宙戦略上の拠点である。
 ただし、そこに集う宇宙軍の面々は、とても紳士とは言い難い有様だった。

第三話「戦いは誰のために」

 

第四話

 人々は生まれ、恋をして、子を作り、働き、老いて、死んでいく。その短い一生の中で、平和を望みつつも、戦火に巻き込まれ、あるいはその先頭に立ち命を散らしていく。それを善と悪とに単純に割り切れないのは、いざとなれば、自分自身も進んで戦火に身を投じることがわかっているからだろうか。
 そんな人類を静かに見下ろす満月の薄明かりは、安らぎを運んでいた。

第四話「震撼する宇宙の中で」

 

第五話

 青い地球を背景に広がった炎は美しい輝きだった。しかし、彼らにとっては友の命がつきる瞬間であり、自分たちの未来の光景にも見えたのだった。友の死を悲しみ、命のはかなさを実感しつつも、迫りくる銃撃を交わし、相手を撃つチャンスを狙う。それは、ひとの命を奪う行為には違いないのだ。

第五話「戦国武将の刃」

 

第六話

 危険が遠ざかったのは、実力のせいではなかったが、運命は少なからず若者たちに味方したようだった。戦いを続けるかぎり、身の危険はつきまとう。戦わぬものにとっても、それは同じことである。
 この世から戦争が無くならないかぎり、大火は人身を焼き続けるのだ。

第六話「過去の爪痕」

 

第七話>

 たとえそれが、正義の旗のもとに行われる行動であったとしても、銃口の先には死んでいく若い命があることは動かしがたい事実なのだ。人類が、宇宙へ羽ばたいている時代である。君は掛け替えのない親友に銃を向けているかもしれないのだ。

第七話「涙では解決しない」

 

第八話

 純真な少女は、過ちを自分の命で償えるとは思っていなかったが、今できることをするしかなかった。ヒトの命は簡単に捨てるものではないことは、よくわかっていることなのだ。それ故に悲しい選択なのである。

第八話「運命の選択」

 

第九話

 富や権力を手中に収めたものが、必ずしも幸福ではないことは歴史の証明するところである。しかし、それでも、人々はそれを求め続け、時にはその欲求が新たな差別や貧困を生み出していくのだ。

第九話「つよい魂が欲しい」

 

第十話

 少年たちは、生きるものとの決別の悲しさをしりながらも、戦場へと駒を進める。大人たちがつくりあげた世界に、迷うことなく足を踏み入れてしまう子供たちを止める術を失った社会を切り開く知恵はどこにあるのだろうか。

第十話「ライバルとは呼べない」

 

第十一話

 火星と木星の間には放浪する小隕石の流れがある。そこは、密輸船の航行ルートでもあり、隕石に混じって浮遊する色とりどりの装甲板の破片が物語るように、宇宙の墓場でもあるのだ。
 人々はその場所を「メデューサの河」と呼んだ。

第十一話「メデューサの河」

 

第十二話

 人には知られたくない事実と、知ってはならない真実がある。そして、知ることで後悔を強いられる場合がある。新たなる出会いは若者を成長させるが、その過程は必ずしも喜びに満ちた感動的なものでないことの方が多いのである。

第十二話「スロットル全開」

第十三話

 友が危険にさらされているのを知って、助けようとしない者はいないだろう。しかし、そのために別の相手を傷つけても良いという論理が戦争にはある。
 しばしば、それは、己の正義の旗のもとに行われるのである。

第十三話「救出隊出動」

 

第十四話

 仲間という意識は、同じ目的に向かう者同志ほど結束堅くできあがる。目的が遠ければ遠いほど、一段と分かりあえるものである。

第十四話「射撃の名手」

 

第十五話

 あの日、雨さえ降っていなければ、彼はかつての同志に銃口を向けることはなかったのかもしれない。だが、それもいいわけである。道を選んだのは彼自身なのだから。

第十五話「隕石流の影」

 

第十六話

 老人の言葉に耳を貸さないのが若者の特権であるならば、過去の過ちを学んで生かそうともしない大人が育つのは仕方のない道理であろうか。若者を戦争に駆り立てるのは、いつも弱者を愚弄する大人たちである。

第十六話「チームワーク」

 

第十七話

 瞬間たりとも時の変化しないことはない。ヒトは時の流れの中で生きる。ただし、運命のながれをつくっているのは個人である。流れに身を任せるも、逆らうも、自分自身である。後悔をしない選択、それは、どこまで自分の気持ちを正直にみつめたのかで決まるのだ。

第十七話「繰り返される過ち」

ここまで


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