


電気のお話し
バッテリーのメンテ
序
キャンピングカーでこいつが無ければ最悪である。
しかし、間違った知識がまかり通っているものでもある。
これから記載することは、以下の条件のもの
一般的に市販されている車載用の鉛蓄電池に対する記載である。
仕様・スペックで端子間電圧が13.7Vあれば満充電と
されているものである。
それ以外は、この値を変えて読み直して下さい。
バッテリーを長持ちさせるには特徴を知らなければ駄目
その鉛蓄電池の特徴とは
・過充電に強い
・大容量である
・瞬時には大電流が流せる。
・メンテナンスが楽
・充電回路が簡単
・何もつながないで放置していても暗電流が流れる。
などが上げられるが何故メンテナンスの質問が多いかである。
では、やってはいけない事を
特にこれをやると直ぐ駄目にするものを
・過放電
・容量の1/5以上の大電流を流す
・充電電圧の過電圧
・充電不足での放置
・液不足の放置
この中で怖いのが過放電と大電流と過電圧
バッテリーのメンテナンスの付いて記載されているものを見ると
大方過放電・充電電圧過電圧・過充電の3つが駄目にするものと
記載されているものが多いが、これらを同列に扱うと
充電不足での放置につながり早くバッテリーの寿命が短くなる。
この3つの危険度のレベルを並べると
1番危ないのが、過放電と大電流
2番は、充電電圧過電圧
3番は過充電
2番目の充電電圧過電圧も1−2Vのレベルで長時間か掛からなければ怖くない
3番目の過充電は、電解液が減るだけで継ぎ足せば問題ない。
11Vから下の電圧まで放電させるとバッテリーの寿命を一気に短くする。
具体的には、瞬時を除いて容量の20%の電流を一気に放電すると
一気に危険電圧まで下がり、かなりのダメージを受ける。
大容量インバータの使用は、自殺行為になる。
この為にツインバッテリーにしたんだと言う方も居ますので、
これまた、問題があるので別項で記載しますね。
充電器
次にACからの充電器ですが、これに付いて
充電器をつなげっ放しにすると壊れて危ないのでつなげっ放しに
しない方が良いと言う話を聞きますがその真偽は?
先ず充電器のタイプ
タイプ1
・電圧が安定化していないもの定電流で充電
タイプ2
・タイプ1に充電終了電圧を監視してその電圧になったら
充電を終了させるタイプ
タイプ3
・充電終了電圧近辺まで定電流で充電しその後は
終了満了電圧で電圧を安定化させて最終的には
暗電流程度の電流になるもの
大きく分けるとこんな所でしょう。
充電満了電圧と言うのは、バッテリーメーカが
「この電圧になったらバッテリーは満タンですよ。」
と言う電圧、まさか放電して容量を調べられませんから
メーカもこの値で判断しろと言う訳です。
12Vのバッテリーは、13.7Vが一般的です。
タイプ1と2は、古いタイプの充電器で
安物の充電器がこれです。
タイプ1は、電気を使わないでつなぎっ放しにして置くとバッテリーを
駄目にします。
タイプ2は、それを改善したタイプですが充電しながら使用する用途では
いささか役不足で、電圧が安定していませんので使用機器を痛めます。
タイプ1・2とも壊れると過電圧若しくは交流が掛かりますのでバッテリーを壊します。
タイプ3は、スイッチング電源(SW電源と略す)を使ったタイプです。
SW電源の過電流特性をL字にして電圧低下を起す過電流時には
停電流動作を行わせて過電流域にならないエリアでは
定電圧動作を行わせて直流電源として使うと言う優れものです。
過電流時は、電源を含めて全体を保護する為に電圧停止と言うのもある。
その上、元がSW電源ですから壊れると大方スイッチング素子が
壊れますので電圧が出ないと言う壊れ方になりますので
大方壊れてもバッテリーを道連れにしません。
うちのKingに付いているのがタイプ3の充電器です。
蛇足ですが、タイプ3の充電器は、市販の13.5V出力の
SW電源の電圧を上げると同じものが出来ます。
昔、某大手メーカに電圧を上げさせて納入させて
充電器として使いました、
バッテリーを長持ちさせるには
バッテリーを長持ちさせるには、どうすれば良いかですね。
保存方法は
先ず、バッテリーは満充電で保存する。
しかし、何も使わなくても暗電流で消費されて満充電状態に
ならないので、暗電流分だけ補う必要がある。
この問題を回避させるにはタイプ3の充電器を
常時つなぎっ放しにすれば問題は解決します。
帰って来て充電不足でも次行くまでには、満タンです。
バッテリーを使えば充放電で熱が出ます。
その熱で電解液が蒸発しますし、充放電時にはそれに加えて
電気分解で水素ガスと酸素ガスが発生します。
これでも電解液が少なくなりますので定期的に様子を
みて補充液を補充して下さい。
この時に決して入れすぎない様にね。
HIとLowの間に入れて下さい。
電解液が少なくなるとバッテリー内に水素ガスと酸素ガスが溜まって
電極の火花等で引火して爆発しますので怖いですよ。
また、有害ガスが出ないバッテリーは存在しません。
なぜならガスが発生する前提で内部の圧力を抜く為に
必ず安全弁が付いています。これが動作すればガスはバッテリーの
外に放出のでされます。
ですから室内にバッテリーは置かない方が安全です。
使い方は
まず、電気を使わない事ですが、それは無理でしょうから
通常使用電流を容量の10分の1程度に抑えて下さい。
定期的に電圧をチェックして12Vを割るようなら即座に充電して下さい。
エンジンを回す方が短時間に充電出来ます。
発電機を長々と回すよりは静かです。
電子レンジなどを大電力機器を使う場合は出来たら
インバータより、発電機の使用をお勧めします。
使用時間が短時間でもインバータを使用するとバッテリーの
ダメージは数時間使用する状態と同じです。
それに走行充電回路が壊れた時は発電機から充電出来ます。
金額的には同じなので発電機をお勧めします。
DC/ACインバータ
それでもAC電源の機器を使いたい場合は、その機器の
VA表示より少し大き目のインバータを使うことをお勧めします。
容量が大きくなればなるほど変換効率が同じならその機器自体が
自己で消費する電力は容量が大きければ大きくなります。
現在、20W・50W・150Wの3つのインバータを
用途によって使い分けています。
ツインバッテリー
電気を多く使いたいからツインバッテリーにすると言う方が増えています。
105A2つで210Aだと言う事でしょうが、本当に倍になったから倍使えるか?
傍から見ていると実際にはシングルの1.2−1.5倍程度の容量です。
またシングルより寿命も短くなります。
その理由は何故?
まず、接続の仕方、6V210Aのバッテリーを直列につないで12V210Aと
12V105Aを並列につないで12V210Aにしたのとどう違うか?を考えてみれば
答えは出てきます。
先ず直列につないだ方は、確実に210Aの容量がでます。
理由は、2つのバッテリーに流れる電流は充放電いずれも
同じだからです。
その上これで使用すると寿命もシングルと同じくらい持ちます。
次に並列につないだ方は、どうでしょうか?
AとBにバッテリーを分けて説明します。
普通、元々付いていた方(Aとする)の端子から
新しくつける方(Bとする)の端子に配線をつないで
並列にします。
AよりもBの方が充電器から見て配線分だけ充放電抵抗は高くなります。
電流の分配の法則にしたがって充放電抵抗の低い方が大きく
高い方には小さくなります。
充放電電流が小さい時は、そんなに問題が出ませんが、
多くなるとどうでしょうか?
大電流は先程の分配の法則にしたがって
A>Bの状態でAの方に多く流れます。
これが放電の場合は、放電終了後の電圧は
A<BとなりBからAにその差分電圧分が配線抵抗分だけ
制限されて流れて行きます。
この時の電流値はかなり大きなものです。
充電の場合は見かけ上終わっても充電停止すると
A>BとなりAからBへこれまた大電流が流れます。
どちらをとってもやってはいけない「大電流」となります。
配線によってはAだけが一人で頑張って
いる場合も有りえます
AとBの電圧差が、0.2V
配線抵抗が1mΩ(かなり大きい)としても
200Aです。
電圧が充電満了電圧で充電が終わって充電器を外せば
A・Bが均一なろうとする為に電圧が下がり、電圧不足での保存となります。
結果、これらの事が相まってバッテリーの寿命が短くなります。
どうすれば良いか?
それは、充放電する側から見てAとBが同じ充放電抵抗にすれば
少しはマシになります。
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