タイトル

サブタイトル




〜 第91日 〜


< ショーダウン 対決 >

作家の深田祐介氏は子供の頃に少年向け冒険小説をよく読んだらしい。
少年向けとはいえ戦前のものだから、どうしても軍事ものが多かった。
それらには共通のテーマがあり、一言でいえば
「ソ連のコミンテルンの恐怖」「赤色テロの恐怖」だったと同氏は言うのだが
それらフィクションが必ずしも絵空事ではなかったことを現在の同氏は知る。
まさにコミンテルン等の暗躍で日本は不毛な大戦へ突入させられたのだ。
これをどれだけの日本人が知っているかはさておき、
現在、例えば落合信彦氏のようなジャーナリストが小説を書くことがあるが
それを完全なるフィクションだと思う人はまずいないだろう。
なぜジャーナリストが小説を書くのか?
それは、フィクションの体裁でないと発表できない“物語”だからではないのか。

さて、『ショーダウン(対決)』という本がこのほど米国で刊行された。
近未来フィクションと銘打っている本だが、この著者に注目。
元国防副次官のバビン氏と元国防総省部長級のティムパーレーク氏だ。
小説家ではない彼らが共同で書いた内容は、なんと2009年の日中戦争だ。

2009年、米国では大統領選挙の結果、民主党リベラル派から初の女性大統領が誕生。
米国の民主党リベラル派といえば反日親中派として有名だ。
2009年の中国では、北京五輪が終わって貧富の差と失業率がさらに拡大、
中国国内にはクーデターさえ起こりかねない怨嗟の声が渦巻く。
もちろん中国共産党は国民のナショナリズムを煽り反日活動を激化する。
言わずもがな、国民の不満をすべて日本に叩き付ける戦略だ。
反日活動はもはやエスカレートせざるを得ないところまで達していて
「日本の首相の靖国参拝は中国への戦争行為とみなす」とまで宣言し、
天皇陛下に謝罪をするよう要求。
国内の日本人技師たちにスパイ容疑で死刑を宣告、尖閣諸島の放棄も迫る。
また東京証券取引所や航空管制システムへのサイバー攻撃でインフラを麻痺させる。
そして8月、靖国神社へ巡航ミサイルを撃ち込み、尖閣諸島へ進軍。
これに対して反日親中派の民主党大統領は日本を支援せず、
国連で調停せよと日本の首相に説く。
憲法9条がネックとなって、ハナっから防衛戦を余儀無くされる自衛隊に対し
人民解放軍はやりたい放題である。
結果、日本は中国に降伏する。

リアリティのない人なら笑っちゃう内容かもしれないが、
これは日本の右翼作家が書いたものではない。
アメリカの高官だった人たちが書いたものである。
小説家でもない彼らがなぜこんな本を出すことにしたのか・・・。

我々日本人は3つのことを覚えておくべきである。
1:中国は法治国家ではない
 一党独裁の共産党のさじ加減一つでどのようにでも動ける。
 中国の驚異的な軍事費の拡大は何の意味もなくやっていることか?
 同じく、度重なる日本の領海・領空侵犯や非民主国家との提携の目的は?
2:アメリカは二大政党制である
 そうである以上、民主党リベラル派の大統領は遅かれ早かれ出現する。
3:日本は今、普通の国ではない
 法の上では外国に攻め込まれても防衛するしかない。
 先に攻め込まれたのに攻め込み返すことができないのである。
 ともすれば「座して死を待つ」国家になる。
 不思議なことに「そんな国家でよい」と言う日本人の何と多いことか。
 (そのリーダー格は朝日新聞であるが。)

実は日本にとって最大の敵は、そんな不思議な日本人たちだと思う。
(中国はそんな不思議な日本人を作る戦略が実にうまい。
靖国問題や歴史認識問題で日本が二分するのを知り尽くしている。)
さて、今話題の現実的な例で言えば
北朝鮮のテポドン2号が日本に飛来し、そんな不思議な日本人が死ぬ時、
彼らは「これでいいんだ」と言い残して笑いながら死ぬのだろうか?
『ショーダウン』を右翼的で狂信的なカルト小説と断ずる日本人は多かろうが・・・。

2006.6.28




〜 第92日 〜


<改善が見られない民主党>

6月30日付の産経抄:
 今年の初め、九州の地方紙に奇妙な投書が載った。
 90歳の老人が書いたというその内容の面妖さは、
 小紙の読者ならすぐ気がつかれるだろうが、ちょっとご紹介しよう。

昭和20年秋、ところは中国・南京郊外。
敗残の日本兵が引き揚げのため歩いていた姿をみた軍の幹部たちは
「今こそ恨みをはらすべきだ」とのちの首相、周恩来に機銃掃射の許可を求めた。
しかし、彼は「日本兵も一握りの軍国主義者の哀れな犠牲者だ」とさとし、
コメを一升ずつ配ったという。
老人は、「戦争の惨苦を体験していたならば
A級戦犯をまつる靖国神社に参拝しないであろう」と締めくくっている。

よくできた美談ではある。だが、この年の秋、
周恩来は国民党との和平協定交渉のため南京から遠く離れた重慶で過ごした。
しかも当時、中国中南部の多くの地域は国民党の勢力下にあった。
南京郊外で司令官でもない周恩来と将軍たちがそんな会話をかわせるはずがないのである。

ご老人の思い過ごしを責めるつもりはないが、ちょっとした常識があれば、
おかしいと気がつく代物を先月、国会でとりあげた御仁がいる。
社民党を見限って民主党入りした横光克彦代議士だ。
彼は首相の靖国参拝に反対する道具に使ったのだが、
歴史認識どころか基礎的な歴史知識すら怪しい。
問題は、こうした無知な発言が議事録に残り、
「非道な日本・寛大な中国共産党」という歴史認識の刷り込みに一役買っていることだ。
現に靖国神社への参拝自体が軍国主義を賛美する行為だと勘違いしている人が少なくない。
折しも民主党の小沢一郎代表が訪中し、胡錦濤国家主席と会談するという。
「小泉憎し」のあまり、政局より大事な歴史認識を過たぬようお願いしたい。

と、まあそういうことで、反日派は客観的な事実をあまり重視しない
ということがまたハッキリしてしまったのである。
その地方新聞もとんだ痴呆新聞だが、
しかもそれを日本の代議士が日本の国会で発言しているのだ。
そして、それがまたしても民主党である。
永田メール問題で何の学習もしなかったということだ。
これでまた民主党代表は首のすげかえかと思いきや
テレビ等を見ていると、ほとんどこの問題は取り上げていない。
な ぜ だ ! ?

2006.7.4




〜 第93日 〜


<やはり金正日将軍に寄り添う盧武鉉大統領>

7月5日未明から北朝鮮が日本海に向けて7発のミサイルを発射!
実はこれ自体はたいして驚くに値しない。
自ら危機を造り出して「その危機を回避したくば制裁をやめよ」と言う
“ならずもの国家”が、蛮行に打って出るのは当然とさえ言える。
マスコミは世間を煽るだけ煽り立てて、一人でも多くの日本人に
「今の日本は安全じゃないんだ」と気付かせて欲しい。
そう、額賀防衛庁長官も言ったように、
現時点ではいかなるミサイルに対しても日本国民を守る術がないのである。
法律上、あるいは物理的に真に強い防衛力が日本には必要なのである。
「自衛隊はやっぱり違憲である」と述べた村山元首相は今なにを思う?
謝罪の上の対話だけで、ならずもの国家から日本が守れるとでも言うのか?
言うまでもなく平成10年8月には北朝鮮のミサイルは
日本海→日本列島→大平洋へと着弾した。
北はいつでも日本列島にミサイルを落とせる、と脅迫を続けているのだ。

さて、それはそうとして姑息なり韓国・盧武鉉大統領。
日本中が北のミサイルで騒いでいる5日朝から、騒ぎのドサクサに紛れて
韓国が武力で不法占拠している日本固有の領土・竹島の周辺の
日本のEEZ(排他的経済水域)に海洋調査船と警備艇2隻を送り込んだのだ。
その調査は日本の領海内にもおよび、同日夜まで1日中続いた。
もともと調査船が竹島周辺に入るのは11日ごろと言われていたのに
まるで「将軍様のアシストありがたや」とでも言うかのような行動だ。
そのうえ韓国政府は北のミサイルに関して「日本は騒ぎすぎだ」などと
まるで“ならずもの国家”の味方をするかのような声明を出した。
そりゃあ盧武鉉は騒がないだろうよ。
金正日将軍に至れり尽せりの太陽政策で尻尾を振り続けてきたのだ。
まさか自分達に向けてミサイルが発射されるわけがないと思っている。
盧武鉉の悲願は南北朝鮮の統一にあるのだろうが
しかし、ならずものに寄り添う形で南北統一が成されたとしても
世界のどの国も受け入れまいに。
中国やロシアなど“あっちがわ”の国々を除いては、ね。
あ、盧武鉉があっちがわだからそれでいいのかw?

(韓国が、竹島は韓国のものだと本当に自信を持って言えるのなら
なぜハーグ国際司法裁判所で堂々と日本と争わないのかねえ。
武力による一方的な不法占拠で「独島(竹島)は我らのもの!」と
得意になっていることを恥ずかしいとは思わないのかねえ。)

今回のミサイル発射による唯一の救いは、民団(在日本大韓民国民団)が
朝鮮総連との和解を白紙撤回したことぐらいかな。
が、これも元々マユツバな『歴史的和解』だったもんなあ。

2006.7.10




〜 第94日 〜


→そういえば竹島と言えば、
「国際的に通用する客観的な事実と論理が欠けている韓国」
というのが私の認識だったが、ごく稀にそうでもない韓国人がいるらしい。

『日本学業書1/日本は韓国にとって何か』(金栄作・李元徳共編 ハンウル社刊)
という本がこのほど韓国で出版された。
その中で、玄大松という文化学者が
「韓国人の独島意識形成過程とその構造」と題する論文を載せている。
韓国の小学生から大学生まで1200人を対象に意識調査を行い(2001年)、
それらを詳細に分析しているものだ。
それによると、94%の韓国人小学生が独島は韓国の領土だと意識している。
勿論その原因は、韓国における政治・報道・教育の“おかげ”であるが
若年層ほど大衆歌謡の影響が強いとしている。
大衆歌謡とは1980年代以降、韓国で広く歌われている『独島はわれらの地』
という、なんともそのものズバリな歌のことであるらしい。
その歌詞の中で独島の位置や、対日本のことや、古文献まで出ていて
韓国人は皆、その歌詞内容を信じきってしまうのだ。
しかし玄大松氏によると、
古代史の『三国史記』はもちろん、韓国が歴史的根拠とする中世の
『東国興地勝覧』『太宗実録』『成宗実録』なども実際に記しているのは
鬱陵島の記録であって独島(竹島)は関係なく、そんな歌謡曲を含めて
「事実関係のわい曲」であるとハッキリ述べている。

もちろん玄大松氏のような韓国人は韓国では“非国民”だろうが・・・。
しかし逆に韓国ではこれまでに“韓国の立ち場を支持する日本人”は
まるで神か仏のような扱いをされてきた。
(私は“そんな日本人”の正体に非常に興味があるが・・・。)
そんな偏狭な国民スタイルに警鐘を鳴らすかのように同氏は
「韓国では戦後60年、学界と言論界が一緒になって客観的事実よりも
(日本の)植民地支配の記憶と反日感情に訴え、愛国主義を全面に
国民に誤った認識を植え付けてきた」と述べている。

まず反日ありきの言動で納得してくれるのは、世界でも中国と北朝鮮の2ヶ国だけだ。
韓国もうすうすそれが分かっているから国際司法裁判所なんて無視しているのだろう。
しかし、真実にはいつか光が当たる日が来る!
そう信じずにはいられない。

2006.7.13




〜 第95日 〜


→さて、約2ヶ月前の韓国における電話世論調査での「韓国にとって脅威の国」は
北朝鮮30.8%、日本29.5%、米国15.5%というトップ3だったそうな。
え〜^^;? ほとんど北朝鮮と日本が一緒じゃねえかw
日本人には到底理解できない結果だ。
我々が韓国に対していったい何をするというのだw?
もともと韓国では「独島を理由に日本が攻め込んでくる」というフィクションも多い。
そこへ“北には未来志向・日本には過去志向”がモットーの盧武鉉政権である。
さもありなんという感じもするが、脅威に思うくらいなら
ハーグ国際司法裁判所への出廷を受け入れればいいのに・・・
(韓国は過去2度、日本の提案を排して出廷を拒否している。)

盧武鉉はこの世論調査結果にニンマリだったかもしれないが
その世論調査から間もなくしてのニュースには困惑しただろう。
韓国にいる脱北者が韓国を見限って米国へ政治亡命したのである。
その脱北者は8年前に韓国入りした元朝鮮人民軍将校のソ・ジェソク氏(40)。
ソ氏は、息子が脱北者ゆえに差別を受けたとして4年前に渡米。
ソ氏が脱北者用の一回限りの旅券で渡米したところ、
なんと韓国政府はソ氏の住民登録番号(戸籍)を抹消。
それでソ氏は米移民局に亡命を申請し、このほど亡命が確定した。
(米国では米韓関係の配慮等から、原則としては韓国籍の脱北者には
北朝鮮人権法は適用されないため、当初はソ氏の申請は通らなかったが。)

これに対して盧武鉉政権は困惑を隠せない。
韓国の李鍾ソク統一相は「亡命はナンセンスだ」
「そんな事実(韓国政府による弾圧)はまったく無い」と不快感を表明。
しかし米国には「韓国政府の弾圧を受けた」として
亡命申請した韓国籍の脱北者が十数人いるというニュース・・・。
ソ氏によるとロスで二、三十人、NYで五十人が申請準備をしているとのこと。
韓国での弾圧や差別がないとしたら他にどんな理由があるのだろう。
わざわざハングル語の通じない米国へ亡命する理由があるだろうか?
これは、「将軍様を裏切る奴は許さない!」という盧武鉉政策の結果ではないのか?
いや、さすがにそれはないか・・・?

2006.7.19




〜 第96日 〜


→さて、そんなこんなで北のミサイル発射から半月が経った。
今やテレビニュースなどは秋田の児童連続殺人事件や各地の大雨のことでもちきり。
ええと、これでいいんだっけ? なにかオカシイぞ?
と、思っていたところ、現代史家の秦郁彦氏の
『もの足りなさ残ったテポドン報道〜怒りあれど現実的方向性示せず』
という論文に出くわしてビンゴ!
そう、それだよ!

「許せないですねえ北朝鮮! さ、次のニュースです・・・」
という報道が無責任極まりないんだよ!
無法国家の脅威からどうやって日本を守っていくのか、を具体的に示さないと
同じことの繰り返しじゃないかよ。
何回日本ヘのミサイルを傍観したら気が済むんだ?
それを痛快に論破したのが秦氏の論文だ。
秦氏によると特に支離滅裂なのが、やっぱり朝日新聞だ。
7月6日付の社説では「無謀で無責任な行動に強く抗議ム6者協議に誠実に」
との見出しで北朝鮮を「『ならずもの国家』と呼ばれても仕方あるまい」
とまで書いてあるのに、同じ日の一面には本田優なる編集委員が
「北朝鮮との直接対話に入るよう、ブッシュ政権を説得」せよと主張している。
米朝の直接対話は北がもっとも望んでいることで、6者協議をないがしろにするものだ。
気の毒に朝日の読者はさぞ混乱させられたことだろう。

それはさておき現実的方向性で言えば、第93日でも述べたように
現時点ではいかなるミサイルに対しても日本国民を守る術がないのである。
近い将来にMDシステムが整備されたとしても
それは100%の確率で敵ミサイルを迎撃できるものではない。
法律上、あるいは物理的に真に強い防衛力が日本には必要なのである。
しかしそういった改正に対して極度の拒否反応を示す日本人が多いのもまた事実である。
敵基地攻撃などもってのほか!と言うのである。
ならばそういった日本人は一体なにを目論んでいるのか?
秦氏は言う。
「おそらく今回、日本人の誰もがひそかに期待していたのは
ブッシュ大統領がすかさず『日本に対するミサイル攻撃を米本土への攻撃とみなし
報復する』と声明してくれることだったろう。だが、それはなかった。
私が心配しているのは、ミサイルを打ち込んだ後、『将軍さま』が
『ミスでした。お許しください』と訴え、許すかどうかで社論や国論が二分する事態である。
それは(同盟国の)アメリカがわが国を見限る日になるかもしれない。」

天は自ら助くる者を助くという。
ましてアメリカは現在の日本の同盟国というだけで、天ではない。
自らを守る気がない国を、莫大な戦費と人命と汚名を犠牲にしてまで守ってくれるだろうか?

2006.7.21




〜 第97日 〜


<大きな意味を持つ昭和天皇陛下のメモ>

7月20日、日本経済新聞社に端を発した“昭和天皇のメモ”の大ニュース。
「私は 或る時に、A級が合祀され
 その上 松岡(洋右元外相)、白取(敏夫元駐伊大使)までもが
 筑波(藤麿元靖国神社宮司)は慎重に対処してくれたと聞いたが
 松平(慶民・最後の宮内大臣)の子の今の宮司(松平永芳)がどう考えたのか 易々と
 松平は平和に強い考があったと思うのに 親の心子知らずと思っている
 だから私あれ以来参拝していない それが私の心だ」
そう、昭和天皇は「A級が合祀され」たことに不快感を持たれていて
だからそれ以降、靖国を参拝されないのだ、というニュースだ。

さて、靖国やA級戦犯について私が第6,53,55,66日などで述べたことは
法と事実に基づいた見解であり、断じて撤回などはしないし、する理由も無い。
加えて天皇陛下は日本国の象徴であり、国政に関わることはできないので
公式文書でもないメモに何ら拘束力はない。
もとより厳密には富田朝彦・元宮内庁長官のメモである。
また昭和天皇は存命中から、日独伊三国軍事同盟を強引に結んだ
松岡洋右元外相と白取敏夫元駐伊大使を批判しておられたことも周知の事実だ。

しかし、それでも多くの日本人の心は揺さぶられるだろう。
なにせ激動の“あの昭和”の天皇陛下のメモであるのだから・・・。
私はむしろそれを歓迎したいと思う。
中韓に文句を言われたからではなく、日本人が主体的に靖国とA級戦犯について語ることは
日本国民が過去と真剣に向き合うという点でむしろ望ましい。
その結果、戦犯分祀論や無宗教の追悼施設が出来上がろうといいではないか。
この国は健全な民主主義国家なのだから。
(ちなみに民主主義ではない中国でも当然のようにこのニュースは流れて、
当地マスコミでは天皇陛下の“お言葉”を盾に靖国批判に弾みがついているが
中国でそんなに昭和天皇が敬愛されていたとは全く知らなかった。)

もちろん上記の論は、大前提としてメモがどこぞの機関の捏造ではないとした場合だ。
そう、大いなる疑問があるのだ。
普通、天皇陛下のメモなどは公にマスコミが流せるものではない。
それが18年も経った今、何故このタイミングで、しかも経済新聞社から???
このたびの本当の経緯が是非とも知りたい。
そもそもメモが書かれたという昭和63年4月に、陛下は記者会見の場で
「戦争に進んだ最大の原因は」との質問に対して
「人物の批判とか加わりますから」とだけお答えになり、口を閉ざされた。
自らの発言が政治や歴史認識に影響を与えぬよう、厳しく自重しておられたのだ。
その当時に書かれたメモが18年後に公にされることを望んでおられただろうか?

余談だが朝日新聞は21日付の社説で『A級戦犯合祀 昭和天皇の重い言葉』として
昭和天皇が靖国神社へのA級戦犯合祀に不快感を示されていたことについて
「賢明な判断だったと思う。中国などが合祀を問題にする前の主体的な判断だった
ことを重く受け止めたい」「だれもがこぞって戦争の犠牲になった人たちを悼む
ことができる場所が必要だろう」と昭和天皇のメモを絶賛した。
ところが、今年2月2日付の社説では『寛仁さま 発言はもう控えては』として
寛仁親王殿下が女性・女系天皇に異議を唱えられたことに対し、
「憲法上、天皇は国政にかかわれない。皇位継承資格を持つ皇族も同じだ」
「発言が政治的に利用される恐れがある」「発言を控えては」などと、
新聞社でありながら言論封殺まがいの圧力を紙面上で展開した。
同じ新聞の社説なのに半年足らずでこれだけ主張に違いがある。
この皇室に対してのあからさまなダブルスタンダードには呆れるばかりだ。
これは、皇室を自分たちの思想喧伝のための道具とみなしている証拠ではないか。
そういえばこの21日の社説でも
「現在の天皇陛下も、靖国神社には“足を運んでいない”」という書き方だ。
普通は最上級の尊敬語で書くものだがなあ。

2006.7.25




〜 第98日 〜


→日本大学教授・百地章氏のお話より抜粋:
マッカーサーに対し、全責任は自分(昭和天皇)にあるとされ、木戸元内大臣について
「米国より見れば犯罪人ならんも、我が国にとりては功労者なり」
と語っておられた昭和天皇が、たとえ私的な会話であれ、果たして
「A級」などといった乱暴ないい方をされるであろうかとの疑念は拭いきれない。
(中略)
ここで思い出すのは、昭和48年5月の増原防衛庁長官更迭事件である。
これは、増原長官が防衛問題について昭和天皇に内奏した際、陛下から
「国の守りは大事なので、しっかりやってほしい」とのお言葉があったことに感激、
記者団に披露したというものである。
野党はこれに激しく反発。マスコミも「天皇の政治利用」に当たるとして厳しく批判し
結局、増原長官は更迭されることになった。
この時、朝日新聞は社説で、「増原長官の発言は(略)天皇のお言葉を
政治的に利用しようとするもの」であり「『国民統合の象徴』たる地位に
傷をつけることになりかねない」と述べている(昭和48年5月30日付)。
また日本経済新聞の社説も「防衛力増強に関し天皇の内々のご発言を政治的に利用した
ととられてもしようのない“増原発言”」(同5月31日付)と手厳しい。
(中略)
ところが今回の富田メモ(いわゆる昭和天皇メモ)について、
朝日新聞は「昭和天皇の重い言葉」、日本経済新聞は「昭和天皇の思いを大事にしたい」
と題する社説を掲げ(ともに7月21日付)、昭和天皇の個人的なご見解を根拠に
分祀をあおっている。これは明らかに矛盾である。
また、与野党の政治家の中からも、早速
「分祀論が勢いづく」(加藤紘一氏)、「今後は分祀論が強まる」(神崎武法公明党代表)
などといった意見が出てきているが、
これこそ「天皇の政治利用」以外の何者でもなかろう。

冒頭部の、「A級」などといった乱暴ないい方をされるであろうかとの疑念について
特に注目しておきたい。
やいのやいの言う前に、この富田メモ(いわゆる昭和天皇メモ)に関する信憑性は
一体いつ誰が証明したというのか?
社員のインサイダー取引が発覚したばかりの日経をそんなに簡単に信じていいのか?
すべての議論はそこからのスタートではないのか?

2006.7.27




〜 第99日 〜


ここで閑話休題的に、落合信彦氏のフィクション『烈炎に舞う』より

「荒木さん、ひとつ聞きたいんですがね」
「・・・?」
「この話を日本政府に持っていったらどうなると思います?
 何らかのアクションを彼らがとると思いますか?」
「そりゃこれだけの話ですから、具体的に政府がどう動くかは見当もつきませんがね。
 まず知らせることに意義があると思います」
「そうでしょうかね?私はブタに真珠だと思いますよ。
 いや、カエルの面にションベンと言った方がいいかもしれない。
 話があまりに大きすぎて彼らには理解できないでしょう」
「しかし、リアルな話です」
「リアルだからこそ彼らには理解できないんです。彼らは平均的日本人の代表です。
 日本人は外の世界で何が起きようが、自分たちのささやかで小さな生活に浸って、
 その規準からしか物事を見ません。一億総極楽トンボ化してしまっている。
 いわば幻想の世界にいるんです。
 幻想の世界にいる者にはリアルなことはわかりっこないんです」
「なかなか手きびしいですな」
「百歩譲ってこの話に政府機関が耳を傾けたとしましょう。
 それからどうするんです?彼らになにができるんです?」
「そこまでは私にはわかりません。それを考えるのは政府の役割ですから。・・・」

ちなみに抜粋の『烈炎に舞う』は今から10年前に集英社から刊行されたものである。
ストーリーはさておき、ここだけでも同感できる人が少なくないのではないか。
自他共に認める究極の平和ボケ国家、それが我が国である。
戦後の日本人は、「戦争」という言葉は勿論、「防衛」という言葉にすら
嫌悪感を覚える人間に教育されてしまった。
いつでも地球のどこかで戦争・紛争が行われていることを
この国の人間の大部分がリアルに理解していないのではないか?
いや、今の日本人は自らのアイデンティティすら分かっていないと言えよう。
米国主導で植え付けられた民主主義と資本主義と安全と憲法にいつまでしがみつくのか?
まあ、鎖国時代に終わりを告げた歴史にしても所詮は外圧がきっかけである。
第二次世界大戦とその後は言うまでもなかろう。
我が国の歴史上の「指導者たち」は江戸時代が最善期だったのだろうか?
そう、つまり日本の「指導者たち」の外国に対する言動の陳腐なことを考えると
いっそ鎖国したらどうかと思ってしまう。
外交力がもともと無い上に、この国には情報機関も無く、
さらには他国のスパイを防止する術すら無い。
私は、残念ながら、“日本という国家に対する悲惨な結果”が現れない限りは
日本人は全体として変わらないだろうと思っている。
仕方あるまい。
江戸時代後期からずっとそうなのだから・・・。

しかし、私の考えが間違っていることを祈る。
私を含め、“悲惨な結果”など誰も望まないのだから。
官僚を御すのが政治家であり、政治家を選ぶのは国民である。
未来に期待しよう・・・。

2006.7.28




〜 第100日 〜


<いまだにハニートラップにかかる希少な民族について>

〜序幕〜
要職にある外国人に対して、敵対する別の外国の諜報機関が“色仕掛け”で
女とベッドを共にさせ、その現場を写真・ビデオで盗撮し、
それをネタに脅迫し、要職にある外国人を自分たちの“スパイ”に仕立て上げる。
このやり方を一般にハニートラップという。
『21世紀への演出者たち』(落合信彦・集英社)によると、
戦後まもなくからソ連など共産主義国が特によく使う手段だったという。
そして現在、21世紀・・・。

〜第一幕〜
海上自衛隊所属・対馬防備隊の一等海曹(45)が、
外国潜水艦などに関する内部資料を複製して、職場から持ち出したために
口頭注意処分を受けていたことが今月2日に明らかになった。

〜第二幕〜
その一等海曹は「交際相手」の中国人女性に会うために
無許可の渡航を繰り返していた。
そして、総額350万円をその「交際相手」に送金してもいた。

〜第三幕〜
一昨年5月に「自殺」した在上海日本総領事館員(日本人)は
「交際」していた中国人女性を通じて中国当局者との接触を強いられ、
中国側から執拗に資料提供を求められていた。(当HPの第70日に詳細)
その時の中国人女性というのが、
今回の一等海曹の「交際相手」と同じカラオケ店で働いていた。
ちなみに、中国にあるカラオケ店とは
カラオケが本業ではなく、日本人向けの風俗店になっているのである。

〜終幕〜
先ごろ他界された我が国の元首相・H氏でさえそうだったためか、
いわゆる“親中派”と言われる政・官・民の大物を見ると
どうしても疑いの目で見てしまう今日このごろ。
いまだにハニートラップにかかる希少な民族とは、もちろん日本人のことである。
つまり危機意識の欠如した民族である。
記念すべき第100日にしてはトホホなお話w
もっとも、先述の『21世紀への演出者たち』によると
睡眠薬などで眠らされている間にデッチアゲの“証拠写真”を撮られるケースもあり
必ずしも性欲バカで無知な人間が対象となっているとは限らない。
これがまたハニートラップの恐ろしいところでもある。
もとい、恐ろしいのはそれを仕掛けてくる人たちだね。

2006.8.5




最新(トップページ)へ戻る