スモーカー

( 温燻用 )

今まで使っていたスモーカーが老朽化してきたので新しいスモーカーを
探していたが、釣具店やDIYショップで売っているスモーカーは小さかっ
たり、重かったりで気に入ったものが見つかりませんでした。

 そこで思い切って手作りにチャレンジしてみましたので紹介します。
 これから手作りしようとしている皆さんの参考になれば幸いです。

 

 右の写真は園芸用温室のフレームです。

 実はこれが見つかるまで手作りしようとは思っていませんでしたが、女房殿が処分に困っていると聞いて「使ってやる」ともらい受けたものです。

 アルミ製のアングルとそれを繋ぐ樹脂製の連結材で構成されています。
 これと同じようなものが物置や親戚の庭に転がっていませんか?

 無ければ木枠で作っても良いでしょう。

 


 寸法通りに切り出したコンパネの内側にアルミシートを貼ります。
 アルミシートを貼る目的は熱線を反射し、コンパネを通して熱が外に漏れないようにするためです。
 コンパネ自体は熱容量の大きい木製ですから熱は伝え難いのですが、燻製は冬場が最適シーズンなので熱の損失は出来だけ避けたいところです。

 アルミフレームに隙間ができないようにコンパネをビス止めします。
 構造上隙間ができる場合は薄い板等を使って隙間埋めをする。
 今回は建材用のスポンジを使いました。
 隙間埋めは熱損失の防止と燻煙の漏れ防止です。
 隙間埋めを万全にしたつもりでもどこからか煙は漏れるものです。
 煙突などは考えるだけ無駄です。

 

 

 

 両側面は網戸の防虫ネットを張り、風乾もスモーカーの中でできるようにしてみました。

※風乾:燻煙が素材に絡みやすくするために事前に表面の水分を乾燥させる行程。

 もちろん風乾が終わったら窓を閉じ密閉状態にします。

 黄色く見える縁は水生の防腐防虫塗料を塗っています。


奥側が熱源となるコンロと木炭。
手前がスチール皿に置いたスモークウッド(半分)

 このスモーカーは床が有りません。
 風乾や燻煙を掛けている間は素材から塩分を含んだ液が底に落ち、不衛生であったり底材を腐食させる要因になります。

 このスモーカーは金網を敷き更に中粒の軽石を3cm程度敷き、素材の液は軽石に吸収させる事をもくろんでいます。
 燻製が終わったらスモーカーだけを移動し、軽石は風雨にさらしておけば次回までに塩分や匂いは消えているはず?

 もしうまく行かなかったら軽石をバケツに集め数日水に漬けてから乾燥すれば何とかなるでしょう。 

 


 上部の木枠に溝を彫り、ステンレスパイプを渡して素材を吊るす。

 このとき、上記のコンロとスモークウッドの真上には素材を吊るさないように注意が必要です。
 素材から落ちた液が焦げると嫌な匂いを発するのと、仮に素材が熱源に落ちた場合、燃焼する可能性もあるからです。

 

 屋根材は素材を吊るす際の作業性と可搬性を考慮して簡単に外せるようにしました。
 角材で滑り止めをしてあるだけですが、 作成過程での台風では微動だにしませんでした。

 屋根を取り付け、コンロにコブシ大の木炭5個とスモークウッドに火を付け、燻製の模擬試験をしてみました。
 密閉後約15分で80℃到達
 密閉後約20分で90℃到達
 コンパネ外側温度(損失)約45℃
 参考:気温32℃

 予想通り短時間で目標温度(※)に達しましたが、意外にも熱損失も大きいことがわかりました。

※人間の体に害を及ぼす主な細菌類は75℃で死滅するそうです。
 このスモーカーは80℃で30分以上維持することを目標にしています。

 


 手前の白いボックスは8年程前から使っていたスチール製のスモーカーです。
 元は不要になったキッチンストッカーの上部ですが、いたるところが腐食してきたため、世代交代です。

 新しいスモーカーは5〜6倍の容積があるので今までより一杯魚を釣って来なければなりません。

 この後、少しばかり飾りつけをして完成です。
 燻製の出来栄えは、後日釣行報告等に掲載したいと考えています。

※熱源を入れている間は、熱管理と防火の観点から、スモーカーの状態を常時監視してください。

作成費用
 アルミフレーム
 コンパネ       3枚     約 3,300円
 角材        1.8m     約   500円
 蝶番他金具類           約 1,000円
 軽石         1袋      約   800円     合計 約 6,000円

燻製作りについてはこちらを参考にしてください。
http://www1.ttcn.ne.jp/~nandemo-tezukuri/naturaldish.htm