合併問題にまつわる日記

9月28日(火)
 ツリフネソウ(上)が咲いてます。ハチが忙しそうにあちこちの花の中に飛び込みます。
 どうやらここ数日の長雨は秋雨らしい。まだまだぐずついた天気が続きそうだ。

 某掲示板に猛々しい書き込みがあった。相模原市・津久井町・城山町・相模湖町・藤野町の1市4町の合併に関する議論らしいが・・・。

恐らく津久井町民と思われる人が発する
『津久井と合併することに何が不満なのかがわからない』
という意見に対して、相模原市民と思われる人が、
『お前な、人口がわずか1割しか増えないのに面積が3.6倍になる意味が分かってんのか?わざわざ負担を背負い込んで何がそんなにうれしいんだ?マゾかw』
『津久井郡民が不平を言うことだよ!津久井救済のための合併なのに、なぜ相模原側が不平不満をぶつけられなきゃいけないんだ? 』

 ・・・ため息がでる。
 藤野町は相模原市との合併の是非を問う住民投票で合併支持を町民は選んだ。
『これで福祉が向上する。』
と脳天気に歓迎する町民もいたそうだ。しかし私はそんな楽観論は、相模原市民に対して失礼な認識ではないかと以前から危惧していた。
 言ってみれば、
『津久井郡(津久井町・城山町・相模湖町・藤野町)は財政も破綻しました。借金も沢山あります。相模原市民の皆さん。皆さんの税金で私たちを救って、更に生活を向上させて下さい。』
と、とられても仕方のない認識だ。

 上に挙げた過激な意見が相模原市民全体の民意を代表しているとは私も思っていない。匿名掲示板特有の、悪意と嘲弄に満ちた言辞をそのまま受取るつもりはない。しかし、一皮むいた人間の生の本音が吹き出てくる場でもある。
 口にこそ出さなくても、
『何で俺たちがあいつらのお守をしてやらなければならないんだ。』
と漠然とした不満を抱えた人達が、相模原に何万人もいたらどうだろう。あの書き込みが、その何万人の存在を暗示しているとしたらどうだろう。

 この市町合併、たとえ実現しても不幸な結果になるような気がする。それぞれの住民が反目しあうようになってしまう合併に、何の意義がある。藤野の合併推進派の団体『藤野の行政を考える会』の人達は、住民投票の前日に『合併して減税しよう!』と車のスピーカーから叫んでいたが、どうやら減税どころではなさそうだ。

9月30日(木)

 雨が続いて、いろんなキノコがまたポコポコと出て来ました。
『これはヒメツチグリ科のホコリタケの仲間で、内側にリングがあるタイプなので、エリマキツチグリと申します。最初は球形で星形に割れてきます。成熟すると中央の穴から胞子を出します。』

と、キノコに詳しい方から教えてもらいました。感謝!

 前回に続いて相模原市と津久井郡4町(津久井町・城山町・相模湖町・藤野町)の合併問題に関する話。

 城山町は夏の町長選の結果、合併推進派の現職を破って合併慎重派の新しい町長が誕生した。この新町長が11月28日に予定されていた合併の是非を問う住民投票条例に異義をとなえて、再議請求を起こして廃案にしてしまった。(9月27日の臨時会)。
 町長の言い分はこうである。
『まだ住民に対して、合併の是非を問えるほどの情報を提供できていない。自立して町政を続けていく場合、どんな町政になるかの想定案を作り、更に合併か自立かを論議する討論会も開く。これらの下準備を踏まえ、住民にしっかりと情報を提供してから住民投票を行う。』

 だしぬけに住民投票の日程を決め、それも投票日まで一ヶ月も無いような日に決め、住民に与えた判断材料といったら素人には理解しかねる2枚の書類と、日連小学校の体育館で行った講演一回だけ、という藤野町のやりかたとは随分違う。

今朝は台風一過の青空。雨は結構降ったけど。今年は狙いすましたように幾つもの台風が通過する。

 城山町長は「町が自立して行く場合の想定案」を作成するのに、「少なくとも数カ月かかる」と言ったとか。実際にそうなった場合、住民投票の日程は大幅に遅れて、相模原市・津久井町・相模湖町との来年3月までの合併は難しくなってくる。
 3月を過ぎてからでも合併そのものは出来るのだが、この期限に間に合わないと、合併しても合併特例債、「国からのアメ」の補助金の対象外になってしまう。

 土建事業にしか使えないような補助金だが、500億とも言われている特例債が無くなってしまっても、各市町には合併に対する熱意を持ち続けられるかどうか。

 それにしても城山町の町長は過激な事をする。確かに、合併に慎重な姿勢を住民に買われて選挙に当選した以上、町民に対する公約を実行している行為は正当なものだが、今まで一緒に協議会を続けて来た相模原市・津久井町・相模湖町を敵に回しかねない。

 特例債を当て込んでいた人達は、ハラワタの煮えるような気持ちだろう。

 でも元はと言えば、民意の積み上げも無く、素人の住民でも理解できるような情報の提供も無く、国から「合併特例債というニンジン」をぶら下げられて期限を決められて一気に突っ走るような市町村合併のありかたそのものが歪んでいたんだ。
 城山町の町長の行動は、「まとも」に戻っただけかも。

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