「孫悟空の富士登山 2009年」
プロローグ
富士登山も今年で3回目。 昨年の富士登山は息子と2人だけだったが、山頂でご来光も拝めて最高の登山だった。
「富士山に 登らない馬鹿 二度登る馬鹿...そして三度登る大馬鹿(笑)」
今年もなんだかんだで行きたくなった...家族を誘ってみると、
妻 「日焼けが怖いから行かない。」
娘 「高校に入ったし、受験勉強が無いから行こうかな...。」
息子「友達、連れて行っていい?」(←勉強したくないからもちろん参加(笑))
と言うことで、娘・息子・息子の友達(←アクアスロンに参加した友達)の4人で行くことになる。 今回は富士登山は、遊び半分、仕事半分。
仕事とは...
不景気の煽りを受けて勤めている会社の業績もあまり芳しくない。 そこで...
日本一のと言えるような宣伝が出来ないか? → 日本一高い山「富士山」で使われているゴム印 → 富士山八合目にある「赤岩八合館」にお願い → 快諾(嬉) → 富士山登山記念スタンプを製作 → 赤岩八合館に納品。
以上が今回の任務(笑)。
最近の「富士山ブーム」でテレビ番組で紹介された事もあり、登山客が大幅に増え、例年になく遭難事故が相次いでいる。 孫悟空もそろそろ慣れが出てくる頃。初心に戻り富士登山に挑むことにする。
6月17日(水)
インターネットで「えっ?」というニュースを目にする。
「富士山うっすら化粧直し 山開きまで2週間 山頂までの登山道開通は黄信号」
この時期に雪が降るなんてビックリ。 今年はもともと雪解けが遅いとの指摘もあるので山開きの7月1日に山頂まで開通出来ないのではないかと心配になる。
6月24日(水)
またまた、インターネットで「えっ?」というニュースを目にする。
「富士山の山開きまで1週間 残雪なお3メートル 山頂登山は今年もピンチ」
積雪3メートル!? 確かにここ数日天候不順。これも地球温暖化のせいか?
6月30日(火)
やっぱり...。
「あす山開きなのに...富士山頂登山はお預け」
山頂までの登下山道開通が山開きに間に合わないのは、1997年以来12年ぶりだそうだ。
7月1日(水)
十条のお富士さんに行き富士登山成功祈願。
7月31日(金)
仕事を終え帰宅。荷物の最終チェックをしながら簡単な夕食を摂り風呂に入る。 一段落してからレンタカーを借りに行く。今や標準装備となっているカーナビやETCがついていてちょっぴり感動する。 みんなを乗せて、いざ出発。首都高速は使わず一般道で東名高速「東京IC」へ...初めて使うETC。 ちょっと緊張。何度もカードが入っているか確認してしまった(笑)。「御殿場IC」まで高速料金半額は有難い。
8月1日(土)
渋滞もなく順調に「富士山スカイライン」へ。雨の予報が出ていたので幾分すいているかなぁと思ったが甘かった。 案の定、道路に警備員がたっている。週末の富士山は相変わらず混雑している。しかし、裏技を使い5合目駐車場から800m下のベストポボジションに駐車出来た。 エンジンを止めて仮眠を取るが、ウトウトしているとフロントガラスに雨音が響き出す。
午前6:00
子ども達も雨が降っていることに気づいているのでゆっくりめに起き出す。 雨の中、外でお湯を沸かし車の中でカップラーメンを食べる。一向に止む気配がない。 取り合えずカッパに着替えて5合目のレストハウスへ。たくさんの人達が雨宿りをしている。
5合目レストハウス前で様子見する子ども達
山頂は傘雲が掛かっているが晴れている
時折、明るくなり太陽が顔を出す。小雨になったので登山開始。6合目の山小屋に着く頃には雨も止み快晴。 山の天気は本当にわからない。順調に登って行く。
息子と友達と2人でまずは記念撮影
元祖7合目は最高の天気だった
八合目目前で余裕の孫悟空の娘
今年も見れた残雪。
午後12:30
赤岩八合館に到着。人が多い。予約の時に聞いてはいたが明日は「第34回富士登山駅伝競走大会」の開催日。 選手や大会関係者がたくさんいる。山小屋の前でランニングしている人やストレッチをしている人など様々。 そもそも3000mを超える高地で駅伝なんて...強靭だ。
まずは仕事...。 赤岩八合館の女将さんに「富士登山記念スタンプ」を贈呈。思った以上の出来栄えに感謝された。 早速、試し押し...「すごーい!」と大喜びしてもらえた。 それを聞いた登山客や駅伝関係者が選手がどんどん押していく。 仕事のやりがいを感じたひとときだった。山室の人達と談笑しつつ荷物を整理して明日のご来光のために仮眠する。
早速試し押し 「富士山登山記念スタンプ」
午後5:00
夕食の時間。いつもならカレーライスだが、今日は1シーズン1回限りの特別メニュー「カツカレーライス」。 駅伝大会の前日は「げんを担ぐ」ためにこのメニューだそうだ。 夕食後、山室前で雲海、影富士、星を見る。冷えてきたので山室に戻り布団に入る。そして、消灯。
日時限定のカツカレーライスは最高!
富士山は見るもんじゃねぇ 登るもんだ(笑)
昨年は皇太子殿下もお泊りになられた
山室前の影富士も非常に綺麗だった
8月2日(日)
午前1:50
携帯のアラームで目が覚める。ご来光を頂上で拝むため、息子達を起こすが...外はただ事ではない。 大雨&暴風。しかもすごく寒い。温度計は5℃を指している。とても登山が出来る状況ではない。 隣にいたグループも重装備で一度は山室を出発したものの5分もしないうちに帰ってきた。 山室の女将さんとも相談してみたが、山頂でご来光を拝むのは断念する。また、布団に入り朝まで待つことにする。
雨風ともに強い中でのご来光
午前4:55
ご来光を見ようと山室前で待つ。次第に辺りが明るくなるが雨風ともに一向に収まらない。 ようやく雲の切れ間から少しだけ太陽が見える。駅伝の選手達も不安そうに見守っている。 朝食を摂り、様子見をしていると天候不良のため駅伝大会の区間中止の一報が入る。 かなりの悪天候なんだろう。自分達も今回は残念だが山頂は諦めることにする。仕方なく下山の準備を始める。
午前9:30
山室の人達に挨拶をして下山開始。山室を出た途端、台風並みの風と下から降る雨。 吹き付ける雨が顔に当たると痛い。息も出来ないほどの体験したことない風に娘も息子もビビっていた。 幸いに気温が高めだったので凍えなかった。宝永山付近では雨も止んだ。
昨日の天気と違う曇天の雲海
宝永山付近 吹き付ける風に歩くのも間々ならない
午前11:30
ビチョビチョになりながらも無事に5合目駐車場下の車まで到着。 着替えをしてレストハウスに戻りお土産を買う。雨は降ったり止んだり。
その後、御殿場の「御胎内温泉」で富士山の疲れを癒す。帰り道、東名高速は大渋滞だった。
最後に...。
3回目にして富士山の恐ろしさを知る。天気、気温、風、雨...。今までは本当に運が良くて山頂までに行けた。
今回の最大の原因は天候不良。 息子も娘も...そして初めて富士登山を経験した息子の友達も、非常に残念がっていた。 高いお金を掛けて来ているので元をとりたい。そんな気持ちが無理をさせる。 孫悟空もすぐに無理をしてしまう性格なので、妻にも十分注意されていた。 でも、今回は無理をして山頂に行かなくて良かったと思う。今年は無理をして命を落とす事故も多発していた。
山頂に行けなくて本当に残念...約1週間 この後悔は続いた。
でも、富士山は逃げない...来年があるさ...。
昨今の富士登山ブームで登山者もうなぎのぼりだが、甘い気分や観光気分で行く人や山のルールとマナーを守らない輩も多かった。 十分な装備と体力、そしてマナーも必要。改めて富士山登山の勉強になった。
しかし、富士山登山ってお金がかかる。
来年は山室に泊まらず、山頂目指すかな。
終劇 (THE END)
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