第一章

 男は虚空を見つめて、キャンバスに絵筆を走らせる。
 真っ暗な夜の公園で、彼は毎晩パレットを握り締める。
「夢の絵を書いているんですよ」男は照れた笑いを浮かべて言う。
 彼は盲目なのだ。

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