「独り言5」にも書きましたが、赴任して4日ですぐにシカゴ出張しました。大切なビジネス相手がシカゴにいるため、NY−シカゴ間はかなりの回数で往復しています。記録していないのですが、10回以上は往復しているのではないでしょうか?出張そのものも気が重い(笑)のですが、それ以上に憂鬱なのは、スケジュール通りに飛行機が飛ばないのではないか、という心配です(苦笑)。

(c)DOTビジネスなどの目的で、NYはシカゴ、ボストンそしてワシントンD.C.などは、往復するフライト数が多いんです。いわゆる「シャトル便」ですね。fujiyanは、NY−シカゴ間をよく利用するビジネスマン?というわけです。

NY周辺には、国際線も乗り入れしている3つの大きな飛行場があります。

日本の方々にもお馴染みのジョン・F・ケネディ空港(fujiyanは、NY着任以来国際線4回利用)。

ラガーディア空港(fujiyanは、NY着任以来国内線10回以上利用)。

そしてハドソン川を隔てた、お隣ニュー・ジャージーのニューアーク空港(fujiyanは、NY着任以来国際線1回、国内線1回利用)。

ジョン・F・ケネディ空港は、国際線中心ということであまり国内線の路線数が充実していませんし、マンハッタンから車で1時間程度と、他の二つの空港と比較して遠いので、fujiyanは国内出張には利用しません。

また、ニューアーク空港ですが、自宅からは遠いものの、ダウンタウンのオフィスから、車で順調に行けば30分程度なので便利なんです。しかし、マンハッタンからハドソン川を渡る二つのトンネル(ホーランド・トンネル、リンカーン・トンネル)の中で、もし渋滞に巻き込まれると回り道などができませんので、いつになったら辿り着けるやらという不安があります。運転手さんがトンネルの大渋滞を予見していて、空港とはまったく反対方向のジョージ・ワシントン・ブリッジまで迂回してマンハッタンを出たこともあります。で、二回利用しただけです。

2001年11月16日補足:2001年10月21日より、NJ Transitおよびアムトラックに、新たに「ニューアーク空港駅」が加わりました。マンハッタンの西側ペンステーションと結ばれ、これによりマンハッタンまで電車で行くことができるようになりました。
結局、国内出張にはラガーディア空港を使っています。
ダウンタウンのオフィスから車で約40分、fujiyanの自宅からは25分位かな?軽い渋滞に巻き込まれることはありますが、致命的なものではない。またこの空港からは、シカゴ便は1時間に一本飛んでいますので、早く、あるいは遅く空港に着いても融通が利く、というわけです。また、出張の帰りは、自宅に直帰することが多いのですが、fujiyanの自宅にも近い。というわけでいい事尽くめですが、このラガーディア空港は、フライトの大混雑で有名なんです。

昨年秋から冬あたりだったと記憶しているんですが、自由化・競争化を理由として、ラガーディア空港は各航空会社に対して便数増加を認めました。認められる便数増加の数は航空会社によって異なっていたのですが、「最大2倍まで」というところだったようです。認可した方は、「まで」ということで、各航空会社が,収益見積もり、人員や飛行機の融通などを考慮して増加する便数を調整すると思っていたんですが、ほぼ全社が最大数の増加を申請してきてしまいました。こういう「お上」からの「認可」ものは、次がいつ行われるか判らないので、とりあえず最大数を確保してしまえ、というわけですね。これは、日本でも当てはまりそうな事象です。

で、一気に大混雑。おそらく管制官も急な増大に対応するための経験不足、あるいは失礼ながら能力が残念ながら無かったためか、滑走路のそばに、離陸を待つ飛行機が20機近く、3列で並ぶという、異常な状態が発生しました。また、滑走路は着陸にも使われますので、ラガーディアに向かった飛行機が降りることが出来ないので、上空を旋回して待っているということになります。最近、事態は相当に改善したようですが、現在でも、どうも印象としては、一度「渋滞」が発生するとその影響が大きく、またその解消に時間がかかるような気がしてなりません。


ラガーディア空港の混雑が問題になっていた頃、こんなことがありました。

シカゴからの帰りに、シカゴのオヘア空港で、まずは乗るべきフライトがキャンセル。一つ後のフライトに変更され、1時間遅れ。

やれやれ、と思って乗り込んだ飛行機の中で、「ラガーディア空港管制塔から、混雑のためにシカゴからの離陸許可が出ません。」というアナウンスとともに、1時間ほど待たされました。

ようやくシカゴを飛び立ってNY上空に来たら、飛行機が小さな旋回を繰り返しています。
機内アナウンス;
「ラガーディア空港の混雑のため着陸許可がでません。しばらく当機は飛行を続けることになります。ボーイング727による遊覧飛行をお楽しみ下さい。」
という軽いジョークとともに(苦笑)、マンハッタン上空を通過、そのまま東に向かって飛び続けます。

自由の女神、ワールド・トレード・センター、エンパイア・ステート・ビル、そしてセントラル・パーク、果てはヤンキー・スタジアム、ブロンクス動物園を、上空から横目で眺める贅沢な遊覧飛行を十分に堪能した後(苦笑)、飛行機はさらに飛び続け、とうとう陸地も見えない(おそらく)大西洋まで出て、ようやく引き返してラガーディア空港に着陸しました。大西洋上でターンした後、当方の飛行機と同様に迂回しにきたと思われる、縦列で飛び続ける多くの飛行機とすれ違い、それはそれで圧巻な光景でした(苦笑)。飛び立ってから2時間の遅れ。合計して、4時間の遅れです(泣)。


しかし、飛行機の遅れは混雑だけではありません。
まずは天候。アメリカに来て痛感したことの一つが、気象条件の厳しさによるフライト・スケジュールの乱れ

NY、シカゴともに冬は厳しい
朝一番のNY発シカゴ行きのフライトに真冬に乗りましたが、「機体についている氷を溶かしております。しばらくお待ちください。」という遅れもありました。

雷雨のための遅れもあります。。
つい先日、NY午後7時発の便でシカゴに行こうとしましたが、午後3時頃から雷雨のため空港が閉鎖。7時のチケットを3時のものに切り替えて待機していました。シカゴを飛び立った飛行機は他の空港に降りて待機している模様。3時の便が午後7時半頃に到着。折り返し運転となるハズだったんですが、「搭乗員の規定勤務時間を超えましたので、フライトがキャンセルとなります。」のアナウンス。午後4時を予定していた便に切り替えて、結局NYを飛び立ったのは午後9時過ぎ。


天候の他には、ストライキ

fujiyanの会社が利用指定している某航空会社が昨夏にストライキに入った時にシカゴ出張があったんですが、その時は凄かったなぁ。フライトはストライキ中でも関係なく通常通り予定されていて、バサバサとキャンセル。なんで、最初から予定数を減らさないのかな?(苦笑)。fujiyanはシカゴ空港を右往左往でした(笑)。記憶が定かではないのですが、確か乗り込むフライトが4つ変わったんじゃなかったかな?(苦笑)。最後は、搭乗券もなく飛行機に乗り込み飛び立った次第で、これで墜落でもしたらfujiyanは身元不明の死体になるところでした(苦笑)。

ちなみに、この出張は東京からシカゴでアメリカ入りした出張者と商用をこなして、その後一緒にNYに行くというものでして、fujiyanは手荷物だけでしたが、出張者の荷物はチェックインをする必要がありました。荷物とNYでめぐり合えるか、ホントに不透明。だって、搭乗券も無しの飛び乗りですからね(笑)。結局、乗り込んだ便で荷物が運ばれてきまして、NYでピックアップすることができましたが、これはホント「ニューヨークの奇跡」です(笑)。



さて、ここで前回に引き続き、fujiyanの「オタク」サイトの真髄=データを参照(自爆!)。

<2001年6月>
空港名 到着 出発
データ内容 On
Time
便数 On
Time
便数
NYラガーディア 65.5% 10,246 74.5% 10,250
NJニューアーク 69.1% 10,630 76.7% 10,640
JFK 62.0% 5,760 68.6% 5,756
シカゴ・オへア 72.6% 29,789 72.8% 29,785

<2000年11月>
空港名 到着 出発
データ内容 On
Time
便数 On
Time
便数
NYラガーディア 44.9% 9,374 64.7% 9,373
NJニューアーク 81.2% 10,176 84.6% 10,180
JFK 81.0% 3,833 83.8% 3,842
シカゴ・オへア 68.4% 23,894 70.4% 23,894
Department of Transportation(交通局、ですかね?)のホーム・ページからデータをピックアップしてみました。

2001年6月のOn-Time、つまり時間通り発着した比率。この「時間通り」の定義は、15分以内、だそうです。

結論は....。
全ての空港が、困ったものですね(苦笑)。

10便のうち、3便前後が遅れているというわけ。また、このOn-Timeのデータを良く見せるために、遅れが予想される便を意図的にキャンセルするということも、航空会社が行っているとも言われております(苦笑)。fujiyanの実感は、遅れとキャンセルを合わせると、日頃の恨みもあいまって(笑)、発生率は50%としておきます。

ちなみに、2000年11月のデータも合わせて掲載しました。

この当時のラガーディア空港の遅延は、想像を絶するものがありますね。上述した発着数の増加の影響が見て取れます。出発便は、10便のうち4便近くが遅れ。そして、到着便は、なんと半分以上が遅れている、というデータです。また、フライトのキャンセルも非常に多かったはずですから、キャンセルとあわせると到着便は、10便のうち6便以上がなんらかの影響を受けていたと思われます。

2001年6月と2000年11月を比べますと、ラガーディアは良くなりましたね。管制官の慣れと能力向上がなんとか効果を現したものと思います。
ニューアークは悪化です。5%程度便数が増加していることと、ラガーディアを避けたビジネス路線の混雑と推定します。
JFKの急激な悪化が気になります。便数が30%程度増加した結果ですね。その点シカゴ・オヘアはたいしたものです。便数を増加させながらもデータでは向上。



というわけで以下が、国内線搭乗の心構え(笑)。
チェックインする荷物は持たない。
チェックイン後のキャンセルなどにより、チェックインした荷物と行き先で巡り合えるか、不透明だからです。

出発する空港に着いたらすぐに、発着板で自分のフライトがキャンセル
されていないかチェックする。
キャンセルされている場合は、すぐにカウンターに並ぶ。
ちなみに、fujiyanがよく利用する、NY−シカゴ間のようにビジネス路線で頻繁にフライトがある、いわゆる「シャトル」はキャンセルが頻繁です。日に数便しかでていないような路線はキャンセルの対象にはなりにくいようですね。

出発する空港に着いた時点でキャンセルされていなくても、安心できない。
いつキャンセルになるか、わからないので、予定されているゲートのそばで待機しアナウンスには要注意。また、トイレ、買い物あるいは食事でチョットはずしている間になにが起こっているかわからないので、発着板を定期的にチェック。

機内に乗り込んだとしても安心できない。
シカゴの空港でのことですが、fujiyanは機内に乗り込んでから、
「このフライトはキャンセルになりました。理由は私に知らされていません。会社がそう言っています。」
という、まことに率直なアナウンス(苦笑)とともに、
「他のXXX便に若干の空席があります。お急ぎの方はゲートXXにお向かい下さい」
とのアナウンスが流れ、fujiyanを含む乗客は飛行機を降りて猛ダッシュ開始、空港の通路は400メートル競争のトラックと化します(笑)。なかには、足にギブスを嵌めていた若い女性がケンケンでダッシュしている涙ぐましい光景も(苦笑)。

ゲートを離れても、安心できない。
滑走路のそばで待たされることも多いです。最近は、滑走路の混雑を考えて、ゲートで待機させるように心掛けているみたいですが。

離陸したとしても安心できない。
上述のように到着先の空港が混雑していた場合、着陸許可が出ず旋回を繰り返す場合もあります。

目的地に着陸した後でも安心できない。
機内アナウンス;
「私は、良いニュースと悪いニュースを持っています。まずは、良いニュースですが、当機は予定時間より15分早く着陸しました。そして、悪いニュースですが、現在空いているゲートが無いため、皆様を降ろすことができません。しばらくこのままでお待ちください。」

ゲートに着いても安心できない。
飛行機が到着ゲートに横付けとなりましたが、ドアが開きません。
機内アナウンス;
「補助エンジンが作動しないため、ドアを開けることが出来ません。地上より動力を引いてきますのでしばらくお待ちください。」
つまり、出発する空港の入口のドアを通ってから、目的地の空港のゲートに足を踏み入れるまで、安心してはならない、ということです(笑)。

かずかずの難関が待ち受ける中を、今日も乗客は銀色の翼とともに飛び立っていきます(泣)。





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