連担建築物制度

99年5月施行で、建築基準法86条の総合的設計による一団地の建築物の取扱いが改正され、86条の2で、現存する建築物の位置、構造を前提として総合的見地から設計する場合、特定行政庁が支障ないと認める建築物に対しては、同一敷地内にあるものとして建築基準法の関連する規定(特例対象規定)を適用することが可能となった。すなわち、既存建築物を前提にして、連担する建築物の設計建設にあたって、あたかも、連担する敷地を1敷地とみなすことが可能となった。この場合、例えば別々の敷地では道路斜線の適用がそれぞれの敷地ごとになされていたものが、1敷地とみなされることによって、狭い旧前面道路に接していた方の敷地で建て替えが、より広い道路を前面道路とみなして行えるようになるなど、どちらかといえば規制緩和措置とみなされる改正である。しかしながら、富士見坂の眺望を確保するにあたって、建築物の高さを現行法制度の規定よりも厳しくしなければならない場合に、この制度を有効に利用することの可能性が開けたと見ることもできる。
1建築物1敷地の場合では、受け入れられない高さや容積率の制限も、連担する複数敷地を一体のものとして計画すれは、隣接する敷地ないしはさらに連担した1団の敷地のなかで処理することが可能となる。
例えば富士山の眺望水平視角線内の建て替え計画が持ち上がった場合、できればそれ以前の時点から準備しておくことが望ましいが、隣接する敷地との間で契約を取り交わし、いわば容積率の移転を行う。はじめに建て替える富士山の眺望水平視角内の計画で、連担建築物制度の適用を受けたうえで、現行規制値よりも小さな容積率およぴ高さで建設を行う。その後、隣接する敷地での建て替えは、連担する敷地全体に容積率を掛けた延べ床面積から、最初に建て替えた富士山の眺望線内の建築物の延べ床面積を差し引いた床面積まで、建設可能となる。ただし、この方法か可能となるにはいくつかの前提条件をクリアする必要がある。こうした条件をクリアできる場合の選択肢として、この法制度の活用も視野に入れておけばよい。


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