南大門の前に伸びる橋の辺りで車を降ります。両側に乳海攪拌表した欄干のある橋を渡って南大門へ。
門を見たらまた車に乗り込んでバイヨン寺院へ到着。この広いテラスは一体何のために造られたのか・・・。
それにしてもアンコール・ワットに次ぐ観光ポイントだと思われるのに殆ど見物人がいません。警備員も暇そうです。午前中に行ったバンテアイ・スレとはエライ違いです。ガイドさんに聞いたら
「観光は皆な午前中に済ませてしまうんだよ。君達もそうしたいって言っていただろう?」
ハイ、確かにそうでした。だって朝陽が当たる午前中がベスト・タイムってガイドブックに書いてあったんですもん。そんな訳でベスト・タイムではなかった分、心ゆくまで鑑賞できました。
ところで、アンコール・ワットでもそうだったのですが、お堂のあちこちに仏像が置かれていてお線香が焚かれています。そして必ずお守りをしている人がいます。そして私達が近づいていくと黙ってお線香差出し、お供えするように身振り手振りで示します。信心の篤い人なんだなーと思ってうっかり受取ってはいけません。お線香代を要求されます。
この仏像はあんたのかい!?
ここから歩いてバプーオンを横目に見ながら象のテラスへ。バプーオンには200Mに及ぶ空中参道があるはずなんだけど、全く覚えてないなぁ(^^;;
このテラスもすごいレリーフです。そしてここも貸切。向こうの方にプラサット・スゥル・プラットが見えます。
しかしここはテラスだけあって日光を遮るものが何もないのでとても暑いです。あんまり暑くてなんかもう疲れてきちゃいました。ガイドさんの声も掠れてきています。ここからもう少し行くとライ王のテラスがあってジャヤヴァルマン7世の像もあるはずなんですが、誰一人「行こう」と言いません。本日の遺跡観光はここで終了の気配です(^^;;
テラス前に先回りしていた車に乗り込み街に戻ることにしました。車の中はクーラーが効いていて別世界です。YJちゃんは伝統工芸の技術学校であるアーティザン・ダンコールに併設されたショップに行きたかったようですが、さんさんは熱いシャワーを浴びたい・・・。ガイドさんのアドヴァイスを受けつつ調整した結果、アーティザン・ダンコールは見送り、マッサージを受けることになりました。
そしてシャワーは泊まっていたホテルのを借りる事も出来たのですが、そこのマッサージはもう体験済みなので街中のマッサージ店に行きたいと言ったらチャイ/Chaiを奨められました。バンコクから比べるとかなり高いので他に行きたいと言ったのですが、他のお店は値段は安いけれどあまりお薦めできない、とのことでした。そして何より私はお湯のシャワーを浴びたかったのですが、お湯のシャワーがあるのはチャイだけだというのですからもう決まりです。
チャイはなんと東京に本店があるのでした。だからフロントでは日本語OK。二人部屋に案内され浴室を開けると、懐かしい日本のお台所によくあったガス湯沸し器があるじゃありませんか。それからホースが伸びてシャワーになっているんですが、なぜか給湯器は浴槽とは反対側の壁にあります。そしてホースは短くてギリギリ浴槽に届く程度で、浴槽の一番端に立ってなんとか浴びられる、という代物で、ともすると浴槽からはみ出てしまいます。そんな訳でどうもゆっくりシャワーを浴びるという感じではありませんでした。
浴槽にはちゃんと通常のシャワーがついているのですが、それはお水しか出ませんでした。でもYJちゃんはあんな苦しい姿勢で浴びるくらいなら水のシャワーの方がマシだと思ったそうで水で済ませたそうです。
マッサージは超気持ち良かったです。カンボジア語は知らないので「サバーイ、サバーイ(タイ語で気持ち良い)」と言ってみたら通じてました。施術後、モンキーバナナとお茶が出ました。どちらも美味。
そしてロビーに戻ると着替えたガイドさんが待っていました。私たちがいない隙に彼もシャワーを浴びてきたらしい。私達のガイドってホント楽よね。
お店を出たら今度はオールド・マーケットへ。
マーケットと言っても大通りに面してホントに小さな個人商店が並んでいる程度のものです。
お店の前を通りかかるとお店の人が飛び出してきて「安いよ!買って!」
お店の前を通っただけでこれですから足を止めたりしたらもう大変。とある一軒で「あれ綺麗だね」なんて巻きスカートを指差したら、「これ、綺麗ね〜」と言いながらあっという間に着せられてしまいました(巻きスカートだけにただ立っているだけで試着可能)。あっちの色も良い、と言うとその上からもう一枚巻かれます。スカート三枚巻かれた時にはもうどうしようかと・・・。
着せ終わると「綺麗〜、似合う〜」を繰り返しつつ「US$13ね」と言ってきます。
「US$13!高い!」と思わず答えると電卓を差出しながら「いくら?」と聞いてきます。いや、いいです、と言ってもグイグイと電卓を差し出してきます。きょ、きょわい・・・。
スカートを剥がして逃げるように次のお店へ。でもとにかくどこも同じでさんさんもううんざり。
「私、こういうのキライ。YJちゃん何か買うならさっさと決めてちょーだい!」
「別に欲しいものはないの。どんなとこか見てみたかっただけ」
・・・がるるる
オールド・マーケットを出たらもう観光するほど時間はないので少し早いけれど空港へ向かいました。その中でハタと思い出したことがありガイドさんに聞いてみました。
「国道6号線にsignalが出来たって読んだんだけどどこにあるの?」
「signalって何だ?」
・・・「信号」を咄嗟にこう言ってしまったのでした。私達頭悪し?
「えーっと、ほら”trafic lights”」
「?」
「道路の交差点にあるやつで赤と緑のライトがついてるの」
「あー!わかった。我々はそれをelectric lightって呼んでるんだよ。2基あるけど1基は壊れてるんだ」
electric lightってそれじゃ他の電灯何て言うんでしょ?それに壊れたって設置されたのが今年の三月なのに?一体何があったって言うのぉぉ??
そうこうする内に空港に到着です。ガイドさんとも運転手さんともお別れだと思うとちょっとしんみりしたりして。
しんみりしつつも支払いを忘れちゃいけません。ガイドさんと運転手さんの料金を纏めてガイドさんに支払います。チップもね。
「つまりチップはそれぞれ2ドルずつだね」
と声に出して確認されるとなんかいやな感じ。
狭い空港ながら空港使用料@US$15なり。高いなぁ。取れるところから取るっていう考えに反対はしないけど、このオンボロのビルにそれはあまりなんじゃ・・・。でも、隣接した国内線用の建物は改装されていて快適そう。外国から入ったお金でまずそっちから直すか。
手荷物チェックをして鞄を受け取ろうとしたら係官に隣の部屋へ入るように言われました。 「はぁ!?私?」 引っかかったのは初めてなので思わず聞き返してしまいましたよ。
「ガンは持ってますか?」
「は?雁?」頭の中をカンボジアの夕焼けの中、鳥の群れが飛んでいく光景が過ぎります。
でも、そんなわけ無いですよね。ガン(拳銃)でした。
「持ってません、そんなもん」
「ナイフは持ってますか?」
「持ってません!」
「カメラは持ってますか?」
「カメラなら持ってます」
「では行っていいです」
鞄を開けてカメラを見せようとしましたが、必要ないとのことです。やっぱ、どこからどう見ても善良な観光客にしか見えないんでしょうね。それにしても「銃」と言われた日にはあまりに突拍子もないので思わず笑ってしまいました。あちらは仕事なのにね。そして銃を「突拍子もない」と思える私は幸せです。
終わってから気付きましたが、ここでの会話は日本語でした。係官のおば様、素晴らしいです。
無事出国したもののフライトまでかなり間があったので一つだけあるの免税店を覗いてみましたが、あっと言う間に見終わってしまいました。することがないのでアイスを買ってなぜか誰もいない喫煙コーナーで時間つぶし。
すっかり陽が落ちた頃機上の人に。夕方のフライトだったので機内食が出ました。機内食はホット・サンドのようなものとアイスでありました。ガ〜ン。待合室でアイス食べるんじゃなかった。
行き同様、1時間そこそこでバンコク到着です。あ〜、終わっちゃった。やっぱ1泊2日じゃ全然足りないです。また行かなくちゃ。