★ 7日目/ウィンナ・ワルツ

今日はスペイン乗馬学校の「音楽付き朝の調教」を見物。ホントはちゃんとした舞台が見たかったんですが、私達の滞在中はやっていないので仕方ありません。
調教開始は10時ですが、私達は10時半頃到着。入場券を買って中に入ると既に始っていました。椅子席は2階の2〜3列と3階に1列しかありません。こりゃ売り切れちゃう訳ですね。最初2階の立ち席で見ていたんですが、これは高い所から全体の動きをみた方がいいだろうと3階へ上がると椅子席が空いていたのでそこから見物。
でもねー。音楽付き朝の調教って言うと聞こえが良いけど、なんつーかただの朝連です。ひたすら斜めに歩く練習。いくら音楽が掛ってもそう楽しいものじゃありません。
馬も騎乗者も30分ごとにメンバーチェンジしながら4回行われ、騎乗者のサービス精神と馬の修練度によって楽しさは変ります。私達は1回目の途中から見始め最終回の4回目まで見たのですが、3回目が一番楽しかったです。と言っても後足だちを2〜3回したくらいなんですけど。これで11.50EUROは高いですよねー。だったらちゃんとしたショウを見た方がいいです。つーわけで朝練はお勧めしません。
写真撮影は禁止となっていましたが、皆フラッシュを焚いてガンガンに撮っていたことを付加えておきましょう。

一日市内をブラブラし、夕方からUちゃんと別れてエルマイヤーダンス教室へ。名前と予約のある旨を伝えると先生を紹介されました。どんな先生か知らずに申込んだのでちょっとドキドキだったんですが、うーん、かっこいいぞ。
妙に広い更衣室(日本のダンス教室の更衣室は狭いんです。デパートの試着室程度)で着替えてフロアへ通されるとなんと貸切でありました。着替える前に先生にスタッフが「一番教室を使え」と言っているのが聞えたのでフロアはいくつかあるんだな、と思ったんですがまさか貸切とは。これなら下手っぴでも平気じゃな〜い。

フロアで先生(⇒)とレッスン内容について打合せ

「レッスンは英語とドイツ語のどちらでやる?」
そりゃ、ドイツ語でしょう。
「なにをやる?」
「普通のワルツ(Langsamer Walzer)とその後でウィンナ・ワルツ(Wiener walzer)をちょっと」
「さて、どうやりたい?」
それって私が決めるんだ。ふーん。
「最初に一緒に踊ってみて、そしたら私のどこが悪いか判るでしょ?」
と言うことでまずは踊ってみることに。
w_elmayer.jpg

ところがさー。なんと予備足がないんですね。
予備足とは何ぞや。例えばワルツだと3拍子なので「1、2、3」で一つのステップになります。が、スムーズに「1」で踊り出すためにはその前に動き出す必要があります。まぁ助走のようなものです。
つまり、音楽が始ったら最初の1小節は音を聞いて、2小節目の「3」で踏出し、3小節目からが所謂ステップになります。で、大抵の場合、最初のステップは女子左足後退からスタートするんですが、その前に予備足が入るので実際には右足後退(または横)で始ります。

先生と組んで音を聞いても動く気配がないので「もう1小節聞くのかな?」と思っているといきなり先生の右足が進んできてびっくり。最初は予備足の動きを読取れないのかと思ったんですが、そもそもなかったんです。何回か失敗して理解しました。やれやれ。

ホールドも、「肘を男性の肘の上に置くように。それが重要で掌を置く位置はそれによって決る」と言われました。パーティダンスってこうなんですね。いやぁ、普段やっていることと全然ちがくて面白いです。普段は練習のために腕を重ねることはあっても肘を合わせるなんてあり得ません。
「Zu drehen」と繰り返されたウィンナ・ワルツで目が回った頃にはレッスン終了。長いような短いような50分でした。しかし、先生、なぜ三つ揃いで踊って汗をかかないんですか? 私はTシャツなのに汗びっしょりですよ。

さてこのレッスン、1コマ50分で55EUROです。先生には日本人の女性の方もいらっしゃいます。語学に自信がないけど興味はあるという方は出掛けてみては? この女性の先生にレッスンを受けると「修了証」なるものを頂けるようです。果してどれほどの効力のあるものか存じませんが。
日本語の出来ない先生でも、使う単語は決っているからそれほど心配要らないと思いますよ。これを機会に身体の各部位の名前を覚えちゃいましょう。

Uちゃんがお教室まで迎えに来てくれ夕食の時間です。今日はガイドブックに載っていたゲッサー・ビア・クリニックへ。
店内に入るなり奥の方から「やぁ、日本人の女の子がやって来たよ」という声が。そんな珍しいものでもないでしょうに、と思いつつどこに座ろうかと店内を見渡すと、既にテーブルは埋まっています。まだ5時を過ぎたばかりなのに皆気が早いなぁ。
げっさー

結局席は空いていなかったので大きなテーブルに二人で座っていた男性の二人連れに相席させてもらうことにしました。さっき「日本人だ」と言った人達です。お一人はなんと日本語がぺらぺらで「このテーブルは6時半までですけどいいですよね」と言ってくれました。それなら1時間以上あるので十分です。
店員さんが気を効かせて英語のメニュウを持ってきてくれました。でもなんか厚さが違うんですけど? 英語版は抜粋でありました。トホホ。
ビア・クリニックと言うだけあってビールの種類は豊富ですが、この方たちのお勧めに従ってハーフ&ハーフ(ドイツ語ではgemisched)を注文しました。お食事もこの男性のお勧めのかぼちゃのスープを注文。グーです。それにテーブルにおいてあるパンをUちゃんと半分こ。

途中からなんとなく彼らと話し始めたところ、お二人は学生時代に日本に留学されたことがあるんだそうです。で、お一人はその後も日本に赴任されたこともあるそうで日本語はペラペラでしたが、もうお一人はそれきりだったらしく片言だったので4人でドイツ語と日本語のちゃんぽんで話してました。
このおじさまの日本通ぶりは「今アルベルティーナでやっているデューラー展にはぜひ行きなさい。この規模のものは三越ではやらないから。」の一言に集約されるでしょう(笑)

そうこうするうちに6時半になってしまったのですが、新しいお客さんが来る様子もなく店員さんも何も言わないので「いいんですかね?」「いいんでしょうね」と言って居座りました。
暫くするとちょっと疲れた感じのおじいさんがやって来ましたが、やはり席が無い様子。私達の席はまだ余裕があるので座ってもらおうかと思った矢先、「誰が僕を座らせてくれるかなぁ?(直訳。英語やドイツ語だとよくこういう言い方をしますよね)」と言ったのでもちろんまぜてあげました。
「疲れてる」と思ったこの方はフィリピンの不動産関係の仕事をしていてウハウハのお金持ちらしいです。日本語ペラペラのおじさまも銀行のお偉いさんみたいだし、片言のおじさまは社長だそうで、お金持ちに囲まれてしまった普通のOL2名でありました。
不動産屋のおじさまは日本語は話せないのでここからはドイツ語オンリー。ちょっとキツイけど、銀行員のおじさまがキー・ワードは通訳してくれるのでなんとか頑張りました。
ところで会話中、なんか視線を感じるんですよねー。目をやると私達の隣の席は一段高くなって一人掛け用のテーブルが並んでいるんですが、そこのおじさまがこちらが気になって仕方無い様子なんです。途中までは日本語も入っていたから参加できなかったけれど、ドイツ語オンリーになった今はかなり興味があるみたいです。でも視線を感じてそちらを見ると目を逸らす、の繰返しだったのでそんな素直じゃない人は混ぜてあげません。

途中、トイレに行こうと席を立つと、先にトイレに行っていた社長と行き会いました。社長は身振りと併せて「ミギテ、ヒダリテ」とトイレの場所をし得てくれました。良い人だ。

ビールとお喋りを堪能したので、8時くらいに私達は帰ることにしました(健全だなぁ^^;)
ホテルに戻り、Uちゃんにダンスのレクチャー。う〜ん、酔ってるかも(笑)

U「ドイツ語でレッスンしてわかったの?」
私「eins,zwei,drei,Knee,gross,kleinくらいしか使わなかったよ。
あ、でもSchirittがよく出てきた。いや〜、『モモ』読んでおいて良かったねぇ。役に立つじゃん。」
U「えぇ?! ダンスでも摺足するの?」
私「なんで摺足〜?」
U「Schrittって摺足でしょ?」

・・・違います。
『モモ』のビデオで掃除夫が「人は毎日一歩ずつ成長して行くんだよ」とその小さな1歩をやって見せるんですが、それがホントにちょっとずつなので彼女には摺足に見えてしまったんですね。あと、ウィンナ・ワルツでは何度も「zu drehen」って言われた〜、なんてやって見せたりしながら今日の復習をしたりして。
まぁ、ものすごく身に着いたか、と言われると困るけれど、バーデン・バーデンのお風呂を含め、旅行中にこういう運動をするのは身体も解れていいですね。またやろ〜っと。ダンスシューズは嵩張るけど。
そして、バーデン・バーデンでは打たせ湯をやりすぎて翌日揉み返しが来たけどね。脹脛や背中が痛かったこと。

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