★ 9月13日/雨のウィーン

なんと朝から雨。旅行中雨に降られたことはもちろんあるけれど、朝からこんなにしっかり降られるのは初めてです。寒いし、ダラダラと準備をしてベルベデーレ宮へ。ここはクリムトやシーレの絵画が収められていますが、この二人にあまり興味のない私はこれまで足を運んだことがなかったのだけれど、昨日ゲッサーのおじさまたちに奨められたデューラー展も行かないし、1回くらい行っておこうか、ということになったのでした。

でも今日は土曜日なのでまずはお買物を済ませないと。シュテファン寺院近くでチョコと紅茶を買ってからSバーンでベルベデーレへ。
クリムトって初期の頃からあんなキンキラの絵を描いてた訳じゃなかったんですね。私は初期の方が好きだなぁ。しかし「ユーディット」よ、なぜ日本へ行ってるかな? 目玉の収蔵品が海外巡業していることはたまにあるけど、出稼ぎ先が日本だと特に好きな作品でなくてもすごく損をした気にりますよね〜。

入場券は上宮、下宮、アウガルテン工房とセットになっていたので下宮も見物。この上宮から下宮へ繋がるお庭がここの名物なんですが、降りしきる雨の中砂利のお庭を歩くのはツライね〜。寒いし。バーデン・バーデンでタイツ買っておいて良かったわ。

たいしたことなかった下宮見学を終えてお昼を食べるために中心部へ戻ったんですが、この時私は何を勘違いしたか、方向を逆に行ってしまったんですね。停留所3つくらいだったはずなので「待っている間に着いちゃうよねー」と言って歩き出したんですが、歩けども歩けども着かない訳ですよね。これで余計に気力・体力を消耗し、本日の目的地であるCAFE CENTRALへ着いた時にはお願いだからもう座らせてください、という感じでした。

しかし・・・。カフェは満員御礼で立って待っている人がいるほどです。雨で他に行く所もないし、シャニガルテンも開けられないので混んでいて当然なのですが。どこの席が空くかいな〜とキョロキョロしていたら、おじさんが、「私達はもう行くからここに座りなさい」と言って席を譲ってくれました。なんか、今回席を譲ってもらってばっかです。ありがたや、ありがたや。

しかしせっかく譲ってもらった席はコート掛けの隣。しょっちゅう人がやってきて落着きません。「やだねー」と言っていたら窓際の席が空いたのでそちらに移り、そこはソファーの5〜6人座れそうな席だったのでゆったり座れます。そう思ったのも束の間、途中から相席になりました。仕方ないんですけどね。

寒かったのでここでもスープを注文。でもコンソメスープだったのでちょっと足りなかった^^;
憧れのCENTRALも大混雑でボーイは来ないわ、お客の声は反響するわでなんか思ってたのと違う感じ〜。途中ピアノの生演奏も入ったけれど、とにかくうるさくて聞えなかったです。リトライが必要ですわ。

それからホテルに戻りがてらお水を買ったりしていたら、やはりお腹が空いてきたので、街中のスタンドでホットドッグを購入。小さ目のフランスパンを半分に切った中にソーセージを入れてくれるあれですが、なんと!機械でパンの中心部を縦に刳り抜くんです。(りんごの芯取りみたいなイメージ)。でも下までは突き抜け無い様になっていて、出来た空間にソフトクリームの機械みたいなバーの着いた機械でケチャップをドーッと入れ、次にマスタードをドーッと入れ、そこにソーセージを差し込んだら完成。でもそれって、ケチャップ、下にしか入ってないじゃん。
ホテルに戻って食べてみたところ、ケチャップなどを入れる時にパンに傾斜をかけて一応上までケチャップの味はしました。でも下にいくほど濃厚な味わいになったのは言うまでもありません。ケルントナー通りに交差する通り(オペラ座に向かって左手)にあるスタンドなので、どうぞお試しあれ。

雨の中出掛ける気にもならないので夜までホテルでダラダラし、夜はモーツァルト・オーケストラ・コンサート。日本で公演したこともあるのでご存知の方もいらっしゃるのでは?
なんかホテルの人が一所懸命売りこんでくるし、夜の部は暇だったので買ってしまいました。後ろの方の安い席(でも1階)にしておきました。
開場は楽友協会ことMusik Verein。わーい、入るの初めて。受付に行ってチケットを受取ると、1クラス良い席のをくれました。ありがたく頂戴しましょう。そんな訳で1階の後ろの方だった私達の席は1階は舞台真横の桟敷席になりました。
お客さんの服装は千差万別。シックなドレスの人もいればラフな人もいます。シックな装いで来れば「ホ〜」と思ってくれますし、そうでなければ「お互い様」と思うだけなのでなんでもいいでしょう。

肝心の演奏ですが、やっぱこのオケは上手いですね。去年うっかり間違えた宮殿コンサートとは偉い違いです。10EUROくらいしか違わないのにね。皆さんは間違えないでね。
しかしさ、指揮者がどう見ても日本人というかアジア人でモーツァルトの鬘とのミスマッチはこの上ないです。
Eine Kleine Nacht Musikなど聴き知った曲ばかりの気楽なコンサートの最後はラデツキー行進曲で観客を指揮して(観客は手拍子でそれに合わせる)やんやのうちに終演。しかしさぁ、指揮者、「観光客は気楽でいいね、ケッ」という顔をするのは袖に引込んでからにした方がいいよ。そもそもお金を受取っている以上、そういう顔をする資格無し。

ホールを出る頃には雨も止み、良い音楽を聞いて気分良くケルントナー通りを歩いていたら、日本人のおじさまに呼び止められました。
「ここが一番賑やかな通りですか?」
はい、その通りです。でも今日は土曜日でお店は昼過ぎには閉店してしまっています。平日でも日本みたいに8時9時までやってたりしません。そして明日は日曜日なのでカフェといかにもと言ったお土産物屋さんしか営業しません。お買い物を頼まれたんじゃないと良いですけど。

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