★ 2日目/目指せ、トリアー 

フランクフルトは初めてなので出発前に観光しようかと思ったけれど1時間くらいしかないので観光はやめてさっさとTRIERへ向かうことに。
駅で列車の時刻を確認して出発。4人掛けの席に陣取って景色を楽しんでいたら途中で「××STEIN」に停車。丁度列車の陰になって駅名が見えません。「別に良いけど、どこだろうね〜?」と言っている間に発車。通り過ぎる駅の表示を見たらIDAR−OBERSTEINでした。
こ、ここはSprach Kurs3の一章目、受動態の項に出てきた「世界中の宝石が集まる街」じゃないの! 窓に張りつき「降ろせー!!」と叫ぶ私達にはお構いなく列車は無情にも速度を上げていきます。車窓から記念写真を撮るも敢無く失敗。心に焼き付けておきましょう。

さて、せっかく4人掛けの席に座ったけれど私のスーツケースはでかいので通路に置かざるを得ず、けっこう通行の邪魔になっていました。それと冷房が効いてなくて暑いんです。でも自転車を置けるようになっている所はけっこう涼しく、格納式の椅子もあるのでそちらに避難しました。
誰もいないので広々と使っていたら家族で自転車旅行な人たちが乗り込んで来たので片側を譲ったものの結局乗換えまでずっとそこにいました。ドイツの列車ってちゃんと自転車が倒れないように止めるベルトがあるんですねー。昔は列車が揺れる度に転倒する自転車が山とあったに違いありません。

この家族連れが私達より先に降りたんですが、その時列車が遅れているようなことを話していたので、乗換えに間に合うかちょっと心配に。
案の定、乗換えのKOBRENZでは時間ギリギリ。そして乗換えのホームは階段を上り下りしなくちゃならない上にホームは通常のホームの先にあります!「うそでしょぉぉぉ!」 叫びながらスーツケースを引き摺り走っていてふと振り向くとUちゃんの姿が遥か後方に! そうだ、彼女のスーツケースは2輪(&ちょっと古い)ので動きが悪いんでした。こうなったら私が先に行って列車のドアを押さえておかなければ!
でもどうも私達が乗る列車も遅れたらしく、進行方向からこちらに向かって大勢が駆けて来ます。やはり旅行の大荷物を持っている人たちが同じようにアワアワしながら走ってくるのはなかなか面白いです。写真、撮っちゃおうかなー、なんて余裕をかましていたのは列車の乗り込み状況をみるとまだまだ大丈夫そうだったから。でもホントに写真を撮ってて乗らないと見なされたら困る(去年ヘレン・キーム・ゼーで体験済)なので断念して列車に急ぎました。やはり自転車置き場に席をキープし扉付近で待機。駅員さんもいるし大丈夫なのはわかったんですけどね。DBの扉は私が押さえても怪我をするだけだと思うし。
ちゃんと時間調整しているらしく、Uちゃんも余裕で間に合いました。なんだ、やっぱり写真撮れば良かった。

列車が出発し暫く経つと乗り合わせたカップルの女の子が靴を脱いで靴下のままウロウロし始めました。なんのための靴よー、と思いながら見ているとそのままトイレへ。どうしてそのまま入れるんだー!? 信じられない・・・。ドイツ人は綺麗好きで家の窓が汚れていると隣家から怒られる、というのはよく聞く話だけどそれ以前の問題なんじゃ・・・。しかし、家に靴で上がるというこは、「土足」という概念が無いのか・・・。
毎度のことだけどトイレがものすごく汚い。列車のトイレみたいに男女兼用(しかも揺れる)なら汚れる理由も想像できなくもないけれど、普通の女性専用トイレでなぜ便座が汚れている? 一体どういう使い方してるんだー! そんなことだからお掃除おばさんが張りつくことになって、結果チップを払わないといけなくなっちゃうんじゃないの。もっと綺麗に使おうよ。

と、呆れたりしているうちに本日の目的地TRIER到着。駅からこの地に住む友人Aちゃんに電話。駅まで迎えに来てくれることになっていたんだけど、連絡をせず予定より早い電車に乗ってしまい、乗換駅のKOBRENZで電話をするつもりだったのが、列車の遅れでそれも叶わず現地に着いてからの電話となったのでした。
しかし待てど暮らせど彼女は来ません。彼女に手配してもらったホテルはわかっているからホテルで待ってるって言えば良かったねー、と言いながら待ちます。そのうちお腹が空いてきました。駅の見えるカフェでなんか食べながら待とうか、と言って目の前にあるホテルのテラスへ上がりメニュウを開いたらアイスしかない! そんなバカな。でも他のお客さんもアイスしか食べていない。おねえさんに聞いてみようとした矢先、Uちゃんが駅に向かうバスの中にAちゃん発見! 「またね!」と言って出てきてしまいました。

Aちゃんと再会を喜び合った後、本日のお宿 Römischer Kaiserへ。→
おぉ!おしゃまなホテルじゃないの。案内されたお部屋は広いしバルコニー付き。しかしシャワーのみでバスタブなし。あれ〜、バスタブ付きで頼んだのにな〜。
まだお掃除中だったので、とりあえず荷物だけ置いて観光へ。
Hotel

昼からビール ポルタ・ニグラを外から眺めたらまずはお昼ゴハン。Uちゃんはスパゲティ、私はペンネ。お供にもちろんビール。Aちゃんはアイスコーヒー。
ビールはもちろん美味しいけれど、このアイスコーヒーの生クリームが濃厚で美味しいんですよ。東京ではなかなか体験できない味です。

お腹が一杯になったら市内を散策。ドームやバジリカを見ながら、郊外に住むAちゃんちへ。バスで30分と言うところをローマ時代の遺跡を見ながら歩いて行きました。途中から山越えならぬブドウ畑越え。
畑にはブドウが撓に実っていて生食用じゃないとわかっていても美味しそう。今年はワインの当り年だというけれどここのもそうかな?歩いていくと日本でも見たことのあるラベルに出くわしました。そしてブドウ畑を登ると円形劇場や市街が一望できます。そこで私達が話したことと言えば・・・

トリアーの葡萄 ワインラベル 円形劇場
私「『あんぴてあたー(円形劇場)』と言えばミヒャエル・エンデの『Momo』だよね。でもさ、私『Momo』読むのすげー苦労したけど、覚えてるのってAmphithaterとSchirdkröte(亀)だけなんだよね」
U「うわ、使えなーい。」
私「そぉ?じゃ、あれも覚えたよ『Rükenpanzer!』」
U「もっと使えないよ〜。」
私「じゃ、Uちゃん何覚えてえる?」
U「Fortschritt(進歩)」
私「それだってあんま使えないじゃないよ〜」

ケラケラ笑いながら畑を越えてAちゃんちへ。そこからhotmailのアドレスを即席で取得し、YJちゃんに買って来るよう頼まれたヴァン・クリの香水の価格が許容範囲であるか問い合わせのメールを送りました。でも明日返信を読むのはAちゃん(そして私に伝言する)なので妙な事を書かないよう書き添えて送信!ホントはそこまでしなくてもいいのかもしれないけどせっかくなので。

そして夕ゴハン。Aちゃんお奨めのレストランへ。夕方と言ってもまだまだ明るいのでお庭の席にしました。乾杯はもちろんビール。私は「Salad mit Schinken(ハム入りサラダ)」にしたんですが、これ、サラダって言うよりハムのサラダ添えじゃん? 量も異常に多いし。半分くらいでイヤになっちゃった。こんなことじゃイカンなー。去年の二の舞はいやよー(去年は時差ボケ→食欲不振→体力消耗という魔の連鎖に陥ってしまいました)
ゴハンを食べ終わりお喋りに励んでいたら顔にポツリと当たりました。雨が降ってきたんですね。傘もないし帰りましょう。バス停でAちゃんとお別れ。別れ際Aちゃんが「『ポルタ・ニグラ』で降りるんですよー」と教えてくれました。
to_bier02.jpg

Uちゃんと二人、ライトアップされたカイザー・テルメンやバジリカを見ながらバスに揺られてハッと気付いたら駅に着いていました。
「ポルタ・ニグラ、通った?」
「いやぁ、通ってないと思うけど」
「でも位置的にはおかしいよね」
「そっか。じゃ降りなきゃ。でももしかしてこのまま乗っていればまた来た道を戻りそうじゃない」
「そうだね。じゃ、そうしよっか。あ、でも駅でお水買いたくない?」
「じゃ、降りよっか」

なんとも行き当たりばったりでありますが、お水を買ってホテルへ。鍵をもらう時に「やっぱりバスタブ付きがいいから部屋を変えてもらおう」ということになってそう言ったら今度は5階の部屋になりました。見晴らしが良くなって得した気分。でもこの部屋がホントに100EUROちょい? 部屋に貼ってある料金表はもっと高いんですけど。でも高いと言っても日本の物価から見れば安いので綺麗なお部屋だし、ま、高かったらその時はその時ということで

換気扇代りの天窓付きのお風呂に入って出てきたら、TVを見ていたUちゃんに 「『ベぼるくと』ってなに?」と聞かれました。
うーん、見ている番組が天気予報なだけに
「Wolkenにbeがついてbewolkenならぬbewölken。それが格変化したか現在分子でbewölktってどう?」
「そっか。でも『すたーく べぼるくと』って言ったんだよねー。どう言う意味?」
「『stark』? 『すごく』とか『超』?」
「じゃあ『超曇り』ってこと?」
「明日は『超曇り』なんだ。すごいね。どういうんだろうね」
と馬鹿なことで大笑いしながらビールで乾杯して今日はおやすみなさい。

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