★ 5日目/リンダウ発ウィーンへ 【激走! ミュンヘン】

今日はリンダウを発ちミュンヘン経由でウィーンへ入ります。ここはちょっとばかし行程がタイトになんです。個人旅行の無謀さと言ったところでしょうか。フライトは15時半でしたが、ミュンヘン空港でお買い物をしたかったので9時37分リンダウ発のEC99号に乗ることにしました。 ホテルからスーツケースを引っ張りながら駅へ向かいます。まだ早い時間なので人通りも少なく湖に別れを惜しみつつ進みます。

駅ではUちゃんが切符を買ってくれました。
U「ミュンヘンまで2枚」
係「あなた達何歳?」
U「25歳!
私  「え!? マジ?」(声は出してません。基本です。)
そんな私の怪しい態度にはお構いなく係員は質問してきます。
係「二人とも?」
私「えっと、あのぉ、はい!
係「じゃあ一人13オイロよ」
karte.jpg そう、DBには大人料金・子供料金の他に25歳以下料金というのがあり(チケットの左上ご参照)、これだとぐっと料金が安くなるんです。いやぁ日本人(ていうか東洋人)で良かったぁ!(どこが性善説なのか我ながら首を傾げたくなる行動ですが、ちょっと位良いですよね?)

良識ある大人のみなさんは真似しないで下さいね。バレたら罰金ですよ、きっと。

さて出発進行! ここからミュンヘンまで3時間近くかかります。暇なので二人して折鶴など折って遊んでました。
ところが発車してそれほど経たないうちになんだか減速しているなぁと思ったら途中駅で停車してしまいました。それでも「1時間遅れでミュンヘンにつくから列車から降りずにこのまま待つように」とのアナウンスが入りました。
元々余裕をもって出てきているので1時間遅れならまぁしょうがないね、とそのまま待っていました。他の乗客も同様でした。

が、そのうち「・・・zum Flughafen・・・」とアナウンスが入りましたが、見事なくらい聞き取れませんでした。
二人で「今 Fulghafen(空港)って言ったよね!?「うん、言った」と話していたらそれが聞こえたんでしょう、並びの席に座っていた軍人さんが「空港へ行くのか?」と反応し「この電車は見通しが立たないので空港へ行く乗客は申し出るようにと言っていたよ。早く行きなさい!」と教えてくれました。

慌ててスーツケースを掴み電車を降りました。この時チラッと「この作り溜めた折鶴をどうしよう??」と頭を掠めたのですが、さっすがUちゃん。「Danke schön!」と言いながらこの軍人さんに押し付けていました。喜んでもらえたに違いありません。日独文化交流です。

ホームに下りると立派ななりの駅員さんがやってきてフライトの時間などを聞かれた後、
「列車は当分動かないからタクシーで空港へ行って貰いたい。」 とのことでした。タクシー代はDB持ちみたいですが、私たち二人きりじゃなんだかちょっと不安です。でも説明が続く間に他にも空港へ行く人達が集まってきました。よかったぁ。私達だけじゃないんですね。てことは後は皆さんにお任せして私達はただ乗ってれば良いんだわ〜。かなり気分が楽になっていました。

タクシーに乗るため皆で駅の待合室に移動する時に先ほどの軍人さんを振り返ると彼も心配そうにこちらを見ていてくれたので笑顔で手を振り別れました。一期一会。

さてこの駅ではタクシーは駅頭に待ってないんですね。駅員さんが電話で呼んでいます。タクシーが来るまで少しかかりそうだし、乗ってしまったら暫く行けないだろうから今は別に行きたくないけど済ませておこうか、と思って辺りを見渡してもその案内はありません。でもまぁ、これだろうと思う扉を開けようとしたら鍵が掛っていました
一緒に空港へ向かう仲間は全部で6人なのですが、その中で唯一の男性も隣の扉で同じ行動に出ていてやはり鍵が掛っていて二人で笑ってしまいました。

その後ふと見ると男性がトイレから出てくるところでした。駅員さんから鍵を借りてきたそうです。女性用の扉を開けてくれようとしたのですが、それは男性用の鍵で開けられませんでした。ちゃんと別れてるんですね。感心している場合じゃありませんが。
この人に「他に男性はいないので男性用のを使っちゃいなさい」と言われ、それもそうだな、と思ったのでお言葉に甘えて中へ入りました。

用事を済ませているとUちゃんが「さんさん!タクシー来たよ!!」と呼びに来ました。こ、こんな所で呼ばれても・・・。まぁUちゃんがいるから待っていてくれるとは思うものの時間が無いのも事実なので私なりに急いで済ませ走り出ていくと皆待合室にいるじゃありませんか。

「あれ?タクシーは?」まさか私がいないから皆乗らなかったなんてことは無いと思いつつドキドキしながら聞くと、一度来たけれどまた行ってしまったということです。
なんなんだろうねー、と言いながら仕方が無いのでまた待ちます。が、タクシーはなかなか来ません。これは罰があたったかな、と思いました。
随分待って皆がイライラし始めた頃、メンバーの一人の声がしました。 「Kommt! Ja,Taxi kommt!」
ついにタクシーがやって来ました。一度来てみたら人数が多かったので車を替えてきた、とのことでした。そう、空港組は全部で6名いて全員がスーツケースやリュックを持っているので普通のセダンではとても乗り切れないのでした。

皆喜び勇んで荷物を積込み車は発進しました。運転手さんは「俺は空港まで2時間で行って見せるさ!」と豪語しましたが、列車で3時間近く掛るところをどうやったら2時間で行けるんでしょう?

当然飛ばしまくりでした。
しかも駅から暫くは牧場を抜ける普通の道路です。牧場だけに起伏があり何よりカーブしています。そんな道を人通りがないのをいいことに100キロ近いスピードで走り抜けていきます。す、すごい・・・。
途中からUちゃんの顔色が悪くなってきました。そうだ、この子はあまり乗り物に強くないんでした。でもこんな牧場の真中でリタイアするわけに行かないので耐えてもらうしかありません。
その後アウト・バーンに入り道はまっすぐになったものの今度は窓を開けられません。Uちゃんの忍耐は続きます。来るべき時には私が手で受止める覚悟でした。

道路は割りと空いていましたが、急ぐ運転手さんは追い越し斜線にいる車を煽りまくってぶっ飛ばします。メーターは時速170キロを指していました。う〜ん、一歩間違えば死ぬな。 パッシング&蛇行運転で大型トラックをどかした時にはマジにそう思いました。
でもお蔭様でいい感じで空港へ近づいています。ミュンヘンからSバーンを使うよりラクかもねーと暢気なことを言っていたらミュンヘン近くから渋滞が始まりました。6人の内1人だけ14時半のフライトの人がいてその人はもう気が気じゃありません(残りの5人は15時半)。イライラした雰囲気が伝わってきますが私達には祈ることしか出来ません。
距離はもうそれほどでもなかったのでいくら渋滞していても15時半のフライトにはなんとか間に合いそうだけど、14時半にはかなり厳しい感じです。運転手さんがチェックイン・カウンターに電話してくれましたが「最悪でも15分前には来て下さい」との冷酷な返事でした。 一刻も早く到着して欲しい!!
この人のために皆祈る気持ちで前方を見つめています。国境を越えて7人(運転手さんを含む)が一体となって祈りました。人類はみな兄弟ですね。

そんな私達の祈りが通じたのかなんとか滑りこみセーフの時間に空港に到着しました。タクシー・ベイは混んでいたのでお姉さんは徐行する車から飛び降り、荷物を降ろして挨拶もそこそこに駆けて行きました。皆から安心した笑顔が零れます。
それも束の間、ハッともう1人のお姉さんが「そう言えばあなた達の航空会社はどこ!?」と聞いてくれました。
「オーストリア航空です」
「だったらここよ!」
慌てて飛び降りました。 同乗のお兄さんと運転手さんが降ろしてくれたスーツケースを受け取って
「Vielen Dank!」
「Wieder sehen! Gute Reise!」
と声を掛け手を振り合って別れました。お姉さんは車から身を乗り出して手を振ってくれます
お姉さん、嬉しいけどそれは危ないよ・・・。なんて言うか、もう皆舞い上がっていたんですよね。
いや〜、忘れられない思い出を作っちゃいました。一時は罰があたったかとも思いましたがこれはこれで楽しかったのでいいかな。(もっともUちゃんに後から聞いたところ、彼女は乗り物酔いで死ぬ思いだったのでマジに罰があたったと思ったそうですが(^^;;)

時間の余裕はあまり無いのでそのまますぐにチェックインをしに行きました。ミュンヘン空港には日本人専用カウンターと言うのがあります。便利ですねー(でも係員はドイツ人)。

カウンターのお姉さんが「日本までですね?」とニッコリ笑顔で聞いてきます。
「いえ、ウィーンまでです」
「ええ、わかってるわ。でもウィーンの後日本に行くんでしょ?」
なんとも微妙な言い回しです。
「うーん、それはそうなんだけど、今日はウィーンまでで・・・」
と言った瞬間お姉さんも気付いたようで「あらあら、ごめんなさい。ウィーンまでね」と言ってクレーム・タグを作り直してました。
ふぅ。危うくスーツケースを日本に送られてしまうところでした。タグのチェックは怠ってはいけません。

またミニミニの飛行機に乗って1時間、ウィーンに到着です。
空港でウィーンカードを買い、リムジンバス(ウィーン・カードで割引になります)で市街へ向かいます。私の予定では中央駅からタクシーでホテルに乗りつけるはずだったのですが、バスの着いた所は西駅。中央駅にはSバーンで行くんでした。ありゃりゃ(と言っても空港からのSバーンは本数が少ないのでバスを使うのが普通らしいです)。ここからタクシーはちょっと痛いので地下鉄(U3)でシュテファン・プラッツまで行きそこからケルントナー通りをスーツケースを引きずりながら歩いていきました。ちょー、かっこ悪い。

ホテルの入口は狭くてあれっと思ったけれど中はうつくしー。私達の部屋はその階で一番広い部屋でベッドスペースとリビングスペースがクロゼットで仕切られています。う〜ん、贅沢。

まだまだ明るいので荷物を片付けたら街へ出てみました。なんかケルントナー通りも変わりましたね。スワロフスキーのでっかいビルが燦然と建っているのも驚きですが、ソニプラみたいなコスメティックショップやEMIなんて無かったよねー。
何より驚いたのはスタバ。こんなところにまで進出していたとは。似合わないなーと思いつつ味比べはしてみたいので一度は入ることでしょう。

さて私達のお目当てはスーパーマーケットなんですが、場所がわかりません。人通りは多いのですが皆観光客ばかりなので聞いてもしょうがないでしょう。で、この人に聞くことにしました。⇒
チケット売りのお兄さんです。因みに日本語ベラベ〜ラ。
「おぉ! あなた、ドイツ語お上手ですね!」って日本語で言うなー! キィィー!

もちろんコンサートのチケットも買いました。オペラとバレエもあるといいます。オーケストラだけのがいいんだけどと言ったら、オーケストラだけのは普通の燕尾服でやるからコスチュームのものを見たいならバレエ付だし会場もこっちの方がずっと良いし、会場の天井画が素晴らしいんだよ!と言うので疑いの目を向けつつもこちらにしました。

結局私は間違えていたんです。ウィーン・モーツァルト・オーケストラを聞きたっかったのになぁ。今は同じようなチケット売りがごろごろしててどれがどのコンサートなのか判らないんです。
まぁ、文句は演奏を聞いてからにしましょう。

verkaufer.jpg
さて、席の種類はVIP,A,Bとありますが、今回はケチってA席にしました。ところが、チケットを受け取ってから「おや、明日のA席は売り切れだ!」と言い出しました。
どういうことぉ? 私これにVIP席の値段を出すのはイヤよぉ、と思っていたらなんとVIP席に印をつけるじゃありませんか。(写真ご参照)
「追加料金無しでVIP席に座って良いよ! 君たちは運が良いね!」
なんだか怪しいなぁ。だってチケットにはしっかり42オイロ(A席の値段)って書いてあるんですよ。ほんとにVIP席に座れるんでしょうねぇ?
お薦めしません

彼らに教えて貰ったスーパーはBILLAという名前でガラリエの地下にありますが、19時までなので急ぎなさい、とのことです。ここでも歯磨きなどチープなお土産やクノールのスープ、ミネラル・ウォーターなどを買いました。

この後夕食をどうしようかということになったのですが、今日は一日乗り物に乗っていたので二人ともあまり食欲がありません。このガラリエの中にビュッフェがあったのでそこで済ませることにしました。
Uちゃんはサラダにスープにビール。私はピザにフルーツにコーヒーにしました。フルーツは一皿いくらですが、自分でよそうのでもちろん山盛りにしました。ピザは調理人さんに好きな具を伝えそれから焼いてもらうのでちょっと待ちますが焼き立てが食べられます。気楽だし結構美味しいので簡単に済ませたい時には良いと思います。それにここの樽生ビールはなかなかグーです。

ちょっと早いけれど、今日は予定外のドライブでとても疲れたのでおやすみなさい。

う〜ん、このページ、写真少ないな。まぁ暢気に写真をとってる場合じゃなかったんだけどね。

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