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KAWASAKI ZL 1000(1987 A1)
 


(2019/1/29〜2/3 30898km 通算53410km 納車から18619km)

クラッチの点検

さて最近、少しクラッチが気になっていました。

いわゆる、「滑っている」感じということではなく、
クラッチそのものは一応ちゃんと切れていると思いますが、
ミートポイントが以前よりも結構近くなっている感じ。

触感ですと切れてから繋がるまでが、ほんの1pあるとかないとか。
先日などは「ヨッコイショ!」と持ち上げなければ
ニュートラルに戻りませんでしたから、事は少し急を要するかも。

400のようなワイヤー式のクラッチならば、
一応長さを調整することで引っ張りシロを変えられますんで、
調整は効くのですが、ZL1000は油圧のクラッチですので、
調整は効きません。

以前リザーバを覗いたときに鉄粉のような汚れを発見しましたが
そのままだったこともあり、
・フルード交換
・クラッチレリーズのチェック
・クラッチマスターのチェック
を行うことにしました。




まずはレリーズシリンダーからです。

これ外したことありません。初体験です。
とはいえ、構造を事前に学習していればどうと言うことはありません。
左、右、下の3本のボルトを抜けば簡単に外れますし、
要はブレーキキャリパーと同じで、油圧稼働のピストン部品です。
ピストンで押すのはパッドでなく、エンジン内部を貫通しているロッドです。


真ん中部分でロッドを押しています。


まず外してピストンを抜き、再装着してバンジョーボルトを外しました。



あ、もちろんその前に忘れずに。
フルードリザーバタンクのフタが開くことをちゃんと確認しましょう(笑)。




下が外れたら上も外してしまいます。
ミラーを外し、マスターにつながるバンジョーボルトも外しますが、
その前にリザーバのふたを開けてみたらおぞましいものが見えました。


ヘドロとも思しき汚れ切ったフルード。こりゃいかんですね。



あれこれと、途中のフルードライン以外全て外して、
屋内に持ち込みます。フルードラインは上向きにしてさしあたり放置しときます。




・クラッチを押すロッド
・マスターに付いていたバンジョー
・リザーバタンクふた3種(金属、プラ、ゴム)
・レリーズボア部
・レリーズピストンとスプリング
・レリーズ&エンジン結合部に挟むプラのカラー
・マスターシリンダー&レバー


さてまず、レリーズのピストンやらシールの状態ですが。
ピストンシールは外してあります。


少し磨いたので見た目ピカっとはしていますが、
あまり良好とは言えない状態と思います。
画像真ん中部分(シールに近い方)に少し錆
(腐食?)も出ていますし。

ただ磨き後に指でなぞった感じでは、凹凸は感じられないので、
また部品調達もしてないので(笑)、そのまま使います。



レリーズボア(?)の方も、以前ばらした400SEのキャリパー程は
状態は良くありませんが、これも磨いて凹凸無しってことで再利用。

なおシールもそのまま再利用。要するにただ掃除しただけですね〜。いけませんね〜。

まあレリーズは、ASSY(13231-1067)純正が5〜6000円で買えるので、
(現在の統一品番は13231-1072、税込6,318円)
いずれ、あるうちに買っておくことにします。

レリーズは洗剤で洗って磨ける部分はピカールで磨き、
ワコーズのシリコングリース塗って組付けておきます。

(ピストンシールを逆向きに付けてやり直したことは秘密。)



さて、お次はマスターです。

最初、ニギニギした感じも特に悪くないし、
何より部品調達していないので、例のスラッジっぽい汚れだけ
奇麗に除去してOKかな、と思っていたんですが・・・

画像がなぜか残ってませんが、マスターのピストンを押すロッド、
の外側部分に付いているゴムカバー、がボロボロなんですよね・・・
元々どういう意味で付いていたのが分からないほどゴムが破れてます。
例えるなら、底が丸ごと無くなった食堂のプラスチックのコップ、
みたいな感じになっていました。

どうしてもそれが気になり、ええいバラせ、となったわけです。



これにもゴムブーツが写ってませんが・・・。

実は、スナップリングが外れず、小一時間は格闘していました。
手持ちのプライヤーがぼろいんでよね、要するに。
アストロPの90度ロングを使えば簡単だ、
なんていうのは外れた後に知ったことですし。


でまあ、そんなこんなでネット覗きながら作業していると、
たまたま探しているゴムブーツが、ヤフオクに出ていました。
「純正未使用品袋入り、送料無料、1個」
税込で399円。おお。
これは渡りに船で即決落札、到着まで数日待ちました。


そして届きました。




こんな、なんということのない部品です。(49016-1044)
下のグルっと丸まっている部分にはワイヤーが入っています。

インフルエンザなども挟みながら、ようやく作業に戻りました。

マスターのピストンの画像やらもなぜか残っていませんが、
スプリング、ゴムシール、スナップリング等々全て、
いずれも出来るだけきれいにして再使用です。


(清掃後フルードに浸して保管中)


ピストン、スプリング等々すべて元に戻し、



ロッドをブーツにはめて、押し込みます。




あとはレバーを戻せば完成なのですが。

もう一つ気になるところが・・・。



リザーバタンクの覗き穴、です。
実はこの画像はすでに少し手を加えちゃっているんですが、
ほぼこんな感じの、何の役目の曇りガラス?って感じです。


これも確か変えられるんだよなぁ〜なんて思いながら
探してみるとやっぱり売っていました。2セットで880円でした。



圧入されている、とのことでしたが、タンク内側から押し出すのは
どうやっても無理そうですし、余計な傷なども付けそうだったので、
ここは潔く、上画像右に見える黄色いラジオペンチで、
表から窓を破り、なるべく慎重に引っ張り出しました。






取り外した面をピカールできれいにして、




ちょっと乱暴ですが、シリコングリス塗って、
挟み物をして、叩き込みました。

※ここからコンデジが新品。キレイに撮れる!!


まあツライチには入っていると思います。
ゴムさえしっかり潰れてくれていれば、漏れることはないと思います。




さてさて、ようやく(インフルエンザもかなり落ち着いたので)
取り付けにかかろうかという感じです。

まずは原状復帰。
ニュートラルスイッチを戻します。



レバーも戻します。






マスター側、バンジョーと新品銅ワッシャ組みます。


実はバンジョー左斜め下に移っているバンジョー部のゴムカバーも、
この時でなければ出来ないので、新品調達して替えました。



で、ラインの汚れフルードを一応押し流そうと、
タンクに新品フルード入れてしばらく放置。



落ちたフルードはきれいだったので、レリーズも取り付け、
こちらも新品銅ワッシャ2枚で挟んで締めます。



フルード注入〜
エア抜き〜
せおいなげ〜



とりあえず、ワンウェイバルブ使って入れます。
(先端に付いています)


120〜30ニギぐらいで、気泡も出なくなってきたので、
一旦中止、試しにとエンジンをかけてみました。

とその前に。
そうそう用意してあったリザーバタンクの蓋ネジでも替えようかと、
新品付けようとしましたが、なんとこれがサイズが違う!
入らないの(入りそうにないの)です!!

クラッチリザーバタンク


ブレーキリザーバタンク


なんとクラッチとブレーキで蓋のネジ径が違うとは。
用意してある物(6本くらいあるかな・・)はブレーキ用オンリー??

※少なくとも1987年のZL1000のパーツリストでは、ブレーキもクラッチも
同じパーツ番号(92001-1727 スクリュ 5mm)、つまり同じネジです。
1986年のZL900も同様。ざっくり探した範囲では
違うサイズのネジを使用している気配は見当たりません。
いずれ、もう一度ネジ外して、ネジ径含めチェックしてみます・・・。




さてエンジン始動。
クラッチ繋ぐ・・・。


あ〜。


ダメです。
前よりひどくなりましたかね〜。


ロー→ニュートラルがガチガチで、抜けなくなってしまいました(泣)
エンジン切ってニュートラルに・・・。




まあこれは多分、エア抜き不足でしょう。
下(レリーズ)は空気抜け穴まで近いですし多分大丈夫なんでしょうが、
上(マスター)でしょうね・・・。


仕方ありません。強制ブリードします。


シリンジ登場です。
皆さんどうしてますか?
これやると、ブリードバルブ側のホースの根元から
絶対にエア吸ってしまって、永久に気泡が出続けるんですよね〜

とは言えとりあえずはやらなければいけませんので、
50〜60ccのシリンジ3回分ほど強制吸入し、
その後、丁寧にかつ根気よく再びニギニギを繰り返し、
握りがより固くなったかな〜、というところまで。




再度挑戦。



おお。ローに入れても動かない。
ローもちゃんと抜ける。
成功。


こうなると、やれば確実にさらに良化しそうな、
・レリーズASSY交換
・フロントマスターのちゃんとしたOH
辺りにも少し食指が動きますね〜



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