エリミネーター400SE メンテナンス記録


2015/3/17 カムチェーンテンショナーについて考える (17630km)


今回キャブを外しましたので、これはちょうどいいとばかりに、
カムチェーンテンショナーも外してみました。

ZL1000の方はカムチェーン(とテンショナー)が、
クラッチペダル側のエンジンサイドにあるので
アクセスが容易ですが、400SEはエンジンのど真ん中。
キャブ外さずにアクセスは、ほとんど不可能です。

実際状態はどうかといえば、
当然音から推し量るしかないのですが、
納車時よりも音量は増えたかなとは思います。
シャラシャラ音とカチカチ音。

外してどうなるとも言い切れませんが、
ちょっと見てみたいなという部分もありまして、
今回外します。


モチロン汚いです

上下2本の10mmボルトを外してエンジンから切り離す
のですが、下側のボルト、エンジンに入る水パイプのせいで
工具が入りづらく、何とかはまりますがナメそうです。

なので何の躊躇もなく、水パイプを外すことにしました。


ホース抜いて水を一部抜き、ホースも外して
パイプを引っこ抜きました。


接続部のゴムOリングは、油でなく水なので
まだ大丈夫かなと、とりあえずそのまま使います。

あまりの汚さに、思わず塗装してしまいました。
中性洗剤で洗い、ある程度ヤスリがけし、
余っているオキツモでスプレー。つや消し黒です。


水の温度とエンジンから伝わる熱で、
いつか硬化してくれるでしょう。テキトー。


さてテンショナーですが、機能自体は分かります。
次第に伸びてくるカムチェーンのたるみを、
押すことにより解消する。実際に押すのはガイドですが。

調べてみるとテンショナー自体には数種類あるようです。
・ラチェット型
・クサビ型
・手動型
他にもあるかもしれませんが。

ウチのそれはクサビ型です。
パーツリストを見ればそれは一目瞭然。


先端が片テーパーになっているシャフトが、
2本交わる構造のようです。

正直、どのような感じで噛んでいるのかあまり
イメージがわきませんでした。

こう?


極めてざっくり言えば、実際このような接触でしたが、
このような形で交わるには、
テーパー角が45度でなければいけません。
あとからバラしてみて分かったことですが、
実際のテーパー角はこれよりも全然小さい角度です。

実際45度どうしの接触では、角度がきつすぎ、
うまく作用しないのではないかと思います。

でバラしてみた際に、テーパー角を測ってみました。
先端が少し丸みを帯びているので正確に測れませんが、
およそ22〜24度でした。


双方重ねると、丁度1本形状になる事もミソかと。

バラしてみて、テーパー面の接触により押してゆく、
という機能については大体分かったような気がします。


もうひとつバラす前に疑問だったのが、
ラチェット型のそれらにあるような、「戻り防止」です。

ラチェット型は一回出ると、基本戻らないはずです。
たるみを取っている状態を維持するために。

その類のテンショナーは、外す時には押しているバネを
まず最初に外してから本体を外さないと、
その時点でのいわば「押し量」が分からなくなります。
本体ごと外してしまうと、バネの力でラチェットが
「全伸び」になってしまうからです。

それをそのまま装着してしまうと、限度を超えて
チェーンを押してしまって、まずいことになりそう。
これもラチェットを一旦全戻し状態にして再装着すれば、
もちろん問題はないのでしょうが。


私もテンション掛けたままで取り外してしまいましたので、
それを何も考えずに再装着し、後から
「あれ?大丈夫なのかな」と心配していましたが、
このタイプは大丈夫なようです。

小さいピンが長い方のシャフトを止めていますが、
これは向きの固定、シャフト飛び出し防止または、
張りしろの限度設定のために付いている物であろうと思われ、
戻り防止には関係ないでしょう。

つまりこのタイプには戻り防止機構はない、と。
クサビタイプで戻りにくくしているのだとは思いますが。



さて一応、綺麗にしました。
外側はアルミ部品なので磨けば鏡面ほどのピカピカ
にまで出来ますが、それ苦手なのでほどほどに。

シャフトは、1000番程度のペーパーでヤスりました。
中にはモリブデングリスをたっぷりと詰めます。

キャブ装着に先立ち、再装着しました。


まずこちらを先に付けるのが正解でしょう。



そして短いシャフト&スプリングを入れて締める、と。


若干、ほんの気持ですが音は小さくなったような気もします。
ま、気分の問題ですかね。

 
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