第五話 『歪』-weltall- |
レウルーラ艦内 『ハウエルはいるか!?』 『プルツー様!今までどちらに!?もうメイファ様たちはゼブラ基地に向かって降りられましたぞ。』 『ちょっと・・・やることがあったんだ。それより状況はどうなってる?』 『現在艦隊の稼働率70%強です。地球連邦軍の方に動きは見られません。』 『シッガルトが私達ネオジオンに制圧されたままですからね。あっちから行動は起こせないでしょう。』 『メイファ様のアウーラの発進を確認次第、全軍状況を開始します。それまではゆっくりしていて下さい。』 『・・・わかった。』 『MSデッキの方には行かれましたか?』 『いや。・・・何でだ?』 『もうツー様のMSの組み立ては終ったみたいですぞ。今は最終チェックに入ってるようです。一度覗きに行かれ 『そう・・・。私のだろ?フォウ達のはどうなってるんだ?』 『詳しくは存じませんが・・・。大体出来上がってるようです。』 『じゃあ・・・見に行こう。』 『では失礼しますね。』 『・・・・己が人の命を断ち、その肉叢を食ひなぞする者はかくぞある、とはよくいったものだ・・・。』 通路に出て、二人はMSデッキに向かって並んで歩いている。 『ハウエルは知らないようですね。おそらく兵達には伝わっていないものと・・。』 『いずれにしてもセブンに・・・』 『もう動いてもらってますよ。まだ確かなことはわかりませんが、タウ=リンの行動には不明な点が多々あるよう 『やはりな。ミネバの波動が消えたのに前後してあいつのプレッシャーを強く感じた。』 『やっぱりツー姉様も気づいてましたか。ですからセブンには引き続きあの男の情報を探らせます。』 『うん・・・。』 『心配なさらずとも、ルチーナ様の捜索も平行させますよ。』 『えっ!!?あ、うん・・・た、頼む・・。』 『あの組織の性質から考えてタウ=リンが動いたというなら後者ですよ。どうしたんです?ツー姉様だってわかっ 『わ、わかってる!!今は目の前の事態に集中しないといけないってことぐらい!』 『はいはい。・・・あ、もうすぐMSデッキですよ。』
レウルーラMSデッキ 『あッ、プルツー様!』 『もう調整は済んでいるのか?』 『はっ。ナイン様が手伝って下さったおかげで・・・』 プルツーは並んでいるMSの一番手前を見やって、 『キュベレイMkUと同じくマイナーチェンジにとどまっていると言えばそうなりますが・・・出力、ファンネル搭載数 『要するに強化型だろ?』 『ええ、まぁ・・・そうなりますけど・・。』 『私のMSは出来上がっていますの?』 『はい、もちろん。フォウ様達のニュータイプ専用MSは戦力の要ですから。寝る間も惜しんで最優先に仕上げま 『・・・あまり良い思い出のないMSね・・。』 『え!?・・も、申し訳ありません!』 『いえ、別に構いません。・・これもサイコフレームを採用しているのですね?』 『・・はい。あとはスリー様用にヤクト・ドーガ、それと量産型キュベレイが以前ツー様が御搭乗されたのを含めて6 『いつでも出撃できるということか?』 『はい。』 『まだ出撃まで時間がありそうですね。どうします、ツー姉様?』 『私はここでクインマンサのサイコミュの連動をチェックしてる。』 『わかりました。私はスリー姉様達の所に行ってきますね。』 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 『アウーラの発進を確認しました!!』 『よし!オープンチャンネルで回線を開け!』 ハウエルの宣戦布告がクインマンサのコクピット内に広がっている。 『どうなさいました?ツー姉様』 『戦力的には連邦の方が圧倒的に有利だ。それをひっくり返すためには・・・私達が先行して反撃の隙を与えず 『承知しています、小姉さん。』 『寡兵よく敵を制すってわけですか。ではセブンは引き続きメイファ様、それにルチーナ様の捜索ですね。』 ハウエルの声はまだ聞こえていた。 『MS隊発進願います!』 『クインマンサMkU、プルツー機行くよッ!!』 『ヤクト・ドーガ、プルスリー、出ます!!ファイブ、エイト、テン続いて発進!』 『・・ゲーマルク、プルフォウ、行きます。同所属小隊はついて来てくださいね。』 プルツー達ニュータイプ部隊がネオジオン軍の先陣をきって、連邦軍に迫る。 『前方のMS隊はそれほど大規模ではないようです。機種確認・・・。ほとんどがジェガンタイプですね。』 『了解。準備は・・・いいな?』 『はッ!』 クインマンサMkUは敵陣に向かいテールノズルを全開にして突っ込んでいき、その速度を衰えさせることないま 『何だこいつら!?全部ニュータイプ専用機じゃないか!!』 『ひるむな!!数の上では・・・』ド・・・ン 『くそっ、情報と全然違うじゃねえか!!どうするんだよ!!?』 『ままよッ!』 ジェガン数機のビームライフルから放たれたビームはクインマンサに届くことなくかき消えた。両肩のバインダー 連邦軍の通信に怒声が舞う。 『これだけの数、情報局が知らなかったのか!!』 『そんな筈があるまい』 『じゃあ何故!!』 『俺達は金で売られたんだよ!!』 驚愕と絶望の声で包まれる中、次々と連邦のMSが宇宙の塵となっていった。 『交戦中の敵MS隊はもうボロボロだ。あとは後続の本隊に任せて私達は別部隊を叩きに行く!』 『意外と脆いものですね?』 『UC100年を期に大軍縮しようっていうくらいだ。力なんてあるものか。』 『なるほど・・・そうかもしれませんね。・・・・・・このまま行くと月軌道上に出ますよ。ルナUの連邦軍の艦隊はまだ 『ああ・・・。そうだな・・・環月方面艦隊でも叩くか。じゃあ・・・進路修正!』 『待って下さい・・・。最大望遠・・・・、確認しました!正面に敵艦隊!!どうします、小姉さん?』 『あれは・・・ラーカイラム・・。ブライト=ノア・・・?』
『敵MS隊、左舷から急速接近中!!』 『何だと!!?索敵班、何をやっていた!!』 『暗礁空域に隠れてました!ミノフスキー粒子の濃度も濃く・・・』 『言い訳はいい!!敵MSの機種は?』 『機種確認!キュベレイタイプ6機、ゲーマルク、ヤクトドーガ、クインマンサ各一機!』 『クインマンサだと!!まさか・・・?』 『艦長?』 『・・・いや。MS隊発進!敵は全てニュータイプ専用MSだ。絶対に単独での戦闘行為はするな!!各機互いに
『何だろう・・。ラーカイラム・・・。なんでこんなに懐かしい感じがするんだ?初めて見たハズなのに、まるで・・・い 『小姉さん!!?』 『・・・え?』 『どうしたんです?攻撃の命令を。』 『あ、ああ・・・。!・・MS隊が出てきたみたいだ。』 (ツー姉様の記憶・・・戻りつつある・・?) 『考えてる暇はないな。・・・攻撃開始。』 ラーカイラムを旗艦におく連邦軍月軌道上奪還作戦部隊とネオジオンニュータイプ部隊の戦闘が今始まる・・? |
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