第一部: ザ・ラスト・インビテイター!!




GS美神除霊事務所前に一人の少女が立っている。まだ幼さの残るその顔はどこか嬉しそうだ。
ピンポーン
 『はーい?どちら様すか。』
そう言って横島が出て来た。
 『ヨコシマー!久しぶりでちゅー♪』
 『パ、・・・パピリオ!?』
横島の前には人間と姿、服装の見分けがつかない魔族の少女、パピリオがいた。
 『相変わらずみたいでちゅね♪』
横島の顔を見てパピリオは嬉しそうにそう言った。
 『どうしたんだ一体!?まさか・・・小竜姫様の修行が厳し過ぎるから抜け出してきたとか・・・』
そう言いながら横島は以前逃げ出して来た天竜童子のことを思い出していた。
 『ちゃんと許可はもらってあるでちゅ。今日はおまえにすんごく大事な話をしに来たんでちゅよ。』
 『・・・・・・・・・ルシオラのことか?』
パピリオという存在が、横島にルシオラをイメージさせるのは必然とも言える。
 『・・・・・私いままでいっぱいいっぱい考えまちた。もしかしたら・・・・生き返らせることができるかもしれないでちゅ!!』
 『ど、どうやって!!?どうやって生き返らせるんだ!?教えてくれパピリオ!!俺にできることなら何でも・・・・・。』
パピリオの両肩をつかんで激しく揺さぶる横島の動揺っぷりにパピリオは内心嬉しかった。
 『お・・落ち着くでちゅヨコシマ!!いま言いまちゅから・・・。』
 『あ・・、ああ悪い悪い、つい・・・。続きを言ってくれ。』
 『ルシオラちゃんの霊体破片はちゃんととってありまちゅか?』
 『もちろん!大切に保管してるけど・・・・?』
 『魂基本量が足りないから元に戻せないのは知ってまちゅね?だからあとほんの少し破片を補えばルシオラちゃんは助かるでちゅ。』
 『でも・・・破片はいくら探しても無かったし・・・時間もだいぶたって・・』
 『心配いらないでちゅ。おまえの中にあるルシオラちゃんの霊基構造を使えばいいでちゅ。生体とともに霊体の一部になってるから時間がたってても破片として使えるでちゅよ。』
 『ちょ、ちょっと待て!俺は人間だぞ!!無闇に霊体を切ったりつないだりしたら魂が原形を維持できないって土偶羅が言ってたぞ! まさか・・・?』
 『そんなこと分かってるでちゅ。だからお前を人間でなくせばいいだけでちゅ。』
 『へ・・こ、殺すのか俺を!?死ぬのイヤ------------!!?』
 『はぁ・・・そうじゃないでちゅ。そんなことするわけないでちゅよ?ただ・・一時的に魔族化するだけでちゅ。』
 『魔族化・・・・?そんなことできるんだっけ?』
 『たしかおまえの知り合いに魔装術を使える奴がいまちたね。』
 『雪之丞がどうかしたか?・・魔装術・・・!!そうか!陰念や勘九郎はその技で魔族に・・・。でも俺が魔族になってどうすんだ?』
 『おまえ・・・もしかしてバカなんでちゅか?魔族になれば、霊体を切ったりつないだりはある程度自由にできるでちゅ。だからルシオラ ちゃんの霊基構造を簡単に取り出せまちゅ。それに・・・、式神治療をすれば数ヵ月で人間に戻れまちゅ・・・。』
そう言うとパピリオの表情が曇った。
 『パピリオ?どうしたんだ?』
 『な、なんでもないでちゅ。とにかくこの方法しかありまちぇん。どうするかはおまえ次第でちゅ。』
 『魔族化か・・・考えもしなかった・・。パピリオはどうして思い付いたんだ?』
 『え・・・?それは・・・その・・お、おまえの知り合い、雪之丞と言いまちたか?そいつが妙神山に来て、それで魔装術のこと思い付いたんでちゅけど・・・。』
 『雪之丞が妙神山に?何で・・・、まさかっ!!?あいつ小竜姫様と!!』
 『さあ?、私は知らないでちゅ。気づいてから急いでおまえのところに飛んで来たでちゅから。』
 『よし、そうと決れば妙神山に行こう。すぐ行こう!雪之丞を問い詰めて・・・・じゃなかった。奴に魔装術を教えてもらなわねば!!』
 『小竜姫もあの技知ってるから、わけを言えばきっと教えてくれまちゅよ?』
 『そうか!なら断然小竜姫様に教えてもらったほうがいいな♪』
 『おまえ・・・ルシオラちゃんを救うためなんでちゅよ!わかってるんでちゅか!!(怒)』
 『イタタタタタ・・・も、もちろん。あきらめかけてたけど・・・・・可能性はまだあったんだな。転生じゃ、俺や美神さんみたいに記憶がなくなっちまう。大事な記憶が・・・・。全て含めて完全に救えることができるなら・・・、俺はやる!!!!』
 『その意気でちゅよ、ヨコシマ♪じゃあ早速行くでちゅ。しっかりつかまってるんでちゅよ!』
残された最後の希望を胸に、二人は妙神山へ飛んだ・・・・。』

 

第二部(題名未定)に続く・・・




パピリオ『完全にお前の希望がはいってまちゅね。今のヨコシマはルシオラちゃん完全に忘れてまちゅよ(怒)。』

つまーさ『だからその話は禁句!!今の話は現実じゃない!!ホントはあったかいフトンの中にいるのさ・・・フフ
      ・・・・・・』

パピリオ『おーい。戻って来るでちゅよー。元々現実じゃないでちゅ。』

つまーさ『宇宙の卵の中なんだ、きっとそうだ・・すぐに夢落ちだってはっきりするさ・・ぶつぶつぶつ・・・。』

パピリオ『こ、こいつだめでちゅ・・・。ルシオラちゃーん、なんとかしてー!』

つまーさ『そうだ・・あんな短冊作る横島が現実であってなるものか・・・あんな奴をルシオラは想ったんじゃない・・
      ・・夢だ!偽りだ!!幻だ!!!』

パピリオ『ル、ルシオラちゃん・・・早く・・早く来て・・・!(涙)』










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