0系車両形式

 0系は東海道新幹線が開業する1964年より前、1962年の時点から製造が始まり、1985年まで、38次車3216両が製造された。この間、列車の需要動向や、岡山、博多の延長開業による編成替えなど、複雑な組み換えを行ってきた。そのすべてを把握するのは非常に難しいが、0系の形式と編成を紹介していこうと思う。

番台区分

0番台
1964年の開業から投入されてきた車両。側面窓が普通車は1460mm、グリーン車(一等車)は1870mmの広い窓を採用しているのが外観上の特徴
1000番台
1977年に登場する22次車より外観の大窓が見直され、普通車は630mm、グリーン車は850mmの小窓に変更された。車内設備は大差なし。
2000番台
1982年に登場する30次車より、座席のリクライニング化と、これに伴うシートピッチの拡大のため、一部車両で定員を減らして登場した。シートピッチの拡大に伴って外窓の大きさも拡大され、普通車は720mm、グリーン車は900mmの窓を採用し、車体中央にあった非常口は廃止された。

車両形式

21形
博多側に連結される先頭車。主電源装置、主抵抗器、補助電源装置、蓄電池などを搭載。運転台があるために、運転室後方にATC装置を設置、屋根上に列車無線アンテナが設置されている。また、新幹線の特徴にもなっている静電アンテナも運転台屋根上に搭載している。
 車内設備としては、洗面所と便所を設置されている。装備、設備共に番台によっても大きな差異がない。定員は番台によって異なるが、75名〜56名である。
0番台
初期の大窓の先頭車。143両が製造された。定員は75名
1000番台
小窓にマイナーチェンジされた車両。51両が製造された。設備は0番台と変わらない。定員は75名
2000番台
シートピッチを改善した中窓車と言われる車両。30両製造された。ピッチが広くなった分、座席が一列減っており、定員は70名となっている。運転台横の窓がユニット化されたほか、38次車のみ列車無線アンテナが分散型になっているというような、少々の外観の変化が生じている。
3901番
1988年に15-84を改造して先頭車化した車両。運転台窓と屋根上は2000番台と同様。側面はグリーン車の大窓のままで、座席を2000番台と同じシートピッチにしたたえ、窓と座席が合っていない。14Cの席がないため定員は69名。R22編成に連結され、ウエストひかりとして運転された実績をもつ。
5001番
22-1046をウエストひかり用に改装した車両。座席を2列にしたほかシートピッチを広げたため、窓と座席が合わなくなっている。定員は56名
1024→5031 1027→5032 1030→5033 1018→5034
1032→5035 1039→5036 1048→5037
5030番台
JR西日本が1000番台の座席を改良した車両で、7両が改造によって誕生した。定員は70名。
1024→5031 1027→5032 1030→5033 1018→5034
1032→5035 1039→5036 1048→5037
7000番台
ウエストひかり用に2000番台をシート2列化の改造を行った車両。7両が改装によって誕生。2列シートで定員は56名。7001はR23編成と併結運転を行なうため、一時期連結器周りを開閉可能にしていたが、併結運用がなくなると2000番台に戻された。なお、7007番と7008番は後述の7030番台からシートの交換を行ったもの。
2007→7001 2016→7002 2017→7003 2015→7004
2028→7005 2011→7006 7036→7007 7034→7008
  
7030番台
21形2000番台のシートを回転可能なシートに変更した車両。
2001→7031 2009→7032 2010→7033 2012→7034
2004→7035 2022→7036 2025→7037 2026→7038
7951
25-2038を種車に先頭車化改造を行った車両。外見は2000番台38次車とほぼ同様。
22形
東京側に連結される先頭車。パンタグラフを搭載し、主変圧器、主整流器を搭載。運転台があるためにATC装置、静電アンテナが装備されているが、列車無線アンテナはない。客室設備のほか、中間車から改造された1両を除いては乗務員室がある。定員は80名〜60名。中間車から改造された22-7951のみ乗務員室を設置していない。
0番台
初期の大窓の先頭車。143両が製造された。定員は80名。
1000番台
小窓の先頭車。窓が小窓になった以外は大きな変化はない。51両が製造された。定員は80名。
2000番台
いわゆる中窓車。30両が製造された。座席が1列減って定員が75名となった。
3901番
1988年に16-133を種車に先頭車化改造をおこなった車両。運転台窓は2000番台と同様。側面窓はグリーン車の大窓のままで、座席と窓が合わなくなっている。ウエストひかりR51編成と連結するために、連結器周りを改造していた時期があった。定員は74名。
5001番
1046番をウエストひかり用に2列シート化、シートピッチ改善をした車両。このために座席と窓位置が合わなくなっている。定員は60名。
5030番台
1000番台のシートピッチ改善、座席を変更して誕生した形式。7両が改造によって誕生。座席と窓位置が合わなくなっている。定員は75名。
1048→5031 1030→5032 1032→5033 1018→5034
1024→5035 1027→5036 1039→5037
7000番台
2000番台をウエストひかり用に改造した車両で7両が改造によって誕生。シートの2列化を行っている。定員は60名。7030番台のシート取り換えで誕生した車両もある。
2007→7001 2016→7002 2017→7003 2015→7004
2021→7005 2011→7006 7036→7007 7032→7008
7030番台
2000番台のシート改良車。8両が改造によって誕生している。定員は75名。
2010→7031 2012→7032 2004→7033 2009→7034
2001→7035 2022→7036 2025→7037 2026→7038
7951番
26-2245を先頭車化改造を施して誕生した形式。種車が全社客室の車両だったため、車掌室の設備を持たない。このために通常の2000番台のシートピッチながら、定員は1列分多くなり80名となっている。スカートの雪きり部が通常の車両よりも低い位置についているという、外見上の差異もある。
15形
16形とユニットを組むグリーン車(一等車)で、初期を除けば基本的に「ひかり」として運転する編成にのみ連結されていた。便所、洗面所、乗務員室、荷物室または電話室が設置されている。乗降用扉は博多側に1か所のみ設置されており、0系では唯一の片側1扉車となっている。定員64名。
0番台
1870mmの大きな窓を持つ大窓のグリーン車。96両製造された。
1000番台
小窓車。設備・定員は0番台と変わらず。43両製造された。晩年にはシートを100系のグリーン車のものと交換したタイプもいた。
16形
グリーン車(一等車)で、「ひかり」「こだま」双方に連結されていた。屋根上にはパンタグラフが設置されており、客室設備のほか、荷物室・乗務員室が設置されている。定員は68名。
0番台
1870mmの大きな窓を持つ大窓のグリーン車。143両が製造された。
1000番台
窓が小さくなった他は0番台と変わらない。41両が製造された。
2000番台
製造時期が違うだけで、外見、内装は1000番台と変わらない。35両が製造された。
25形
中間に連結される普通車で電動車(M車)。22形、26形、16形などとユニットを組み、普通車の奇数号車として大量に生産され、0系の中でも最大勢力となっている。多数のバリュエーションが存在している。
0番台
座席20列定員100名、洗面所と便所を設置している25形の基本型。となる。183両が製造された。
200番台
0番台に乗務員室を設置した車両で、15形を連結しない編成で16形とユニットを組む車両。乗務員室設置の関係で定員が1列分減って95名。47両が製造された。
400番台
1編成に2両連結されていたビュフェ車である35形を1両に削減するため、35形を置き換えるために登場した形式。博多側に車販準備室と売店、電話室を設けている。20次車、21次車については、電話室にも小窓が付いており、製造時期によって若干外観が異なる。40両が製造された。定員は85名。
500番台
0番台の増備車両。199両を製造。
700番台
0番台の増備車両だが、便所が一ヶ所洋式に変更されている。143両を製造。
900番台
0番台、500番台の増備車両。47両を製造。
1000番台
小窓車で設備は0番台と同様。103両を製造。
1200番台
小窓車で設備は200番台と同様。8両を製造。
1401番
小窓車で設備は400番台と同様。1両のみ製造され、改造によって消滅。
1700番台
小窓車で設備は700番台と同様。3両が製造された。
1900番台
15形1000番台を普通車に改造した車両。窓は15形1000番台の窓のまま、座席のみ普通車化したため、座席と窓位置が合っていない。15形の乗務員室や荷物室は撤去し、新たに乗降用ドアを設置。便所は1か所が洋式となっている。7両が改造によって誕生したが、1904番は違う車種となっている。1Cと19Cの席がなく、定員は93名。
15-1012→25-1901 15-1017→25-1902 15-1014→25-1903
15-1037→25-1905 15-1038→25-1906 15-1035→25-1907
1904番
ビュッフェ車である37形1057番の客室を拡大してビュッフェを撤去し、車販準備室と売店を設置した車両。元が37形なので、車椅子を利用する方も使える大型の乗降扉や障害者個室、便所、また電話室を備えている。定員は62名。
2000番台
シートピッチ改善の中窓車。設備は1000番台とほぼ変わらず。定員は一列分減り95名。24両が製造された。
2200番台
シートピッチ改善の中窓車。設備は1200番台とほぼ変わらず。定員は一列分減り90名。16両が製造された。
2401番
1401番と同様の設備を持つ中窓のシートピッチ改善車。定員は85名で変わらないが、客室部が拡張されているため、売店は乗務員室に変更、車販準備室は縮小されている。
2700番台
1700番台のシートピッチ改善車中窓車。設備は変わらず。定員は一列分減り95名。13両が製造された。
2900番台
37形2500番台のビュッフェを撤去し、売店、車販準備室を設置した車両。改造によって6両が誕生。定員は52名。
37-2519→25-2901 37→2533→25-2902 37-2520→25-2903
37-2529→25-2904 37-2530→25-2905 37-2540→25-2906
3301番
25形700番台を元に売店、車販準備室を設置した車両。定員は84名。
3900番台
27形0番台にシネマルーム、ビジネスルームを設置した車両。のちにウエストひかりに組み込んで運転を行うために再改造を行い改番し。ウエストひかり唯一の大窓車。2両が改造で誕生。普通車の定員は14名、シネマルームは38名収容。
27-13→25-3901→25-3903
27-3→25-3902→25-3904
4900番台
27形0番台に搭載されていた食堂車用機器を撤去し、食堂車従業員設備を一般化して、36形以外にもユニットを組める25形に改めた車両。外観は27形のまま。定員は85名。
5000番台
ウエストひかり用の1000番台改造車。シートピッチを改善し、2列シート化したため、座席と窓が合っていない。3両が改造によって誕生。定員76名。
5030番台
1000番台のシートピッチ改善、座席変更車。座席と窓が合っていない。21両が改造によって誕生。
5201番
1200番台をウエストひかり用に2列シート、シートピッチ改善を行った車両。座席と窓が合っていない。
5300番台
5000番台とほぼ同様の車両だが、客室内に電話室を設置したため定員が2名減り74名。座席と窓が合っていない。2両が改造によって誕生。
5401番
1401番をウエストひかり用に改造した車両。2列シート化しシートピッチを改善したため、座席と窓が合っていない。
7000番台
2000番台を2列シート化したウエストひかり用車両。定員は76名。14両が改造によって誕生。
7030番台
2000番台の座席改良車。座席が取り替わった以外は2000番台と変化がない。定員は95名。10両が改造によって誕生。
7300番台
2000番台をウエストひかり用に2列シート化した車両で、客室内に電話室を設置した車両。定員は74名。3両が改造によって誕生。
7701番
2700番台をウエストひかり用に2列シート化した車両。定員は76名。
7731番
2700番台の座席改良車で、座席が取り替わった以外は2700番台のまま。定員は95名。
7901番
2900番台をウエストひかり用に2列シート化した車両。定員は52名。
26形
中間に連結される普通車、電動車(M')。25形または21形、37形とユニットを組む。大別すると乗務員室を設置している車両と、全車両を客室設備としている車両がある。
0番台
26形の基本型で、乗務員室と業務用スペースがある。180両が製造された。定員は100名。
200番台
26形の全車客室タイプの車両で、乗務員室などを設置せず、床面積のほとんどを客室としている。定員は0系の中でも最大の110名。186両が製造された。
400番台
1966年に「こだま」用として、16形の代わりに連結するために10両製造された。乗務員室と業務用のスペースを設置している。定員は105名。
500番台
0番台の増備車両。106両が製造された。業務用室を自販機コーナーの準備スペースに変更している。
700番台
200番台の増備車両。280両が製造された。
1000番台
0番台を小窓にマイナーチェンジした車両。自販機コーナーの準備スペースを乗務員室に変更している車両があった。102両が製造された。
1200番台
200番台を小窓にマイナーチェンジした車両。外観が変わったほかは大きな変化はない。113両が製造された。
1900番台
食堂車である36形0番台を普通車に改造した車両。定員は95名。博多寄りのデッキは荷物用スペースになっている。3両が改造によって誕生。
2000番台
1000番台のシートピッチ改善車。38両が製造された。定員が一列分減って95名となっている。
2200番台
1200番台のシートピッチ改善車。51両が製造された。定員が一列分減って105名となっている。
3000番台
700番台を改造して乗務員室を取り付けた改造車。定員は100名で2両が改造によって誕生した。
5000番台
1000番台をウエストひかり用に2列シート化とシートピッチ改善を行った車両。このために座席と窓位置が合っていない。定員は76名で5両が改造によって誕生。
5030番台
1000番台のシートピッチおよび座席を改良した車両。座席と窓位置が合っていない。定員は95名で7両が改造によって誕生。
5200番台A
1200番台をウエストひかり用に2列シート化、シートピッチ改善を行った車両。座席と窓位置が合っていない。定員は84名。3両が改造によって誕生。
5200番台B
1000番台を全室客席化した車両。定員は110名で5両が改造によって誕生。
5230番台
1000番台、1200番台を全車客席化し、シートピッチの改善、座席の改良を行った車両。座席と窓位置が合っていない。21両が改造によって誕生。
7000番台
2000番台をウエストひかり用に2列シート化した車両。定員は76名。11両が改造によって誕生。
7030番台
2000番台の座席改良車。定員は95名。4両が改造によって誕生。
7200番台
2200番台をウエストひかり用に2列シート化した車両。定員は84名。11両が改造によって誕生。7212番は別形式となる。
7212番
2000番台を全車客室化改造を行った車両。外見、内装は2200番台と同様。
7230番台
2000番台2200番台を全車客室化の上で座席を改造した車両。定員105名で11両が改造によって誕生。
27形
食堂車36形とユニットを組む普通車。食堂車の付帯設備の一部を搭載しており、また車椅子利用の方も利用可能にするため、新幹線では初めて客室扉を1050mmの広幅のものを採用し、専用の個室も設置している。このほかに洗面所、和式便所、食堂車従業員用洋式便所、電話室、車販準備室を設置している。和式便所は障害者対応。業務用スペースも設置されているが、個室としても利用できた。
0番台
食堂車36形とユニットを組む車両として誕生。96両が製造された。定員は85名。
1000番台
小窓になった以外は大きな変化はない。3両のみが製造された。
3030番台
0番台のシートピッチ、座席をを改良した車両。座席と窓が合わなくなっている。7両が改造によって誕生。そのほかは0番台と同様。
5031番
1000番台を3030番台と同様の改造を施した車両。
35形
博多側に半室のビュッフェを備えた普通車。売店、車販準備室は博多側に、東京側のデッキは洗面所と便所を設置している。150両が製造されており、奇数番と偶数番では車内の配色が異なる。これは、5号車に連結する車両をカラフルなものに、一等車の隣である9号車に連結する車両は落ち着いた色遣いにしてあるためである。座席部分の定員は40名。ビュッフェのカウンターは13席となっている。0番台のみ製造された。
36形
博多開業時に登場した食堂車の車両。国鉄として動力を持った食堂車としての初の車両。客席はなく、42席の食堂と厨房を設置している。
0番台
96両が製造された。
1000番台
窓が小窓になった以外は変わっていない。わずか3両のみの製造に終わった。
37形
35形の置き換え用として製造された半室ビュッフェ車。ビュッフェは立ち席となってる。27形と同様な身体障害者用設備を持ち、1050mmの乗降用扉を装備している。1000番台から製造が開始されている。
1000番台
70両が製造され、定員は43名。
1500番台
1000番台の客室スペースを一列分ビュッフェ用に使用して、ビュッフェを拡大した車両。その分定員は38名となっている。27両が製造された。
2500番台
1500番台のシートピッチ改善車。車内設備は1500番台と変わらない。定員も38名で42両が製造された。
5000番台
1000番台をウエストひかり用にシートピッチ改善、2列シート化、またビュッフェ部に座席17席を設置した車両。座席と窓が合っていない。2両が改造によって誕生したが、さらに改造により消滅。
5030番台
1000番台のシートピッチ、座席改良車。座席と窓が合っていない。定員は38名。3両が改造によって誕生。
5300番台
1500番台、5000番台から改造された車両。ビュッフェの座席部を大きく拡張し25名とした車両。その分客室は5列に縮小され、定員は16名となっている。3両が改造によって誕生。
5531番
1500番台のシートピッチ改善、座席改良車。座席と窓が合っていない。車内設備は1500番台と変わらない。
7000番台
2500番台をウエストひかり用にシートピッチ改善、2列シート化、またビュッフェ部に座席を27席を設置した車両。定員28名。2両が改造によって誕生したが、さらに改造を受け消滅。
7300番台
2500番台、7000番台のビュッフェ部分を大きく拡張して25席とし、その分定員が減って16名となった。3両が改造によって誕生した。
7530番台
2500番台の座席改良車。6両が改造によって誕生。
7700番台
2500番台のビュッフェを撤去し、客室を縮小してこどもサロンを設置した車両。定員18名。2両が改造によって誕生したが、再改造によって消滅。
7730番台
7700番台の座席改良車。車内設備は7700番台と同様。

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