ビジネス旅館


 旅に出て泊まる時、ビジネス旅館のお世話になることが時々ある。 『駅前旅館』の項に登場するタイプの旅館は、このビジネス旅館である場合が多い。

 ビジネス旅館というものに厳密な定義は無い(と思う)が、拙者の勝手な判断からすると、日本旅館とビジネスホテルの合いの子だと思う。

 建物は日本家屋だったり、鉄筋コンクリートのビルだったりといろいろあるが、家族で経営しているような小規模なところが大半だ。玄関から入ると、日本旅館のようにすぐ靴を脱いでスリッパに履き替える。この点が、靴を履いたまま自分の部屋まで行けるビジネスホテルと異なる。
 
 玄関のすぐ目の前にはビジネスホテルのような小さなフロントがあり、この点は、日本旅館と異なる。ここで鍵を受け取って自分にあてがわれた部屋に行くが、ほとんどのビジネス旅館は小規模なので、エレベーターはたいてい無くて階段のみである。

 部屋の様式は和風だったり洋風だったりと、そのビジネス旅館により様々である。トイレと風呂は部屋の中になくて共同のところが大半なので、洋風のところだと、部屋のドアを開けるといきなりベットが鎮座したりしていることがある。部屋にはテレビやエアコンなど、ひととおりのものがたいてい揃っている。

 その名のとおり、ビジネス旅館は観光旅館や温泉旅館ではないから、卓球台やゲームセンターのような娯楽施設はまず無い。ただ、廊下の片隅に週刊誌や漫画の単行本を入れた書棚やカラーボックスが置いているところもある。

 食事であるが、朝晩の二食付きだったり朝食のみだったり食事無しだったりと、こちらの都合に合わせてくれるところが多い。建物がビル形式のところでは、1階に喫茶店や食堂を併設しているところがあり、ここで食事をとるところもある。

 たいていのビジネス旅館は人口数万人程度の、地方の小さな街の駅前か駅近くにたいてい存在する。料金はビジネスホテルと大差ないところが大半だ。

2004.11.27