久二男さんの木尽くし日記 その83



ノイバラ、ノバラ、イバルなイバラ
05/5/30

薔薇(ショウビ・バラ)

吝嗇(りんしょく)の吝とは思い切りの悪いこと、嗇とは取り込んで出さないこと。取り込んだらさいご、なかなか出さないようにケチるのが人情とか、ケチンボウのことを吝嗇というんだと。草かんむり+嗇をあわせた薔とは細長く伸びる植物という意味だと言われていて、薇は草かんむり+微(こまかい)からなる字、細かい花と小葉が群生することから名付けられた。

荊(ノイバラ)

欧米諸国では花の女王。古代ギリシャ時代の詩人サッフォー(sappho前612年ごろ)がバラをたたえた詩を残しているし植物学の創始者テオフラスト(theophrastos前372〜前288)も5〜100枚の花弁をもつバラを記述している。クレオパトラ、ネロ皇帝からエリザベス一世(一成さんもかな?)、リルケ、近年では旧西ドイツ首相アデナウアーにいたるまで、バラの愛好家は数知れないな、しかしもてるからって鼻(花)を高くしてイバッチャ−いけないよね。

欧米に劣らず日本でのバラの歴史も古い。「万葉集」には「荊」うまらという植物が登場、これはノイバラだといわれる。バラという和名はこの「ウマラ」が「マラ」になり、それが訛って「バラ」になったとされる。

昔、刑罰に何を用いたか?イバラの枝を5、6本合わせてムチをつくり、軽い罪人なら10回ほど打ち据えて放免したと。イバラは刑杖をつくる植物、草かんむり+刑を合わせて荊と書くことになったんだそうです。イバラを植え育て、重罪の小泉めをこれで100叩きの刑にしよう。もっとも刑に処する前に、泉を持たない小泉の体はバラバラだろうけどね。それにしてもイバラのとげは痛い、ノイバラやキイチゴなどのとげはまだ大したことはない。ハリギリ、タラノキなどになると泣きたくなるほど痛いよね。ジャケツイバラのとげは鋭いうえに長く、しかもご丁寧にカーブしているので、引っかかると簡単には取れない、悲鳴を上げたくなる。上には上があるもので東南アジアにはとげ性のタケがあり、下手にこれにぶつかったり、触ったりするとナイフのように切れるといわれています。とげ付き生垣にはウコギ、カラタチなどが植えられているよね。

都会でも、ブロック塀替わりにとげつき植物を植えよう防衛機能抜群だぞ。

それではまた。





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