久二男さんの木尽くし日記 その6



テツカエデ
03/10/13

植物の名前を表すのに何故漢字が使われないのか?漢字はほとんど中国から伝わってきた、日本独自の漢字ももちろんあります。

「桂」

木編はともかく、右の「土」二つの意味。土は万物を創生するもの−植物、水、鉱物ありとあらゆるものを内包している。杜、基は土だけを盛り上げて祀った、次第に木を植え「社」とした。つまり土を示した訳です。「好ましいもの」「姿かたちのいいもの」「格好のよいもの」といった意味があります。その木に桂(金木犀)をあてた。土二つ、それは香りがいかにもこのましいからだ。

ところが奈良、平安朝時代日本で誤って特産のカツラのことを「桂」だと思い込み、桂(かつら)と訓をつけてしまったということです。このように他にも楓、梓など混同するものがたくさんあります。ですので植物名はすべてカタカナで表します。

テツカエデ(鉄楓)

カエデの仲間では葉が一番大きいと思われます。日本海側に多く、紅葉はイタヤ、ハウチワ、ウリハダカエデのように美しいとは言えません。芽吹きのとき、大きな翼を持った種子(もちろん前年度に遠くに飛ばせたもの)が硬い土から出てくる姿は見る者に感動を与えます。

玉原高原で森歩きの際、この名前の謂れを自分で勝手に説明したことは春、この芽が出るときどんな固い土をも破り現れてくる。まさに屮(硬い地面から一本の芽が出るさま)、艸(草冠の源字)。

屮(テツ)、漢字では鉄の字をあてているけれども、金属の鉄では面白くない、私はこの字をあてて(屮楓)としたいと。




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