久二男さんの木尽くし日記 その34



マタタビと猫
04/03/25

マタタビ(マタタビ科)

前に記したキュウイフルーツ、サルナシもこの仲間、「ねこにまたたび、お女郎に小判」といえば効果が著しいことのたとえ。

実際、ねこにマタタビを与えると、敏感に反応し酔ったようにふらふらになって最後に眠ってしまいます。果実には2種類、1つは正常に生育した楕円形のもの、塩漬けにして食べる。もう1つは虫こぶができて凸凹になった球形のもの、これを湯に通し、乾燥させたものが生薬の木天蓼(もくてんりょう)、中国では「木天蓼子」とよばれ、体を温める作用があり腰痛、疝痛、ヘルニアに用いる。植物の病気の部分である虫こぶも薬としてしまう中国人の発想があります。

名前の謂われは、はっきりしません。これを食べると元気になり、またたび(旅)ができる。これは怪しい、韓国語に虫こぶのことを「マタタンプ」というとか?これがかなり有力です。

たいした物ではない床柱だが、爪とぎ用になって傷だらけ、おしっこは引っ掛けられるし、畳表はあっちこっちバラバラ、障子はというと、張り替えたばかりなのに狙っていたかのように、掻き登ってバリバリ。あばら家同然の状態がずっと続いていました。

’87年、小さな家を建て替えたとき、1歳に満たないそれが玄関の前にちょこんと座っていて、4人の我家の一員として加わりました。雄なのですが「ミーコ」と名づけられた。やがてこれも1歳未満の雌の三毛「マリン」が加わわったのですが、雌の方は初めから本性をあらわにします。わがままそのものの彼、彼女に対してしかし、私たちの対応は、窓の1箇所を小さく4角に切り、出入り口とし、各自の寝室のドアは少し開き、いつ侵入してくるか解からないそれらに備えていました。時にはいろいろなものを捕獲し、枕もとに持ってきます。特に雌は本能的にこどもを育てるということが使命と思っていますので、雄の数倍運びます。そして褒めてやらないと、いつまでも寝ずにそこにいます。そうか昔、田舎ではお米の守り神だったのですねー、お釈迦様のところに薬を届けようとしたネズミさんさえ捕まえてしまった。と言う事で干支には入っていないのだとか。

1月下旬と2月上旬、相次いでそれぞれ雌ネコ15歳、雄ネコ18歳で失ってしまいました。きっとマタタビでも特効薬とはならなかったと思います。しばらく、何故か思わず部屋のドアは空けてしまうことが続きそうです。

無理はなさらないように願います。植物達も、いよいよこれから本格的に自分自身はもとより動物達への共生を求めて活動を活発化していきます。人も、勘違いせぬよう動かない植物に対して謙虚な姿勢といたわりを持ちましょう。それでは、また。




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