久二男さんの木尽くし日記 その35



リョウブ(令法)
04/03/26

春山は笑うよう、夏山は滴(したた)るよう、秋山は粧(よそお)うよう、冬山は眠るようという表現が中国の古典にあるそうです。

春は、「春眠、暁を覚えず」など、のどかでどことなく落ち着いてのんびりした雰囲気に捉えられがちですが、どっこい激しい動きで、極めて変化の大きい季節です。

植物も芽吹きの時期、1年で最も攻めの動きをします。花は萌黄色に代表されるように、なぜか黄色が早いように思われる。イタヤカエデの花も黄色、紅葉も葉は黄色。しかしハウチワカエデの花は赤、紅葉も赤、なぜなんだろう。人も、この急激な変化に惑わされることなく対応し、見極めていくことが大事となります。

リョウブ(リョウブ科)

方言(サルタ、サルスベリ、サルナメシ、シシハライ)古名(ハタツモリ)

春の芽吹き(暖地4月)寒地(5〜6月)材は粘り強いので背負子(しょいこ)をつくったり農具などの柄にする。

新芽をゆでてよくアク抜きし、おひたし、各種の和え物にしたり、ご飯に炊き込んでリョウブ飯にして食べた。昔は糧物(かてもの)として中央政府が触れ書きを出し、不作に蓄えて若芽を摘ませた。こそばゆく、あまりうまいものではなかったそうな。

ガールスカウトが夏、キャンプにロッジを訪れた際、新芽ではなかったが、リョウブの芽をてんぷらにしたところ、うまかったと言っていました。ただ珍しいからだけかも知れませんが、文字通り「新鮮」そのものだったのだと思います。

令法(リョウブ)

昔の人もそんなお触れ(法令)に反発したものと思われます。ひっくり返して令法と。

粃(しいな)の政治(粃政)には毅然とした態度で臨みたい。ごめんなさい言うほど行動していません。

芽吹きが完全に終わらない、葉が広がらない前が木を植える最も適した時期だから、こちらも動かないといけないと思っています。それではまた。




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