母が亡くなって、何かと忙しい毎日。疲れもたまっているし、自転車でこけた胸の痛みも少々残っていたが、楽しく歌えた。
歌は、「懐かしい曲」「声が出ていて元気そうだったよ」「すばらしかった」と好評だったが、前説は長すぎるとの評。やっぱりねぇ。でも言いたかったんだ。
「今日歌う曲は下総晥一氏の作曲。昨年の同窓会で頂いた『九曜第３号』に、卒業生でもあり氏のいとこでもある方が、紹介文を書かれています。その中に、私の小学校の頃から大好きな『野菊』の作曲者でもあるとあり、ご縁があることをとてもうれしく思いました。
本名は『覚三』さん。埼玉県大利根町の出身で、資料室があるそうです。『利根のほとりに エピソード 下総晥一』という本をひいらぎの仲間が送ってくれました。
９中初代の音楽の先生。のちに芸大の教授で学部長もされました。信時潔に師事し、教え子には、団伊久磨、佐藤真、芥川也寸志等そうそうたるメンバー、ビッグな方だったのですねぇ。この３曲のほかにも、『蛍』『かくれんぼ』『電車ごっこ』等童謡唱歌、また、『９中第一校歌』等たくさんの校歌、『小平市の歌』等各地の市歌とか『公民館の歌』などた～くさん作曲されています。
お弟子さんのコンクールの結果を気遣われたり、冗談を言われたり、畠仕事を趣味（？）とされたり、大変人柄もよかったようです。
ただ、残念なことにネットで調べたら『少年戦車兵』とか『三勇士』とか、軍歌もたくさん作曲されているんですねぇ。『野菊』のイメージとマッチしなくて、ショックでした。これも『戦争の狂気』のなせる業でしょうか。
私の祖父は、『海ゆかば』を歌う壮行会で、『俺は医者だから、どんなことがあっても生きて帰って来い！！』と言い切ったと聞いています。
郡山総一郎さんが『すでに日本は空自によるガソリン提供で、アフガン空爆に加担しているんだ。平和だなんて寝ぼけている場合じゃない』てなことをおっしゃっていましたが、もうすぐ『戦争反対!』なんて声に出すことがはばかられる時代になったとしても、人を殺したり、殺されたりすることを礼讃する歌は歌いたくない。例え、天皇のため、国のため、おんな子どものため、国際協力のため、平和のため・・・どんな理屈を付けられようが・・・と思っています。もし、私がそんな歌を歌ったら、あの時と話が違うじゃないかと注意してくださいね。」
アハッ。やっぱり長いなぁ。
全体としては、身内の演奏ということで、どれも親しみと音楽性を感じられて、ファミリーコンサートという名にふさわしい演奏会だった。子どもの駆け回る音まで、なんか良かったなぁ。
普段は合唱で、ひとりひとりの声をそうは聞けないけれど、ソロを聞いてしみじみその声と人柄に感じ入った。「なんか自分をさらけ出すようで怖かった」という人がいたが、合唱では出しずらい「自分」を出すことが私にとっては「楽しい」し、それは合唱にも生かされていくと思う。
三重唱やデュエットが良かったなぁ。ピアノは、つっかえてしまった初心者も含め、どれもすばらしかった。ただ、つっかえた時の処理の仕方も、習った方がいいような・・・「つっかえてはいけない」という思いが強すぎて、音楽が止まってしまうのは、日本の音楽教育界全体の課題だと思う。
フルート、シャンソン、ピアノ等、定年後にはじめたという人が多い。技術的には苦労が多いようですが、確実に「みんなへの励まし」になっています。そして、習いたての子どもの演奏と違い、長年蓄えた音楽性が伝わってきます。特に独唱での高音で顕著なように「頑張れよぅ」という応援込みの聞き手の存在もおおきいですねぇ。
私のために聞きに来てくれるファミリーがいないのは淋しいけれど、打上の「珍珍亭」の餃子は最高!!でした。