2010.07.20(火) | 茶臼岳・朝日岳 | 那須 |
久しぶりの山歩き。那須の山は初めて。(実は大昔に社員旅行で茶臼岳のロープウエイで登ったことはあるが、山頂は霧で何も見えず)。前日ペンション泊で朝8時に一番のロープウエイに駆け込み乗車?。 |
コース:那須ロープウエイ山頂駅8:15→茶臼岳山頂9:00-9:10→峰の茶屋9:45→朝日の肩10:30→朝日岳山頂10:40-10:50→朝日の肩11:00→熊見曽根分岐の先の1900mの尾根上11:15-11:40→熊見曽根分岐11:45→朝日の肩12:00→峰の茶屋12:40→那須ロープウエイ山麓駅駐車場13:30 (所要時間5時間15分) ロープウエイは夏期(8/31まで)、8:00〜16:30、土、日、祭日は7:30〜運転。山麓駅前に駐車場が何面かあり合計190台、少し上の峠の茶屋駐車場に166台駐車可とある。 |
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茶臼岳 |
ロープウエイの窓から | ロープウエイ山頂駅 |
111人乗りという大型のゴンドラに一緒に乗った客は10人前後でガラガラ。茶臼岳の急な崖や、隣の朝日岳を眺めているうちに、あっという間(約4分)に9合目山頂駅に着く。 |
改札付近で駅員が登山者一人一人に、「牛ヶ首付近で2頭のクマが確認されましたから、何か鳴らして下さい」、と注意している。「本当?こんなとこに熊が居るの?」と半信半疑だが熊鈴を取り出す。何にも遮るものが無い山だから居たら見えるかもしれないねと、楽しみ?に牛ヶ首の方を見て歩いたが見えなかった。 | ||
茶臼岳山頂ドーム 牛ヶ首への分岐付近 |
とにかく最近歩いていないから調子が出るわけがない。何時もの通り最後尾をゆっくり登る。あっという間にみんなに置いていかれる。牛ヶ首への分岐ではそちらに行く人が何人かいた。熊はなめられてるね。そう言えばペンションのご主人も牛ヶ首コースはお勧めコースだと言っていた。 |
ウラジロタデ | イワヒバリ |
目立つ花はウラジロタデくらいかな、イワヒバリが早速やって来てしばらく遊んでくれる。風が出ている。強くなりそうな気配。喘息持ちの妻は火山ガスに弱いから、風のあるのは良い兆候かもしれない。 |
右手に今日登る予定の朝日岳がカッコよく見える。崩壊した沢もやせた尾根も、一体どこに道があるのだろうと心配になる位、険しく見える。ちょっと左手の小さいピークが熊見曽根の分岐で、一番奥のなだらかな山頂が1900mの尾根らしい。今回できれば到達したいと思っていた三本槍岳は、丁度雲に隠れているようだ。今回は偶然ここから見えた範囲の1900mの尾根まで登った。 | ||
尾根続きのお隣の朝日岳 |
茶臼岳山頂 | いい味を出している鳥居額 |
小さなお釜のふちを巻いて山頂到着。大きな面白い岩だらけの山頂で、那須嶽神社が祀られている。社も石の賽銭箱も割合新しいものである。登山の安全を祈る。ホッと一休み。 |
那須嶽神社 | お釜の周回路を行く人 もうあんなとこまで行っちゃたよ。 |
周回路から覗きこむとガスが 噴き出しているのが見える。 |
次のゴンドラでやって来た団体さん。 高齢者主体だから土日関係無し。 |
お釜の周回路を一周して峰の茶屋側へ下る。下り口辺りで次のゴンドラで来た団体さんが登って行くのが見えた。とにかく111人乗りのゴンドラだから、あんな団体さんを3組も4組も一度に運べてしまうのだから恐れ入る。土日は凄いことになるんだろうな。 |
峰の茶屋は地図によっては峰の茶屋跡と書いてあるから、茶屋が営業している時代もあったのだろう。残念ながら今は避難小屋だけである。まさに誰もが足を休めて一服したい場所だが、茶屋跡ではあきらめるしかない。せめてペットボトルの水を一口飲み交わして一休みする。 | ||
峰の茶屋跡へ下る。 手前の丸い小山が剣が峰らしい。 |
峠の茶屋跡から茶臼岳 | 避難小屋 |
やさしい表情の剣が峰を巻いて朝日岳に向かう。草付きにはマルバシモツケ、ウラジロヨウラク、ミヤマシャジン、ヨツバヒヨドリ、クロヅルなどが咲いている。 |
マルバシモツケ | ウラジロヨウラク |
ヨツバヒヨドリ | ヨツバヒヨドリ |
巻き道が終わるころにはやさしい表情は一変して、旧火山の岩脈と思われる巨大な岩の壁、大岩、奇岩が林立する尾根歩きになる。 |
巨大な岩塊 | 連続する奇岩・巨石 |
鎖の設置された狭い尾根を登り、岩峰を巻く。鎖場はこけたら大変だから緊張はするが、足場はしっかりしているから、あまり危険は感じない。ほんとに一歩一歩ゆっくりゆっくりだ。 |
尾根を越え | ミヤマシャジン |
クロヅル | 振り返ると歩いて来た道が見える。 |
振り返れば何時も茶臼岳を中心に登って来た道と、雄大な那須野の風景が見えて快適な登りが続く。ただし場所によってはかなり風が強く、妻は早速得意のスカーフのほっかむりで、帽子が飛ぶのを防ぐ。 |
最後の岩峰を巻く。 | 朝日の肩 柱は派生するやせ尾根の頭で立入禁止の表示 |
岩峰を巻いて、ガラガラの岩の崩れた崖を登ると朝日の肩へ出る。ここも広々した息のつける場所。一息ついて山頂へ。 |
肩から見る朝日岳山頂。 こちら側から見るとなんか貧弱。 |
山頂へ。10分の登りだが、 いい加減うんざりしてきてきついね。 |
朝日岳山頂 | ちっぽけな鳥居があった。 |
山頂は狭い絶壁の上。360度の大展望をほしいままにする。我々がついさっき越えてきた狭い尾根のピークを、後続の例の団体さん達がちょうど越えようとしているところだった。何か楽しい風景である。スローペースだがまだ11時前なので昼食には早い。チョコバーをかじってカロリー補給してさらに上まで歩いてみることにする。 |
朝日岳山頂の展望 あまり変わり映えしないか。 |
例の団体さんが尾根のピークに掛っていた。 おーいと声をかけたいような気分。 |
熊見曽根側へ登ると風景が少し変わる。 | シナノオトギリ |
一旦肩へ下り、ずっとなだらかになった道を、熊見曽根分岐は巻いて直接1900mの尾根に登る。 |
ケルンと道標のある1900mの尾根 | ミヤマシャジン |
1900mの尾根の上にはケルンと大きな道標がある。2、3人休憩している人と、既に三本槍岳へ行って来たのか清水平から登って来る人が何人かいた。この山頂からは清水平を挟んで三本槍岳がよく見える。槍という名前から来るイメージとは全く違う、なだらかで伸びやかな優しさのある姿だ。今日歩いてきた火山の荒々しさの先に、こんな優美な山が隠れているなんて、信じられない気さえする。夢幻では無かろうな。 |
清水平と三本槍岳 |
朝日岳と茶臼岳を見返す。 |
見返す朝日岳もここから見ると茶臼岳側から見るのとはまるで違う印象だ。山の姿ってわからない。何だって本当の姿を見極めるのは難しい。 |
さて三本槍岳の姿を見定めたところで、ここで昼食にして引き返すことにした。麗しの三本槍岳は次回のお楽しみにとっておくことにしよう。今日は素晴らしい山を充分楽しめたし、西の山の上の黒い雲と、時々吹き下ろしてくる強い風も気になる。遅くなって夕立ちと雷光の中であの痩せ尾根を下るなんて、想像もしたくない。 | ||
西の山の上の雲行きが怪しい。 |
団体さんが朝日岳の山頂に到着 | 熊見曽根分岐の道標 那須の道標はみなこのタイプである。 |
帰りは熊見曽根分岐を通って下る。朝日岳の山頂を見ると丁度例の団体さんが山頂に着いたようで、狭い山頂が人で一杯になっているのが見えた。 |
熊見曽根分岐から茶臼岳・朝日岳 |
なんて鳥? | くさり場 |
登山前、ロープウエイのホームページを見たら、7/15日の情報で、”朝日岳のくさり場では登山道の一部が崩れて人一人歩けるかどうか”、と書いてあって心配したが、一番その表現に近い所が上の写真で、ここも足元はしっかりしていて歩きにくくは無かった。 |
峰の茶屋 | 峰の茶屋からの下り |
峰の茶屋から峠の茶屋駐車場(紛らわしい)に下る道は茶臼岳の山腹を、まるで舗装道路のようにまっすぐ切り裂いていて、下りは楽が出来ると思っていたら、実際は当たり前の登山道で結構歩きにくかった。追いついてきた例の団体さんに紛れて下った。 |
那須の山は期待以上に楽しめた。北関東道路が開通すれば前橋、高崎からは行き易くなり、コースも多様でますます楽しめそうである。私が歩けるうちに間に合うかどうかは別にして。 | ||
峠の茶屋駐車場 ロープウエイ駐車場はさらに5〜6分下。 |
日帰り温泉:”那須山” 結局那須ICに近く、分かりやすくて駐車場が広い”那須山”で入湯。中のレストランで例によって妻は生ビール、私はキリンのノンアルコールで乾杯、早め(早すぎ)の夕食も済ませてしまい、高速の通勤割引が期待できる4時過ぎまでのんびり寛ぐ。 |
宿泊:ペンション”山日記” 我々と同世代の山好きの朴訥そうなご夫婦が経営。外観は地味でカーナビで行っても探すのに苦労したが、内部は隅々までピカピカに清掃されて清潔感がある。好感。食事もお風呂も満足。 ホタルが売り物らしく、庭のすぐ前にゲンジボタルの飛ぶ小川、ヘイケボタルの飛ぶ無農薬の田圃があり、希望すれば案内してくれる。ゲンジボタルはすでに終わっており、ヘイケボタルが飛ぶのを見せてもらった。今年は少ないそうである。ほかに小川沿いの道にクロマドボタルという蛍がおり、これは幼虫がひかり、成虫は光らないそうだ。目が慣れると草むらの中で小さく光るのが見える。 ホタルと言えばカワニナとばかり思っていたら、それはゲンジボタルで、ヘイケボタルは田んぼのモノアラガイ、クロマドボタルはウスカワマイマイというかたつむりを食べるそうだ。これも初めて知った。 小川の散歩道にはヤマユリがたくさんあるがこれからで、一本だけ咲いていた。面白いキノコもいろいろあった。 |
ペンション前の散歩道のヤマユリ | タマゴダケ |