09.07.20(MON)-21 立 山 北アルプス


 今年の梅雨は明けたのか明けないのかいつまでも不安定だ。天気予報もまったく当てにならない。そんな梅雨の晴れ間を狙って立山に出かけた。立山を選んだ理由は、早出すれば前橋からでもその日のうちにコースの主要部分を歩いてしまえるからだ。これなら頼りない天気予報もはずれは少ないだろう。


室堂ターミナル前から立山連峰
 縦走コース:右端の小さな雪渓の上が一ノ越。右の台形の山が立山、右から雄山、大汝山、富士ノ折立、中央のなだらかな三角のピークが真砂岳。左の台形の山が別山、左端の丸い二つのピークの間が別山乗越。左の道の右の縁石の先くらいに別山乗越から下る登山道が見える。
コース:
 1日目:室堂ターミナル9:30→一ノ越10:45-10:55→雄山12: 15-13:00→大汝山13:25-13:35→富士ノ折立13:50→真砂岳 14:50→内蔵助山荘15:05 (所要時間5時間35分)
 2日目:内蔵助山荘6:15→別山乗越8:00→雷鳥沢キャンプ場9:55→ミクリガ池10:50→室堂ターミナル11:05 (所要時間4時間50分)

駐車場:
 立山黒部アルペンルート扇沢駅駐車場、(駅正面の有料駐車場1000円/日、300台と、隣接する無料駐車場450台)。大町から扇沢駅までの道は大変走りやすい。

標高:大汝山 3015m
   :雄 山  3003m
   :真砂岳 2861m
   :室堂ターミナル 2422m
1日目
   :登り    606m
   :下り    248m
  (標準コースタイム3H55M)
2日目
   :登り    263m
   :下り    621m
  (標準コースタイム3H20M)



 大町の天気予報では、月曜、火曜と二つ並んだお日様マークも、その日が近付くにつれて怪しくなった。それでも月曜は晴れのち曇りで昼間は何とか持つらしい。火曜も12時から15時位にはお日様マークが残ってひどく崩れることはなさそうだ。で日曜日に内蔵助(kuranosuke)山荘に予約の電話を入れ、準備万端整えて早寝、昨年の鹿島槍の経験から扇沢までは入りやすく、4時起きで5時前に出発できれば扇沢8時半のトロリーバスで、室堂10時には歩き出せる計算だった。


 実際には4時の目覚ましがなる前に二人とも目が覚めて、30分ほど早く出発できた。晴れていたが朝はまだ薄暗く日が短くなり始めていることを実感する。例によって下では浅間山も見えていたが佐久平に抜けると分厚い雲の下、昨年の鹿島槍のときも明科町辺りへ抜けるまで雲は張り付いていたから、”大丈夫、大丈夫”と余裕の走り。しかし明科をすぎ、豊科から大町への道でも青空は見えず、流石に外れかなと心配になる。大町アルペンラインに入って、やっと青空と北アルプスが見え始めホッとする。


大町アルペンライン
北アルプスは晴れてる!
扇沢駅・駐車場


 扇沢では予定より1時間早いトロリーバスに乗れそうなので、駅の目の前の有料駐車場に入れて時間を稼ぐ。トロリーバスを待つ人はもう大変な行列で、4台か5台一緒に出るバスはいずれも満員、押し込まれて黒部ダムまで立たされる。黒部ダムの上を周囲の山々やダムの放水を一瞥して足早に通り過ぎ、ケーブルカー、ロープウエイ、叉トロリーバスと乗り継いで室堂ターミナルへ。書けば簡単だがラッシュアワー状態で乗り換えるたびに待たされたり行列したり、これが結構わずらわしい。ロープウエイ以外は地下で展望もなくただ運ばれるだけである。それでも扇沢から標高差1000m、距離12kmを約2時間弱で運んでくれるのだから文句は言えまい。


1日目:室堂ターミナル→立山→内蔵助山荘


室堂ターミナル 立山と一ノ越への舗装路


 トロリーバスがターミナルに着くと数百人の人が一度に吐き出されるので、駅前の広場は人で一杯、バスツアーの人達は早速ひな壇に並んで記念写真を撮っている。玉殿の湧水と言う水を汲んだり飲んだりしている人もたくさん居る。展望は素晴らしい。立山連峰が見えただけで”見えたようっ!”っていう気分である。バスツアーの人達がミクリガ池辺りを散策して、それだけでも満足してしまう気持ちがよく分る。


イワツメクサ 雪渓渡りが3〜4ヶ所有る


 歩き始めるとバラけるから人が多すぎる感じはない。雪渓渡りを何度か繰り返しながらだらだら登る。雪渓の上のほうではポールを立てて夏スキーを楽しんでいる人たちもいる。お花はあまり多い感じはしない。


一ノ越へ 一ノ越で


 少し勾配のきつくなってきた道を最後の雪渓を越え、1、2度ジグザクすると一ノ越である。一ノ越の山荘はガランとした倉庫みたいな大きな建物である。ここで南東の展望が一気に開けるから歩いてきた甲斐がある。特徴的な槍・穂高から笠ヶ岳、目の前の針の木岳、鹿島槍から、遠くは八ヶ岳まで見える。ここで一息ついて急勾配の雄山(oyama)山頂への道を登る。


一ノ越から雄山へ 一ノ越から雄山へ


 遮るもののない壁みたいな岩だらけの道だから、張り付いて登っているたくさんの人たちがよく見える。岩でも落としたら大変だなと思う。ちょっとハラハラする。ヘリが常時うるさく飛び回って各山小屋へ荷揚げを行っている。人の話では今日一ノ越からヘリで救出された人も居るとか。怪我か病気かは知らない。


奥大日岳の手前に雷鳥平からミクリガ池が見える。
彩雲とヘリ


 急勾配にあえぎながら、一歩一歩足元を確認して登る。気を紛らす展望には事欠かないが足元をおろそかにすることも出来ない。彩雲が出ている。妻は幸運の印しだと言う。私は荒天の前兆ではないかと心配になる。明日は霧に巻かれるかもしれないので、下に見えている雷鳥平のキャンプ場からミクリガ池までの登り返しの道のイメージを何度も頭に叩き込む。


ヘリによる荷揚げ作業 龍王岳(右)と薬師岳


 一ノ越の向かいに室堂山、浄土山、竜王岳の歩き良さそうななだらかな道が見えている。そちらを回って来る手もあったが、今の我々では無理は出来ない。無理と言えば内蔵助山荘のホームページに、室堂から立山を越えて内蔵助山荘まで、30代の男性がゆっくり歩いて2時間と書いてある。山慣れた人なら確かにそうなのだろうが、我々から見ればそれは天狗さんだ。登っているうちに風が強くなった。


山頂の小屋 雄山山頂


 ヘリの荷揚げによる時間待ちなどもあったが、ようよう山頂に到着。たくさんの人たちで賑わっている。同年代がほとんどだが小学生や、若者も多かった。赤ちゃんを抱いて登っている人も居てこれには吃驚した。早速一人500円払って山頂の神殿でお祓いを受ける。ここには神官が何人も居る。10人前後が交代で山頂に座って神主さんにお祓いをしてもらう。賑わう時はお祓いを受けるのも行列で30分待ちは当たり前だそうだ。しかも今日は好天で見晴らしもよく、今日来た人はそれだけで大変幸運だと言われた。売店の前で風を避けて昼食。


雄山山頂の展望


黒岳笠ヶ岳・黒部五郎岳・薬師岳
奥は乗鞍と御嶽山


大天井岳・槍・穂高岳・手前は野口五郎岳
奥は中央アルプス、木曽駒ヶ岳


黒部湖対岸の赤沢岳・スバリ岳・(後ろは蓮華岳)・針の木岳


雄山→大汝(oonanji)山


大汝山へ 大汝山へ


 鳥居の手前に縦走路入口があり室堂側を巻いてゆく。風が強く少し寒く帽子が飛んでしまうのでヤッケの上着だけ着込む。雄山までの賑わいはないがそれでもかなりの人が歩いている。思ったよりアップダウンがあり険しい所も有る。軽快な爆音を立ててモーターグライダーが旋回している。あんなに非力そうなのにこの風の中、山の上を飛べるんだと感心する。


別山の上に剱岳が見えてくる 遊びに来たモーターグライダー


 大汝山山頂には大汝休憩所の前まで回りこんでから戻るようにほんの10mくらい登り返す。山頂は大岩の累積で地面はない。展望は360度の絶景である。


大汝山山頂 大汝山山頂から雄山山頂を見る
神官が立って東の空を遥拝している


大汝岳山頂の展望


白馬岳・天狗の頭・不帰ノ嶮


唐松岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳


黒部ダム・黒部湖


大汝山頂→内蔵助山荘


大汝休憩所 富士の折立への道


 大汝休憩所は立派な小屋で、現在改装中なのか中型の建機が運び込まれていた。丸ごと吊り上げてくるのか部品で運んで山上で組み立てるのか知らないが、ヘリの輸送能力や最近の山の上の建築事情がわかる。ここにもバイオトイレがあるそうである。


 大汝山から富士の折立はずっと歩き易い道になる。山頂はパスして手前を下った。
富士の折立


 大日岳と奥大日岳が厚みと重量感をまして、魅力的に見える。
大日岳と奥大日岳、雷鳥沢キャンプ場と地獄谷


 別山(bessan)の上に剱岳の山頂と八つ峰の稜線、点の記の舞台、長次郎谷の雪渓が見える。別山から剱岳を見ると言うのも今回のポイントだったが、残念ながら天候が持たなかった。
剱 岳


 富士の折立からの下りも急なイワイワ道で、下の真砂岳の稜線を見ると、歩き良さそうな散歩道がこの危険な崖の真下に突き刺さっているように見える。


真砂岳と別山 ミヤマダイコンソウ


 真砂岳の稜線まで下ると、上から見たときには起伏のない稜線に見えたのに、結構立派な起伏がある。でもこの辺までくれば内蔵助山荘も近くに見えているし、天気もいいし、時間はたっぷり有るし、危険な山道は終わっているので、気は楽になり、疲れもあって休み休みのんびり歩く。


真砂岳(山頂はさらに奥) 下ってきた富士の折立


 ミヤマダイコンソウの咲く岩影で休んでいたら、同じように富士の折立から下って来た、高校生か大学生くらいの若い男女の二人ずれが、楽しそうに話をしながらぐんぐん登って来て、あっという間に真砂岳のかげに消えていった。あのペースなら確かに室堂−内蔵助山荘2時間も可能だろう。真砂岳を過ぎるとコイワカガミもたくさん咲いていた。


真砂岳は近いようで遠い 真砂岳山頂から別山


真砂岳をこれくらい下ると・・・ 内蔵助山荘の上に出る。
正面に唐松・五龍・鹿島槍


 内蔵助山荘はご夫婦が小屋番をしていると言う少し古風な山小屋である。室堂にたくさん有る温泉付きの山荘とは一味違う。でもここで頑張ってくれているおかげで、我々のようなものでも立山が歩けた。感謝である。ここから見える風景も素晴らしい。


 真砂沢:正面に白馬岳、本当は翌朝この辺りからご来光が見えるはずだった。左手に剱岳の八つ峰の稜線と長次郎谷の上部の雪渓が見える。
内蔵助山荘からの展望


下ってきた富士の折立はすぐ目の先。部屋の窓からも見える。
内蔵助山荘前からの展望


 声をかけたら奥からご主人が出てきた。受付をして部屋に案内してくれる。夕食も朝食も5時半とのこと。部屋は二階の六畳間で、宿泊者は見当たらず一部屋占有。風呂はないが絞ってきたタオルで、身体を拭いても着替えても、誰にも気遣いなし。呼ばれて食堂に行ってみるとさほど広くない畳の部屋に座卓が一つ。食べるのは我々だけなのだ。参ったなあ。でも食事はご夫婦でやっているだけに、普段自宅で食べているような家庭的な手作りの味で、とても美味しかった。小屋にはご主人夫婦のほかに面倒を見てくれた若い女性が一人、他に若い男性も居たようだ。4人か5人で切盛りしている感じだった。


 ビールを飲んだせいで酔っ払ってすぐ寝てしまったけれど、困ったことに10時には目が覚めてしまった。外は強風が吹き荒れてものすごい音がしている。何だ誰にも気遣いせずにゆっくり眠れるはずなのに、変な時間に目が覚めたなといやな気がしたが、いつの間にか叉眠っていた。
一日の終わり




二日目:内蔵助山荘→室堂ターミナル


 4時頃目が覚める。相変らず風は強く雨が叩きつける音もする。やれやれ思ったより状況は悪そうだ。トムラウシのひどい遭難が頭をよぎる。状況が悪ければ停滞もやむ得ないだろう。朝食に行くとラジオが天気予報をやっている。ひどい荒天になるとは言っていないが良くなることもないようだ。我々が少し躊躇していると見抜いたのか、食後のサービスにコーヒーを持ってきてくれた若い女性が、遅いほど悪くなるようなので下るなら早い方がいいですよと勧めてくれた。



 覚悟を決めて念入りに仕度をして外に出る。外に出てみると風は強いし雨も吹き付けていて流石にデジカメを出す気はしないが、それほどの事はないようだ。自炊したのか食堂では一度も会わなかったが、大阪から来たという同年代の女性一人を交えた3人組が同じコースを下るというので、同道させてもらう。
真砂岳の尾根


 3000mの標高なら、地上より大雑把に18℃気温が低い。そこに強風雨でさらに体感温度が下がり、低体温症→凍死と言うのがトムラウシ遭難の筋書きだ。もうかなり前この立山でも同じ遭難が起こっている。いずれも我々のようなかなりの高齢者たちだ。教訓は学ばなければならないので、とりあえず着込んだ。上は腕の部分はヤッケも入れると4枚、半袖も着ているから胴の部分は5枚になる。下は3枚、腰周りは4枚重ねだ。首にはタオルも巻いた。これで歩いたら昔なら雨に濡れなくても中は発汗でぐしょぐしょのはずだが、雷鳥沢のキャンプ場が見えて、大阪の三人組とお別れして大休止した時、流石に山用の薄手のセーターは脱いだが、体が汗でぬれることはなかった。綿は一切身につけなかったが確かにウエアは進歩した。
 デジカメは雨が小降りになれば写真も撮れるようにヤッケの下に首から下げていったので、何枚かは撮ることが出来た。


 別山の巻き道は、昨日歩きながら遠くから偵察したが、晴れていてもあまり歩きたくない急斜面のトラバースで、濃霧で下が見えなかったのは幸いだったかもしれない。たまに霧が上がって下が見えると、ぞっとするほど怖い崖だ。
真砂岳の稜線から


別山は巻く 雷 鳥


 別山の巻き道も終わる頃、先頭を歩いていた三人組のリーダーが立ち止まって”雷鳥が居る”という。”え!どこ、一度も見たことないんですよ”といったら、”逃げないから前に来て”と前に出してくれた。見ると道の崖の縁の緑を突っついている雷鳥が居た。写真を撮ったら”もっと近付いても大丈夫だよ”という。


 そこで写真を撮りながら近付くと、警戒距離は3m〜4m位らしい。それ以上近付くと向こうもゆっくり道を前に進む。それを繰り返して結局巻き道の終わりまで、雷鳥は我々を案内してくれた。
雷鳥君さよなら


 ミヤマダイコンソウ(たぶん)の黄色い花が咲いている。
別山の尾根


 本来ならこの辺からも剱岳が正面に見えるはずなんだけれど・・・
別山の尾根


剱御前小屋 剱御前小屋


 稜線を少し下ったら突然霧の中から剱御前小屋が現れた。剱御前小屋は新しい機能的に見えるきれいな小屋だった。トイレもあるのでしばらく休憩。立山の案内標識はたいてい古く壊れていて、ろくに読めないものばかりだったが、流石に剱御前小屋は剱岳へのメインルートだし、5本の道が集まるターミナルでもあるので道案内は丁寧だ。


道案内 霧が上がってきた


 雷鳥沢キャンプ場への道を下る。雨も風も気にならない程度になり、少し下ると霧の下に出た。目の下にキャンプ場や、観光地の地獄谷などが見える。


雷鳥沢キャンプ場、称名川源流部、地獄谷


叉雷鳥がいた コバイケイソウ


 見通しがよくなり、危険もなくなった道を坦々と下る。ハクサンイチゲ、チングルマ、コバイケイソウが群落を作っている。我々のほかにも何人か下る人、登る人が見えたが、少し先を歩いていた二人組みが、雷鳥が居ますよ、と教えてくれた。いたいた。よくこんなに目立たないのに見つけるもんだね。小さな崖のくぼみに羽繕いをしている雷鳥がいた。


かなり長い下り キャンプ場が近付いた


 称名川を頼りない板の橋で渡り、キャンプ場へ登り返す。ミクリガ池には地獄谷経由の少し短いコースと、雷鳥荘を経由する尾根伝いの道があるが、既に硫化水素の臭いがしていて、気管支の弱い妻には大敵なので迷わず尾根道を選ぶ。
称名川を渡る


 ここから道は観光地仕様になり巾の広い舗装路である。叉霧が巻いて来たが山装備ではない団体さんがビニールガッパを翻しながら結構下りて来る。中には一目で我々より高齢で足元のおぼつかない人も居る。下には温泉付きのロッジ立山連峰や雷鳥沢ヒュッテがあるから、そこ泊まりなのか、それとも地獄谷を観光しようとしているのか、いずれにしろ今日の客は気の毒だ。


雷鳥荘への登り ハクサンシャクナゲ


 雷鳥荘のすぐ下の滑り易い舗装路の角にハクサンシャクナゲがたくさん咲いていて、その角を曲がったら、崩れた崖の途中に雷鳥が二羽うずくまって居るのを妻が見つけた。まだ白黒まだらのつがいだろうか。団体客がたくさん下っていったはずなのに、気にもせずじっとしていたのだろうか。そういえば今回3回雷鳥に会ってしまったが、ひなは連れて居なかった。今後の楽しみは何時か雛を連れた雷鳥に遇うことにしよう。


雷鳥が二羽 下の一羽のアップ


  雷鳥荘を抜け、くの字に曲がった小さな尾根の上を歩く。霧が深くなって先が見えず、観光道路を歩いているのにもかかわらず、どこへ連れて行かれるのか不安だった。そのうちいきなり霧の中にミクリガ池温泉の建物が現れ、ミクリガ池に着いた。僅かな時間だったはずだが、かなり長く感じた。


 本当は、このミクリガ池の先に、立山の全景が見える、雄大な風景の写真を撮るはずだった。
ミクリガ池 


 ミクリガ池の地獄谷との分岐では、室堂ターミナルの方から下ってくる石段を、お揃いの青いカッパを着た中学生らしい一行の行列が下ってきて、小雨の中を延々と地獄谷のほうへ下って行った。昨日なら素晴らしい展望の中を歩けたものを。2、3年前の燕岳でも同じ感想を持ったことがある。その石段を登り、室堂平に戻ってきたが霧が深く室堂ターミナルの建物も見えず、最後までうろうろした。この天気にもかかわらず、室堂ターミナルは賑やかだった。


 後は乗り物に任せて下ってきた。こんな天気でも駐車場はほぼ満杯。バス専用のスペースには大型観光バスがずらりと並んで、乗り物の中も、途中の各駅も観光客であふれていた。
雨の扇沢駐車場


 温泉は大町温泉・薬師の湯でさっぱりのんびりしてきた。大町アルペンルートから外れていないこと、駐車場が広いこと、浴場も広くて露天もあること、和室の休憩室で座布団を並べて寝ていても文句を言われないことが、いいところかな。




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 余談:私のナビは扇沢を指定して走ったら、麻績(omi)ICで降りろと言う。麻績なんて山の中でろくな道はないはずだと思って、昨年実績で豊科ICまで行き大町→大町アルペンルートと走って順調すぎるほど順調に扇沢に着いた。帰りに自宅をセットしたら高速入口麻績ICとある。確かに距離的には短いはずだし、それだけナビが言うのなら、いい道でも出来ているのかもしれないから一度走ってみようと、ナビの案内通り走ってみた。これが山越えはともかく、あきれ返るようなひどい道で、もし往きに走っていたら発狂したんじゃないかと思うような道だった。ナビっていったい何を基準に道を選んでいるんだろうね。最近のナビって家の目の前まで連れて行ってくれたりするから、すっかり信用していたのに、これで信頼はけし飛んだ。知らない道をナビの言うとおり走ったら、結果的に行き着くにしても、途中でどこへ連れて行かれるか分らない。1000円乗り放題で遠くに行くにしても、地図はちゃんと買って(あれ、ナビって地図屋とグル?)ちゃんと調べないとだめだね。