09.06.19(FRI) | 天狗岳 | 北八ヶ岳 |
今頃の天気予報はあまり当てにならない。きのうも晴れるはずが駄目で、今日こそ久々に晴れると言う。それも群馬、栃木より長野側がいいらしい。それで天狗岳に行くことにした。先回は渋ノ湯から初めて東天狗岳に登って西天狗岳を登り損なったので、今回は最短コースの唐沢鉱泉から西尾根を登ることにした。これなら間違いなく西天狗岳に登ってこられる。 |
コース:唐沢鉱泉8:00→第一展望台10:10-10:20→第二展望台10:55→西天狗山頂11:55-12:15→東天狗山頂12:40-12:50→黒百合ヒュッテ14:40-15:05→渋ノ湯分岐16:00→唐沢鉱泉17:10 (所要時間9時間10分) 駐車場:唐沢鉱泉の手前に15〜20台位、無料、トイレあり。 登山口:唐沢鉱泉の前に沢を渡る古い鉄の橋がある。 標高:西天狗2646m、東天狗2640m 標高差:779m 標準コースタイム:5h10m程度 |
||
天狗岳:西天狗(右)・東天狗(左) | 高崎IC⇒佐久IC⇒女神湖⇒唐沢鉱泉 約2時間30分 |
唐沢鉱泉は八ヶ岳の南西側で前橋からは行きにくい場所である。長大な八ヶ岳を巻くか越えるかして、それも茅野辺りから登り返さなければならないので、どの程度時間が掛かるかは気になった。車は置けるらしい。ナビもセットできた。それほど辺鄙なところでもないらしい。もし時間が掛かれば黒百合ヒュッテで一泊する手もある。と言うことで珍しく4時起きして5時過ぎに家を出た。 |
佐久で高速を降りて女神湖からビーナスラインを通って国道299号を下り、芹ケ沢辺りから唐沢鉱泉へ登り返した。ビーナスラインより白樺湖経由で国道152号を走る方が正解かもしれない。フォレストカントリークラブ・三井の森までは別荘地の大通りといった感じの走り易い舗装道路で、その先は非舗装の林道だがここもよく整備されている。 | ||
唐沢鉱泉無料駐車場 左手上の屋根が唐沢鉱泉 宿泊者用の広い駐車場もある。 |
唐沢鉱泉の周辺は広々した登山口としては感じのいいところである。ゆっくり準備して出発する。無料駐車場には2台、宿泊者用の駐車場には4〜5台の車があった。 |
登山口:しゃくなげ橋 | シラビソの森の登り |
登山口は唐沢鉱泉の玄関先を少し過ぎた辺りの沢にかけられた鉄の橋、シャクナゲ橋である。登山道はずっと森の中で、土のたまった歩き易い道と、岩だらけの歩きにくい道が交互に繰り返される。蚊やブユのようなまとわり付くうるさい虫が居ないので助かる。踏跡はしっかりしているし、ピンクの大きな布切れ(化繊の薄い布を裂いたテープ)が道沿いの木に縛り付けられているので、道迷いの心配はまずなさそう。 |
栃尾の峰分岐 | 森の尾根道 |
われわれの足で1時間あまりで尾根(枯尾の峰分岐)に登り付く。しばらくは森の尾根道を行く。同年輩の女性二人が降りてきた。もう登ってきたんですか、と聞いたら、そう、第二展望台までね、と笑っていた。この道で道案内のピンクの布切れの、ほつれた糸に絡まって逃げられなくなってしまった小鳥に出会った。人の安全のためだけに付けられた目印が、小鳥にとっては死の罠になっていることを知った。 |
第一展望台 | 蓼科山 |
叉すこし巻いて展望のいい尾根に抜けると第一展望台である。残念なことに天気予報が外れてあまり展望が利かない。南アルプスや中央アルプスは勿論、阿弥陀、赤岳、横岳の稜線すらほとんど見えなかったが、それでも八ヶ岳らしい雄大な雰囲気に満足。しばし休憩。 |
苔?キノコ? | コイワカガミ |
コイワカガミが増えてくる。ミヤマカタバミの白い花はたくさん有るがほとんど開いていない。苔だがキノコだが分らない変なものが胞子を飛ばしている。 |
叉尾根を進みさらに巻き気味に登ると第二展望台に着く。西天狗岳が迫ってくる。根石岳、根石小屋とその手前の大絶壁がド迫力の見ものである。 | ||
第二展望台:後ろは西天狗岳 |
西天狗岳の山頂直下には、白い帯のように見える急勾配の岩場が見える。白いものがたくさん見えるので人が登っているのかと思ったら、登る道を示すペンキの目印だった。黒百合ヒュッテ泊で天狗岳を越えてきた団体さんと会う。 | ||
西天狗岳 |
折角登ったのに少し下って西天狗岳の急な登りに掛かる。ここで例によって太ももが攣りそうになる。仕方がないので一休みして、ウエブで調べて買った漢方の芍薬甘草湯を飲んでみる。その後も痛さに耐えながらゆっくり登る。結局最後のイワイワの急勾配も攣ることなく登ってしまったから、芍薬甘草湯効いたのかも知れない。 |
西天狗岳:山頂直下 ひや〜、危ない危ない |
登ってきた天狗岳西尾根 |
西天狗岳山頂 | 西天狗岳から見た東天狗岳 剥げた登山路が痛々しい。 |
広い西天狗岳の山頂には、珍しく若い人が4〜5人居た。向かいの東天狗岳山頂には人がたくさん居て、根石岳のほうから縦走してくる人たちも見えたりして、結構賑わっている。東天狗岳から西天狗岳に渡ってくる人もいたが、西天狗岳のほうがやはり静かである。ちょうど12時なので昼食にする。 |
根石岳・箕冠山の絶壁の、地獄の釜のそこを覗くような迫力はなかなか。ただせめて硫黄岳辺りまではすっきり見えて欲しかったが、この時間がこの日の天気の最悪の時間帯だったようで、雷でも鳴り出すのではないかと心配したほど、不気味な空模様だった。 | ||
西天狗岳山頂の展望:根石岳(手前)、根石山荘・箕冠山・硫黄岳 |
満腹のお腹を抱え展望を楽しみながら西天狗岳をぶらぶら下り、東天狗岳への登りもきつそうに見えたが、のろのろ登っている間に着いてしまった。山頂は何か賑やか、外人さんも居る。記念写真を撮って早々に下る。 |
東天狗岳山頂風景 | 東天狗岳から見た西天狗岳 |
東天狗岳山頂の展望:手前から根石岳・箕冠山・硫黄岳 かすかに阿弥陀から赤岳への稜線が見える |
先回来た時も梅雨時で東天狗山頂は霧の中、西天狗岳も見えなかったから、快晴とはいえないまでもこの風景が見られたのは幸いと言うべきかも。八ヶ岳らしい、あるいは天狗岳らしい360度の雄大な風景にみとれる。それにしてもカメラの画角って狭い。 |
やったね! | 東天狗岳山頂 |
西天狗岳から見た東天狗岳はまだしっかり根を張った山の形に見えるが、絶壁の縁の稜線を下り始めると、東天狗山頂はなんとも貧弱に見える。登山道の危険地帯を示すロープを張った支柱の鉄棒の下が既に崩落して鉄棒が宙に浮いていたから、東天狗岳の標高が変ってしまうのもそう遠い先ではないかも。 |
天狗の鼻越しの稲子岳 パラグライダーでも開いて一気に稲子湯辺りまで下ったら、さぞいい気分だろうなあ |
目の下に白く見える黒百合ヒュッテへ下る道、天狗の奥庭を巡る遊歩道みたいに見えるが、実際は岩だらけの、最後まで岩の上しか歩けない、歩きにくい道。我々のような身体の硬い年寄り向きの道ではない。すべらない岩なのが救い。 | ||
下山路:天狗の奥庭と黒百合ヒュッテが見える。 |
山頂直下の下り | 分岐より下の下り:ずっとこんな感じ |
絶壁の稜線伝いの道を少し下ると、中山峠との分岐がある。直接黒百合ヒュッテ側へ下る。 |
コイワカガミがたくさん咲いている。シャクナゲもたくさん有るがツボミはまだ硬い。ハクサンシャクナゲかな。途中でゆっくり登ってくる10人前後の団体さんに会う。リーダーらしい男性が屈みこんで何か説明しているから、自然観察の会か何かかな。 | ||
登ってくる団体さんに出会った |
イワウメ | イワウメ |
足元が危ないのであまりよそ見も出来ない下りだが、ゆっくり下っていたら岩に張り付くように咲くイワウメに出会えた。まだ咲き始めたばかりのよう。今回の山行のお花はこのイワウメに尽きるかな。 |
コメバツガサクラ | 西天狗岳(右)と東天狗岳 |
やっと黒百合ヒュッテの上に出た | 青空も出てきた。遅いよ! |
やっと黒百合ヒュッテが足の下に見える崖の上に着いてホッとする。天気も回復してきて青空が見えてきた。やれやれ。我々が着いた時ヒュッテの中に3〜4人、外に男性が3人ほど休憩していた。すぐに今日は黒百合ヒュッテ泊と言う10人ほどの団体さんが到着して賑やかになる。管理人さんは若い男性が一人みたいで大忙しの感じ。コーヒーブレイクと言うところだけど、随分待たされた。へとへとで休憩しているんだから全然かまわないんだけど。 |
黒百合ヒュッテからの下り道 | 唐沢鉱泉・渋ノ湯分岐 |
黒百合ヒュッテからの下りは叉林間の、雨が降って増水したらどうなるんだろうと心配してしまう岩だらけの沢伝いの道。歩き易いのはたまに敷かれている鉄のすのこの橋の上だけ。渋ノ湯との分岐を過ぎてもそれは変らない。下りで私はまあ快調だったが妻はベソをかいている。林間にチラッと唐沢鉱泉の屋根が見えたときはホッとした。だが下山口の丸太の橋を渡るまで、岩だらけの道は続いた。 |
唐沢鉱泉で温泉?に入れてもらう。先回渋ノ湯ではちょうど同じような時間に下ってきたら、5時以降は宿泊者だけと断られてしまった経験がある。あるいはと心配したが、唐沢鉱泉には時間制限は無かった。ゆっくり温泉で寛いでから帰途に着いた。国道152号から見る八ヶ岳は晴れ上がってどの稜線もはっきり見えていた。 | ||
やれやれ登山道出口 |
トップページへ | 前へ | リストへ | 次へ |