05.07.20(WED) | 槍ヶ岳:二日目 | 北アルプス |
ロッジの朝は早く6時過ぎにはほとんどの登山者が出発していった。我々も一番最後に槍沢ロッジを出る。ロッジの前庭から鋭い槍の穂先だけが僅かに見える。ババ平のキャンプ場付近までは、谷底のわりと高木の林の中を行く。ガレた支沢をいくつか越える。ハクサンシャクナゲ、キヌガサソウ、サンカヨウなどが咲いている。ムラサキヤシオも一本だけ咲き残っていた。 |
槍沢:ババ平キャンプ場付近から | ムラサキヤシオ | キヌガサソウ |
大曲から天狗原分岐の上まで雪渓が残りこれを登る。大きなクレバスが口をあけ、あまり気持のいいものではない。注意しながらコースを選んでゆっくり歩く。 |
サンカヨウ | 雪渓を登る:大曲から天狗原分岐 |
天狗原分岐辺りからはシナノキンバイ、ハクサンイチゲなどお馴染みの花が増えてくる。北岳の大樺沢にはかなわないが充分楽しませてくれる。やや右にモレーンの急斜面を登り、雪切してある急な雪渓を渡るとやっと槍の穂先や槍ヶ岳山荘が見えてくる。岩の間にキバナシャクナゲの群落がある。登れば登るほど傾斜は増し、槍ヶ岳山荘の直下など壁のように見える。途中に播隆窟と言われる岩屋がある。今でも利用できそうな大きな岩屋である。12時には早いが休憩を兼ねて昼食にする。この頃になると抜いたり抜かれたり、一緒に登っている似たような夫婦者同士2,3組と、顔を覚えて励まし合ったり、記念写真のシャッターを押してあげたりするようになる。 |
ナナカマドの咲く槍沢 | キバナシャクナゲ |
ハクサンイチゲ | シナノキンバイ |
モレーンの向こうにやっと見えた槍の穂先 | 槍ヶ岳山荘着 |
6月の巻機山で足がつって山頂へ行けなかった後遺症が残っていて、最後の急登は不安のせいか元気が出ない。何時もとは逆に妻に励まされた。あーあ立場無いなあ。槍ヶ岳山荘の直下のジグザク登りを、歩いては休み、歩いては休み、それでも12時25分槍ヶ岳山荘到着。休憩や食事時間、写真の撮影時間があったとはいえ標準コースタイムの約1.5倍を要した。 |
槍の穂先へ: 早速槍ヶ岳山荘で宿泊の手続きを済ませ、必要なものだけナップザックに押し込んで槍の山頂に向かう。知り合いになった似たような奥様方も、ここまで来たからには登らなければ、などと励ましあいながら、鎖とはしごに導かれて何とか山頂に達する。妻も体中がちがちになって、はしごにしがみついているのが良く分かり、やばいかなと心配したが何とか登りきった。登山者が少なくマイペースで登れたのが何より良かった。 山頂は平でくの字形をしている。かなり広く10人ぐらい居ても余裕がある。穂高をバックに上り下り専用のほぼ垂直の鉄はしごが2本あり、中央にかなり古びた三角点がある。他端に北鎌尾根をバックに祠がある。 勿論360度の大展望で、特に大喰岳から穂高への稜線が素晴らしい。眼下に表銀座の東鎌尾根と殺生ヒュッテ、ヒュッテ大槍の赤い屋根が見える。ここから見ると常念岳、笠ヶ岳もよく目立つ山だ。 |
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槍の穂先へ |
槍ヶ岳山頂からの展望 |
大喰岳から穂高へ続く稜線 | 小槍 |
北鎌尾根:独標 | 東鎌尾根 |
槍ヶ岳山荘 |
山頂から下ってもまだ2時を回ったばかりである。お風呂は無いから夕食の5時までは大分ある。前のテラスで正面の常念岳を眺めながらワンカップで乾杯。喫茶ルームで山頂で会った若い男性とおしゃべりしたり、写真を撮りに外へぶらぶら出かけたり、それでも余った時間は指定された寝床でひっくり返って疲れを癒やした。 この日も寝室の下段は似たような、既にお馴染みの夫婦組みが4組、お互いの間に一人分のスペースを空けて楽に寝られた。山荘内部は槍沢ロッジよりは古いが、床は黒光りするほど磨かれて、清潔そのものである。売店に並んでいる商品の多様さも吃驚した。 |
槍ヶ岳山荘周辺 |
大槍と小槍 | 岩ひばり |
槍ヶ岳残照 | 常念岳と槍の影 |
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