当園のブルンスいちじくの樹はカミキリムシによって枯死してしまい、2016年で栽培を中止しました。
と思いきや、2022年からいくつか思いたって試行錯誤しながら再挑戦中です。
ブルンスの樹は当園でも一番の古株で高知からはるばるやってきたものです。良い実と悪い実の味の差が大きく外見もあまり良くないので商品としては一級品になりにくいいちじくですが、完熟した当たりの実は花の蜜のような風味でなかなかの美味でした。
ブルンスウィックは人に媚びないいちじくです。実は小さいです、皮は黄土色です、熟しても下を向かないので雨が実の中に入りやすいです。「花が咲く」かのように割れます、完熟のつもりで収穫してもまだだったりもします。
もし口がきけたなら、ブルンスウィックは言うでしょう「別にあんたのために実を付けてるわけじゃないしぃ。」確かにその通りなのですが、それをこれほどまでに思い知らされるいちじくは当園には他にありません。そして日本ではいちじくといえば赤い果実のマスイドーフィンなので、熟しても赤くならないブルンスウィックは小ぶりな果実で傷つきやすい性質とそろった薄幸のいちじく(?)です。

そんなわけでブルンスウィックは果物としてはあまり完成されたいちじくではないと感じます。やはり(1)実が小粒、(2)見た目が美味しそうに見えない、(3)1つの実の中でも部位によって熟し方がだいぶ異なる、などが主な理由です(他にもありますが)。特に(3)については実のてっぺんが柔らかく熟していても軸に近い部分はまだまだかたいといった状態になるので、収穫の見極めと食べごろの判断がとてもしにくかったりします。
写真はブルンスウィック(右上)とその断面(下)、大きめなのがマスイドーフィン(左上)です。
※いちじく畑の風景はマスイドーフィンのページにまとめています。