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運命の法則 「幸運の女神」と付き合うための15章

 

 



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 運命の法則―「好運の女神」と付き合うための15章

 

姉妹編
宇宙の根っこにつながる瞑想法

 

 

 

 
   
書名 運命の法則 「幸運の女神」と付き合うための15章
著者

天外伺朗 (てんげしろう)

出版社 飛鳥新社
価格 本体1,400円+税
   
 
六星占術といえば細木数子さんの名前が出てくるほどポピュラーになったが、その六星占術では12年をひとつの運命周期と捉え、その中の「陰影」、「停止」、「減退」にあたる3年間が「大殺界」とされている。大殺界では、運命のエネルギーが失われる結果、判断や決断が誤りやすくなったり、人間関係がギクシャクしたり、人に裏切られたり、どんなに努力をしても八方ふさがりになったり、、、と、やることなすことが裏目に出る、人生における「冬」の時期といわれる。

私は、今まさに、この大殺界の真っ只中にいる。とはいっても3年目の「減退」であるから、もうすぐこの大殺界にピリオドを打てるはずであるが、とにかく私の場合、会社を辞めたこと、貸してやった金を返してもらえずに裁判にまでもつれこんだこと、過去10年以上もの間無事故無違反だったのにもかかわらずスピード違反で免停となったこと、クルマをぶつけられたこと、叔父伯母の死、極めつけである母親の他界などなど、過去3年間を振り返ると様々な不幸・不運に襲われた。

本来、私は「占い」というものは自分にとって都合のいい部分だけを信じる主義であったから、この大殺界についても真剣に信じたことはなかった。中国何千年の歴史をもつ易経をもとに細木数子さん によって考案された六星占術も、所詮は統計学であり「占い」であると思っていたからである。ところが、ここまで様々な不幸が大殺界にあたる3年間に集中すると、大殺界に対する認識が多少なりとも変わり、閉塞感のある状況を打開しようとすればするほど、まるで蟻地獄に吸い込まれていくような自分がいたのである。

前置きが長くなったが、そのような精神的に参りかけていた時に出会ったのがこの「運命の法則」である。「運命」という言葉を振りかざす人をみると何か非科学的で胡散臭い気持ちがするが、この本の著者はソニーでCDの開発やハイテクロボット犬「AIBO」などの開発をしてきたバリバリの科学者であるということに興味を引かれた。その内容は、ソニーという大企業における著者のサラリーマン人生を通じての経験や不運を引き合いに執筆されているため、同じサラリーマンの悲哀を知るものとしては大いに共感できるところが多々ある。

怪しい新興宗教でも語られる「カルマの法則」や、はっきりと数字で証明されることのない「非科学的」で「主観的」かつ「精神論的」な内容にも言及されているが、著者がいうところの、人生には人間の力ではコントロールできない「大河の流れ」がある、ということにひとたび共鳴できれば自分の人生を客観的に捉えることができるようになり、ひとつひとつの不幸や不運に対していちいち好悪の判断をしないで済むようになる。「運命に貸しをつくる」という意味が理解できたとき、閉塞感と精神的ストレスから解放された思いがしたものである。

2005年11月29日

 

 

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