ソニーで「CD」やロボット犬「AIBO」開発などの陣頭指揮に立ってきた著者が、あわただしい現代社会における瞑想の効能を説き、誰にでも簡単にできる
瞑想のコツを伝授している。同著者による「運命の法則」の姉妹編である。
人生とは目に見えない「運命」によって定められている ‐‐‐
非科学的・非論理的な運命論には賛否両論あるところだが、運命という目に見えない流れの「法則性」を、科学者でもある著者のソニーにおけるサラリーマン人生で体験した事象に重ね合わせて体系化し、幸運の女神との付きあい方、意図的に幸運を招き寄せるための心の持ち方を解説したのが前著「運命の法則」であった。
著者は、生きていく過程で次々と押し寄せてくる「運命の波」に上手に乗るためには、ひとつひとつの出来事に対する好悪の判断をやめてその波を信頼して身をまかせる事が肝心。そうすれば運命を味方につけ喜びの人生を送ることができる、という。
本書は、その考え方に瞑想を通じて近づいていくための実践的解説書である。瞑想には、不安な思いが消える、表情が生き生きしてくる、心と体が軽くなる、自然体で暮らせるようになる、生活に潤いが生まれる、人生の目的がつかめる、身の回りの出来事がうまく運び出す、、、というような様々な効果があるらしい。競争社会で疲れきった現代人にはストレスを解消し、自分の本当の生き方を取り戻す一助になるという。
瞑想では呼吸が非常に大切な意味を持つ。本書ではレベルに応じた呼吸法が図解されているのでなかなかわかりやすい。私も実際にやってみたのだが、意外とむずかしい。頭では理解していても無心になれないのだ。様々な雑念や煩悩が瞑想の邪魔をする。かなり奥の深い世界であることはまちがいない。
2005年12月18日 |