Vol.5
発 行:破竹会幹事会
発行日:1998.3. 20
=はじめに=
日に日に春めいてくる今日この頃ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。今年は東京を離れての総会の開催等、破竹会にとってもイベントの多い年となり、忙しくなりそうです。今号にも総会の案内、会費徴集の件、勉強会案内など、重要な事項が盛り沢山となっております。御一読の上、会務を円滑にするためにもアンケートの返送、会費の振り込み等、早めに御協力頂きますよう、お願い致します。
【破竹会幹事会】
=鈴木聡行会長挨拶=
平成10年虎年も早いもので、もうすぐ桜の季節の4月です。皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。新年のご挨拶も大雪のお加減伺いもできず、今日を迎えてしまいました。2回の大雪で学んだことは、情報から予測されることに対応し得る準備は常にしておく必要があるという事ではないでしょうか。1回目は、雪の予報が出ていたにも関わらず、甘く見たのか交通網の大混乱。さすがに2回目は事前の準備が出来ていたのでさほどの混乱はありませんでした。歯科界も同じだと思います。今後の厳しい状況をどの様に対処して行くか情報から予測されることに対応し得る準備を心掛けたいものです。大混乱が起きてからでは立ち直れないのでは(?)。野村総合研究所のシュミレーションでは、2010年には開業医の六割が倒産すると言っています。廃業に追い込まれぬよう一年イエイエ今日からみんなで頑張ってみましょうよ。このままで良い訳ないんですから。四十路の私がこの頃切に感じることは、年を取る毎に一年の経過するのを早く感じています。何かをしなければならないと思いつつも成し遂げられない事への焦りなんでしょうか、それとも老いへの恐怖?「年寄りはせっかちだ」と言いつつ、いつのまにか「せっかち」と言われるようになりました。情報は「せっかち」だし。そういう皆様も三十路の最後の年をお迎えになるのでは・・・。有意義なる一年をお過ごし下さい。あっというまですよ。介護保険第2号被保険者の資格が得られる四十路の道も。
=現執行部任期満了について=
昨年現執行部再任の承認を皆様から頂きましたが、今年3月末で現執行部の任期が満了となります。もちろん昨年の承認を大事に思い次期も現執行部で破竹会の運営をやって行きたいと考えております。やりすぎず、やらなさすぎず皆様にとって本当の意味で「身近な破竹会」を目指して努力する所存でございますので、何卒ご理解いただき、ご協力の程よろしくお願い申しあげます。
【会長 鈴木 聡行】
=執行部再任に関する意見募集=
今年3月末で現執行部7期目の任期が満了となります。昨年、現執行部の信任につきまして皆様からのご意見を募集した結果、特に不信任のご意見はなく、現執行部信任そして続投となりました。それを受けまして現執行部は、勉強会の発足、第6回破竹会総会の準備、会費徴収等の破竹会運営に頑張っております。再任後1年間ではございますが、皆様の中に現執行部に対しまして、「8期も続けて執行部が変わらないのはおかしい」とか「私がやりたい」とか「働きが悪い」等のご意見がございましたなら、どんどん私のところまでお寄せいただきたくお願い申し上げます。通例でしたなら、任期内に行うべき事柄ですが、前回の再任という事実をふまえて、4月末日までに皆様からのご意見を文書にて、平井までお寄せいただきたくお願い申し上げます。今回も前回同様に、滞りのない会務の執行を続けるため、現役員の再任につき、不信任の意見が多い場合は会長を始め役員の改選を検討する事とし、その他の場合は皆さんのご意見を現役員の今後の活動に反映させることを約束して信任とみなしますので、よろしくご協力をお願い申し上げます。
【平井 基之】
=会務報告=(平成9年6月30日以降)
平成9年9月7日
第2回破竹会勉強会:講師常磐修君 (水道橋病院血脇ホールにて、参加45名)
役員会 第6回総会、会費、第3回勉強会について (かつ吉にて 参加9名)
平成9年11月9日 役員会
アンケート結果、第6回総会、会費、役員改選について(水道橋病院にて、参加9名)
平成10年2月8日 役員会
破竹会通信第5号、第6回総会、第3回勉強会について(水道橋病院にて 参加9名)
【書記 山 満】
=平成10、11年度会費振込についてのお願い=
《破竹会会則》
第9条 会費は、年3,000 円とする。
第1項 平成10年度より会費の徴収を行なう。
付 則 ただし、平成11年度までは既に年1,000
円の会費を徴収済みであるので、差額年2,000 円を徴収する。
昨年の破竹会会則改正により、会費の徴集を行なうことになりました。つきましては平成10年度2,000
円、平成11年度2,000 円、合計4,000
円の年会費を同封の振替用紙によりお納め下さい。
なお、振込手数料70
円は会費の中から充当させて頂きますので、その振込手数料分を引いた3,930円が振替用紙に印刷されています。お間違えのないように、是非この振替用紙を御利用下さい。皆様の会費を有効利用するため、会費徴集に関わる事務手数料などを考慮した上で2年分の一括納入となっております。御理解の程を宜しくお願い致します。
=第6回破竹会総会案内=
今までにもお知らせをしてきましたが、第6回破竹会総会は初めて東京近郊を離れ、竹原茂央君のお世話で大分県別府温泉で開催することになっています。
昨年、開催時期についてアンケートを取りましたが、その結果11月22日〜23日の開催希望が最も多く役員会で検討した結果、下記のように決定させていただきました。
今回のお世話係である竹原君と相談の上、別府のJTBを利用して参加者の旅行関係の準備を進めていく予定です。もちろんこれはあくまで希望者に対してであって、個々で切符の手配その他をされても結構です。22日の宿泊以外に前泊、後泊の希望がある方は竹原君が相談に乗ってくれるそうです。
何かご不明の点は、中島 信也までご連絡下さい。
《 第6回破竹会総会 》
平成10年11月22日(日)〜23日(祝)
大分県別府温泉 三泉閣
平成10年11月22日(日)午後5:30より総会
午後6:00より懇親会の予定
宿泊代20,000
円程度(1泊2食、税別)、別途交通費
【基本設定パターン】(羽田発着で、あくまで、これらは自分で決めにくい人の為の参考です。)
(行き)22日 @午前8時 羽田発 正午前着 周辺観光
→ 総会
A午後1時 羽田発 午後4時前着 → 総会
(帰り)23日
@ホテルチェックアウト後 即帰
Aゴルフコンペ参加 or 観光 午後6時 大分発
つきましては、最終的な参加・不参加の確認をさせていただきます。参加、不参加に関わらず、破竹会通信ならびに総会案内がお手元に届いたかどうかの確認も兼ねておりますので、ご面倒でも同封のアンケート用紙に記入し、FAXまたは封書にて常磐修君宛、4月4日(土)までにお送り下さい。
総会参加の方は旅館等の手配を開始致しますので、確実な参加人数を同封のアンケート用紙にご記入下さい。
【同窓会開催委員 中島 信也 谷口 誠 櫻井 誠】
=破竹会ゴルフコンペのお知らせ=
第6回破竹会総会(平成10年11月22日開催)にあわせて、第2回破竹会ゴルフコンペを開催することになりました。現在における決定事項をお知らせ致します。
日時:平成10年11月23日(月・祝日) スタート時間:未定
場所:木島後楽園ゴルフクラブ
交通:ホテル(別府温泉 山泉閣)より車で30分程度とのことですので、総会に車で来られる方に送迎をお願いする予定です。総会への出欠席の返事にあわせてコンペへの参加・不参加を必ず御連絡下さい。
組数:5組程度を予定
詳細につきましては決まり次第、参加希望者に直接御連絡致します。
【親睦会開催委員(ゴルフ委員) 嶋田 雅夫】
=第3回破竹会勉強会=
去る平成9年9月7日(日)、東京歯科大学水道橋病院血脇記念ホールにて、常磐修君に「歯列、咬合の成長発育」と題し、講演して頂きました。45名もの多数の参加を頂きありがとうございました。破竹会と致しましても実りのある勉強会にすべく、今後共いろいろと企画をしていく所存です。皆様の御意見もお寄せください。
講演後、常磐君にご多忙の中、事後抄録を書いて頂きましたので別紙に掲載させて頂きます。豊富な内容を1枚の抄録にまとめるのは大変だったようです。御質問、御意見等がありましたら直接常磐君までお願い致します。
次回の第3回破竹会勉強は6月14日(日)に予定しており、河西千洲君に「インプラント治療の信頼性 ー基礎編ー」と題し講演して頂きます。詳細は別紙をご参照下さい。
また同時に富田文貞君のアフリカ帰朝報告と協力依頼の講演を予定しております。皆様お誘い合わせの上、是非御出席下さい。
【勉強会委員 内山 公男 平井 基之】
会 場: 東京歯科大学水道橋病院 血脇記念ホール
日 時: 平成10年6月14日(日)
午前9時30分〜午後12時30分 河西 千洲講師
午後12時30分〜午後1時00分 富田 文貞講師
=富田文貞君帰国=
先号で富田君が青年海外協力隊としてアフリカ、マラウイへ出発したことをご報告しましたが、日本の口腔外科医として第一線で活躍していた技術を活かし、現地でも精力的に活動をしておりました。しかしながら日本の海外協力の在り方と現地の状況のギャップが大きく、一時しのぎの医療提供よりも継続的な医療援助の必要性を感じた彼は、日本の関係省庁、大学関係との折衝のため、11月に帰国しました。現在、母校東京歯科大学をはじめ、東海大学などからの医師派遣を交渉する毎日を送っています。しかし残念ながら富田君のような高度な口腔外科技術を修得した医師の派遣となるとどこも腰が重く、富田君も途方に暮れる状況となっています。
先日2月8日の破竹会役員会に富田君に出席頂き、これらの状況報告を受け、同級生からも意見や情報を集めようということになりました。我々も卒業後14年、いろいろな役職についたり各地で活躍している情報が入ります。そのようなつながりから海外派遣に協力的な施設の情報、関係省庁の知り合いなど、どのような事でも結構です。是非、お知らせ下さい。富田君は日本での受入先も決まらぬ中、奔走しております。皆様の温かい御協力を心よりお待ち致しております。
なお、平成10年6月14日の破竹会勉強会におきまして、河西千州君の講演に続いてアフリカ帰国報告と協力依頼の講演を富田君にお願いしております。是非お誘い合わせの上、御出席下さい。
【破竹会役員会】
=アフリカ報告と破竹会の皆さんへのお願い=
私は平成9年5月より11月まで青年海外協力隊として、アフリカのマラウイと言う国に派遣されていました。活動内容は政府系中央病院での頭頸部手術、頭頸部疾患の診断教育でした。術前の病理検査もできないままに手術をしたために、患者さんを救えなかったり、3ヶ所の病院を回っているため術後の管理が十分に出来無かったりと、たった一人の協力隊では十分な援助が出来ませんでした。また協力隊の活動には継続性がないため、2年後の後任も期待できず、術後患者さんの経過観察にも不安があったため、継続的に同じ技術レベルの人材が派遣される専門家の派遣申請をしました。しかしこの申請を通すためには、関係省庁である厚生省への根回しや、継続的に人を派遣することが可能な施設を探さなくてはならず、JICA(国際協力事業団)が自らその施設を探すこともできないため、任期途中でしたが帰国しその任に当たることにしました。簡単ではありますが本資料でマラウイ歯科、口腔外科について概要を報告させていただきます。
マラウイ共和国はアフリカの南東部に位置する人口900万人程、GNP
220ドル(1994年)の世界で最も貧しい国の一つです。この国の政府系医療システムは3つのCentral
Hospital(それぞれ600床、800床、1000床)と25のDistrict
Hospitalから成り、重傷、手術が必要な患者さんはすべてCentral
Hospitalに送られてきます。治療費、入院費は全て無料ですが、経済基盤の脆弱なこの国では所詮無理な政策で、ほとんどの機材、薬剤は海外からの援助に頼っているのが現状です。
この国には歯科大学がないため(医科大学はある)3年間専門学校で学習したDental
Therapist(歯科治療士)を中心に治療が行われています。海外で歯科医師免許を修得したマラウイ人も何人かいますが、政府系の病院は低賃金のため海外で働いたり、町でお金持ち相手に開業したりで、政府系病院で働いている現地人
Dentist は2名だけです。
ではこの国の歯科外来でどの様な治療が行われているかというと、ほとんど抜歯だけと言うのが現状です。この国に対し10年以上も前から青年海外協力隊として日本人歯科医師の派遣が行われています。しかし卒後数年の歯科医師では、この国に対して技術移転できることはあまりありません。抜歯に関しては朝から晩まで抜歯ばかりしている現地のDental
Therapist
の方が上手ですし、歯科治療に関しては機械、材料がないからです。
このように貧しい国ですが1997年8月に首都にあるCentral
Hospitalに新しい歯科外来が完成し状況が変わりつつあります。この新しい外来はマラウイ政府が自力で完成させたもので、25台の歯科治療ユニット、歯科技工室、器具の消毒施設、学生のための教育施設、全身麻酔が可能な手術室を備える、日本でも歯科大学でなければ見られないような立派な施設です。この新しい外来では有料の歯科治療もスタートしています。この有料治療が軌道に乗れば消耗品の購入も出来、援助に頼らない歯科治療が可能になるかも知れません。
口腔外科に関しては現在頭頸部領域の手術が出来る人材はマラウイにはいません。過去においてはイギリス人の口腔外科医がいましたが現地人に対する教育はあまり行われていなかったようです。しかし口腔外科疾患の患者さんは地方病院より中央病院に毎日送られてきます。単純な顎骨骨折、顎嚢胞程度であれば現地のDENTIST
, Dental
Therapistにも治療は可能ですが、複雑な症例、腫瘍に対しては対処できず、外科に依頼となるか放置されてしまうかのどちらかです。外科に依頼となると言っても、外科医にとっても専門外の治療となるわけで満足なレベルとは言えず、現地人スタッフの教育のためには良いことではありませんが、頭頸部の専門医が居ない現状では他に方法はありません。
こんな国で私は毎週300Kmの距離をバスで移動し3つの病院を回り、顎骨切除等の頭頸部手術だけ担当していました。優秀な助手も満足な道具もなく、術前の病理検査もできない状態でまあ良く頑張ったと思います。病理検査に関しては出来るだけ日本に標本を送り検査していましたが、ボランティアの薄給では全例検査は無理でした。検査もせずに臨床診断だけで手術を続ける内にそんなやり方に慣れ、自分の診断、技術を過信し10歳の子どもを手術中に死なせてしまいました。今まで日本でも数多くの患者さんを看取ってきましたが、手術中に死亡させたのは初めてでした。原因は色々あり”アフリカだからしょうがない”と皆言いますが、その”しょうがない”を何とかするために行った訳なので、何とかしなくてはいけません。その為には現地人に対して教育することが出来る人材を継続的に派遣するしかありません。今、その専門家が派遣されるようにJICAに申請していますが、厚生省等も絡んだ問題で何処をどうすればよいのか、誰にお願いすればよいのかはっきりせず苦戦しています。何か良いお知恵があればご協力宜しくお願いします。
【富田 文貞】
=訃報=
平成9年10月22日 佐々木明彦君御尊父 佐々木 秀二様 御逝去
平成10年1月 3 日 藤森 洋君ご尊父 藤森 正様 御逝去