Vol.19

           発 行:破竹会世話人会

           発行日:2011. 4.27 

=鈴木聡行代表挨拶=

東北地方太平洋沖地震によって被災された皆様に心からお悔やみと、お見舞いを申し上げます。そして、疎開や避難、制限や禁止という非日常生活を余儀なくされている皆様に、心から支援の気持ちをお伝えしたいと思います。被災からの復旧と、一日も早い復興を願って、国民の一人として「オールジャパン」「フォージャパン」の気持ちを持って、自分が出来る事を考え行動することを、肝に銘じております。

人は「オギャー」と言って生まれ、「ありがとう」と言って旅立ちます。この「人としての営み」を全う出来ずに、さっきまで普通に生活していた人たちが、一瞬にして命を奪われてしまう光景を、目の当たりにしました。津波で「まち」が流されている映像は、広島・長崎の原爆投下のシーンを思い出させました。日本が位置する環太平洋地震帯は、太平洋を取り囲んで存在している世界で最も地震活動が盛んな地震帯で、地球全体の地震エネルギーの99%が放出されているそうです。日本では過去にも沢山の地震が発生し、被災をして来ました。この「自然の脅威」を認識し、国として備えて来たはずなのに、対応が出来なかった地震対策不足を「未曾有」とか「想定外」という言葉で語って欲しくはありません。そして、世界で唯一の原爆被害国の日本が、今、自らが加害者となって、原発の脅威を世界に晒しています。この矛盾を作りだした原因は、一体何なんでしょうか?何の罪のない何十万人もの尊い命が奪われた原爆に対する憎さや恐ろしさを知っている日本人が、物質的な豊かさを求めて原子力を容認してきたという矛盾に、今こそ気付き是正をする時です。

「日本」という国名は、東の果てに位置することに由来していると考えられていますが、「太陽(日)の下(本)」とも考えられ、古来より太陽自然を崇めて生活をしてきました。太陽がなければ人間は生きられないことを知っていた日本人。太陽の下で自然が成り立つことを知っていた日本人。大いなる自然の力の前では無力なことを知っていたからこそ日本人は、自然と共存する道を歩んで来たはずなのに、いつしか自分達の都合で自然を破壊し、地球の悲鳴を生んでしまいました。しかし震災後の今、日本人としてのアイデンティティーはまだまだ健在であるということが、証明されつつあります。「日本人が日本人であり続ける事」「破竹会が東京歯科大学89期生の同級生の会であり続ける事」という当たり前の事に気付かされた自分達がいます。そして、今回の震災や原発問題を契機に、日本人としての誇りや価値観、生き方を社会に示し、経験から生まれた知恵を後世に繋いで行く事が、歯科医人生ど真ん中で、今を生きる私達の使命だと思います。

3月11日金曜日、午後2時46分。日本人にとって、忘れられない時間となりました。

この忘れられない時間、いえ、決して忘れてはいけない時間を乗り越えて行くには、気が遠くなるような沢山の時間がかかると思います。それでも、日本人として現実を直視し、国民一人一人が「愛国心」と「自助・公助・共助」の支え合う気持ちを持って取り組めば、新しい日本に生まれ変われると信じています。今後の日本の復興と共に、日本人としての原点に帰る価値観が復活すること、そして、「破竹会」という同級会の持つ意味が、アイデンティティーとして「竹馬の友」を呼び起こしてくれる事を、私は期待をしています。

今こそ、「がんばろう 日本」「つながろう 破竹会」ではないでしょうか?

【世話人会代表:鈴木聡行】

=破竹会青森大会(弘前大会)延期のお知らせ並びに東京総会開催のお知らせ=

4月17日に緊急世話人会が開催され、今秋予定されている破竹会青森大会を開催すべきか、また破竹会として被災した会員に対してどのように支援していくかが話し合われました。

その結果、今回の東日本大震災並びに未曾有の津波被害と今後1年以上続くと言われている余震、さらに予想される大規模な地震、大深部岩盤の崩壊に伴う東北地方の山岳部の土砂災害も心配されている事、その上福島第一原発の事故もまだまだ余談を許さない状況が続く中、今の時点で世話人会としてはこの方面での地方総会は安全を確保することが難しいと判断し、今年9月に予定しておりました青森大会を中止することとなりました。しかし、青森大会開催にあたり準備に奔走してくれた角倉君が今年でも来年でも対応しますよ、と言ってくれていますことから、青森大会は2年後に延期することに致しました。青森大会を楽しみしていた皆様には大変申し訳なく、ご迷惑をお掛け致しますことをお詫び申し上げます。

その代わりといってはなんですが、今年は東京での総会を開催する事となりました。今回の総会はホテルなどの会場は使わず質素に行う事とし、懇親会も居酒屋等で行い、被災地への応援の意味も込めて東北地方のお酒などを楽しもうと思います。また、日程は本来青森大会で予定していた中日の9月18日(日)に開催する運びとなりました。会場や会費などの詳細は追ってご連絡致します。

【世話人:堤 正幸】

=東日本大震災の被災報告=

3月11日に発生した東日本大震災において破竹会会員で被災された方がいらっしゃいます。福島県いわき市小名浜の秋元英典君、茨城県鹿島郡神栖町の沼田裕之君、千葉県浦安市今川の三浦克之君の3名の被災が確認されております。3人とも幸い怪我などは無いようですが、診療出来ない状態になっていました。この他にも被災された方がいらっしゃいましたら、世話人会までご連絡下さい。

以下会員MLでの被災された皆さんからの報告を掲載します。

秋元 英典

破竹会の皆様へ

 この度の震災に際し、皆様にご心配をおかけいたしておりますことに大変恐縮しております。私のところは被害は断水のみでした。やっと27日に復旧し4月1日から診療を再開いたしました。

 いわき市は、三陸、宮城、相馬市ほどではありませんが海岸線沿いは9メートルの津波で壊滅状態でした。 私は震災直後からいわき市内全域断水で診療可能な歯科医院は皆無でしたので、3日後に水道が復旧した保健福祉センターの休日救急歯科診療所で東京歯科大学81期卒のいわき歯科医師会会長、85期卒の専務理事と一緒に診療しながら、行政、県歯科医師会、日本歯科医師会との連絡係のお手伝いや地元マスコミの対応をしておりました。(ちなみに私は何でも屋の庶務です。)

 原発事故の影響でほとんどの歯科医師、薬剤師、医師がパニックになりながら避難している中で、立場上と言うことはありますが最後まで頑張ろうと言い合いながら任務を遂行しておりました。一緒に診療に携わっていただいた歯科衛生士さんやスタッフにはただただ感謝しております。

 24日には平井先生ご夫妻には同窓会本部からの支援物資をいわき市まで届けていただいて、避難所を廻って歯ブラシや義歯洗浄剤を配布するだでなく口腔ケアまで行ってくれたことには頭の下がる思いでした。津波で亡くなった方の検視もいわき市に残っていた歯科医師会の先生方に協力をお願いして行いました。

 福島県歯科医師会、いわき歯科医師会は福島県警や地元警察署と航空機事故を想定しての検視の実習を行っておりましたので直ぐに連携が取れて行うことができましたが津波による検視は想定外でした。

 現在は、完全に原発事故の恐怖、風評被害で大変ですがぼちぼち頑張ってまいります。

新浦安の三浦克之です。

みなさんいろいろと心配していただきありがとうございます。4月30日現在の状況を報告いたします。

本日から水道が本格的に使えるようになりました。しかし下水の使用制限があるためサクションが使用できず、うがいした汚水もスピットン下に携帯タンクをおいて、診療終了後に下水の使えるエリアに破棄しています。

一番困るのがトイレで、患者さん用は使用禁止状態、スタッフは、すぐ前の順天堂病院のトイレを無断拝借してます。浦安市から固まるトイレが支給されますが、使うのをためらってしまいます。そのうちに何とかなるでしょう。

 沼田 裕之です!

家のほうにも津波が1KM手前まで来ました。車が数十台土手,分離帯に引っかかってます。

家は幸い被害は軽微で昨日電気が来てくれたおかげで温かく眠れます。水道はしばらく駄目とのこと,

鹿島沖の震源のせいか当時は止めてある車が30CMぐらい飛び上がっていました!

皆の無事な知らせを聞いてほっとしてます。

今日は水を地下水でタンク補給で診療をしています。少しは役にたてるかな?(ホント診療室が崩れるかと思った!)

=東日本大震災お見舞金の募金のご案内=

今回の東日本大震災で被災された会員を支援する目的で募金を行います。金額は1口いくらとはあえて設定しておりません。皆様の誠意でいくらでも結構です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

こうした支援はなるべく早い方が良いということで第一段として5月10日までに集めることとし、それ以降も順次受け付けて、まとまった金額になった時点で更にお見舞い金を被災した会員にお渡ししたいと思います。被災された皆さんへのお見舞い金は診療できなかった日数に比例して配分させて頂きます。

募金の振り込みは同封の振込用紙をご利用下さい。大変恐縮ですが振込手数料はご負担下さい。

なお、今回の募金に関して募金者と金額は非公開とし、会計報告は募金総額と被災者への配分のみの公開とさせて頂きます。

       振込先 : 郵便為替        

      口座番号 : 00180−9−21946           

      加入者名 : 破竹会

阪神淡路大震災で被災された村岡君の体験談を以下に掲載致します。

村岡 光明

災害時の経験について問われましたので何か無いかと考えておりましたが、特にたいしたことはしなかったのでよい知恵をお伝えすることが出来ません。ただ目の前の問題に淡々と対処していくしかないですよね。

災害時には衣食住すべてについて問題を抱えることになりますが、その時と場所により対処法は変わってくるでしょう。仕事とかのしがらみが無く、被災していない避難可能な場所がある方は、出来るだけ早急に避難されるのが鉄則とは思っています。

今回も関西にも多くの方が避難されているようです。多くの人が自力で避難すれば、地元で避難所生活をしなければいけない人へ手厚く救済の手が届くことになります。

嬉しかったことと言えば、誠君はじめ何人かの人たちが心配して電話くれたことでしょう。今みたいに携帯なんて無かったから私を捜すのも大変でしたのにね。ありがとうございました。

それとクラブのOBの方や同級の方からも義援金をいただきました。急に収入が無くなりそれでもスタッフの面倒を見なくてはいけないときにやはり大変嬉しかったです。

叔父が言うところでは、2ヶ月の運転資金はいつもストックしておかないといけないそうです。もっともな話ですが、恥ずかしながら貧乏な我が診療所ではなかなかそれだけの余裕はないです。もっともうちは全壊しましたので2ヶ月分どころではなかったですが、でも2ヶ月すると銀行の借り入れも出来ますし共済金なども有れば入ってきます。

一昨日東京の親戚からお米を送ってくれと言われ手配しました。実は神戸でもスーパーからはお米が消えていますが、患者さんにお米屋さんがいるのでなんとかなりました。

本当は備蓄米などを考えると今すぐにお米が無くなるわけはないのに無用な買いだめのために手に入らなくなる。本当に困ったことです。こういう無意味なパニック状態だけはどうにかして欲しいものです。

=破竹会費並びに共済について=

今回の震災にあたり、破竹会メーリングリストで代表の鈴木君から見舞金を破竹会会計からも出したいといった主旨の話しがあり、会員の皆さんから破竹会会計や会費について多くのお問い合わせやご意見を頂戴しました。この件に関して少しご説明したいと思います。

破竹会会費は会を運営して行く為に皆さんから年額3,000円を徴収させて頂いております。そもそも会費金額の決定にあたっては、共済規定ですが、会則作った時に共済規定を入れなかったのは共済が成り立たないからでした。152人で共済を作ろうといろいろと動いてみたのですが、母集団が小さすぎて共済が成り立たない、または、高額を集めないと成り立たないということで断念しています。その際に、同窓会に共済規定があるので、そのような場合は、そちらから見舞金が出るからということで世話人(当時は、役員)内で合意した経緯があります。

卒業後アルバムの積立金の残金が有ったことから10年間は徴収しないこととし、その後は会費を共済も含めて年間1万円にしてはどうかという意見がでましたが、共済は死亡時に限定し会費も通信費等を含めて最小限にしようという事で年額3,000円になりました。現在までの積立金は以下の様になりますが、会則にございますように死亡時の供花と香典1万を出していくとギリギリの予算であり、また今後年数を重ねるごとに会員数も減少し、会費収入もそれに伴って減少する事を考えると災害や傷病時の見舞金までは賄えないことがお判りになると思います。以上のことから世話人会での協議の結果、今後もこのような災害時は破竹会会計からは支出しないこととし、その都度協議の上募金活動をする事になりました。

また会費未納で滞納されている方もいらっしゃいますが、この会は同級生で構成するクラス会ですから、破竹会は東京歯科大学で同じ釜の飯を喰ったかけがえのない仲間です。破竹会会則第3条にもありますように、破竹会の目的は「会員相互の親睦ならびに福祉の増進を図る」でありますので、何卒、会の主旨をご理解頂き未納の皆さんは会費をお納め頂きたいと思います。

また、会費の使途についてもご質問がございましたが、主な使途は通信費並びに死亡時共済、そして総会開催時の補助(講師謝礼および雑費)です。さらに一昨年の卒後25周年記念DVDや破竹会旗も本会の目的「会員相互の親睦ならびに福祉の増進を図る」により会計から出しております。ご参考のため会則を巻末に添付致します。

破竹会会計

 4月15日現在の残高 定期 2,222,860円、普通口座329,412円

 

前回総会時の普通口座残高 783,586円

 その後の主な出費

  破竹会会旗、25周年記念CD関連、総会時講演会謝礼、総会雑費、清信家、メール

便など 454,174円

 収入 前回再請求分、今回請求分 457,930円(4月19日現在)

【会計 渡邉武之】

=世話人会会務報告=

  • 平成23年度第1回破竹会世話人会 平成23年4月17日  堤歯科クリニック

【世話人:堤 正幸】

破竹会会則
昭和60年11月2日施行 平成2年10月13日改正 平成8年11月23日改正 平成9年8月31日改正 平成18年4月1日改正

  • 総則

(名称)   第1条 本会は、破竹会(はちくかい)と称する。
(事務所)  第2条 本会は、事務所を東京都千代田区三崎町2丁目9番18号東京歯科大学同窓会本部内に置く。
(目的)   第3条 本会は、会員相互の親睦ならびに福祉の増進を図るとともに、母校の発展に寄与する事を以て目的とする。 

第2章 会員  
第4条 本会の会員を正会員および特別会員とする。   
第1項 正会員は、東京歯科大学第89期生とする。   
第2項 特別会員は、正会員以外の者で在学時のクラス主任、進学課程幹事、学年主任、副主任および破竹会が認めたものとする。

第3章 運営  
第5条 本会の運営するために運営委員会を組織する。   
第1項 運営委員会は、破竹会の代表、会計、世話人(有志)、監査役で組織する。   
第2項 代表、会計および監査役の任期は、4年とする

第4章 会計 (経費)  
第6条 本会の経費は、会費および寄付金とする。
(会計)  第7条 平成2年10月13日を以て特別会計を破棄し、破竹会会計を設ける。
(会計年度)  第8条 本会の会計年度は、4月1日に始まり翌年の3月31日に終わる。
 第9条 会費は、年3,000円とする。

第5章 共済規定  
第10条 会員の福祉の増進を図るために、共済規定を設ける。   
第1項 共済基金は、会員の慶弔の場合の共済金として運営する。   
第2項 共済基金は、会計に含まれるものとする。   
第3項 共済金の金額は次の通りとする。        
1) 会員の死亡 10,000円および生花または花輪代        
2) 会員の1親等および配偶者の死亡 弔電代   
第4項 その他の場合には、随時審議し対処方法を決定する。

第6章 付則  
第11条 本規約は、正会員の1/2の賛成を以て改正できるものとする。

本規約は、昭和60年11月2日の第2回破竹会総会の議事により決定する。 本規約は、平成2年10月13日の第3回破竹会総会の議事により改正する。 本規約は、平成8年11月23日の第5回破竹会総会の議事により改正する。 本規約は、平成9年8月31日に改正する。 本規約は、平成18年4月1日に改正する。

 
            

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